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少子化対策推進基本方針について

少子化対策推進基本方針について

少子化対策推進基本方針(要旨)

第1 目的及び基本的考え方
1.基本方針策定の目的

○ 近年の出生率の低下は、将来の我が国の社会経済に広く深刻な影響を与える懸念。

「少子化への対応を考える有識者会議」の提言(平成10年12月)の趣旨を踏まえ、政府が中長期的に進めるべき総合的な少子化対策の指針として、この基本方針を策定。

2.基本的考え方
(1) 少子化の原因と背景

○ 出生率低下の主な要因は、晩婚化の進行等による未婚率の上昇。その背景には、仕事と子育ての両立の負担感の増大や子育ての負担感の増大。

(2) 少子化対策の趣旨及び基本的視点

○ 少子化対策は、仕事と子育ての両立の負担感や子育ての負担感を緩和・除去し、安心して子育てができるような様々な環境整備を進め、家庭や子育てに夢や希望を持つことができる社会にしようとするもの。

○ 少子化対策の推進に当たっては、次の基本的視点に立つことが適当。
  • 結婚や出産は、当事者の自由な選択に委ねられるべきものであること。
  • 男女共同参画社会の形成や、次代を担う子どもが心身ともに健やかに育つことができる社会づくりを旨とすること。
  • 社会全体の取組みとして、国民的な理解と広がりをもって子育て家庭を支援すること。

第2 基本的な施策
1.固定的な性別役割分業や職場優先の企業風土の是正
(1) 固定的な性別役割分業の是正

○ 職場における性別役割分担の是正や男女の雇用機会均等の確保
○ 家庭における男女共同参画に係る広報・啓発活動
○ 農山漁村における男女共同参画の推進
○ 男女共同参画に関する学習の推進など、男女共同参画社会の形成の促進
○ 個人のライフスタイルの選択に中立的な社会制度の検討

(2) 職場優先の企業風土の是正

○ 国民的キャンペーンの実施 など

2.仕事と子育ての両立のための雇用環境の整備
(1) 育児休業を取りやすく、職場復帰をしやすい環境の整備

○ 育児休業給付の給付水準の引上げの実施
○ 復帰後の職務や処遇の在り方等について制度面を含めた検討
○ 代替要員を確保し、原職等に復帰させた事業主に対する援助措置の創設

(2) 子育てのための時間確保の推進等子育てをしながら働き続けることのできる環境の整備

○ 短時間勤務制度等子育てに配慮した勤務時間制度の拡充やテレワーク・SOHOの普及等による子育てのための時間確保の推進
○ 労働時間短縮等の推進
○ 子どもの看護のための休暇の普及促進等
○ 事業主による子育てへの支援の促進 など

(3) 出産・子育てのために退職した者の再就職の支援等

○ 出産、子育てのために退職した者に対する再就職等に関する情報提供や学習の支援
○ 女性起業家に対する支援や在宅ワーク対策の推進 など

(4) 企業の子育て支援の取組みに対する評価等
○ ファミリー・フレンドリー企業を目指す企業の支援 など

3.安心して子どもを産み、ゆとりをもって健やかに育てるための家庭や地域の環境づくり
(1) 母子保健施策の推進

○ 妊娠・出産の安全性や快適さの確保と不妊への支援
○ 子どもの体の健やかな発達を図るための環境整備
○ 育児不安の解消と子どもの心の安らかな成長の促進 など

(2) 子育て等に関する相談・情報提供体制の整備と家庭教育の支援

○ 地域子育て支援センター・児童家庭支援センターの整備
○ 出産・子育てに関する地域情報の提供
○ 家庭教育への支援 など

(3) 子育て等に関する地域交流の活性化

○ 地域における子育て支援ネットワークの整備
○ 遊び場・交流の場の確保
○ 幼稚園の開放・活用や「全国子どもプラン」を踏まえた施策の実施等、地域の教育環境の整備 など

(4) 多様な需要に応える地域の子育て支援体制の整備

○ 安心して預けられる一時的な保育サービスの普及促進
○ 地域において子育ての相互援助活動を行うファミリー・サポート・センターの拡充 など

(5) 児童虐待への対応

○ 要保護児童に関する通告義務等についての啓発、児童相談所等の機能強化等
○ 児童養護施設の機能の強化等

(6) 農山漁村における子育て支援のための環境づくり

○ 農作業と子育てが両立しやすい環境の創出など女性が住みやすい農山漁村の環境整備

(7) 子どもを犯罪等から守る活動の推進

○ 子どもの被害防止活動、被害にあった子どもの保護の推進
○ 防犯ボランティアに対する支援等
○ 子どもを取り巻く有害環境対策の推進
○ 体験的な交通安全教育の提供

(8) 児童手当

○ 児童手当については、少子化対策を推進する観点から、具体的財源確保、扶養控除制度や他の社会保障制度等との関係等に留意しつつ、給付及び費用負担の在り方等について引き続き検討

4.利用者の多様な需要に対応した保育サービスの整備
(1) 必要なときに利用できる保育所等の受入枠の整備等

○ 保育所の受入枠の整備など、保育サービスの計画的整備
○ 放課後児童健全育成事業の推進

(2) 利用者の視点に立った多様な子育て支援サービスの普及促進

○ 延長保育等の推進による保育所の機能強化
○ 病気回復時の子どもに対する保育の普及促進
○ 幼稚園と保育所の連携の推進や幼稚園における子育て支援の充実
○ 事業所内託児施設の設置・運営に対する支援の充実

(3) 保育サービスの質の確保と情報公開の推進

○ 保育担当者の資質の向上に向けた研修等の推進
○ 保育サービスに関する情報提供の推進 など

5.子どもが夢を持ってのびのびと生活できる教育の推進
(1) 「生きる力」を育てる学校教育等の推進

○ 「生きる力」を育てる学校教育の推進
○ 自然とのふれあいの機会の提供による体験学習の推進

(2) 柔軟な学校教育制度への改革

○ 高等学校教育の改革と中高一貫教育の推進や教員採用方法の改善等
○ 幼稚園と小学校の連携

(3) 学校、地域における家庭や子育ての意義等に関する学習の推進

○ 子育ての意義等に関する学習の推進
○ ボランティア活動等の単位認定の推進

(4) 開かれた学校づくりの推進

○ 学校評議員制度の導入
○ 学校と家庭や地域社会との連携、学校の地域開放の推進

(5) 多様な人生設計に対応した柔軟な大学制度

○ 大学への社会人の受入れの拡大など

(6) 教育に伴う経済的負担の軽減

○ 幼稚園就園奨励事業、私学助成等による親の経済的負担の軽減や育英奨学事業の充実

6.子育てを支援する住宅の普及など生活環境の整備
(1) 良質な住宅の整備

○ 子育てを支援する良質な住宅、居住環境の整備 など

(2) 子ども連れでも安心して外出等ができる生活環境の整備

○ 安全な生活環境や遊び場等の整備
○ 子育てをしながら生涯学習、スポーツ、文化活動等に親しめる環境の整備
○ 妊婦、子ども連れにとって利用しやすい公共交通機関の整備
○ 安全な道路交通環境の整備や安全・安心まちづくりの推進

(3) 農山漁村における生活環境の整備

○ 良好な自然環境づくりや農山漁村の生活環境の整備の推進

第3 少子化対策の推進体制等
(1) 重点施策についての具体的実施計画

○ 少子化対策推進関係閣僚会議において、本基本方針に沿った施策のフォローアップを実施。少子化への対応を推進する国民会議の活動を通じた国民的な取組みや情報発信を促進。
○ 特に重点的に取り組むことが必要な分野である働き方、保育サービス、相談支援体制、母子保健、教育、住宅等については、施策の具体的実施計画(新プラン)を策定。

(2) その他

○ 少子化が進む他の先進諸国との意見交換
○ 公務員についての取組み
○ 地方公共団体における地域の特性に応じた施策の推進

 


少子化対策推進基本方針

平成11年12月17日
少子化対策推進関係閣僚会議

第1 目的及び基本的考え方

1.基本方針策定の目的

 近年、合計特殊出生率は、低下の一途をたどり、人口を維持するのに必要な水準を大幅に下回っている。こうした急速な少子化は、労働力人口の減少、高齢者比率の上昇や市場規模の縮小、現役世代の負担の増大などを通じ、経済成長へのマイナス効果や地域社会の活力の低下、子どもの健全な成長への悪影響など将来の我が国の社会経済に広く深刻な影響を与えることが懸念されている。
 少子化への対応については、平成10年12月に「少子化への対応を考える有識者会議」によって提言が取りまとめられ、広く国民的な取組みを進めることが課題となっている。政府においても、この提言の趣旨を踏まえ、各般にわたる取組みを進めてきたところであるが、今般、今後の施策の適切かつ効果的な推進を図るため、政府が中長期的に進めるべき総合的な少子化対策の指針として、この基本方針を定めるものである。

2.基本的考え方

(1) 少子化の原因と背景

 近年の出生率低下の主な要因としては、晩婚化の進行等による未婚率の上昇がある。その背景には、結婚に関する意識の変化と併せて、固定的な性別役割分業を前提とした職場優先の企業風土、核家族化や都市化の進行等により、仕事と子育ての両立の負担感が増大していることや、子育てそのものの負担感が増大していることがあるものと考えられる。なお、昭和50年代前半以降、夫婦の平均出生児数は平均理想子どもの数よりも少なく、ほぼ一定の開きがあるまま推移してきているが、こうした仕事と子育ての両立の負担感が、その要因の一つとなっているものと考えられる。

(2) 少子化対策の趣旨及び基本的視点

 少子化対策は、こうした少子化の原因と背景に対応して、仕事と子育ての両立に係る負担感や子育ての負担感を緩和・除去し、安心して子育てができるような様々な環境整備を進めることにより、21世紀の我が国を家庭や子育てに夢や希望を持つことができる社会にしようとするものである。
 少子化対策の推進に当たっては、次のような基本的視点に立つことが適当である。

(1) 結婚や出産は、当事者の自由な選択に委ねられるべきものであること。
(2) 男女共同参画社会の形成や、次代を担う子どもが心身ともに健やかに育つことができる社会づくりを旨とすること。
(3) 社会全体の取組みとして、国民的な理解と広がりをもって子育て家庭を支援すること。

 

第2 基本的な施策

1.固定的な性別役割分業や職場優先の企業風土の是正

(基本的考え方)
 家庭や職場、地域における固定的な性別役割分業や職場優先の企業風土の是正を図ることは、これから結婚・出産・子育てに臨もうとする若い男女が家庭や子育てに夢を持ち、また子育ての喜びと働く喜びを同時に得ることができる社会を築くための基本的な課題であるとの考え方に立って、以下に掲げる施策に取り組むものとする。

(1) 固定的な性別役割分業の是正

(職場における性別役割分担の是正)
○ 職場における固定的な性別役割分担意識を解消するための啓発活動、適切な職業選択・キャリア設計を促すための意識啓発・情報提供、女性の職域拡大につながる能力開発等の施策を推進する。

(男女の雇用機会均等の確保)
○ 企業、労働者等に対する男女雇用機会均等法の周知徹底により、男女雇用機会均等の確保を図る。また、企業における女性労働者の能力発揮を促進するための積極的取組み(ポジティブ・アクション)を普及・推進するための施策を強化する。

(家庭における男女共同参画に係る広報・啓発活動)
○ 家庭内における男女の固定的役割分担意識を見直し、家事や子育てへの男女共同参画を促進するため、広報・啓発活動を推進する。

○ 若い世代に向けて子育ての意義や喜びについての広報・啓発活動を推進するとともに、中・高校生や大学生が、地域の幼稚園、保育所、児童館などで、幼児・児童とのふれあいや交流等を経験する機会づくりを推進する。

(農山漁村における男女共同参画の推進)
○ 農山漁村男女共同参画推進指針を定め、農山漁村における男女共同参画社会の形成のための施策への取組みを強化するとともに、地域社会への広報・啓発活動など固定的な性別役割分業の是正に向けた施策を展開する。

(男女共同参画に関する学習の推進)
○ 子育て、家庭づくりを男女が共同して行えるよう、子どもの頃からの男女共同参画に関する学習を推進することとし、学校教育において、男女平等を推進する学習を充実するとともに、教員研修の実施等も併せて推進する。

○ 地域や家庭、職場において、幅広い世代のための男女共同参画に関する多様な学習機会の提供等を推進する。

(個人のライフスタイルの選択に中立的な社会制度の検討)
○ 女性の就業をはじめとする個人のライフスタイルの選択に中立的な社会制度を構築していくため、社会保障や税等の諸制度・慣行について、様々な世帯形態間の公平性や諸外国の動向等にも配慮しつつ、総合的に検討する。

(男女共同参画社会の形成の促進)
○ 以上に掲げるもののほか、固定的な性別役割分担意識を是正し、男女共同参画社会の形成を促進していくため、男女共同参画2000年プラン及び男女共同参画社会基本法に基づき、総合的な施策の推進を図ってきたところであり、今後、同法及び同法に基づいて策定される男女共同参画基本計画に沿った総合的な施策の推進に努めるものとする。

(2) 職場優先の企業風土の是正

(国民的な広報活動の実施)
○ あらゆる媒体を利用し、職場優先の企業風土の是正や、職業生活と家庭生活との均衡がとれる働き方が重要であることについて、労使を始めとする国民一般の理解を深めるため、労使の協力を得て、広く意識啓発のための広報活動を実施する。

(ファミリー・フレンドリー企業の普及促進)
○ 仕事と子育てが両立できる様々な制度を持ち、短時間勤務、フレックスタイム制などの弾力的な労働時間制、在宅勤務等多様かつ柔軟な働き方ができるような取組みを行うファミリー・フレンドリー企業への理解を深めるため、企業経営者や管理職を対象とした研修を実施するなど、ファミリー・フレンドリー企業の概念を企業に普及・定着させる。

2.仕事と子育ての両立のための雇用環境の整備

(基本的考え方)
 我が国の労働力供給が数年後には減少に向かうことが見込まれる中で、男女共同参画の視点等も踏まえれば、少子化への対応としては、女性の就業を前提とした上で、男女とも仕事と家庭の両立を容易にできるような雇用環境を整備することが重要である。
 このため、以下に掲げるとおり、育児休業制度、労働時間等について仕事と子育ての両立を支援する観点から施策を推進するとともに、仕事と子育ての両立を目指した労使の取組みの促進を図るものとする。

(1) 育児休業を取りやすく、職場復帰をしやすい環境の整備

○ 労働者が育児休業を取りやすくなるよう、また、育児休業後、円滑に職場復帰して、その経験、能力を活かして働き続けることができるよう、育児休業給付の給付水準を引き上げるとともに、復帰後の職務や処遇の在り方等について制度面も含め検討を行う。また、育児休業取得者の代替要員を確保し、原職又は原職相当職に復帰させた事業主に対する援助措置を創設するなど環境整備を行う。

(2) 子育てのための時間確保の推進等子育てをしながら働き続けることのできる環境の整備

(子育てのための時間確保の推進)
○ 短時間勤務制度等子育てに配慮した勤務時間に関する制度を拡充する。

○ 平成14年3月31日までに、子育てを行う労働者の時間外労働が長時間にわたる場合に時間外労働の免除を請求することができる制度について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずる。

○ 労働者が子育て期間中に仕事と子育てを両立することが容易となるよう、柔軟な勤務形態や多様な働き方の普及促進等を行う。具体的には、半日勤務、隔日勤務の普及促進、在宅勤務等テレワークの適正な労務管理の下での普及、情報通信機器を活用して自営的に行う在宅ワークの子育て期の良好な就業形態としての普及を図る。
また、テレワーク・SOHO(情報通信を活用し自宅等で仕事を行う勤務形態)の普及を図るため、経営指導等の推進や在宅勤務等に資する情報通信技術の研究開発等による環境整備を図る。

(労働時間の短縮等の推進)
○ 所定外労働の削減等による年間総実労働時間1,800時間の達成・定着及びフレックスタイム制の普及等による自律的、創造的かつ効率的な働き方の実現を図る。

(子どもの看護のための休暇の普及促進等)
○ 子どもの看護のための休暇制度について、労働者の仕事と子育ての両立を容易にする観点から普及を促進するとともに、その制度の在り方について検討を行う。
(事業主による子育て支援の促進)
○ 事業主が従業員の子育て支援を行うことを促進するため、事業主による子育て費用の一部負担や従業員が利用できる事業所内託児施設の設置等に対する助成制度を拡充する。

(情報提供等)
○ 子育てをしながら働き続ける労働者などに対し、様々な保育サービスについてのきめ細かな情報提供や、仕事と子育ての両立を容易にする方法等についての講習・相談を拡充する。

(3) 出産・子育てのために退職した者の再就職の支援等

(出産・子育てのために退職した者に対する支援)
○ 出産や子育てにより退職した者のうち将来的に再就職を希望する者が、その能力、経験を最大限に活かすことができるようにするため、インターネットの活用を含めた情報提供や、講習、相談、自己啓発への支援等を拡充するとともに、能力を発揮できる場の確保、適切なマッチングに努める。

(出産・子育て後の再就職等に関する学習の支援)
○ 公民館の講座や大学公開講座などで、女性の再就職、職場復帰、起業等に関する再就職等支援のための講座の充実を図るとともに、大学等の公開講座における衛星通信やインターネットの活用の在り方を検討する。放送大学や専修学校等においては、女性の再就職、職場復帰を支援するための学習機会を提供する。

(女性起業家に対する支援)
○ 多様な働き方による女性の能力発揮を促進するため、「女性と仕事の未来館」における起業を希望する女性に対する相談やセミナーの実施、情報提供、中小企業金融公庫・国民生活金融公庫による融資制度等の支援策を充実する。

(在宅ワーク対策の推進)
○ 子育て・介護期にある者を中心に仕事と家庭の両立が可能となる柔軟な就労形態の一つである在宅ワークが健全に発展していくために、在宅ワークの適正な実施を確保するためのガイドラインを策定し、周知・啓発するとともに、在宅ワーカー等に対する情報提供、相談体制の整備、基礎的セミナーの実施等の支援策を推進する。

(進路指導の改善・充実)
○ 学校において、結婚、出産、子育てを含めた生き方について考える機会を充実する。また、中・高校生の主体的な進路選択が可能となるよう各学校における進路ガイダンス機能を充実するなど、進路指導の改善・充実に努める。

(4) 企業の子育て支援の取組みに対する評価等

○ 仕事と子育てが両立できる様々な制度を持ち、多様かつ柔軟な働き方ができるような取組みを行う企業の表彰など、ファミリー・フレンドリー企業を目指す企業を支援し、企業の自主的な取組みを促進する。

○ 企業の福利厚生制度であるカフェテリアプラン(従業員が利用枠の範囲内でメニューを選択できる仕組み)については、労働条件の低下、切下げとならないよう配慮しつつ、育児関連福利厚生メニューの充実が図られるよう推進する。

3.安心して子どもを産み、ゆとりをもって健やかに育てるための家庭や地域の環境づくり

(基本的考え方)
 若い世代が安心して子どもを産み、ゆとりをもって健やかに育てていくことができるようにするためには、子育て家庭を社会全体で支援していく観点から、家庭や地域の機能を支えるための仕組みを構築していくことが重要である。
 このため、以下に掲げる各種の施策について、特に物心ともに子育ての負担感が大きい低年齢児を中心として、総合的に推進するものとする。

(1) 母子保健施策の推進

(妊娠・出産の安全性や快適さの確保と不妊への支援)
○ 母胎が危険な状況にある妊産婦や低出生体重児に対して高次の医療機関で適切な対応を行う、総合周産期母子医療センターを中核とした地域の周産期医療ネットワークの整備を推進する。また、国立大学附属病院における周産母子センターの整備や、周産期医療施設・設備の整備を推進する。

○ 妊産婦に対する保健サービスについて、利便性の向上、精神的ケアを推進する。
また、父親への妊娠・出産に関する情報提供、啓発等を推進する。

○ 不妊で悩む人々への専門的な相談や情報提供体制を整備する。また、不妊治療に係る研究を推進する。

○ 労働基準法等に基づく働く女性の母性保護について周知徹底を図る。特に、事業主が女性労働者の妊娠中の通勤緩和等母性健康管理の措置を講じやすくするための「母性健康管理指導事項連絡カード」の普及を促進する。また、事業所内における母性健康管理体制の整備への支援、相談、情報提供体制の充実等、働く女性が妊娠・出産後も安心して働くことのできる環境整備を推進する。

(子どもの体の健やかな発達を図るための環境整備)
○ 小児救急医療体制の整備、小児医療施設・設備の整備、小児科の当番医の情報提供を推進する。また、十分な小児科医の確保に努めるとともに、小児医療の研究を推進する。

○ 乳幼児に対する保健サービスについて、休日に実施すること等により利便性を向上させるとともに、子どもの状況に応じたきめ細かな対応を推進する。また、子どもの事故防止や乳幼児突然死症候群予防対策を推進する。さらに、予防接種に関する適切な情報の提供を進め、接種率の向上を図る。

○ 母性・小児疾患に対する高度な医療を行うとともに、周産期、小児期、成人期と一貫した最先端の医療を行うナショナルセンターとして、国立成育医療センター(仮称)を平成13年度に開院する。
また、国立成育医療センターを中心として、成育医療の機能を有する国立病院・療養所による診療、臨床研究、教育研修、情報発信の全国的な政策医療ネットワークを構築する。

(育児不安の解消と子どもの心の安らかな成長の促進)
○ 育児不安に対する相談・情報提供・精神的ケア等を推進する。また、産褥期ヘルパーの派遣により、産褥期の体調の悪い母親の育児を支援する。

○ 親子の心の健康問題について、専門的な医療・相談体制の充実や研究を推進する。また、この問題についての地域における活動や関係機関の連携体制の構築を支援する。

(思春期における健康教育の推進)
○ 思春期の男女に対する性感染症、避妊、喫煙、食習慣等に関する教育・相談・情報提供等を充実する。また、健康診査の場、保育所、乳児院等において、思春期の男女を対象とした乳幼児とのふれあい体験学習を推進する。

○ 学校における性教育については、人間尊重の精神を基盤として、児童生徒の発達段階に応じて性に関する科学的知識を理解させるとともに、児童生徒が健全な異性観を持ち、これに基づいた望ましい行動がとれるようにすることを目標とし、各教科を通じて指導を充実する。

(2) 子育て等に関する相談・情報提供体制の整備と家庭教育の支援

(いつでも気軽に相談できる体制の整備・充実)
○ 妊娠・出産等に関わる心身の健康の悩みや子育ての悩みなどについて、気軽に相談ができ、情報が得られる体制を住民に身近な地域において整備する。

○ このため、市町村保健センター、地域子育て支援センター、家庭児童相談室等を中心として、保育所・児童館等の地域の拠点施設や、母親クラブ・子育てサークル等の地域組織を含め、住民に身近なところでの相談支援体制の構築を推進する。

(地域子育て支援センターの整備)
○ 保育所や児童館等において、育児相談や子育てサークルの支援等を行う地域子育て支援センターの整備を推進する。また、保育所が地域の子育て支援機能を担えるような施設・設備の整備を進める。

(児童家庭支援センターの整備)
○ ひきこもり・不登校、非行や虐待など、複雑な問題を抱える家庭の悩みに関する相談に応じるとともに、児童相談所等との連携・連絡調整等を総合的に行う児童家庭支援センターの整備を進める。

(情報提供の推進)
○ 保育所、医療機関や遊び場等、地域における出産・子育てに関する各種資源の状況について、小冊子等により住民にきめ細かく情報を提供する。

○ 子育ての悩み等に対応できるよう、24時間家庭教育電話相談など地域における子育てに関する相談機能、情報提供機能の充実を図る。

(家庭教育への支援)
○ 基本的な生活習慣・生活能力、豊かな情操、他人に対する思いやり、善悪の判断など基本的な倫理観、社会的なマナー、自制心や自立心など「生きる力」の基礎的な資質や能力を培う家庭教育を支援していくため、地域における子育てに関する学習活動を推進する。特に、父親の家庭教育への参加を推進するため、職場においても家庭教育に関する学習が可能となるよう、企業関係者との連携を図り各種の学習機会を提供するなど、企業における家庭教育支援を推進する。

○ 家庭でのしつけの参考となる啓発資料を作成し、乳幼児や小・中学生等を持つ家庭に提供する。

(3) 子育て等に関する地域交流の活性化

(地域交流への支援)
○ 出産・子育て等について地域における住民同士の交流が活発化するよう、児童館をはじめとする交流の場の提供や、交流活動に係る情報提供など、子育てサークル等への支援を推進する。

(地域における子育て支援のためのネットワークの整備)
○ 地域において、小・中学校、幼稚園、公民館、児童相談所等関係機関・施設が連携・協力しつつ、子育て支援に参加意欲を持つ人々を活用し、子育てに関するしつけや悩みについて気軽に相談に応じるなどの子育て支援のためのネットワークの整備を推進する。

(遊び場・交流の場の確保)
○ 子どもが安心して遊ぶことができ、併せて異年齢児童間の交流や親同士の交流も図れるよう、児童館等の施設の整備や企業の福利厚生施設等の活用を推進する。

(子どもをのびのび育てる地域の教育環境の整備)
○ 幼稚園や小・中学校を放課後や土曜・日曜日に開放して子どもの遊び場として提供し、地域の人々と子どもの交流を進めるとともに、幼稚園、保育所等の施設と小・中学校との複合的整備や、学校の余裕教室等を利用した保育所や放課後児童クラブの整備、子育てサークルへの開放を進めるなど、学校を子育て支援の拠点としても活用する。

○ 未就園児を含め近隣の親子が気軽に遊び、ふれあい、子育てに関する経験を交流したり、悩みの相談に応じたりするなど、幼稚園を地域の幼児教育センターとして、その施設や機能を開放・活用し、積極的に子育てを支援する活動を推進する。

○ 夢を持ったたくましい子どもを地域で育てるため、様々な活動機会についての情報提供や、自然体験・職業体験などの体験活動等の機会と場の提供を図る「全国子どもプラン」を踏まえ、各種の施策を実施することにより、地域で子どもを育てる環境を整備し、親と子どもの活動を振興する体制を整備する。

○ 子どもが心身ともに健全に育つことができるよう、子どもから高齢者までの様々な年齢・技術・技能の人が、各自の希望等に応じ様々なスポーツを定期的・継続的に行うことのできる地域のスポーツ環境の整備を推進する。

(4) 多様な需要に応える地域の子育て支援体制の整備

(安心して預けられる一時的な保育サービスの普及促進)
○ 急な用件やパートタイムで働く場合などに保育所で一時的に子どもを預かる一時保育について、より使いやすく身近に利用できるよう普及を図る。また、ベビーシッターの利用などの普及を図る。

(安心して預けられる子育ての相互援助活動への支援)
○ 急な残業や子どもの急病等臨時的、突発的な保育需要に対応するため、地域において会員制で相互援助活動を行うファミリー・サポート・センターを拡充する。

(多様な家庭の子育て支援)
○ ひとり親家庭においては、就労と子育ての両立が特に重要であることを踏まえ、就労に必要な知識技能の習得のための講習会や、児童福祉施設等における児童の一時的な預かりの実施などにより、ひとり親家庭の子育て支援を行う。

○ 実親の養育等を受けられない児童について、家庭の中で児童の自立を支援する観点から、里親制度を一層活用する。

(5) 児童虐待への対応

○ 児童虐待については、「児童虐待の防止に関する件」(平成11年12月10日衆議院青少年問題に関する特別委員会決議)の趣旨を踏まえ、早期の発見のため、要保護児童に関する通告義務等についての啓発を行うとともに、適切かつ早期の対応を図るため、児童相談所等の機能強化、児童家庭支援センターの整備の推進、関係機関の連携体制の整備等を行う。

○ 近年、虐待により児童福祉施設に入所してくる児童が増加していることから、そのような児童の自立を支援するため、児童養護施設の機能の強化及び情緒障害児短期治療施設の整備を進める。

(6) 農山漁村における子育て支援のための環境づくり

(女性が住みやすい農山漁村の環境整備)
○ 農山漁村は自然環境に恵まれ、子育てに適した良好な環境にあることから、このような農山漁村地域を若い世代、とりわけ若い女性にとって住みやすく魅力あるものにしていくものとする。

○ このため、農林水産業に従事する女性がいきいきと活動できる環境整備を進める観点から、家族間において就業条件や経営の役割分担、収益配分などについて文書で取り決めを交わす家族経営協定の締結の促進等、農作業と子育てが両立しやすい環境の創出に向けた施策を展開する。

○ 農山漁村地域における未婚者の性別構成が不均衡な状況に対処して女性の定着・定住を図るため、開かれた社会づくりに向けた施策を推進する。

(7) 子どもを犯罪等から守る活動の推進

(子どもの被害防止活動の推進)
○ 子どもを被害者とする犯罪の防止のため、警察から、子どもに対する犯罪の発生状況や危険箇所等に関する情報を学校、PTA、家庭に積極的に提供するとともに、学校等との連携を強化し、子どもに対する防犯指導を推進する。

(被害にあった子どもの保護の推進)
○ 少年サポートセンター等を中心として、被害を受けた少年及びその家庭等に対し、相談、カウンセリングを実施するなど、組織的かつ継続的な支援を推進する。

(防犯ボランティアに対する積極的な支援等)
○ 子どもが犯罪等にあったときの緊急避難所である「子ども110番の家」等に対して、地域における子どもに対する犯罪の発生状況等の情報を提供するとともに、ボランティアによるパトロール等の活動を積極的に支援する。また、「子ども110番の家」として郵便局等も活用する。

(子どもを取り巻く有害環境対策の推進)
○ PTA、ボランティア等と連携して、街中にまん延するポルノ情報等、子どもの健全育成に有害な環境の浄化活動を推進する。

(体験的な交通安全教育の提供)
○ 地域における交通安全教育関係者等の連携・協力体制の強化を図り、参加・体験・実践型の交通安全教育が、「交通安全教育指針」に基づき段階的かつ体系的に行われるようにする。

(8) 児童手当

○ 児童手当については、少子化対策を推進する観点から、具体的財源確保、扶養控除制度や他の社会保障制度等との関係等に留意しつつ、給付及び費用負担の在り方等について引き続き検討する。

4.利用者の多様な需要に対応した保育サービスの整備

(基本的考え方)
 核家族化やライフスタイルの多様化等に伴う様々な保育サービス需要に適切に対応し、仕事をはじめとする社会活動と子育てとの両立を可能としていくことは、重要な課題である。
 このため、以下に掲げるような低年齢児を中心とする保育所受入枠の整備をはじめとした保育サービスの充実と、多様かつ柔軟なサービス提供を推進する。

(1) 必要なときに利用できる保育所等の受入枠の整備等

(保育サービスの計画的整備)
○ 保育サービスの充実と多様かつ柔軟なサービス提供を着実に推進するため、現行の緊急保育対策等5か年事業に続く新たな計画を策定し、保育サービスの整備を計画的に推進する。

(保育所の受入枠の整備)
○ 育休明けや産休明けをはじめ必要なときに保育所に入所できるよう、低年齢児を中心とする保育所受入枠の整備を、引き続き推進する。併せて、最低基準たす認可保育所をつくりやすくし、待機児童の解消等の課題に各地方公共団体が柔軟に対応できるようにする観点から、認可保育所の設置主体制限の撤廃、施設自己所有規制の見直し等の規制緩和を行う。

(放課後児童健全育成事業の推進)
○ 昼間保護者のいない家庭の児童について、安全等を確保するとともに、遊びを通じた自主性・社会性・創造性の向上等を図る放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)の普及を、引き続き推進する。

(2) 利用者の視点に立った多様な子育て支援サービスの普及促進

(延長保育等の推進による保育所の機能強化)
○ 保育所の通常の開所時間以外の保育サービスに対する需要が増大していることから、延長保育、休日保育及び夜間保育の普及を図る。また、障害児保育についても引き続き推進する。

(病気回復時の子どもに対する保育の普及促進)
○ 病気回復時の乳幼児で、仕事などのため保護者が世話することができない子どもを保育する乳幼児健康支援一時預り事業の普及を図る。

(幼稚園と保育所の連携の推進)
○ 幼稚園と保育所との間の施設の共用化、子育て支援事業の連携実施、合同研修の開催など、地域の実情や需要に応じた両者の連携施策を推進する。

なお、保育所に係る規制緩和等に伴い、保育所を設置する社会福祉法人による幼稚園の設置についても適切な措置を講ずる。

(幼稚園における子育て支援の充実)
○ 保護者が安心して子どもを育てられる環境を整備し、子育てに伴う負担を軽減する観点に立って、幼稚園教育の充実を図るとともに、満3歳児等の就園に関する条件整備や預かり保育の充実など、地域の実態や保護者の要請にできるだけ応えるよう弾力的な運用を促進する。

(事業所内託児施設の設置促進)
○ 事業主による、従業員が利用できる事業所内託児施設の設置運営に対する支援を拡充する。

(3) 保育サービスの質の確保と情報公開の推進
(保育サービスの評価に関する研究等の推進)
○ 保育サービスの評価の在り方について、調査研究等を推進する。

(保育担当者の資質の向上に向けた研修等の推進)
○ 少子化や女性の就労の増大など子育てをめぐる環境の変化を踏まえ、保育士、幼稚園教員等の資質の向上を図るための研修等を推進する。

(保育サービスに関する情報提供の推進)
○ 各地方公共団体における保育サービス等の子育て支援施策の取組状況について、情報提供を行う。また、インターネットの活用等も含めた、保育所・幼稚園等に関する情報の提供を推進する。

5.子どもが夢を持ってのびのびと生活できる教育の推進

(基本的考え方)
 いじめや不登校等の問題へ適切に対応するとともに、親の心理的な負担や経済的な負担の軽減に努め、また、学歴偏重の風潮を是正することは、子どもの健全な成長を図り、子育てに夢を持てる社会を築く上でも強く求められている課題である。
 このため、以下に掲げる施策を積極的に推進し、子どもが夢を持ってのびのび育っていくことのできる教育の実現を図る。

(1) 「生きる力」を育てる学校教育等の推進

(「生きる力」を育てる学校教育の推進)
○ 子どもにゆとりの中で豊かな人間性などの「生きる力」をはぐくむ学校教育の改善・充実を図るとともに、個性を伸ばし多様な選択ができる学校制度の実現、入学者選抜の改善、教員の資質向上、教職員配置の在り方の検討など、教育制度の革新と教育条件の整備に積極的に取り組む。

○ いじめ、不登校などに対する親の不安の解消のため、学校教育相談体制の充実を図るとともに、いわゆる「学級崩壊」への対応のため学級運営等の改善を図る。

○ ボランティア活動や自然体験活動などの体験的・実践的な活動を積極的に取り入れるなど、豊かな人間性をはぐくむ教育を推進する。

(自然とのふれあいの機会の提供による体験学習の推進)
○ 農林水産業への理解と農山漁村の自然や伝統文化とのふれあいによって子どもの「生きる力」をはぐくむ農林水産業体験学習への支援施策を展開する。

○ 全国の小・中学生を対象として「こどもエコクラブ」の設立を呼び掛け、子どもが楽しみながら地域の中で仲間と一緒に自主的に環境学習・活動を行えるよう支援するなど、地域における体験的活動機会の拡大を図る。

○ 小・中学生を対象に、国立公園等における清掃、植生保全等の体験活動を実施する。また、自然体験学習フィールドや滞在拠点等の一体的な整備を、引き続き推進する。

(2) 柔軟な学校教育制度への改革

(高等学校教育の改革と中高一貫教育の推進)
○ 生徒一人一人の個性をより重視した教育を目指して、総合学科や単位制高等学校、中高一貫教育校の設置促進を図る。

(教員採用方法の改善等)
○ 教員の採用については、大学における各種体験的実習等の充実、ボランティア等の活動歴の重視など人物重視の方向で教員採用選考方法を改善するとともに、社会人の学校教育への活用を推進する。また、複数の教員が協力して授業を行うといったティームティーチングの実施などの条件整備に努めるとともに、教員の研修休業制度の創設を検討する。

(幼稚園と小学校の連携)
○ 幼稚園と小学校との間で交流を進め、教育内容・方法の連携や相互理解の促進等を通じ、両者の接続の一層の円滑化を図る。

(3) 学校、地域における家庭や子育ての意義等に関する学習の推進

(子育ての意義等に関する学習の推進)
○ 学校において、家庭科等を活用して生徒が幼稚園などで乳幼児とふれあう機会を設けるなど、子育ての意義や家庭を持つことの重要性を学ぶ機会を充実する。

(ボランティア活動等の単位認定の推進)
○ 高校生のボランティア活動、就業体験等の学校外における学習の単位認定について、各高等学校における一層の活用を促進する。

(4) 開かれた学校づくりの推進

○ 保護者や地域住民に対し学校の教育目標等を説明するとともに、保護者や地域住民の意向を把握し学校の運営に反映するような仕組みとして、学校評議員制度を導入する。

○ 家庭や地域社会との連携・協力を促進するため、地域における子どもと住民の交流の場の整備など学校の地域への開放をより一層進める。

(5) 多様な人生設計に対応した柔軟な大学制度

○ 多様な人生設計に対応して、社会人が生涯にわたり最新かつ高度の知識・技術を習得することができるよう、大学等における社会人の再教育を推進する観点から、大学への社会人の受入れの拡大に努めることとし、社会人特別選抜制度、科目等履修生制度の充実や、昼夜開講制、夜間大学院、サテライト教室、公開講座等の充実を推進するとともに、放送メディアを通じ、広く高等教育の機会を提供する放送大学の充実に努める。

(6) 教育に伴う経済的負担の軽減

○ 幼稚園就園奨励事業、私学助成、現在講じられている教育や子育てに係る税制上の措置による親の経済的負担の軽減に加え、学生が自立して学べるようにするための育英奨学事業の充実を図る。

6.子育てを支援する住宅の普及など生活環境の整備

(基本的考え方)
子育て世帯がゆとりを持って安心して暮らせる住宅の整備やまちづくり等の推進は、子育てに夢を持てる社会を構築するための重要な課題である。このため、住宅、交通施設・機関、公共施設など、子どもや家庭を取り巻く生活環境全般について、良質な住宅や居住環境の整備、安全性の確保、子連れ外出等をしやすくする歩行環境等のバリアフリー化の推進など、歩いて暮らせる街づくりをはじめ、21世紀の本格的な少子高齢社会に相応しいゆとりある生活環境の実現を目指す。

(1) 良質な住宅の整備

(子育てを支援する良質な住宅、居住環境の整備)
○ ゆとりある住生活の実現により子育てがしやすい環境を整備するため、良質なファミリー向け賃貸住宅の供給を促進するなど、子育て世帯の広くゆとりある住宅の確保を支援する。

○ 夫婦で仕事や社会活動をしながら子育てをしやすい環境の整備を推進するため、職住近接した都心居住や、住宅と保育所等の子育て支援施設の一体的整備を推進する。

(自由度の高い住宅供給の推進)
○ 子どもの成長等に合わせて住宅の間取りを変え、自由に住み替えができる良質な住宅を供給するための技術開発を行う。

(2) 子ども連れでも安心して外出等ができる生活環境の整備

(安全な生活環境や遊び場等の整備)
○ 安心して子ども連れで外出ができ、また、子どもが楽しく安全に遊び、生活できるよう、公園や水辺空間などの身近な遊び場等の整備や、安全な歩行空間の形成、バリアフリー化されたまちづくりを推進する。

(子育てをしながら生涯学習、スポーツ、文化活動等に親しめる環境の整備)
○ 子育て中の親が公民館、図書館、博物館、大学などでの生涯学習活動や、スポーツ施設でのスポーツ活動、文化ホール、美術館などでの芸術鑑賞をするときに乳幼児連れでも出かけられるように、地域において託児サービスの提供など、子育てが負担とならないような環境整備を図る。

(妊婦、子ども連れにとって利用しやすい公共交通機関の整備)
○ 妊婦や子ども連れが公共交通機関を安全かつ円滑に利用できるよう、公共交通機関のバリアフリー化及び乗継ぎ利便の向上(シームレス化)を推進する。また、新線建設、複々線化等による輸送力増強、オフピーク通勤の推進等により、都市部における通勤・通学時間帯の鉄道の混雑緩和を図る。

(安全な道路交通環境の整備)
○ 子どもの通行に配慮した交通規制の実施や交通安全施設の整備を推進し、子どもが安心して通行できる安全な道路交通環境を整備する。また、子ども連れでも安心して自動車で外出することができるよう、子どもの保護者がチャイルドシートを容易に入手し、正しく使用できる環境の整備を推進する。

(安全・安心まちづくりの推進)
○ 子どもが性犯罪や誘拐等の犯罪にあわないようなまちづくりを進めるため、通学路や公園等に防犯灯、防犯ベル等の防犯施設の整備を図るとともに、住宅への優良防犯機器の普及を図るなどにより、犯罪の発生しにくい環境の整備を推進する。

(3) 農山漁村における生活環境の整備

○ 農山漁村の地域を住みやすく、とりわけ若い世代が喜びと生きがいを持って、子どもを産み育てることができる魅力あるものにしていくため、あぜみちやせせらぎ等の良好な自然環境づくりや集落排水など農山漁村の生活環境の整備を推進する。

 

第3 少子化対策の推進体制等
(1) 重点施策についての具体的実施計画

○ 少子化対策は、様々な分野の施策にわたるとともに、職場や家庭、地域の在り方など国民生活全般に深く関連することから、その効果的な推進のためには、関係省庁がこの基本方針に沿った施策を密接な連携の下に進めるとともに、社会全体として国民的な理解と広がりをもった取組みを促進することが重要である。

○ このため、少子化対策推進関係閣僚会議において、本基本方針に沿った施策のフォローアップを行うとともに、「少子化への対応を推進する国民会議」の活動等を通じて、職場、家庭、地域、学校等における取組みを促進し、また、広く国民に向けた情報発信を行っていくこととする。フォローアップにおいては、本基本方針に沿った具体的施策をはじめ総合的な少子化対策の観点から幅広く検討を行うものとする。

○ 本基本方針に盛り込まれた少子化対策のうち、特に重点的に取り組むことが必要な分野である、働き方、保育サービス、相談・支援体制、母子保健、教育、住宅等については、関係省庁において、施策の具体的実施計画(新プラン)を策定し、その効果的な推進を図るものとする。

(2) その他

○ 少子化が進む他の先進諸国との間において、少子化の原因・背景、少子化対策の在り方についての情報交換や意見交換を進めるものとする。

○ 公務員についても、少子化対策推進の重要性、民間企業の雇用者についてとられる施策の検討状況等を踏まえつつ、適切な措置を講ずるものとする。

○ 地方公共団体においては、本基本方針の策定趣旨、内容を踏まえ、少子化対策の計画的な推進を図るなど、地域の特性に応じた施策を推進するものとする。

 


【参考】 少子化対策推進関係閣僚会議の開催について

平成11年5月21日
閣議口頭了解

1.少子化に対応し、関係行政機関相互が緊密に連携して、家庭や子育てに夢を持てる環境整備を効果的かつ総合的に推進するために、少子化対策推進関係閣僚会議(以下「会議」という。)を随時開催する。

2.会議の構成員は、内閣総理大臣、法務大臣、大蔵大臣、文部大臣、厚生大臣、農林水産大臣、通商産業大臣、運輸大臣、郵政大臣、労働大臣、建設大臣、自治大臣、国家公安委員会委員長、総務庁長官、経済企画庁長官、科学技術庁長官、環境庁長官及び内閣官房長官とする。
会議には、必要に応じ、関係大臣その他関係者の出席を求めることができる。

3.会議は、内閣総理大臣が主宰する。

4.会議に幹事を置く。幹事は、関係行政機関の職員で内閣総理大臣が指名した官職にある者とする。

5.会議の庶務は、厚生省の協力を得て、内閣官房において処理する。

6.会議の開催は、当面1年以内とする。

 


【参考】 少子化対策の推進について(申合せ)

平成11年5月28日
少子化対策推進関係閣僚会議

 少子化への対策については、平成10年末「少子化への対応を考える有識者会議」から具体的施策に係る提言を受け、関係省庁において取り組んでいるところであるが、さらに適切かつ効果的に推進するためには、長期的な視点に立ち、関係省庁の連携の下、政府一体となって、家庭や子育てに夢を持てる環境の整備を進める必要がある。
 このため、平成11年末までに、同提言の趣旨を踏まえ、次の項目を始め各分野にわたる総合的な施策に関して、今後政府が進めるべき少子化対策の基本的な方針を策定するものとし、本閣僚会議において、順次議論を深めていく。

1.固定的な性別役割分業や職場優先の企業風土の是正
2.仕事と子育ての両立のための雇用環境の整備
3.安心して子どもを産み、ゆとりをもって健やかに育てるための家庭や地域の環境づくり
4.利用者の多様な需要に対応した保育サービスの整備
5.子どもが夢を持ってのびのびと生活できる教育の推進
6.子育てを支援する住宅の普及など生活環境の整備

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