97/10/13 中央児童福祉審議会保育部会 中央児童福祉審議会保育部会 議 事 録    第1回:平成9年10月13日 厚生省児童家庭局保育課 ○保育課長 本日は非常にお忙しい中をお集まりいただきましてありがとうございました。まず議 事に入ります前に、しばらくぶりの保育部会の開催ということでございますので、今回 の部会長がまだ選任されておりませんので、私が便宜上、最初の議事の進行を務めさせ ていただきたいというふうに思っております。 それでは、部会長の選任につきまして御協議申し上げたいというふうに思います。部 会長の選任につきましては、中央児童福祉審議会の運営規則によりまして委員の方の互 選によるとされておりますが、いかがとり計らいましょうか。 ○A委員 部会長にE先生を推薦したいと思います。先生はずっと長らく保育関係の研究教育を なさっておられまして、保育制度も詳しいですし、また前の部会でも部会長を務めてお られておりますので、そういうことで推薦をさせていただきます。 ○保育課長 ただいまE委員を部会長にという御推薦がございましたが、いかがでございましょう か。 (「異議なし」の声あり) ○保育課長 それでは、A先生の御提案に異議がないようでございますので、E先生に部会長を御 承認お願いしたいと思います。 それではE先生、よろしくお願いを申し上げます。 ○部会長 皆様方に御賛同いただきましたので、部会長を務めさせていただきます。よろしくお 願いします。それでは、保育課長にごあいさつをいただきたいと思います。 ○保育課長 今回、保育部会を招集させていただいておりますのは、この6月の国会で児童福祉法 の50年ぶりの改正ということで、保育所の制度の仕組み自身についても大きな改正をさ せていただいたわけでございます。今回こういう保育所の入所の仕組みというものが大 きく変わっていく中で、我々といたしましても10年4月から新方式といいますか、新し い法律の施行が行われますので、それに合わせて10年度の予算概算要求等におきまして も、これまでの延長の部分もございますれば、ある程度思い切って仕組みを変えていっ たらどうだろうかというような御提案というか要求もさせていただいているわけでござ います。 そういう関連の中で、保育所の最低基準の関連事項につきましても議論していただか なければならない項目が何点か出てくるということになったわけでございます。今回、 改めまして、議論の時間も割と制約されているところでの御審議をお願いしたいという ふうに思っておりますけれども、保育所の10年度以降、新しい保育所をどういうふうに つくっていくのか、こういう観点からぜひとも積極的な御意見なり御指導を賜りたいと いうふうに思っておりますので、何分よろしくお願い申し上げたいと思います。    ○部会長 それでは、最低基準の見直しの議論の前に、この部会の公開方法について決めておき たいと思います。 この中央児童福祉審議会の部会の公開の取り扱いにつきましては、昨年1月30日に開 催されました総会におきまして、部会委員の氏名、職業、部会の開催予定日時、場所に ついて公表するとともに、会議の公開または議事録の公表を行うことを決定したところ であります。当部会につきましても、審議会の他の部会の例と同様に会議自体は非公開 といたしまして、公開方法としては事務局の説明資料について原則公開、議事録につい ては委員の確認を得た上で、委員名は省略し公表を行うこととしたいと思いますが、い かがでございましょうか。 (「結構です」の声あり) ○部会長 それでは、そのようにさせていただきます。 最低基準等の見直しにつきましての議論に入りたいと思いますが、まず今後の日程及 び本日の資料について事務局の方から御説明をお願いしたいと思います。 ○保育課長 それではまず、本日お配りしております資料につきまして確認をいたしたいと思いま す。「部会検討資料」として資料1から資料4まで4種類の資料をお配りしております 資料1は、児童福祉法の改正関係でございます。資料2は、地方分権推進委員会、保 育に関連する部分の抜粋でございます。資料3が、保育所の現在の最低基準の概要に関 する資料。資料4が、この保育部会での検討課題として事務局の方で用意させていただ いた資料。以上の4種類でございます。 この資料の説明に入らせていただく前に、先ほども申し上げさせていただきましたが 来年度の予算編成、予算にかかわる事項、関連する最低基準の議論をお願いしなければ ならないということで、今日は10月13日でございますが、年内、それも出来れば12月中 旬に至らないぐらいのところまでにある程度保育部会としての御議論を集約させていた だければというふうに思っております。年末の予算編成、具体的な省令等の改正、そう いう手順を踏んで10年4月からの施行ということでのタイムスケジュールを考えますと 逆算的に12月上旬ぐらいのところで一応の議論の集約をお願いしたいというふうに事務 局としては考えております。 そういう前提で、この部会の検討資料と銘打っております資料1から資料4につきま して概略御説明をさせていただきたいと思います。 まず資料1−1をごらんいただきたいと思います。これはさきの通常国会で成立させ ていただきました児童福祉法の改正に関する動きを時系列ごとに簡単にまとめたもので ございます。今年3月11日に閣議決定をさせていただきまして、国会に提出させていた だきました。ちょうど一月後、4月11日に参議院の本会議で可決していただきまして、 それから今度は衆議院に議論の場が移りました。6月3日の衆議院の本会議で採決、6 月11日に児童福祉等の一部を改正する法律ということで公布をさせていただいておりま す。 それぞれ衆議院、参議院で法案を可決する際に厚生委員会で附帯決議がつけられてお ります。この資料1の9ページが参議院厚生委員会における附帯決議、10ページ、11 ページが衆議院厚生委員会における附帯決議でございます。それぞれ保育に関係する部 分は中身がほぼ共通しております。 9ページの方でごらんいただきますと、3及び4あたりが保育に関連する項目でござ います。3は保育料に関する附帯決議、現行水準を後退させないよう配慮し、低年齢児 及び中間所得者層に十分配慮、公的責任を後退させないということ。4は、利用者の側 に立って乳児保育あるいは延長保育等、多様な保育需要に適切に対応する質の高い保育 サービスの提供が必要である。エンゼルプランの着実な推進、さらには待機児童の解消 地域の実情に応じた適切な保育というあたりが附帯決議に盛り込まれております。これ は衆参ほぼ同じような表現で入っております。 資料1−2でございますが、児童福祉法等の一部を改正する法律の概要ということで つけさせていただいております。 第1は改正の趣旨を簡単に書いてございます。少子化の進行あるいは共働き家庭の一 般化、あるいは地域での子育て機能の低下、こういうような周辺環境が大きく変化する 中で50年ぶりの児童福祉法の改正ということで今回の改正法を提案させていただきまし た。その中でも、保育に関する部分はかなり大きく変更させていただいております。 第2の児童福祉法の一部改正の概要の「一、保育所に関する事項、」をここで御紹介 させていただきたいと思います。 まず「1、保育所への入所の仕組みに関する事項」ということで、(1)から(5) まで5項目ばかりございます。従来、措置という形で保育所への入所をやっておりまし たものを、保護者からの申し込みというものを前提にして、それも希望する保育所、ま さに保護者の方が保育所の選択をする。希望する保育所をまさに固有名詞的に指名して 市町村に対して申し込みをしていただくということが今までの仕組みと大きく変わった 点でございます。市町村は法律上、保育の実施責任というのは引き続き新しい法律でも 言っておるわけでございますが、その保護者の希望に最大限沿うように対応する必要が ある。 ただ、どうしても一つの保育所に希望が殺到して定員を上回るというような状態にも なり得るわけでございますから、その場合には(3)にありますように入所児童を公正 な方法で選考出来るようにする。そうした規定も法律上設けられております。 さらに(4)で、市町村は福祉事務所長あるいは児童相談所長から報告なり通知を受 けた場合には、児童の保護者に対して保育の実施の申し込みを勧奨しなければならない というような規定も置いてございます。 1の(5)、今回の法律で新しく設けられた規定といたしまして、市町村につきまし て保育所の設備あるいは運営の状況等についての情報提供を行わなければならないとい う義務を課したところでございます。これは保護者がいろいろな情報をもとに選択する その選択を実現ならしめるためにはやはり基礎的な情報を承知している必要があろうと いうことから、その情報提供を市町村が積極的に行っていただくということを法律上の 規定として設けております。 2ページの下のところでございますが、2の保育所による情報提供及び保育相談に関 する事項として、市町村については情報提供義務を法律上課しておるのと並行して、保 育所みずからも地域住民に対して保育に関しての情報提供を行うという義務を置いてお ります。さらにあわせて、乳幼児等の保育に関する相談に保育所は応じて、助言を行う ように努めなければならないという規定も今回新しく設けられております。 それから「3、保育費用の徴収に関する事項」といたしまして、今まで応能負担、負 担能力に応じて保育料はお払いいただくという形だったわけですけれども、新しい改正 法におきましては、本人またはその扶養義務者から保育費用を徴収した場合の家計に与 えるに影響ですとか児童の年齢等に応じて定める保育料、こういうものを市町村長が徴 収することが出来るというような規定が新たに置かれております。3ページ以後、放課 後児童対策あるいは児童相談所、児童自立生活援助事業、その他の改正事項についての 簡単な概要を整理した部分が続いております。 なお、この法律は平成10年4月1日から施行するということで、来年度当初からの施 行ということで法律がなっております。                  必要な政令及び省令の第1グループを先月に一応公布させていただいております。同 じく4月1日からの施行ということで、政令及び省令等の手続も順次進めさせていただ いております。                                  6ページに、特に「保育所制度の改正について」ということで現行と改正後について 簡単にまとめた表をつけさせていただいております。 7ページは、この6ページの表をさらにフロー図のような形で現行と改正後を整理し たものでございます。これも時間の関係もございますので、説明は省略させていただき たいと思います。 8ページをごらんいただきますと、「児童福祉法等の改正案に関する三党確認」とい う資料をつけてございます。これは法案提出に当たりまして与党三党、自由民主党、社 会民主党、新党さきがけで、子供の問題に関連して議論をする場としてのプロジェクト チームが設置されておりましたが、国会提出に当たって三党で保育に関する事項と今回 の児童福祉法改正についての主要な項目について事前の確認をしたペーパーということ でございます。 2にございますように、保育料、さらに延長保育につきましての確認事項、さらに3 として引き続き検討を進めるということで幾つか項目が挙がっている中で(4)最低基 準のあり方についてもプロジェクトチームとして今後議論する項目ということで整理さ れております。 以上が資料1−1でございます。 資料2をごらんいただきますと、「地方分権推進委員会における保育に関する勧告」 事項の抜粋でございます。まず第一次勧告、昨年の年末12月20日に出ましたが、その中 で幼児教育・保育という項目が立てられまして、幼稚園と保育所の関係についての勧告 がされております。ごらんいただきますように、地域の実情に応じまして幼稚園・保育 所の連携強化及びこれらに係る施設の総合化を図るということを基本方向といたしまし て、幼稚園・保育所の施設の共用化等、弾力的な運用を確立する必要があるというのが 年末の第一次勧告で出されております。 さらに第二次勧告の中で幾つか保育所に関する事項がございました。まず、必置規制 の見直しという大きな項目の中で、保育所の調理員につきまして給食の安全衛生あるい は栄養などの質の確保が図られることを前提としつつ、保育所本来の事業の円滑な執行 を阻害しない限りにおいて業務委託が可能となるような弾力化を図っていくというのが 1点。 それから、個別の国庫補助負担金の整理合理化及び運用・関与の改革等という項目の 中で時間延長型保育サービス、いわゆる延長保育事業については保育所が自主的に取り 組める仕組みによる事業のあり方を検討する中で対象児童数、あるいは延長時間の事業 実施要件を弾力化する。 それから、一番下のところも延長保育関連でありますが、事務手続の簡素化あるいは 早期化ということも延長保育については勧告されております。 乳児保育事業につきまして保育所が取り組みやすくする観点から、乳児保育事業のあ り方を検討する中で利用者の適切な負担のもとに利用人員等の要件を弾力化するという ことも勧告の中に盛り込まれております。  資料3、「保育所の最低基準等について」ということで、今回御議論いただく前提と いたしまして、今の保育所の最低基準がどんなふうになっておるかということを簡単に 資料でまとめたものでございます。 まず1ページ目、保育所の児童福祉施設最低基準として、人員配置、施設設備、それ から児童の処遇という3点についての基準が盛り込まれております。 まず、人員配置面につきましては児童の年齢に応じた保母の配置基準ということで、 2歳未満児児童6人に対して保母さん1人、いわゆる6対1。3歳児が20対1、4歳以 上児は30対1というのが最低基準で定められております。さらに、嘱託医及び調理員は 必置というのも最低基準事項でございます。これが職員人事配置面についての最低基準 でございます。 それから、児童の安全衛生面に関して、事故あるいは災害等から児童の心身を守るた めの設備基準も最低基準の中に定められております。 2歳未満児につきまして、乳児室あるいはほふく室の1人当たり面積、それから医務 室、調理室、便所を必置。それから、2歳以上児につきましては1人当たりの所要面積 が若干多くなっておりますが、保育室、遊戯室、また、屋外遊技場につきましては1人 当たり 3.3平方メートル。さらには、調理室あるいは便所の設置も設備基準の中に設け られております。 非常災害に対する処置として、いろいろな用具、設備の設置あるいは定期的な訓練の 実施というのも最低基準の中に設けられております。 それから、保育室を2階以上に設ける場合の条件として、建築基準法等に定められて おります所要の条件をクリアするということで、基準が設けられております。 それから、児童の処遇面に関しては保育の内容等についての基準を定めるということ で規定しておりますが、児童の処遇に関して保育の内容、それから給食、健康診断の実 施という3項目について、そこに記載されておりますような内容が最低基準化されてお ります。 注1をごらんいただきますと、低年齢児保育あるいは延長保育等に取り組む保育所に つきましては、最低基準に加えて保母が配置される、いわゆる補助基準として最低基準 に上乗せするというような形でのもう一つの基準が設けられております。乳児保育指定 保育所の場合ですと、乳児室及びほふく室の面積が合わせて5平方メートル以上で、保 健室、調乳室、沐浴室を設けるということが補助条件として決められております。こう いうことを要件といたしまして、おおむね乳児3人に対して保母さん1人の配置が出来 るような補助金が交付されるということになっております。 資料3−2として「保育所関係の最低基準に関する主な改正経緯」でございます。特 に保母さんの配置基準を中心といたしまして、これは昭和23年に最低基準が定められて 以降、数回最低基準の改正が行われております。 まず昭和39年の改正で、それまで満2歳未満、満2歳以上という2区分でございまし たのが、満2歳未満、それから満2歳以上3歳未満、満3歳以上というような3区分に 改正がされたのが最初でございます。 それから、翌年昭和40年の改正でさらにこれが満3歳未満と満3歳以上、区分として はこの二つに再編整理をされて、満3歳未満については8対1、満3歳以上は30対1と いうことの配置基準が最低基準に定められました。 昭和42年に設備的な基準の手直しがあった後、昭和44年に大体現在の保母の配置基準 である。満3歳未満は6対1、満3歳以上4歳未満、満3歳児が20対1、満4歳以上で 30対1という基準がほぼ確立されるという状況でございます。 それから、昭和48年には職員配置基準に調理員を入れるというような追加が行われま して、昭和54年は保育所に施設を併設する場合に施設設備等の共用が認められる対象と して、児童福祉施設から社会福祉施設に拡大されました。 それから昭和62年、ちょうど10年前でありますが、最低基準はそれまで結構細かいこ とまでいろいろ定めておりました。最低基準自身を大幅に簡素化する必要であるのでは ないかという観点から議論をしていただきまして、相当大きく簡素化し、余りこういう ことまで決めておく必要はないのではないかというような時代の流れにある程度合わせ た改正をしました施設長の要件とか職員の要件というようなものを最低基準から落とし たり、いろいろな備えるべき設備についての規定を簡単にしたり、便所の数まで書いて いたものを、便所を置かなければいけないということだけにしたりというような改正が されております。 資料の3ページは配置基準につきまして、表にして変遷を整理したものでございます 昭和23年にスタートいたしまして何度か改正が行われておる中で、昭和37年度の中央児 童福祉審議会の意見具申で、現在の配置基準についての提言がされております。昭和43 年度の意見具申の中では、0〜2歳児が6対1となっておりますのを乳児について3対 1にしてはどうかというような意見具申も出されておりますが、現在の最低基準では0 〜2歳児が6対1ということで、加えて実質的に補助金をもって乳児について3対1に 実質的に加配をするという仕組みが現在まで続いておるということでございます。 さらに、昭和55年からは、ローテーションの谷間を埋めるというような形で休憩保母 を1人それぞれ保育所に配置をするということにしております。 それから4ページに資料3−3の児童福祉施設に関連しての最低基準の比較、施設設 備の基準と職員配置基準について、それぞれ他の施設との関係比較においてどうなって いるのだろうかというのを簡単にまとめたものでございます。数字はそれぞれ施設の種 類によりまして若干違ってくる。職員配置基準についても同様でございます。 今特に幼稚園・保育所の関係でいろいろ議論がされておるわけでございますが、幼稚 園の設置基準につきましても参考までに一番右につけております。幼稚園は1学級35人 以下、職員室、保育室、遊戯室、保健室、便所、飲料水用設備、その他こういう設備を 設けておかなければならない。さらに、保育室は学級数以上でなければいけないであり ますとか、努力規定として図書室とか映写施設等の施設を置くこと。それから、園舎の 面積はそこに書いてありますように1学級当たり 180平方メートル、2学級以上ですと そこにありますような方程式で出てくる面積以上である必要がある。運動場についても 一定の条件が付されております。こういうような設置基準、あるいは最低基準というの が関連する施設について現在設けられている規定でございます。 それから、御参考までに現在の児童福祉施設の最低基準をそのまま抜粋したものをつ けております。                                    以上が資料3でございます。 資料4の御説明に移らせていただきます。 資料4ー1の「保育所運営に関する検討課題」は7月31日に中央児童福祉審議会の基 本問題部会、この部会は従来児童福祉法の改正について御審議をいただくために特別に 設置された部会でございますが、そこの基本問題部会で保育所に関する今後の検討課題 ということで私ども事務局がある程度まとめて御説明をさせていただいた資料でござい ます。  全体で大きく6項目ぐらいに分けておりますが、(1)公私保育所のあり方といたし まして、保育所は他の社会福祉施設とちょっと違うのは、公立の割合が6割と非常に高 い点でございます。それから、公立の保育所につきましては民間に比べて公費が多く投 入されており、保育コストもその分高くなっている。ただ一方、延長保育等の特別保育 事業の実施率は必ずしも高くない、民間の方が高いという状況が指摘されております。 行政改革の動向をも踏まえながら多様な保育需要に対応していくということを考えると 民営保育所の一層の活用を図っていくためにはどうしていけばいいのだろうというのが まず一つ目の問題意識であります。 それから、(2)各種規制・基準の緩和・弾力化でございますが、これはいろいろな 意味での規制緩和というのが求められております。保育所あるいは保育制度につきまし ても、今回の法改正自身がそういう方向を指向するものでありますので、保育所が創意 工夫を発揮出来るような仕組みを保育所制度においても検討する必要があろうという ことで、その矢印にありますような個別項目が検討課題として挙がってくるのではない か。 それから、(3)低年齢児待機の解消という中で、特に法改正の議論の中で低年齢児 特に乳児の待機状況の早期解消ということが強く求められたこともございます。ただ一 方で、入所率については大都市部でも85%ということで 100%にいたっていないという 状況もございますので、既存定員の有効活用ということも考えなければならない課題だ ということで、そこの矢印にありますような幾つかの項目が今後の検討課題として挙げ られるのではないかと整理させていただきました。 2ページ目の(4)保育料のあり方につきましては保育所利用の一般化が進んでいる とか負担の不公平感というのが特に中堅者層については高まっているということで、今 回の法改正におきましても年齢等に応じた保育コストを基礎とした利用料とするべきと いう条文も入っておりますので、保育料の均一化ということを目指して取り組んでいく べきではないか。その際、そこにあるような課題が出てくるものと考えております。 それから(5)保育環境の整備ということでは、食事あるいは相談のスペースの確保 でありますとか地域子育て支援等の保育所機能の充実が必要ではないか。 さらに(6)で、へき地等その地域的な事情においてきめ細かな対策が必要なものに ついて必要な分野についてどういうように対応していくかというように大きく6項目に 分けて今後の保育所運営に関する課題の整理をさせていただいたのが資料4−1でござ います。この資料4−1の中に出てくる項目の中で、私どもとして、最低基準そのもの あるいは最低基準に関連する事項として今回保育部会でぜひ御議論いただきたいと思っ ております項目につきまして事務局の方で整理をさせていただいたのが資料4−2でご ざいます。まず(1)乳児保育の一般化関係ということでございます。これは中身は2 つございます。職員の配置基準と面積基準ということで、参考1として乳児保育に関連 する資料をつけさせていただいております。 5、6ページは現在の乳児保育、つまり基本的に負担金、措置費で対応する部分を補 助金として上乗せして今実施しておるという関連の通知でございます。 7ページをごらんいただきますと、「乳児保育の一般化について」ということでの資 料をつけさせていただいております。現在全国で1万 2,000人を超える乳児の待機児童 がございます。待機児童の早急な解消を図る必要があろうということで、どういうふう にすれば解消が早期に図られるか。現在は乳児指定保育所というところで乳児保育を実 施しております。現在 9,000カ所程度でございますが、2万 2,400カ所の保育所のうち の一部分、 9,000カ所が指定を受けております。そこで乳児の保育はやっておるわけで すが、実際この乳児指定保育所の数もそうぐっと増えてきたりする状況ではなかなかご ざいません。 今後、我々乳児の待機状況を解消していくためには、むしろ限られた指定された保育 所だけで乳児保育を実施するというのではなくて、すべての保育所でこういう乳児保育 に取り組めるような仕組みをつくっていく必要があるのではないかということです。平 成10年度の概算要求の中で、乳児保育の一般化により、どの保育所でも乳児の受け入れ が可能となるような乳児の保母定数の改善を図ってはどうかということでの概算要求も 出させていただいておるところでございます。 資料の左が現行の仕組みであります。乳児を3人受け入れている指定保育所に対して 保母1人を加配する。7人以上入所する保育所に対しては、おおむね保母さんが3対1 に配置出来るように別途助成する。こういう形で対象乳児の対象数が6万 3,000人とい うような仕掛けになっておるのですが、これを一般化すると10年度の概算要求におきま してはすべての保育所で乳児保育が出来るように、乳児を1人以上受け入れている保育 所に対して保母の配置基準を現在0〜2歳までは6対1となっておりますのを3対1と なるように助成をしてはどうだろうか。これにあわせて、保育所徴収基準について年齢 区分の見直しもあわせて議論する必要があるのではないか。こうすることによって、対 象乳児の見込み数8万 6,000人ぐらいまで対応することが出来るというのが今回の乳児 保育の一般化についてのおおよその整理でございます。 3ページにお戻りいただきますと、そこで、職員の配置基準につきまして今申し上げ ましたように0〜2歳児をひとくくりにしておりますが、補助制度におきまして実質的 には3対1になるような補助基準を設けております。この配置基準につきましては、乳 児保育の一般化に伴って保母の配置基準の取り扱いについてどのように考えるか。これ を最低基準化していく必要があるかどうかということについての御議論が第1点。 それから、(2)の面積基準でございますが、先ほどもちょっと御紹介いたしましたが 最低基準は乳児室1人当たり1.65平方メートル、またはほふく室1人当たり 3.3平方 メートルが必要というのが現在の最低基準でございます。これは0〜2歳共通でござい ます。0歳についてこういうことでの規定をされておりますが、先ほど申し上げました 乳児保育の特別対策事業の補助基準上では1人当たり5平方メートル以上の面積を確保 すること。あわせて、沐浴室とか調乳室、保健室を有するということが補助条件、補助 金を受ける条件でございます。乳児保育を一般化、つまりすべての保育所で実施すると いうことに伴いまして、この面積基準あるいは設備の取り扱いについてどのようにして いくべきか。これが乳児保育一般化関係の論点の二つ目でございます。 それから、(2)非常勤職員の導入という項目でございます。現在、保育所における 最低基準上の職員配置基準の適合状況をチェックする場合は、常勤の職員で最低基準が 満たされていることということになっております。ただ、付加的な事業であります延長 保育事業でありますとか一時保育事業につきましては既に非常勤職員をもってその事業 を実施することが認められております。 また、他の社会福祉施設におきましては常勤職員 これは1日の勤務時間が6時間 以上で、かつ1月20日以上勤務するという方が常勤職員という定義でありますが、こう いう常勤職員さんが8割以上、残りの部分については非常勤職員の参入を認めておると いうのが他の社会福祉施設の現状でございます。 こうした他の社会福祉施設あるいは特別保育事業の実施というところで既に非常勤の 職員が認められておるという状況がありますが、そういう実施面におきまして特別問題 指摘がされていないという状況の中で、今回、保育所の最低基準、職員配置基準におき まして職員の取り扱いにどのように対応していったらいいのかというのが(2)の論点 でございます。 それから、(3)給食の外部委託ということで、現行はそこにございますように児童 福祉施設につきましては施設内調理、外の人に来ていただいて施設内で調理することや 施設外でまさに名実ともに外部委託で調理をするというような行為は両方とも認めてお りません。 他の社会福祉施設につきましては施設内調理、施設内の調理施設を使って調理員さん の派遣をしてもらうという形態での外部委託が認められております。また、さらに病院 につきましては施設外の調理施設を使って調理をするということも一定の要件のもとで 認められておるというのが現状でございます。 他の社会福祉施設において既に給食の外部委託が認められており、その過程で特別の 問題が指摘されておらないという状況の中で、保育所における給食の外部委託について どのように考えいくか、どのように取り扱っていくべきか。さらに、仮に外部委託とい うことを認めるとした場合に、現在必置とされております調理員あるいは調理室を最低 基準上どのように取り扱うべきかというのが論点になってまいります。また、あわせて 地方分権推進委員会の方からもこの点についての御指摘がされております。     (4)開所時間の弾力化でございます。これは現行にございますように現在は昼間につ きましては午前7時から午後6時というのが通常の開所時間とされております。おおむ ね7時から午後6時まで開所しているということが延長保育事業の補助要件とされてお りますことから、実質的な規制と申し上げていいのか、実質的な枠となっているという のが状況です。また、夜間保育所につきましては午後1時から午後10時というのが通常 の開所時間として決められております。 参考2は、「特別保育事業の実施について(抄)」という延長保育事業についての局 長通知でございますが、その中でアンダーラインを引いておりますが、通常の開設時間 (概ね午前7時頃から午後6時頃まで)ということで、これを超えて行うのが延長保育 ということで、その逆のこととしておおむね7時から6時までが通常の基本的な開所時 間だということで解釈整理をされております。こういうような開所時間につきまして弾 力化を図っていく必要があるのではないかというのがこの(4)の論点でございます。 (5)受け入れ可能枠の弾力化というのを挙げてございます。これは現行のところを ごらんいただきますと、定員につきまして民間保育所の場合は今は都道府県知事が認可 をして、公立の保育所については市町村等の条例で定員を定めるという形で整理をして おります。しかしながら、特に産休、育休明けというような状況が典型でございますが 年度途中で保育所にどうしても入れない状況というのが年々高まっておる中で、年度当 初から定員一杯まで入所していると年度途中には全く対応出来ないということになって まいります。そこで、原則として定員の1割増しの範囲内まで年度途中入所について受 け入れ可能としておるのが現実でございます。 また、育児休業後に就業する、そういう家庭のお子さんを入所させる場合には1割で はなくて1割5分、15%まで定員の弾力化を認めるというのが現行の取り扱いでござい ます。先ほど申し上げましたように、都心部を中心にして乳児を初めとして低年齢児の 待機状況が非常に多いという中で、年度当初も含めて定員の弾力化、受け入れ枠の弾力 化を図っていく必要があるのではないか。こういう問題意識が(5)でございます。 参考3として、これに関連しての通知をつけさせていただいております。年度途中入 所円滑化対策実施要綱というものが9ページ、さらに詳しい解釈通知的なものが10ペー ジの通知でございます。ここで10%でありますとか15%という指導方針が示されており ます。 また4ページにお戻りいただきたいと思います。(6)幼稚園との合築という のを掲げさせていただいております。現在、児童福祉施設につきまして他の社会福祉施 設とあわせて設置する場合には、設備でありますとか職員の共用化というのを認めてお ります。ただ、居室でありますとか各施設特有の設備、あるいは直接処遇職員の共用化 ということまでは認めておりません。今回、先ほど地方分権推進委員会の方からの勧告 もございましたが、幼稚園と保育所の設備あるいは職員の共用化ということを進める必 要があろうということで勧告をいただいておりますが、当然ながら現状では保育所・幼 稚園の設備、職員の共用化というのは認めておりません。今後そういう地方分権推進委 員会の御指摘なども受けながら、どういうように保育所と幼稚園の共用化というのを認 めていくべきか。 これに関しましては、実は行政の方では文部省と厚生省の方で先ほどの地方分権推進 委員会の勧告を受けた後、9年4月から事務的な形で幼稚園課と保育課で共同の検討会 を設置させていただいておりまして、こういう共用化の具体的な方法について事務的な 検討をさせていただいております。これは9年度中に何らかの方向を出すということで 文部省との議論がある程度整理が出来ました時点で、また当部会の方にもご報告をさせ ていただきまして、それで御議論を深めていただきたいというふうに思っております。 こういう幼稚園との合築というのも一つの検討テーマとして挙がってくるのではないか というふうに考えております。 以上、資料4−1の中で出てきた項目を中心に最低基準の議論の対象となるであろう と思える資料の整理をさせていただいた中身の説明にかえさせていただきます。 ○部会長 どうも御苦労さまでした。 今の御説明に何か御質問、その他がございましたらどうぞおっしゃってください。ど なたかございませんか。 ○B委員 保育所に関係する最低基準に関する主な改正経緯のところで、昭和48年で職員配置基 準に調理員の必置が追加されておりますけれども、その経緯というか理由というのは何 かございましたのでしょうか。 ○保育課長 申しわけございません。今分かる範囲でお答えさせていただきますが、また次回にで もわかれば御報告御提示させていただきたいと思います。 ○部会長 ほかにございませんか。 ○A委員 最低基準と補助基準を使い分けているわけですけれども、それはいつごろから始まっ たのか。そして、どういうふうに理解したらいいかということをちょっと御説明してい ただければと思います。 ○保育課長 この資料の中でも出てきておりますように、乳児保育につきましては実質的に最低基 準は6対1という配置基準を3対1に出来るだけの補助基準。そういう意味では、ある 見方をすれば補助基準を目標水準というようなものとして理解をさせていただいて、保 母の配置基準あるいは施設の設備基準というものはまさに最低基準、これより下回って はいかぬということでの下支え。 さらに、もう少し出来るだけ最低基準を引き上げていくような努力を我々は求められ ているわけですが、そういう最低基準を少しでも高めていくための一つの政策的手法と して補助制度をもって配置基準あるいは設備基準につきましてそれを上回る一定の目標 水準を設定して、それをクリアしていただいたところに補助金を交付していく。そうい う制度を通じて最低基準の底上げなどにも影響を及ぼしていきたいという思いで、最低 基準と補助基準というものの使い分けをしている。それは、物によっては結構古いとこ ろからやっているものもありますれば、比較的新しいものもあるというような状況でご ざいます。 また、施設整備の方につきましても最低基準にはこういうふうになっておりますが、 乳児に限らず保育所の設置に当たっての補助基準というのは最低基準をかなり超えると ころでの施設整備基準を設けております。そういう形で保育所の設計をしていただけれ ば、それに応じた施設整備費の交付をするというようなことでの仕組みを最低基準とは 違う形で補助基準で設けておるというのが現状でございます。 ○部会長 ほかにございませんか。 ○D委員 後の方の議論にもちょっとかかわってくるのかもしれませんけれども、例えば保育所 の最低基準、保母さんの数だとか施設の面積、設備基準みたいなものについて外国の保 育園はどうなっているのでしょうか。 それからもう一つ、当然審議会委員のところにも送られてくるのですが、いろいろな 団体が最低基準についての要望書を送ってくるのですが、その要望を事務局の方で整理 をしていただけないでしょうか。 ○保育課長 諸外国の例につきましては、我々で調べられる範囲で調べたりしたものはございます 今日は資料として用意してございませんが、次回にでも資料として御提示をさせていた だきたいというふうに思います。 それから、保育団体の要望等につきましてもいろいろ出てきているのは御指摘のとお りでございます。先日も、先ほどちょっと申し上げました与党三党で設置されておりま す少子化問題プロジェクトチームで、保育関係の3団体以外のところも含めまして、最 低基準に関連するものだけではございませんでしたが、いろいろな団体の要望、希望と いうのが明らかにされておりますので、それを整理させていただくということで次回に でもまた資料を整えてみたいというふうに思っております。 ○C委員 先ほどA委員からお話があった最低基準と補助基準ですね。最低基準では補助対象に ならないのですか。いろいろな措置費やそういった面で結局、補助基準があって、補助 基準をクリアしなければだめだという格好なのですか。 ○保育課長 例えば乳児保育を例にとりますれば、乳児1人当たり5平方メートル以上の面積を確 保していなければならないというのが補助基準でございますので、その補助基準をクリ アしていなければ、乳児保育の特別対策事業、いわゆる補助事業の対象にはなりません だから、最低基準をぎりぎり満たしているところで乳児保育を実施しているという保育 所も現実にございますが、そちらの方には補助金の交付はされませんということになっ ております。 ○部会長 ほかにございませんでしょうか。 ○保育課長 先ほど申し上げさせていただきましたが、今日は10月13日でありますが、12月の初め ぐらいのところまで実質的には2カ月ぐらいの短い時間であり、そういう意味では月に 2回ぐらいのペースで御議論をお願いしなければならないということを非常に心苦しく 思っております。しかしながら、先ほど申し上げましたような予算との関連もあり、出 来ますれば事務局としては4回ぐらいのところでの議論の取りまとめに向けてお進めい ただければありがたいというふうに思っておるわけですが、その他につきましても委員 の皆様方の御感触なり進め方についての御御見をお聞かせいただければというふうに思 っております。 ○部会長 むしろ具体的には、次の日程について事務局の方から御説明いただければと思います ○保育課長 事前に委員の皆様方の今後の出欠を確認致しましたが、皆さん本当にお忙しい先生方 ばかりで、なかなか調整が難しいのですが、何とか御都合があいそうなのが、11月4日 の午後1時から3時の時間帯であります。したがって、次回は11月4日の1時から3時 ということで開催をさせていただければというふうに思っております。 ○部会長 11月4日は火曜日です。1時から3時まで、よろしゅうございますか。 (「異議なし」の声あり) ○部会長 異議がないようですから、それで進めさせていただきます。 ○保育課長 今日は第1回ということで事務局の方で用意させていただいた資料を一方的に説明さ せていただくばかりで恐縮でございます。事務局といたしましては一応これまでの議論 の中で出てきておりました項目を幾つかこういう形での整理をさせていただいておりま すが、さらに、ここに載っていない項目についてもこの保育部会で議論をするべきでは ないかとか、さらにこの項目の中についてこういう論点が入っているのかいないのかと いうようなあたりについて、御注文なり御意見なり、そういうこともあわせてお出しい ただければ、今後の議論の素材として私ども事務局としてまたそれに対応していきたい というふうに思っておりますので、何かございますればお出しいただければありがたい と思っております。 ○D委員 先ほど課長がおっしゃられた保育運営に関する検討課題の項目は6項目まであります けれども、これをすべて12月までに整理出来るかという話はまだ何とも言えない。とい うのは、保育の水準にかかわる問題と、それから労働条件とか職員の処遇にかかわる問 題がありますから、もう少し議論をしてみたいと思います。そして、それはまた次回に 申し上げるようにしたいと思います。 もう1点は、例えばこの間新聞で、保母さん、保父さんという名前を何とかしたらど うですかと総務庁が言っていましたね。ああいう種類のことはどうしたらいいか。例え ば、ここに「(職員)第33条 保育所には、保母」という項目があります。整理出来る ならしたらどうでしょうか。 それからもう一つ、36条に「保護者との連絡」というのがありますけれども、こうい うものも保育所が情報公開するとかいろいろなことを言っていますから、今現在の保育 所が保護者の方にこうしなさい、ああしなさいといって指示するみたいな感じですね。 もう少し保護者との協力関係を高めるような中身に、もう少し議論して、もっと共同し て運営するぐらいになっていくのが望ましいと思うのですけれども、そういうふうなこ とも少し議論してみたらどうでしょうか。 ○部会長 まだあと4回ありますから、その中で今御提案があったようなことを討論してもいい と思います。 ○保育課長 今のお話の関連で、限られた時間の中ですべて整理出来るかということでありますけ れども、出来るだけ事務局として議論をしていただけるに必要な資料、あるいは資料づ くりを含めてデータの提供もさせていただきたいというふうに思っておりますので、何 分よろしくお願いしたいと思いますのが一つ。 2点目に、保父さんの問題でございます。今日は資料を用意しておりませんが、2〜 3年ぐらい前に総務庁の行政相談という中に実際に保育業務を担当している保父さんか ら苦情があり、それが発端で、総務庁の中での議論がされてきておる中で随時こちらの 厚生省の考えというのも問いただされながら今日に至ったわけですが、結論的に総務庁 は厚生省に、男性に対して法令上の名称は保母というものしかないので、履歴書などに 自分の職業と書く欄には、保母と書かなければならないうのはいかにも気の毒だ。よっ て、男性保育者について法令上の名称を検討すべきだというあっせんがされたのが9月 末ぐらいでございました。 その後、法令上は政令で保母さん、保育に従事する女子を保母と言うと、その政令の 一番最後のあたりで、保育に従事する男性については保母さんの規定を準用するという 規定があります。この政令上の規定をどんなふうにするべきかということでの内部の議 論を、このあっせんを受けて以後、厚生省内部でもさせていただいております。関係団 体、保母さんの集まりでありますとか、男性保育者の全国的な集まりも現にございます ので、そういうところの御意見もお聞かせさせていただきながらの議論になってこよう と思います。 最終的にそれについて、男性についてあるいは男女共通の名称についていいものが見 つかって、それを法令上の名称にすべきということ、そういう方向で動くとすれば、当 然審議会等、保育部会ということになってこようと思うんですが、こちらの方でも御議 論いただいた上で所要の政令改正等について進んでいく必要があるのではないかという ふうに思っております。それは関係者の意見でありますとか内部の議論がまだ検討に着 手したばかりのところでありますので、今日の時点では収れんする方向に向かっている というわけではありませんので、そのあたりの整理が出来次第、また御意見をいただく ために御提案、御協議をさせていただこうというふうに思っております。 ○A委員 この部会で最低基準の具体的な内容を詰めていくことになろうかと思うのですけれど も、今課長が言われたように、そこへ入る前に日ごろ考えていることでそういう問題を どういうふうに取り上げたらいいかというふうなことでお考えいただければと思ってい ることがあります。 一つは、今回の問題でもあるのですが、公立施設と民間施設の割合からいって、公営 が6割ということで多いわけですけれども、そういう体質を持った保育業界の中で公営 をやはり責任を持って運営していく地方自治体の考え方、そういう考え方を明確にしな ければいけないので、民間とどこが違うのかというようなことを明らかにする。 例えば、税金を公営の保育所には多く使っているということは、それだけの理由がな ければならないわけで、一般には民間で出来ないような仕事をするとか、あるいはモデ ル的な仕事をするというような方針があったわけですが、実情はどうもそうではないよ うであります。 一つはそういうことで、決して公立を非難するわけではないのですけれども、実態と しては余りはっきりしないものをもう少し明確にしていかなければいけない。というこ とは、例えば公設民営というような形で民間に運営を任せていくということがあっても いいと思うのですね。ある市で、小さい市ですけれども、公立保育所を全部民間委託し たところがあるのですね。そこで話を聞いてみますと非常にうまくはいっているのです けれども、やはりそこで人材という点から考えると一つそれだけでもいけないのではな いかと思われる節があるのですね。 というのは、結局民間施設をどんどんつくっていっても、組織論から言うとやはり リーダーをどういうふうに養成するかということになってくるわけで、その辺のところ がなかなか実態が進行していかないので、例えば学校の先生の経験者が園長になるとい うようなことがあるので、それは管理的な経験を持っているからいいのですけれども、 やはり地方自治体としてはただ保育の経験者を園長に据えるというだけではなくて、そ ういう現業を公的な組織の中にきちんと位置づけるような、そういう意味の考え方を明 確にしていって、それを実施してくださらないと困るわけで、そんな点などを日ごろ考 えておりまして、こういう公私問題は大変難しいですけれども、それぞれの長所を明確 にしながら運営していくし、割合としては私は民間が増えていくことは望ましいと思い ながら、いろいろな意味では人材の登用とか、それを保育業界の中に集めていく場合に 公立が果たす役割も大きいんじゃないかというふうに考えております。 それから、先ほども保父さんの問題がありましたし、幼稚園の処遇職員との共有との 互換性ということで、資格の面では問題ないのですけれども、実際に現場で見てみます と、やはり養成上の問題というものがたとえ共通であっても、例えば保母というのは保 育所の保母と児童施設の保母というものがあるわけですから、そういう意味の互換性と いうものを考えていきますと、今の資格をいじるというのは大変なことでしょうけれど も、何か新しい時代に向かっての資格要件というものに、先ほどの施設長のこともそう ですけれども、何か考える余地はないかということですね。 もう一つそれに関係して申し上げれば、御承知だと思うのですけれども、社会福祉の 中では社会福祉士と介護福祉士の二つの制度というものが発足しています。その際の仕 分けとしては、社会福祉士の方は相談援助という領域で、介護福祉士は介護という直接 処遇というふうに分けていますね。そのときに問題となってくるのは、例えば現場の中 で保母が相談援助をするというような場合に、これは保母の中に組み込んでしまってい いのか、あるいはここに社会福祉士資格というものが求められてくるのか。そういうこ とも、先行きのことですけれども考えなければならない。 また、介護といっても、実態としてはかなり内容的に保育との互換性があるのですね 基本的には人間相手の援助ですからかなり共通しているにもかかかわらず、厚生省の行 政の体制から分かれてきているわけですね。しかし、実際の現場というのは例えばいろ いろな意味で保育もあるし、健全育成の仕事もあるし、また障害児の通所療育もあるし また高齢者のデイケアもある。そういうものをやはり地域的に有機的に組み合わせてい く上には資格問題等の検討も長期的に見ていかなければならない。これはちょっと今回 なじまないかもしれませんけれども、相談援助などというのは保育所に課せられた仕事 というふうになりますと、保母の考え方はかなり変わってきているだなという印象であ ります。 いろいろ申し上げましたけれども、最初の段階でこんなことも考えている者がいると いうことでお話しいたしまして、あとは地方自治体にかかわる厚生省のかかわり方とい うもの、私どもは制度というのはよく分からないのですけれども、やはり現実的にいろ いろな規制緩和といってもかなり厳しいものがずっと続いています。すぐには変わらな いだろうと思うんですけれども、現場の次元ではかなり規制緩和しないと民間の福祉事 業というものはやはり先細りになりますので、そういう点で自由に自主的にやれるよう な形のものをどんどん進めていっていただきたいと同時に、人材養成とか規制緩和にか かわる厚生省の自主性というものを明示されていっていただければありがたいと、こう いうふうに思っております。 いろいろなことを勝手に申し上げましたけれども、進行と同時にまたいろいろな論議 が出てまいりますから、そのときまたお話をしたいと思っています。 ○F委員 非常勤職員の導入と給食の外部委託について、それぞれ他の社会福祉施設では既に認 めているというふうなことが書いてあります。給食の外部委託については病院について 認めているというのですが、なぜ他の社会福祉施設や病院で認められることが保育所で 認められていないのか、逆にお聞きしたい。同じ厚生省がやっていて、なぜこういう違 いが出てきているのか。あるいは、他の社会福祉施設、病院等で認めるに至った経緯を 教えていただきたいということ、次回でも結構です。 それから公設民営ということなのですが、公設民営方式の保育所がどの程度あるのか ということと、出来たら効果がどうであるのか、ここで評価するのは難しいと思います が。それから、他の社会福祉分野での公設民営というのはどうなのか。そういったこと について教えていただければと思います。 ○保育課長 調べまして、また御報告をさせていただきます。 ○G委員 今のF委員に加えて、私も公設民営化の保育園と幼稚園との合築のケースでよかった 部分と、それからちょっと問題というか、もっとこうした方がいいというような部分が ありましたら教えていただきたい。あと非常勤職員の導入と給食の外部委託ですね。特 段の問題が生じていないけれども、もしも生じた場合にどうするのかというようなこと をほかの社会福祉施設、きちんとそういうものの特段に問題が生じた場合はこうすると いうシステムがあるならばそういうことも教えていただきたい。 ○保育課長 あわせて資料を整理したいと思いますが、他の社会福祉施設の場合も外部委託とか非 常勤職員さんを定数の中で参入する際の条件、そういうような一応条件をつくった上で 外部委託とかそういうことを認めており、野放図な外部委託化とかいう形でやっている わけではないというのが基本的なところになっておろうかと思います。そのあたりも含 めまして、他の社会福祉施設での取り扱いの実際のところはまた資料的に整理をさせて いただきます。 ○B委員 最低基準の改正を検討する際に今回の児童福祉法等一部改正の意義を考えた上で検討 していかなければならないということを強く思っています。私自身は、今回の保育所制 度改正の意義というのは情報を提供して利用者の方に選択をしていただく、そして、そ の選択のニーズが供給者側の思いと一致しない場合に供給者側がいかに工夫をしていく のかということになるのだろうというふうに思っています。 そうしますと利用者の方 だれが利用者かという議論も必要なのですけれども、そ れとともに利用者の方が求めるサービスをうまくたくさん提供するためのメニューをつ くらなければいけないです。それには供給者側の工夫が要る。工夫が要るわけですが、 最低基準というのは一面では供給者側の工夫の自由に干渉してしまう、そういう側面が どうしても出てくるわけですね。最低基準で縛るほど供給者側の工夫の余地が少なくな る。そういう関係にありますので、最低基準というのは一体何なのか。先ほどA委員か らもお話がありました規制緩和の問題がありますけれども、どこまで保障すべきなのか というところはきちんと議論をした方がいいのではないかというふうに思います。 先ほどから出ていました非常勤職員の問題ですとか、あるいは調理員の問題も含めて もちろんD委員がおっしゃったような労働条件といったような側面も無視は出来ないと は思うのですけれども、基準を厳しく書けば書くほど供給者側の工夫の余地が減るとい う関係にも着目して議論をしなければいけないのかなというふうに思っています。 ○D委員 今、B委員がおっしゃられた法律の改正との関係のことと、地方分権だとか規制緩和 だとかいうふうなことで言われていることとの関係で、例えば公設民営化にすることで 現在でも公立保育所の措置費で決められている保母さんの人件費というのは非常に水準 が低い。ですから、社会福祉法人の人たちが園長さんを頼めない。というのは、園長に 相当する人たちの賃金が現在の基準でいうと安過ぎるから、園長さんにとどまってくだ さいと言えないというふうな悩みをおっしゃっていますね。公務員の人たちは公務員賃 金が適用されますから、そういう悩みは出てこないわけです。 ですから、公設民営化したときに現在でもそういう低い水準のところにいっていいの か。私たちは子供たちが出来るだけいい条件で保育してほしい。いくら規制緩和といっ ても最低基準の話ですから、保育の中身の質を低下させるような緩和はあってならない と思うのです。だから、緩和する場合にどういう面は緩和していいのか、どういう面は 絶対に緩和すべきではないのか。そして現在の基準の中で問題がある部分、それはむし ろ改善する方に持っていかなければいけないというふうに思うのです。 例えば各種保育所の開所時間の弾力化。これは供給を受ける側、利用する側から言え ばぜひこうしてほしいとは思いますけれども、子供の立場はどうかということもありま すし、弾力化すると弾力化する時間が変則勤務になってくる。そうすると、変則勤務に 足るような、さっきの3対1だとか10対1というのがある。それとの関係でローテーシ ョンが組めるような職員基準にしておかないと結局、保母さんがしょっちゅう代わる。 保母さんがしょっちゅう代わるような子供の預かり方が望ましいんだろうかという職員 の配置基準、子供を見る方の保母さんと子供の関係はどうなっていくのか。そこのこと については私はかなり注意して議論をしておかないと、前回の基本問題部会のときもそ うですけれども、情報の提供ということでいろいろなメニューをやってくださる保育所 をよく知らない人はいい保育所だと思って入れてみたけれども、実際に保育所が子供に とって好ましい保育所かどうか子供にはわからない。親に言えないこともあるわけです ね。そんなことを判断する能力がないわけですから、親は送っていって迎えにいくだけ ですから中身が分からない。だから、そういうふうになってしまって困るという点でこ ういうことが本当に子供たちにとっていい保育の中身にするような最低基準の見直しで あるかどうか慎重に議論をして、よくするための弾力化ですよということをきちんと説 明出来るような材料を用意しておかなければいけないのではないかと思います。 ○B委員 今、D委員がおっしゃられたこと、私は本当にそのとおりだというふうに思います。 例えばその議論をしていくときに、それでは利用者の方がこの場合利用者をだれにする かというのは今またD委員と私のところで少しずれておりますけれども、例えば「非常 勤職員が保母をすること」も情報提供の中に入るわけですね。そうすると、今度は利用 者がその情報に基づいて判断すると思うんです。非常勤職員をどのように活用するのか それも含めて情報を提供していくということが大事なのではないかなというふうに思っ ています。 それから利用者ということに先ほどからこだわっていて、子供なのか親なのかという ことですが、ここは私はきちんと議論をした方がいいのではないかというふうに思って います。 それから、措置費の問題と最低基準の問題が往々にしてリンクしてしまうわけですが 今、D委員がお話しされた保育園の園長の措置費の算定基準が低いというのは措置費算 定上の格付けの問題でありまして、最低基準の問題ではないのだろうというふうに思う ので、そこのところは分けて議論をしていく必要があるのかなというふうに思います。 基準の弾力化と基準そのものの向上は両方とも必要と考えられ、基準の向上が必要とい うことについては、基本的にはD委員がおっしゃったことに同感です。 ○部会長 ほかに御質問、その他ありませんか。 ○A委員 いろいろ問題があろうかと思いますけれども、一つは今、B委員が言われた、現場の 裁量がある程度きくような条件設定というものが必要だということが考えられます。今 ここで最低基準をなぜ論議するかということは、中間報告の中に最低基準などについて も検討することが必要だということが入っているわけですから、当然検討しなければい けないのですけれども、私などは単純に最低基準が上がれば当然補助が上がる、そうい う意味で最低基準を考えていたわけです。 先ほどの補助基準と最低基準というものを使い分けるという考え方があるとすると、 例えば一律に補助基準どおりにやらなければならないというふうに考えるのか、あるい はそこに一つの問題として3人に1人という職員配置があったときに、仮にそういうふ うに増えた職員を非常勤の人を充てながらある程度数的に増やしていく、現場の中でそ ういう裁量の使い方も出来るのかどうか。こういうことなども、大変細かいですけれど も論議を進めていくときに、要するに基準というのは一体何なのかというところもはっ きりさせていかなければならないというふうに思います。 先ほどちょっと舌足らずで、私が考えていたのは、現場の中で相談活動がある程度義 務づけられたときに園長がやればいいのではないかというふうな言い方もあるのですけ れども、もちろん園長のような経験者が当たることが望ましいのですが、出来ればそう いういろいろなキャリアの保母さんにもそういう経験を持ってもらいたいというふうに 思うわけですね。しかし、多くの保母さんは現場の仕事で張りつけられて責任を持って いますからなかなかゆとりがないということになりますと、そういうところに例えばこ れをどういうふうに考えていったらいいのか。先ほどゆとりの保母というのが1人置か れているようですけれども、それでいいのか。それとも、現場の中でいろいろな仕事を 進めていく上の組織として、例えば主任保母というものを補助基準の中に入れたらいい のではないかという意見も出てくるわけですから、そういう点もあわせて考えなければ ならないのではないか。 現場としては、やはり多くの公費が入ってくることが望ましいんですが、ただ、一律 に入るのではなくて、ある程度工夫をし、競争しながらいい実践をしていくというふう な体制がとれるような配慮というものが必要じゃないかというふうに考えております。 ○部会長 ありがとうございました。ほかにございませんか。 そうしましたら、今お話が出ましたことを事務局の方で整理して、この次にどういう 順序で討論していくか。それを決めていくようにしたいと思います。 次回の日程は11月4日ということですが、その後はいかがでしょうか。 ○保育課長 事前の出欠確認を見ましたところ、第3回目として11月18日はいかがでしょうか。よ ろしければ、11月18日の午後1時から午後3時ということで第3回目を入れさせていた だきたいと思います。 ○部会長 それでは、今日はちょっと早いようですけれども、これで閉会といたします。どうも ありがとうございました。 照会先  厚生省児童家庭局保育課  鹿沼(内線3163)