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第5回 ホームレスの自立支援方策に関する研究会(議事要旨)

日 時 平成11年11月16日(火) 14:00〜16:00
場 所 厚生省特別第2会議室
出席者 (敬称略、五十音順)
阿部志郎、岩田正美、上久保忠、竹村毅、長谷川匡俊、森田洋司
欠席者 (敬称略)
吉村靫生
議事概要  
(1)第4回(平成11年10月20日(水))研究会の議事要旨を確認
(2)自立支援事業の効果的な進め方についてフリートーキング
(3)発言要旨

発言1

○ これまでの議論は大都市中心に進めてきたが、ホームレスの現象としては中小都市にまで広がっており、それら中小都市では施策が立てられない状況のようである。

発言2

○ 今の日本には現象としてないが、アメリカではティーンエイジャーのホームレスが増加し、南米や北欧の一部ではストリートチルドレンが増加しており、日本においてもこれらを視野に入れておかなければいけない問題である。

発言3

○ 福祉事務所は個々の自治体ごとに設置されており、職員にとっては住民票をもっている人が住民だという意識が強くなるため、住民登録のないホームレスに対し福祉事務所がどのように対応していくかが問題である。
○ ホームレスへの対応については、福祉事務所の職員構成や職員のキャリアによって左右され、また、福祉事務所の仕事が増えていくことに対し、どんな体制がとれるかが問題となってくる。
発言4
○ 自立支援事業において、公共職業安定所の職員による職業相談を行うわけであるが、職業相談員のみの対応では困難である。就労する意欲に問題がある場合に、生活相談・指導員とペアを組むなど、完全に今までの連携という概念以上のチームプレイをもって対応しないと難しいと考える。

発言5

○ 自立支援事業は最初からセンターを前提にして全部そこに集約されてしまっているが、ここから漏れる人々に対する自立支援をどのように考えるか議論する必要がある。

発言6

○ 当面の対応策のフローチャートでは、就労自立モデルと福祉自立モデルが出され一見うまく行きそうに思えるが、現在の日本のホームレス問題を前提とすると、一番多いのは中間モデルである。半福祉半就労というかそのようなものをつくらないと非常に非現実的になると考えている。
○ 就労自立モデルでは一般労働市場での就職ということになると思うが、現状においては難しい面が多くあり、むしろ一般の労働市場から外れたところで仕事のチャンスを何か用意する必要があるのではないか。
○ 純粋な労働政策でもなく、純粋な福祉政策でもなく、なおかつ野宿の人たちの働く意欲を育てながら、あるいは社会参加を促しながらカバーしていく、そういうやり方を新たに模索できるかなという気はする。

発言7

○ 半福祉半就労を現実として考えると、今までそういう部類の労働市場は日本には皆無である。そうすると、新たにそういうものをどうやってつくるか。
 それに対して、地方公共団体が一定期間雇用するという失業対策事業みたいな発想が出がちになるが、それは良い影響ばかりでなく、期間が長くなればなるほど悪影響が出てくるのが現状である。国なり地方公共団体が事業を興してそこで吸収するのは良い選択とは思わない。
 就労の場を考える場合、参考となるのは高齢者、身障者などの事業主に対する助成、本人に対する助成ではないか。

発言8

○ 福祉と労働の接点として、例えば、シルバー人材センターや福祉工場のようなモデルがある。ワーカーズコープや生きがい就労のようなものでもよいと思う。
 生きがい就労についても仕事をつくっていかないと出てこないと思うが、その分野として国民生活に役立つサービスが考えられ、伝統技能というか、ふすま張りやちょっとした補修などは一般家庭で需要が大きい。

発言9

○ シルバー人材センターは確かにある意味では半福祉半就労というパターンであるが、そこで活動する方々の生活基盤は年金であるということが決定的な違いである。生活が経済的に保障されているという集団である。
 ホームレス対策で、シルバー人材センターを参考にする場合は、年金の代わりの保障を何にするかということが重要だと思う。

発言10

○ フランスの報告にあったように、何か特別な対策を立てることは隔離につながるということで一般法で対策を講じるという観点は大切かと思う。
 特別な対策をつくれば当面は対処できると思うが、それが固定化したり、逆に影響が社会全体に出るようになると問題となる。

発言11

○ 今路上にいる人たちのすべてを何らかの形でどこかに振り分けるなり、全体としての対応を同時に行う必要がある。病院や施設入所等既存制度による対応を図り、そこで対応できない方々をアセスメントを含めてセンターで対応しないと、ホームレスが路上に残ってしまうと思う。
○ 例えば簡単に年齢で線引きする等、受け入れの線引きをはっきりと決めないと、福祉事務所でもどうしてよいか分からない状況となってしまう。

発言12

○ 面接あるいは街頭相談の段階で、施設入所をうながし、それに応じた人々はすべて受け入れるという運営の仕方がよいのではないか。
 そこに一時入所させて健康診断なり、あるいは面接をした上で、そのケースが果たして就労が可能かどうか、あるいは病気はないかどうかはっきりした上で就労援助を行った方がよいのではないか。
発言13
○ 就労による自立支援のためには、まず就労意欲のリハビリが必要である。
 野宿の人たちは当初は仕事を探しに行くが、仕事がないためにあきらめの部分が出てくる。その結果自分が世の中から離れていくような感覚を持ち、セルフコンセプトがぐっと下がっていく。
○ はじめから就労意欲がある人とない人という振り分けは、ホームレスの問題に関しては少し無理があるような気がするし、実態にそぐわないような感じがする。

発言14

○ 働くことについては3つの要素があると思う。適性、能力、意欲の3つであるが、自立のためにはその3つに対するリハビリ的な処置が必要である。

発言15

○ 廃品回収をやっている人や何かの仕事を少しやっている人は、その仕事を失いたくないためにその場を離れたくないという人もいる。そういう人たちはとりあえずそこを確保しておいてあげながら、アウトリーチをして相談、健康診断等を通所で行うことによりセンターと接点をもつというタイプもあり得るのではないか。

発言16

○ 古本回収等を行っているホームレスに対して、もっといい選択肢がここにあるということを知らせて自発的に誘導してくることが大切である。
 それには、しっかりと仕事に就けるというチャンスがここにあるんだということで信頼されていないと無理かと思う。センター入所の不安を解消する相談・援助を十分に行い信頼を築いていく必要がある。

5 第7回の日程調整

第7回 1月19日(水) 午後2時〜4時

6 配布資料

なし


問い合わせ先
厚生省社会・援護局地域福祉課
担当 難波、奥出(内線2855)
電話 03-3503-1711(代 表)
   03-3595-2615(ダイヤルイン)


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