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社会福祉法人会計の在り方(基本方針)について

平成11年4月21日
社会福祉法人の経営に関する検討会

社会福祉法人の会計は、措置から契約への制度改正に対応するため、法人の自主的な経営が可能となる会計に改正する必要がある。


1.改正方針

(1) 法人単位の会計

○法人全体の自主的な経営を可能とする。

○在宅福祉事業等にも対応できるよう、標準的な会計基準とする。

○法人の自主性を考慮するため、会計基準は基本的なものに限定する。

(2) 経営努力(効率性)が反映される会計

○法人の経営を明確にするため、損益計算の考え方を導入する。

○施設整備等の法人自己負担分については、利用料からの償還を考慮する。

(3) 社会福祉法人としての公益性は維持

○公益性を維持するため必要とされる事項について考慮する。

○現行の社会福祉法人会計を基礎として、見直しをした会計とする。

(4) 理解しやすい会計

○情報公開等に対応できる簡潔、明瞭な財務諸表等とする。

2.主な改正点

(1) 会計単位

○本部会計、施設会計の区分を撤廃し、社会福祉事業全体で一つの会計とする。

○複数の施設・事業を経営する法人においては、経営状態が把握できるよう経理区分を設ける。

○公益事業又は収益事業に関する会計は、明確に区分する。

○在宅福祉事業等の経理の取扱いについては、必要に応じた変更を可能にする。

(2) 資金移動

○公益性を維持するため、資金が社会福祉法人外へ流出しない会計とする。

○収益事業から公益事業への会計間の資金移動等については、弾力化を図る。

(3) 施設整備費への償還等

○施設整備費に係る法人自己負担分は、利用料から充当できる会計処理とする。

○法人の自己負担分について、減価償却を導入する。

(4) 資産評価の方法

○資産の評価は、時間の経過により劣化する部分を考慮する。

○固定資産の減価分については、減価償却の方法によって適正に評価する。

(5) 基本財産基金の性格

○上記(3)及び(4)を生かした会計処理とする。

○基本財産基金の表示は、基本財産(上記(4)により減価する固定資産を含む。)に対応したものとする。

(6) 財務諸表の作成

○財務諸表は、収支と損益の両方が把握できるものとする。

(7) 施設の実態に合う会計基準

○法人の自主性を尊重した会計基準とする。

○公費補助にかかる施設整備以外の契約方法については、法人の自主性を尊重する。



社会福祉法人の経営に関する検討会委員名簿

(◎:座長)

氏名
(五十音順)
職 名
  岩渕寿郎 神奈川県福祉部団体調整担当課長
  川渕孝一 日本福祉大学経済学部教授
  小谷直道 読売新聞社編集局総務
  財前民男 社会福祉法人 光明会 常務理事
  高岡國士 社会福祉法人 成光苑 理事長
玉田弘毅 清和大学法学部教授
  本田親彦 公認会計士(アクタス元監査法人 代表社員)
  森田公一 社会福祉法人 恵徳会 理事長


(参考資料)

社会福祉法人の経営について


 社会福祉法人の会計は、措置から契約への制度改正に対応するため、法人の自主的な経営が可能となる会計にする必要がある。

1 社会福祉基礎構造改革における位置付け

社会福祉法人が期待される役割を積極的に果たせるよう、社会福祉法人の公益性を維持し、事業要件や財務・会計制度など社会福祉法人に対する規制を緩和する。

(1) 社会福祉法人制度の活性化の検討項目

(1)設立要件
(2)財務・会計制度
(3)情報開示
(4)助成の仕組み

(2) 財務・会計制度については、「社会福祉法人の経営に関する検討会」において検討

〔改正方針〕

 措置制度から利用制度への変更を前提として検討

○法人単位の会計……………………………… 本部会計、施設会計の区分の撤廃
○経営努力(効率性)が反映される会計…… 施設整備等の法人自己負担分について、利用料からの償還を考慮
○社会福祉法人としての公益性は維持……… 資金の社会福祉法人外への流出禁止
○理解しやすい会計…………………………… 簡潔、明瞭な財務諸表の作成

(3) 具体的な「社会福祉法人経理規程準則」の改正に当たっては、関係者からの意見をも傾聴して進めて行く必要がある。

2 検討会での取組

社会福祉法人の経営全般にわたって検討を行うこととし、当面、緊急課題である社会福祉法人の経理規程の見直しを優先して検討した。

(1) 今回は、自主的な経営が可能となるよう社会福祉法人会計の基本方針を示した。

(2) 今後は、基本方針を基に経理規程を見直し、さらに、経営全般についての検討を行う。

〔経営全般にかかる主な検討項目〕

○社会福祉法人の自立性の向上
○経営状況の分析方法の検討
○社会福祉事業の効率化の検討
○経営状況の透明性の確保

(注)基本方針を基にした経理規程の見直しについては、施設、事業の性格や実態を踏まえ、個別に対応する場合がある。
 なお、特別養護老人ホームについて、近く検討が開始される予定となっている。


(別紙)

「社会福祉法人の在り方(基本方針)について」の取り扱い


1 基本方針に基づく会計制度の変更は、措置制度から利用制度へ変更する施設が前提となる。

2 会計の体系は、措置制度から利用制度へ変更された施設について、基本方針に基づく会計制度に移行し、措置施設の施設経理は現行経理規程準則の維持を基本とする。

概念図

3 基本方針は、利用制度にかかる各施設共通的な事項について、4つの改正方針を基に主な改正点を示した。

〔改正方針〕

○法人単位の会計
○経営努力(効率性)が反映される会計
○社会福祉法人としての公益性は維持
○理解しやすい会計

4 基本方針は、社会福祉法人の会計の基本事項について方針を示したものであり、基本的枠組み以外の詳細部分の規程については、施設や事業の性格に基づく部分については各部局で検討し、自主的な運営については各施設種別ごとに検討されるものと考える。


照会先
社会・援護局施設人材課
菅原 広司(代03−3503−1711,内2862)


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