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医療審議会総会議事要旨

1.会議の日時及び場所

日時:平成11年2月15日(月) 14:00〜16:30
場所:厚生省共用第23会議室

2.出席した委員の氏名(五十音順)

出席委員 欠席委員
秋 葉 保 次
浅 田 敏 雄
有 山 雄 基
井 形 昭 弘
井 部 俊 子
梅 田 昭 夫
大 熊 由紀子
梶 原 優
黒 川 清
黒 木 武 弘
近 寅 彦
篠 田 伸 夫
杉 崎 盛一郎
関 山 守 洋
高 梨 昇 三
竹 中 浩 冶
田 中 滋
野 口 敞 也
秀 嶋 宏
福 間 莞 爾
邉 見 公 雄
宮 坂 雄 平
柳 克 樹
山 田 美和子
若 林 之 矩
加 藤 順吉郎
行 天 良 雄
松 田 鈴 夫
水 野 肇
諸 橋 芳 夫
植 松 治 雄
木 村 靜 子
澄 田 信 義
冨 永 清 次
藤 原 恒 弘
30名 5名

3.議題

○医療提供体制の改革について

4.審議の概要

・ 事務局から、医療計画について資料の説明がなされ、その後、特に医療計画の関係について審議が行われた。その概要は以下のとおり。

○ 病床区分の施行から7年間程度かけて、本格実施をするということであるが、7年間という期間は、今回初めて出てきたものか。

(事務局)7年間を目途として考えているが、具体的な移行方法等については当審議会で議論していただきたい。

○ 今回行おうとしている病床区分は、精神、結核、伝染病のように疾病としてわかりやすい区分ではないため、自然に分かれていくには時間を要するのではないか。資料には粗い目安を提示するとも書かれているが、目安を誰がどう決めるのかということについても議論しなければいけない。

○ 医療計画の本格実施後には、もう他の病床には動かせないということでは問題があるのではないか。高齢化が急速に進んでいく中で、あまりきっちりと線を引くというのはいかがなものか。本格実施の際に、別途検討するということにしておいた方がよいのではないか。

○ 介護保険が施行されることに伴い、老人保健福祉圏域というものが新たに創設されるが、現行の二次医療圏との整合性はどうなっているのか。
 それぞれの圏域に、それぞれの需要や様々な要素があるため、なかなかそれらを一致させることが困難で、医療体制や救急医療等でスムーズにいかない面がでてきているという実態があるということも認識してもらいたい。

○ 急性期、慢性期の区分については、参議院の国民福祉委員会や行政改革委員会においても、進めるべきという方針が出されており、それに沿って議論を進めていくべき。過去の精神や結核、伝染、その他というわかりやすい区分に固執することはないのではないか。既に医療提供者が、産科や小児科の病床は特殊病床ということで区分しているという実態もある。

○ 3ヶ月などと期間を区切って病床を区分するのはいかがなものか。産科、小児科のように、また急性期、慢性期についても医療提供者が自然に分けている部分もあるが、法律で数を決めて分けられるのとは意味合いが違う。区分することに異論はないが、その区分の仕方、医療計画の策定については心配なところがある。

○ 以前に資料として病床面積の国際比較等を出してもらい、日本の病床がかなり狭いということがわかったが、欧米でも構造設備や人員配置についての規制があるのか。

(事務局)構造設備基準については、やり方は違うが最低基準に対する規制はあるということである。また、人員配置については、日本のように規則で決めているところはないが、実際には日本の人的装備よりは手厚い状態にあるのが、欧米の現状ではないかと思う。

○ そうすると日本は医療環境に関しては、経済大国という割には諸外国と比べてあまりよくないという現状であると思うが、医療費の問題に関しては先進国の中でも低いということが言えると思う。ただ、そうは言っても老人人口が多いということを考えれば安ければよいということばかり言ってはいられないのではないか。病床数に関しては日本は諸外国に比べても多く、多少は減らしてもいいかもしれないが、病床当たりのコストが非常に安くなっているということで、そのしわ寄せがマンパワー等に跳ね返り、サービスも当然悪くなるということがあるのではないか。
○ 日本のように高齢化社会になってくれば、GDPに対しての医療費のパーセンテージが増えていくのは当然のことであり、総医療費を上げないという大前提があること自体おかしなことではないか。日本の就業者人口の10%は建設業界であるが、アメリカも一時は10%であったものが、今では5%を切り、医療や介護、健康関連産業の就業者人口が10%となっている。労働者がシフトしても健康産業や医療では、内需が拡大されないといわれるが、内需拡大になるように規制を緩和し、医療にもっとお金を注ぎ込むということが基本的なスタンスなのではないか。

○ 混合診療については、どう考えているのか。例えばバイアグラは保険の対象にならないが、糖尿病の患者等が使うこともあるのではないか。あれは混合診療ではないのか。

(事務局)混合診療については、是か非かの問題については両論あり、現時点ではまだ結論がでていない。バイアグラの取扱いについては、最終的にどうするかということは聞いていないが、特定療養費の制度ができ、一部自己負担をとれるが、残りは保険診療というシステムが導入されたことにより、皆保険制度ではあるが、徐々に自由度を増す方向には来ていると思う。

○ 混合診療については反対。現状でも医療費を払えない人が増えてきており、そういう人たちのことも考えていかなければならないのではないか。また、医療負担に関する格差が大きく拡大することとなり、皆保険制度の前提は変えるべきではない。

○ 我々が考えるべきことは医療に質の評価をどのように持ち込むかであり、この点を議論するべき。

○ 医療計画の問題であるが、たたき台の算定式では、地域間格差の是正が目的ということではなく、病床数を削減するためとしかいえないのではないか。

(事務局)全国統一値を最終目標とするのは必要病床数に関する検討会の考え方に沿っている。現在は全体として病床が多いという考え方だが、今後、全体の病床数は今と同程度又は減少すると考えており、必要以上に増床させるために基準値より低い県では基準値を用いる必要はないという考え。

○ 医療の実態からすれば、供給が需要を作るという性格があり、病床規制は必要ではないかと考える。また、そのときに、現行の規制は一般病床ということでやっているが、その中には急性期と慢性期とが実態としてあるのだから、それを適切に分けて規制をしていくというのは理に適っているので、たたき台の方向で進めることに賛成。ただ、本格実施までの期間が7年もかかるというのは、介護保険制度や新しい薬価基準制度、高齢者医療制度の状況を考えると長すぎるため、もう少し短縮できないか。

○ たたき台について基本的に賛成であるが、やはり7年間は長すぎるので、患者調査を毎年行う等により短縮してもらいたい。また、これは現行制度でもそうだが、医療機関の新陳代謝が図れないという問題がある。例えば、質の評価を関連づけることなど、具体的に考えていることはあるのか。
(事務局)これまでは人員配置基準については法令上何もできなかったものを、充足するよう命令できる、それに従わない場合には取消ということも含めてできるようにするということを提案している。そうすれば、新規参入が可能になるということで少しは新陳代謝が図れるのではないか。

○ 当審議会では、病床を削減し、医療の供給をなるべく少なくしようという方向で議論が進められていると感じるが、日本の医療費は諸外国と比べても多くなく、たったそれだけの金額でこれだけ多くの病床があるということを、もっと誇るべきではないか。供給が需要を生むというが、喜んで医者にかかる人などなく、国民が自由に病院に行けるということはよいことではないのか。

○ 医療制度でフリーアクセスを残すことを前提として考えた場合であっても、現在の状況では保険料率を引き上げることが困難であることが問題である。

○ 勤労者は、現在950/00ぐらいの医療保険料を支払っている。一方で高齢者の負担は少なく、若年層を中心に負担が隔たりすぎているという現状は問題ではないか。また、国民がもっと高度な医療を必要としているということはわかるのだが、負担が増えるということには問題がある。少なくとも医療提供体制を効率化してほしいというのは、勤労者を中心とした国民の要請ではないか。

○ 国民皆保険を堅持しながら制度疲労の部分を改革し、国民によい医療を提供していくということには賛成。また、医療の質の確保ということから競争原理を導入することについてもよいことだと思う。ただし、構造設備や人員で競争するというのはいかがなものか。競争はあくまで医療提供の内容ですべきではないか。また、民間医療機関が効率化を図る一方で公的医療機関が公的財源を入れて同列に競争しているのは問題。このような問題を解決し、平等な条件で競争し淘汰されるのは当たり前。病床区分についても医療機関の努力が必要だが、法律で縛られるのは困る。

○ 今までは、一般病床ということで急性期も慢性期も一緒くたにやってきたが、実は区分するよりもコスト的には安くついていたということがいえるのではないか。しかし、今後は医療の質の向上が問題であり、病床を急性期・慢性期に区分することにより、コストを明確にし情報を開示して医療の質の評価を可能にするとともに、診療報酬が適切に支払われるということであれば、区分することには賛成。しかし、政府の公式見解として国民負担を国民所得の一定割合以内に抑えるとの考えがあり、病床数については減らさざるを得ない。介護保険導入によりこれまで医療が担っていた介護機能の一部が吸収されるので対応することは可能だと思う。
 一旦病床区分された後に、過剰になっている逆の病床に転換できないというのはいかがか。都道府県の医療審議会にある程度の権限を持たせ、その地域の実態に合わせてルールを作り、運営していけるようにしてもらいたい。

(事務局)色々な観点からの議論が必要であると思うが、今の医療資源がある程度時間を置けば分かれていくだろうし、その段階で個別規制に移行していくのがよいのではないかということで提案している。

○ 新規参入の話が出ているが、病院や医療法人の出資形態や経営者が変わることがままあるが、これも新規参入といえるのではないか。

○ 在院期間の取扱いについて、急性期病床は3ヶ月以内というが、具体的にどういう取扱いになるのか。患者は3ヶ月経つと入院していられないということなのか。

(事務局)主治医が、個々の患者にどちらの病床が適当かということを考え選択していく際の一応の期間の目安或いは努力目標として3ヶ月ということを提案している。

○ 3ヶ月ということで法に定めると、医療監視等の際にそれに違反しているということで、取り締まられることがあるのではないかという心配がある。その点についてはどうか。

(事務局)今改正では、構造設備基準、人員配置基準は医療機関の承認取消につながるが、在院期間については、あくまでも努力目標。

○ 規制が急性期・慢性期で別々になると、新陳代謝で新規参入がまた増えるかもしれない。10年前のように駆け込み増床があるのではないか。

○ 病床を急性期と慢性期とに分けるということは可能であり、しかも効率的で質のよいサービスを行う上でプラスになるという意見が多いと思うが、医療計画の本格実施までに7年もかかるというのはいかがなものか。他の制度改革が進んでいく中で医療提供体制が取り残されるような格好になってしまう。どうすれば最短でできるのか、もう一度考えてみるべきではないか。

○ 患者の立場から急性期・慢性期に区分する方向には賛成だが、7年間というのはいかにも長い。素人考えでは、医者が患者を急性期に入れるのか慢性期に入れるのかを判断するのは容易ではないか。一番早いルートで仕上げることを考えるべきである。

○ 厚生省案には流動性がなく、このままでは医療の現場が困ってしまう。区分の必要があるから区分すると言っているが、患者は実際に苦労すると思う。

○ 医療の質を考えた場合、厚生省案には患者にとっては人員配置が手厚くなるというメリットがある。

・ 続いて事務局から、医師・歯科医師の臨床研修必修化について資料の説明がなされ、その後、審議が行われた。その概要は以下のとおり。

○ 今までは、卒後すぐに1年目と2年目に臨床研修を行い、2年間が終了したときに証明書を出していたが、今後は卒後すぐにではなく例えば2年目、3年目に臨床研修を行うことも同様に認めていくのか。また、給与についてはどの程度支払えばよいのか、それぞれ医師と歯科医師に差があるのかについても伺いたい。

(事務局)研修の時期については、現状の医師法でも努力義務規定となっており、必ずしも卒業直後の研修でない者もいる。今回の改正の考え方もそういう風にはなっていない。また、給与の関係については、個々の病院と医師との間の労働契約の問題であるため、国が特に指示するという問題ではないと考えるが、基本的に医師・歯科医師が研修を行うのに必要な手当がきちんと支払われるような整備が必要ではないかということで検討をしている。医師と歯科医師の違いについては、それぞれの事情や労働契約の内容の問題であろうと思う。研修医1人当たりに対しての国の一般会計からの補助があり、その金額は医師と歯科医師では違っているが、これは給与の原資ということではなく、研修にかかる諸経費の原資ということであるので、これが支払われる給与に直結しているとは思っていない。

○ 基礎医学等に進んだ者で研修を受けていない歯科医師等が開業しようとする場合には、やはり研修が必要となるのか。また、大学院に進む者もいるが、その場合はどうか。

(事務局)純粋に基礎医学に進む者にまで必修を課すという趣旨のものではないが、言われたとおり本来基礎医学を志向したが開業しなければいけない事情が生じたという場合には、その時点で研修が必要となると考える。大学院との関係でいうと、修了後に研修を受けることも可能であるが、臨床系の大学院の場合には、事前に臨床研修を修了した後に進んでもらううのが望ましいのではないか。免許自体は臨床研修病院に限定した免許ということではないが、研修を修了していない者は病院或いは診療所の管理者にはなれないというようにしてしてはどうかということを提案している。アルバイトについては研修に専念していただく。

○ 何のために薬学や解剖を習うかというような教育の動機づけ等、卒前の研修についても議論をすべきではないか。また研修指定施設が大都市の大型の病院ばかりにならないよう、救急に力を入れている病院や療養型病床群等の特徴のある病院も指定していってもらいたい。

○ この卒後臨床研修の問題については、基本的にどこで審議するものなのか。また費用の面についてはどうか。

(事務局)医師については医療関係者審議会の医師臨床研修部会、歯科医師については同じく歯科医師臨床研修部会があり、そこで基本的な骨組みについて審議をしているが、医療法に関係する部分については、当医療審議会で審議することとしている。費用の点についても、また別の審議会に諮らねばならない点もでてくることと思う。

○ 今後、臨床研修を受けていない基礎医学の大学教授が、病院の管理者となるようなことはあり得るのか。また、臨床研修を受けていない医師が例えば緊急の場合に医療行為を行ったとして、医師法違反に問われることがあるのか。

(事務局)法律の施行後の卒業生ということであれば、たとえ元大学教授といえども、実際に生きた人間を扱う臨床の場の管理者ということであるため、そのような特例を作っていくというようなことは考えていない。研修を受けていない医師が医行為を行うことについては、医師免許を持っているかどうかという問題なので、それ自体が違法ということではない。

○ 臨床研修の必修化自体は、医療水準の向上のために必要なことであり賛成。ただ、医師の仕事についての研修をするということと、病院の管理者になれないいうことがどうして結びつくのか、理論補強がいるのではないか。また、大学の医局等ともよく議論していただき、広い範囲に渡る充実した中身のある研修を行っていってもらいたい。


照会先
健康政策局総務課 青木(内2513)


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