平成11年2月5日
第3回福祉サービスの質に関する検討会(議事要旨)
| 1 日時 |
平成10年12月24日(木)10:00〜12:00 |
| 2 場所 |
共用第13会議室 |
| 3 出席者 |
石橋、江草、奧野、柏女、北野、坂巻、清水、杉村、武居、竹内、外山、中島、橋本、長谷川の各委員
久留(社)シルバーサービス振興会企画部次長 |
4 議事
- (1)第2回の議事要旨について確認
(2)杉村委員、武居委員、中島委員、久留次長から検討状況についての説明
5 主な発言
(1)質疑応答
(1)杉村委員の説明について
(発言1)
- ○ サービスの評価はサービス提供機関からの申請を基に行われることが原則とはどのようなことか。
(発言2)
- ○ サービス評価を受ける際には、サービス提供機関からの申請を第一と考えているということである。
(発言3)
- ○ 最低基準ではなく、適正あるいは適切な基準というときは、地域格差や事業者によりとらえ方に違いがあることから、今よりも基準のレベルが下がることも考えられるのではないか。
(発言4)
- ○ 今よりもよい基準を目標としている。
- ○ 現在でもある特養などの評価基準も活用し、基準を高める方向で検討していただければと思っている。
(2)武居委員の説明について
(発言5)
- ○ 事業者にとっては、よい評価を受けそれを公表することが評価を受けることのインセンティブにつながるのだから、事業者の優劣を付けるものであってはならないということになれば、そのような評価を受けることはインセンティブにつながらないのではないか。
- ○ 施設のサービス内容を情報提供するに当たっては、評価結果の公表もその項目の一つになるべきである。情報を受け取る利用者は、その評価結果を見て事業者をランク付けするのではないか。
(発言6)
- ○ 評価結果として○×がつけばよいということではない。事業者が質を改善しより適切なサービスを提供するようになる、という方向でこの評価が働けば、利用者にとってもメリットになると考えている。
(発言7)
- ○ 法令に明記する基準とは何か。入浴の回数といった項目は除くと考えているのか。
(発言8)
- ○ 難しい問題とは思うが、むしろ第三者評価の問題であると思う。
(発言9)
- ○ 評価組織を指定法人によることは望ましくない、とはどのような趣旨か。
(発言10)
- ○ 半行政的な機関だと監査の強化という意味づけになるとか、天下りの対象になるといった問題があると考えている。
(3)中島委員の説明について
(発言11)
- ○ 行政監査に代わるものを考えているのかという感じを受けたがどうか。
(発言12)
- ○ サービスの内容に関する評価の仕組みがきちんとすれば、経理部分を中心に行政監査を進め、役割分担することが可能となる。
(発言13)
- ○ システムやプロセスは測りやすいかもしれないが、パフォーマンスをどのような尺度で測るかは難しい問題であると思う。
(発言14)
- ○ 第三者評価の基準に利用者の満足度ということを入れるとすると、非常に難しい問題があるかと思う。例えば今後利用者の権利意識が高くなったときに、ある程度のサービスを提供していても不満があるからといってこのサービスの質は悪いといえるのか。
(発言15)
- ○ その点は、総合的な評価が必要になってくると思う。ただ、余り客観的な面ばかり見られるのはどうかと思う。
(発言16)
- ○ 消費者問題においても、少し高くても自分のニーズに合っているとか、もう少し社会的に役立つものを選ぶとか、選択の仕方がずいぶん変わってきている。
福祉の分野においても、建物は立派でないし人も多くはないが、自分の生活ニーズと合っているということも選択の基準となると思う。選択のために、多様な評価を情報として提供するシステムはよいのではないか。
(発言17)
- ○ 評価の基準は一元化するものではなく、消費者の立場、事業者の立場、シルバーサービスの立場、専門職の立場で評価の視点やウエイトが異なってくる。消費者にとっては多様な評価基準があるのが望ましいのではないか。
(発言18)
- ○ 検討会の目標は、サービスをよい方向に誘導していくインセンティブを事業者にも与えていくという視点が必要だと思う。行政による監査、業務改善などとは違うものと思うがどうか。
(発言19)
- ○ ここ10年余そのような考え方でサービスの質の基準が作られてきたが、実際、サービスの内容がよくなってきたわけではない。今回、新しくサービスの評価の仕組みを作るとすれば、評価機関にはある程度法的効果を与え、しかも手挙げ方式でなく、しかも簡便でも毎年スクリーニングを行うなどが必要ではないか。
(4)シルバーサービス振興会の説明について
(発言20)
- ○ 申請があって結論を得るまでにどのくらいの時間をかけているのか、現場で の調査はどの位の期間行っているのか、調査は何人で行っているのか、費用は どの位なのか。
(発言21)
- ○ 申請から最終の認定を行うまで書類審査や実地調査を含め2ヶ月半ほど要する。調査に行くのは原則1名で、1日で行う。認定料はサービスの内容ごとに違い、固定料に事業規模等事業者の状況に応じた費用を加算している。ホームヘルプ事業だと平均25万円位である。
(発言22)
- ○ 書類審査についてはどの程度時間がかかるのか。
(発言23)
- ○ 一番重視しているのは、事業者ごとに定められているサービス提供マニュアルをチェックすることであるが、その内容、ボリュームにより期間が異なってくる。
(発言24)
- ○ 事業者に対する評価は、どのような立場で行っているのか。
- ○ 過去に認定されて、その後苦情を含めてトラブルが起こった事例はあるのか。
(発言25)
- ○ シルバーマークの仕組みは、行政的に規制しているものではない。民間企業の場合には、利用者評価の最たるものはその事業者を利用しないことであると考えている。シルバーマークを交付するのはあくまで利用者にとっての判断の目安の提供なのであって、絶対的なものではないと思っている。
- ○ 事業者が申請してくる理由は、基本的には自分で「いいサービスをしている」といったところでセールストークにしかならず、何らか第三者に評価してもらうことが必要なのだ、ということである。
- ○ いくら認定を受けていても、トラブル等があればその事業者は利用されなくなってしまう。トラブルについては賠償制度を用意して利用者保護を図っており、今までシルバーマークの信頼を失墜するようなことは起こっていない。
(発言26)
- ○ シルバーサービス振興会はかつて事実上行政の代理行為のような行動をしていたが、そのときには行政の隠れ蓑として批判されていた。一方、自主自立で行おうとすれば事業者の御用団体ではないかと批判されることになる。どのように成り立たせれば第三者ということになるのか。
行政からの補助を受ければよいという意見もあるかもしれないが、それではやはり、行政の代理行為ではないかとの批判を受けることになりかねない。
(発言27)
- ○ シルバーマークに関しては行政からの補助は全く受けておらず、認定料で賄っている。
- ○ シルバーマークは、それをとっている事業者に対して市町村がサービス提供の委託をしていたということで、ある意味で参入障壁的な機能を有したと批判され、行政でもそのような取り扱いは撤廃した。一方で、シルバーマークを全く自主的な取組として存立させるためには第三者評価を行っているといわなければならないが、2社以上の同業者が集まれば事業者団体であるという定義になってしまい、御用団体が評価しているといわれかねないこととなってしまう。この点について、どのように理解を得ればよいかについては悩んでいるところである。
(2)意見交換
(発言28)
- ○ サービスの質については理解や取組が広がってきているが、実態がなかなか改善しない。しかも、最低基準を満たしていないものがあるとの指摘もある。やはり問題になるのは、実効性のある仕組みづくりということであり、内部審査とか、申込みをしたところだけが評価を受けるというようなことはやめた方がよいと思う。
- ○ 需給のバランスが未成熟な段階での仕組みづくりであることを考え、評価の義務づけが仕組みの運用の硬直化につながるという議論に逃げないでつっこんで議論する必要があると思う。
(発言29)
- ○ 議論する際には、特養だけでなく在宅のサービスも念頭に置かなければならないし、NPOなど社会福祉に関する活動のすそ野が広がってくる中で、社会福祉事業のみに限ってよいのかと思う。
- ○ また、苦情解決の仕組みとサービスの質に関する議論は別個のものという説明だったが、苦情をどう解決するかということと、苦情の解決についての項目をサービスの質の評価の項目として入れるかは違う。
- ○ 行政を中心とした広い意味での公的機関、利用者代表のグループ、利用者一人一人という層があり、それぞれが情報発信源になっている。特養を考えると、現在は公的な評価が主となっているが、利用者の苦情についても取り入れていく必要がある。評価の基準を作る中では、そのようなそれぞれの情報発信源の役割について、どのように整理していくかが問題となる。
(発言30)
- ○ 評価基準については、共通部分とサービス分野別の部分というように分けた方がよいと思う。
- ○ サービス提供について応諾義務があるなら、サービスの質がよくないということは、行政の介在などを含めたサービスの決定プロセスに問題があると考えることもでき、評価に当たってサービスの決定プロセスも無視できないと思う。
- ○ 最低基準に問題が生じたときのために、基準を改める旨を行政へ勧告できるような仕組みをを考えるべきではないかと思う。
(発言31)
- ○ 評価ということは、ある基準で何かを図り、それをまたフィードバックする仕組みである。従って、どのような目的で、誰にフィードバックするかということを念頭に置いておかなくてはならない。具体的には監督官庁なのか、保険者なのか、利用者本人なのか、社会全体なのか、そして事業者なのかということである。事業者へのフィードバックは必須であろう。
- ○ サービスは、提供者と受益者がいて成り立つが、提供されたときに消滅してしまい、在庫としてとっておくことのできないものである。従って、アメリカの医療においても、その質を評価するには満足度に頼るしかないのでは、という議論になっている。しかし、その測り方をどうするか、との問題が生じる。
- ○ プロセスに重点を置き本人にフィードバックすることでサービスの改善を図るモニター評価と、結果のアウトカムを計り次にプロジェクトを作る計画を立てる際に反映するためのアウトカム評価があるが、事業者は前者を重視するし、利用者は後者を重視する。
- ○ このような様々な点を組み合わせてやるのか、誰がこの評価の情報の消費者か、そろそろ議論の外堀を埋めていく必要があるのではないかと考える。
(発言32)
- ○ 最低基準としてきちんと守らせる部分と、サービスの評価基準として自由裁量でできる部分を整理した方がよいのではないかと思う。最低基準は、適正基準として底上げする必要がある。第三者評価基準は誘導基準としてとらえ、最低基準とはきっちり分けていくべきである。
(発言33)
- ○ 最低基準については、お金の関係もありなかなかさわれないとは思うが、問題はあると思う。
(発言34)
- ○ 最低基準は、公的機関からの評価のツールである。この基準をどのようにしても、実態と理念は乖離してくる。利用者が自ら受けたサービスについての意見を聴いて判断するもう一つの評価のツールを作らない限り、最低基準をいくらかさ上げしても仕方がないと思う。もっと重層的なシステムを作ることが必要であり、最低基準は変える必要はない。
(発言35)
- ○ 現場からは、厳しい指導を受けてもなかなかサービスの質は向上しない、という面があり、法をもって強制する方法には限界があるのではないかと思う。サービス提供者が努力していけるような方向への誘導と利用者が満足できるサービスをどのようにしていくかという点を満たす評価の仕組みにしていかないといけないと思う。
6.日程等
次回の日程等については、調整後連絡することを確認して閉会。
(以上)
照会先
社会・援護局地域福祉課
山本 麻里(内2852,直3591-9862)
社会・援護局施設人材課
小田 正二(内2862,直3591-5060)