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第14回中央社会福祉審議会社会福祉構造改革分科会議事要旨


1.日時 平成10年10月23日(金)10:00〜
2.場所 法曹会館「孔雀の間」
3.出席委員  (50音順)
阿部、石井、江草、上村、喜多、木村、乳井、野中、橋本、福武、村田、八代、山口の各委員
4.議事

(1) 福祉人材確保対策室長による説明。
(2) 障害保健福祉部企画課長による説明。
(3) 分科会長より、今後の進め方について、11月26日を目途に検討の方向性についての意見集約を行うことを確認。

5.審議の概要

(発言1)

○ 契約による利用制度の導入に当たっては、利用者の立場を守る観点から権利擁護や苦情解決、質の評価、事業の透明性などが担保されなければならない。これを明確にするためにも、罰則規定を設けることも必要であると思う。例えば、金融不祥事は、監査制度はあっても尊重されず、罰則規定がないことが1つの原因であるし、米国でも自由競争阻害行為に対しては厳しい罰則が課されている。
○ 新しい福祉制度では、障害者等も健常者と同様に個人の尊厳を重視し、自立を支援するという目的が大原則である。これを明確に担保するためには、サービスの利用者と提供者との直接契約と利用者の選択権を保障する利用者本位の制度でなければならない。
○ サービスの利用の仕組みでは、サービス提供者間において競争が行われる環境づくりと利用者に権利と原資を帰属させることが大原則である。その場合、利用者に原資を帰属させるのは助成決定の時点が適当である。
○ 資料の案について、施設サービスではうまくいくと思うが、在宅サービスにおいて複数の事業者を利用する場合には、自己負担部分と公費助成との間で精算が困難な場合が生じ、利用者の選択の障害になるのではないか。したがって、バウチャーなり、利用券といった仕組みを組み込むことを原則とすべきである。

(発言2)

○ 「指定事業者」に課す一定の要件については、これが裁量の余地が大きいものであるか否かによって意味合いが異なる。何かの協会に入らなければならないとか、自治体が地元の業者を優先することであれば問題がある。これらは、利用者重視という観点からみれば非常に困ったことであり、地方分権も重要であるが、こうしたことが起きないよう、国の方で一定の基本政策なりガイドラインを呈示するべきである。
○ 助成決定と事業者の選択の順番について、逆に、助成決定を得てから事業者を選択するということがあっても良いのではないか。
○ 介護保険の要介護認定やケアプランとサービスの質の基準などについて整合性を図ってもらいたい。特に給付の二重取りにならないよう留意してほしい。
○ 情報開示について、都道府県や市町村などの公的な施設で一望のもとに比較できるような情報サービスセンターのようなものが必要ではないか。
○ 仮に虚偽の情報提供があった場合には、地方自治体にかなりの罰則を与えられるような権限がなければ、情報開示にならない。

(発言3)

○ 費用負担について、市町村が助成する部分の財源の負担はどうなるのか。
○ 地域福祉権利擁護制度について、窓口業務は広域行政圏の基幹的な市区町村社協で行うとあるが、これは主体としての都道府県で行うので、あとは広域行政圏で補完するということで、一般の市町村は関与しなくていいのかどうか。
○ 行政監査について、契約制度の下で本当に行政が十分な監査を行うことができるのか心配もある。
○ 地元業者との関係について、土木、建築工事では極力一般競争入札で行い、指名競争入札を廃止する方向にある。他方で、地方自治体としては雇用対策や財源確保は重要課題であり、税収などを考えると、地元の業者に頑張ってもらい、税金を納めてもらいたいという側面もあることを理解してもらいたい。

(発言4)

○ 市町村の助成分の財源については、市町村が現在措置費として負担しているものを前提にしており、その場合の国、地方の負担区分を変えるとか、地方の負担を重くするとかいうことは考えていない。

(発言5)

○ 地域権利擁護制度に対して予測される需要とそれに対する体制を考慮し、当面、広域市町村圏毎に基幹となる市町村を窓口として実施してもらい、今後の需要の増加をみつつ、専任の数を増やすなどの対応をしていきたい。

(発言6)

○ 事業者の指定と施設の認可の関係は、今後どのようなものになるのか。認可があって指定があるのか、およそ指定だけになるのかということである。指定の意味については、指定があることをもって公費負担の対象となるのか、公費負担とは関係なく指定ということになるのか。
○ 事業者としての立場からいえば、公費負担部分について、事業者が代理受領できる仕組みの方が収入の確保について安心感がある。
○ 苦情解決の仕組みについて、事業者の側からも、利用者が本人の自己負担を支払わないので契約を解除したいといった場合などに、苦情処理の申立てをしたいということもあるのではないか。

(発言7)

○ 市町村の事務負担が軽減される面があることは評価したい。
○ 小規模作業所や無認可保育所等を社会福祉事業に位置付けるべきとの意見もあるが、その扱いによっては、事故が発生した場合に市町村が責任をとれない場合が生じないように、きちんとしたルールをつくってもらいたい。
○ 国による費用負担を変えないのであれば、表現上もきちんと明確にしてもらいたい。
○ 町による商品券の制度は町の活性化が目的であると同時に、受ける側の立場に配慮し、日常生活の中で使ってもらうことを意図したものである。また、税収面から地元に配慮する必要があることも理解願いたい。他方、交付税など、全国的な税をもらっていることも配慮し、例えば、公共工事について、多額なものは全国規模で発注し、少額工事は地元業者という配慮をしている。ただし、効率を優先する大企業などが過疎地などに入ってサービスを行ってくれるかどうかは不安もあり、地元を優先せざるを得ない場合もあることについて理解を求めたい。
○ 対象者として「家族等による援助の困難な者」などについては、家族ではなく相続人とするのが適当ではないか。相続人にも一定の責任を負担してもらうような道筋をつけることも大切ではないか。

(発言8)

○ 検討の方向性については、基本的にはこれまでの流れを踏まえよくまとめられていると思う。
○ 施設内での苦情解決は、日常茶飯事のことで大変重要であるが、解決の仕方によっては住みにくくなるなどの場合も考えられるので、具体的イメージを説明してもらいたい。
○ 試案では「自立支援計画」の策定については、「利用者の同意を得て」としているが、「利用者とともに」行うものと考える。
○ 地域福祉権利擁護制度の「生活支援員」について、どういう人がなるのかは重要である。民生委員が入っているが、民生委員には優秀な人が多いが、中には自己の価値観が強い方もいる。民生委員については、生活支援員の「協力員」という立場ではないか。
○ 標準的な契約例はあってもいいが、これを事業者に対して標準的な契約書の策定として「指導」するのであれば、実質的に従来の措置制度と変わらないのではないか。あくまで参考例として呈示するのが適当ではないか。
○ 利用者助成の制度について、方法はいくつか考えられ、金券であるバウチャーがよいのか、代理受領がよいのか、方法論については慎重に議論する必要がある。

(発言9)

○ 「施設内での苦情解決」については、地域の民生委員など公益的立場に立てる人の立会いの下、当事者同士で話し合うことを基本に考えている。

(発言10)

○ 介護保険制度が平成12年度から始まるが、介護保険であれ福祉サービスであれ、利用者にとっては、可能な限り同じ手法が使われる方が分かりやすい。
 介護保険では利用者負担は一割の定率負担であるが、今後の福祉サービスは所得段階別の定額自己負担となっている。所得段階別の定額自己負担については、所得段階があまり極端にならず、可能な限り介護保険との整合性が図られるように考えてほしい。
○ 事業者の指定についても、介護保険との整合性を図ってもらいたい。
○ 不服審査について、できるだけ当事者間で話をして、それでまとまらなければ都道府県というのは良い。介護保険では国保連に審査会を設けるという仕組みになっているが、この点も整合性を図ってもらいたい。
○ 過疎地でのサービスは採算に乗らず、企業も入りにくいいう見込みについては同感であるが、介護保険では広域圏での対応が検討されている。福祉サービスでも、この点を配慮し、契約化したことでサービス提供体制に関する不安を与えることにしてはならない。

(発言11)

○ 利用者の選択や権利性が確保されることは大原則であるが、県内に1つしかない施設種別もあり、多様なサービスを提供できる体制が整備できるかが問題である。
 この場合、適正な施設配置の議論も出るが、必ずしもそうではなく、多くの場合は多様な需要に応えられるようなサービスの種類、形態を考えた方がよい。
○ 例えば、施設の分場を設けていくこともある。こうしたことから、児童、障害者について、利用者の選択・権利性が実際に確保されるような方策を進めていくことが必要である。

(発言12)

○ 介護保険との重複は避けるべきで、特に苦情解決制度等において介護保険との整合性を図ってもらいたい。
○ 最後は、地域社会において在宅で自立して生きる、支援するという考え方もよいが、最終的には病院や施設に入らなければならないことや、中間施設である老人保健施設に本来入るべき人が入りにくい状況になることなどを踏まえ、施設の受け皿作りは進めるべきである。

(発言13)

○ 「第三者」あるいは「第三者機関」については、自分の価値観の押しつけといった問題もあるので、制度を十分に練り上げてもらいたい。
○ 介護保険で利用者が1割負担することについては、大変かと思ったが、むしろ、自立に向けて利用者自身が積極的にサービスの選択を行うなど、いい方向に向いているというモデル事業の報告が出てきていることも考慮していくべきである。
○ 第三者機関によるサービス内容の質的評価について、現在、施設関係者がISO基準を採ろういう動きがあるが、それも視野に入っているのか。

(発言14)

○ 施設としては、利用者の状態、あるいはそれに生活的な情報が欲しい。そうしたものがカードにインプットされるようになれば非常に便利である。
○ 現在は、利用者の本籍等を聞かないので、亡くなったときの処置に困ることがある。こうした場合に本人確認をする方法を設けてもらいたい。
○ 苦情解決について、サービスを提供した、利用者は受けていないと主張する場合が出てくるので、サービス提供の有無を確認できるシステムが欲しい。

(発言15)

○ 高齢者、障害者の増加に伴い、社会福祉施設における「看護」を充実させる必要がある。そのためには、福祉施設の特性を理解した看護婦の確保が重要であり、看護婦養成校において、福祉施設での勤務を考えたコースを新たに設けるべきである。
○ 現在、社会福祉法人が新たに診療所を設置することは、一部例外があるものの、認められていない。今後、高齢者、障害者の増加に伴い、社会福祉法人の医療機能を高めるためにも、これを認めるべきではないか。

(発言16)

○ 今までの検討過程において、社会・援護局長をはじめ事務局が、3回にわたり34の関係団体との意見交換会を行ったり、多くの説明会やシンポジウムを開催し、意見交換を行っていることは、これまでの社会福祉の法の制定、改正の過程にはない画期的なものであり、評価したい。様々な制約はあろうが、この改革は、50年に1度のものであり、積極的に議論し、大胆に取り組んでいただきたい。

(発言17)

○ これまで、措置制度の下では我慢していたが、相対の契約の原理の下になると、サービスに対する苦情が沢山出てくると思われる。その対処については十分考えてほしい。
(発言18)
○ サービスの第三者評価については、その考え方、評価機関などの具体的な内容について今後設ける検討会において検討していきたい。
○ 事業者の指定について、病院の場合は、医療サービスの質を担保する観点からの医療法上の開設許可と保険給付の観点からの保険医療機関等の指定とが行われている。現行の社会福祉施設としての認可はこの2つの性格を有するものである。
 今後、利用制度となったときに、指定を現在と同様に質の担保と併せた仕組みの中で考えるのか、医療のように切り分けるのかといったことについては、今後の法案作成の中で検討していきたい。

6 日程等

 次回は、11月17日(火)午前10時から厚生省内での開催を予定していることを確認して閉会。

以上


問い合わせ先
 厚生省社会・援護局企画課
 電話 (直)03-3591-9867


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