98/06/26 第68回 中央社会福祉審議会総会議事録 第68回 中央社会福祉審議会総会 議事録 1 日時及び場所 平成10年6月26日(金) 10:00〜     厚生省別館特別第1会議室 2 出席委員   青木、江草、木村、庄司、高城、乳井、橋本、初山、堀、正木、真屋、 光田、八代、山崎、湯沢の各委員(このほか、臨時委員の阿部委員が、社会福 祉構造改革分科会長代理として出席) 欠席委員   天野、石井、川勝、袖井、田畑、富永、南、山口の各委員 3 議事 (1)社会福祉基礎構造改革分科会の中間まとめについて (2)生協のあり方検討会の報告について (3)社会福祉士国家試験の実務経験に係る指定施設に追加について     (4)平成10年度補正予算について     (5)その他 事務局 おはようございます。定刻でございますので、ただ今から、第68回中央社会福 祉審議会総会を開催いたします。   委員の皆さまには、お忙しいところをお集まりいただきまして、まことにありが   とうごございます。    本日は、8名の委員が所用のためご欠席とのご連絡をいただいておりますが、 それぞれ委任状をいただいておりまして、定足数は満たされております。欠席の委   員は、石井委員、田端委員、富永委員、山口委員、袖井委員、南委員、川勝委員、   天野委員でございます。    今回は、昨年12月の任期満了になります委員改選後、初めての審議会でございま   すので、まず最初に委員長の選任をお願いすることになります。その間の議事進行   につきましては、僣越でございますが事務局で務めさせていただきたいと存じます   ので、よろしくお願い申しあげます。    まず、委員の方がたの異動についてでございます。今回の改選にあたりまして、   阿部委員、有馬委員、金瀬委員、京極委員、津山委員、三浦委員、そして山崎委員   が、ご都合により退任されました。代わりに、青木委員、高城委員、初山委員、真   屋委員、南委員、八代委員、山口委員が新たに委員にご就任されております。    では、お手元に委員名簿がございますので、それをごらんいただきまして、本日   ご出席の審議会の委員の皆さまをご紹介いたします。    青木委員、江草委員、木村委員、庄司委員、高城委員、乳井委員、橋本委員、   初山委員、堀委員、正木委員、真屋委員、光田委員、八代委員、湯沢委員、以上   でございます。    また本日、ご説明の関係で、社会福祉基礎構造改革分科会から阿部委員にご出席   いただいてございます。    では、社会福祉事業法第9条の規定に基づきまして、委員の皆さま方の互選によ   りまして、新委員長の選任をお願いいたしたいと存じます。どなたかご推薦をお願   いいたしたいと存じますが。 委 員 木村先生には大変にお忙しいとは思いますが、引き続き委員長をお引受願えれ   ば大変幸いと思いますが、よろしくお願いしたいと思います。 事務局 ただ今、木村委員のご推薦がございましが、いかがでございましょうか。               (「異議なし」の声あり )    異議がございませんようですので、木村委員に引き続き委員長をお願いしたいと   存じます。    では、今後の議事の進行は木村委員長にお願いいたします。 委員長 ただ今、ご推薦をたまわりました木村尚三郎でございます。僣越ではごさいま   すが、ご指名でございますので、引き続きこの中央社会福祉審議会の委員長を務め   させていただきます。皆さま方のご協力をいただきまして、円滑な議事の進行に努   めてまいりたいと思いますので、なにとぞよろしくお願いいたします。    では、まず社会福祉審議会令第1条の2に基づきまして、私が所用でこの会議   に出席できない場合の代理をあらかじめ決めさせていただきたいと存じます。こ   の審議会での経験豊富な江草委員に委員長代理をお願いしたいと存じますが、よ   ろしゅうございましょうか。               (「異議なし」の声あり )    では、江草委員、よろしくお願いいたします。 委 員 よろしくお願いいたします。 委員長 次に、当審議会には社会福祉事業法第10条の規定に基づきまして、生活保護専   門分科会、地域福祉専門分科会、人材確保専門分科会及び社会福祉構造改革分科会   が設置されております。これらの分科会に所属する委員につきましては、審議会令   第2条第2項の規定により、委員長が指名することとなっておりますが、事務方で   事前に調整したと伺っておりますので、お手元に各分科会ごとの名簿が配布されて   いると思いますが、この通りとさせていただいてよろしゅうございましょうか。               (「異議なし」の声あり )    ありがとうございます。それでは、ご自分のご所属をご確認お願い申しあげ   ます。    続きまして、事務局の紹介をお願いいたします。 事務局 (事務局の紹介) 委員長 では、社会・援護局長さんからごあいさつをお願いいたします。 社会・援護局長 ただ今、ご紹介いただきました社会・援護局長の炭谷でございます。   今回、新たに社会福祉審議会の委員になっていただきました先生方、ほんとうにお   忙しいとは存じますが、よろしくお願いいしたしたいと思います。また、ご再任し   ていただきました委員の方がたにおきましては、引き続きご審議のほどをお願いし   たいと思っております。    いうまでもありませんが、現在の政治、経済、社会、また国際情勢という状況は   大変革を遂げております。そのような変革の中で、私ども社会福祉の今後の流れも   大変大きく変革していかなくてはいけないということで、現在、分科会では社会福   祉の基礎構造の改革についてご議論をまとめていただているところです。このよう   な社会福祉の基礎構造以外に、たとえば中央社会福祉審議会の審議事項でございま   す生活保護を初め、いろいろと大きな問題があると思います。こういう分野につい   て大所高所、また専門的な見地からご指導、ご審議をたまわれれば幸いと   存じます。よろしくお願い申しあげます。 委員長 ありがとうございました。    それでは、議事に入らせていただきます。    まず、私が分科会長を務めております社会福祉構造改革分科会におきまして、   6月17日にとりまとめ、公表された社会福祉基礎構造改革に関する中間まとめにつ   いてご報告をいたしたいと存じます。   社会福祉構造改革分科会は、昨年11月28日に初会合をもって以来、6月12日まで   のあいだに計13回にわたり審議を行ってまいりました。その間、現地の視察や集中   審議を行いまして、社会福祉の基盤制度全般について広範な検討を精力的に行って   まいった次第でございます。   中間まとめの内容につきましては、後ほど、分科会長代理であります阿部先生か   らご報告をお願いいたしますが、基本は、戦後、社会福祉が上から下への恩恵的な   福祉という形をとっていたのを、これから、江戸時代の言葉を使えば相対というこ   とになりますが、対等の原理に基づいた福祉、しかも国民すべての人にとっての福   祉に変わっていくという転換を含んでいるわけでございます。   現在、全世界的に経済が低迷する先行き不透明な時代でありまして、その中でだ   れもが心のやすらぎ、そしてまた生きがいを求めることに切実になっておりまし   て、そのような個人に多様な福祉サービスをその選択に基づいて提供するという必   要が、全国民的な規模で今、起こっているといっていいと思います。   そのような新しい時代での安心と安全を求め、幸せを実現していくためには、自   助とか公助だけではなくて、ともに助け合い、支え合うという共助の精神が、これ   からの福祉にとって最も大事ではないかと思っております。昔、「おかげさまで」   という言葉がございましたが、だれもが社会あるいは人さまのおかげで生きている   わけで、それだけに、人さまにまたお返しもするという支え合う心を忘れてはなら   ないのではないか。    その意味では、この分科会でもよく出ておりましたが、地域におきましても、あ   るいは家庭におきましても、愛情に基づいた共生の関係がこれからの福祉の基本に   なるのではないかと思っております。    それと同時に、これまでは福祉サービスと申しますと、積極的にお金をどうやっ   て出すかという感覚についてあまり関心がなかったと思うわけでありますが、これ   からは、ちょうど芸術の世界にアートマネジメントというのがあって、芸術もわか   るが同時にお金もわかる、そのような経営感覚が求められるのと同じように、社会   福祉も単にお金のかかるサービスと受け取るのではなくて、適切な運営ができるよ   うな金銭的な経営感覚も必要ではないかと思う次第でございます。    そして社会福祉を、今、経済が苦しいときに、単にいよいよカネを食うサービス   と考えるのではなくて、むしろこれからの経済の活性化の機会としてとらえる、そ   のような積極的な精神も大事ではないか。分科会で横須賀に現地の視察を行いまし   て、阿部先生に大変にお世話になりましたが、横須賀市などは社会福祉について積   極的な受けとめ方をしていることをはっきりと知ることができました。   中間とりまとめは、戦後の傷痍軍人とかあるいは戦災孤児のいた時代での福祉と   いうものから出発しまして、今の大きな社会的な変革の中で、21世紀における社会   福祉の理念とそのあり方を根本から考え直そうという意図で行われたものでござい   ます。この中間報告が、本格的な社会福祉の改革に向けての議論のたたき台として   広く国民に問いかけるものとしたいというのが、今回の趣旨でございます。 これが公表されました6月17日は、ちょうど私はヨーロッパに仕事で行ってお   りまして、阿部先生にすべてお任せ申しあげまして、大変ご苦労をおかけして、   ここで改めて御礼を申しあげます。   では阿部先生から、その中間報告の内容につきましてご報告をよろしくお願い   いたします。 社会福祉構造分科会長代理 今、委員長からお話がありましたように、短い期間でし   たが、13回、分科会を重ねて、毎回、時間が足りないぐらい盛んな論議でございま   した。木村会長のリーダーシップのもとで、各委員が熱心に誠実に責任感をもって   参加されました態度と、意見に相違はございましたが、中間報告のまとめについて   は全員が賛成をして承認をいたしましたことに感銘を受けました。   さらに、この分科会を進めるために、事務局が十全な準備をし、資料を整え、   そして大変スムースに分科会が運営されますようにご配慮をいただきましたご労苦   に、感謝申しあげたいと存じます。   資料11)をごらんいただきますとわかりやすいかと思いますが、中間まとめにつ   いて説明をさせていただきます。    このまとめの構成は、まず総論において改革の必要性と理念を述べ、そのあと   で、改革の具体的内容として各論を述べるという形になっております。    改革の必要性については、少子・高齢化の進展、家庭機能の変化などに伴い、社   会福祉には限られた者の保護、救済にとどまらず、国民全体を対象とし、生活の安   定を支える役割が期待されているということを述べたうえで、この要請にこたえる   ためには、戦後50年間、基本的な枠組みに変更が加えられていない社会福祉の基礎   構造について、抜本的な改革が必要であるとしております。   改革の理念については、自らの努力だけでは自立した生活を維持できない場合   に、社会連帯の考え方に立った支援を行い、個人が尊厳をもってその人らしい生   活を送れるよう、自立を支援することを社会福祉の目的としております。このよ   うな社会福祉を実現するための改革の基本的な方向として、1.対等な関係の   確立、2.地域での総合的な支援、3.多様な主体の参入促進、4.質と効率性の向   上、5.事業運営の透明性の確保、6.公平かつ公正な負担、7.福祉の文化の創造、    その7点を挙げております。    次に、改革の具体的な内容を分野ごとに述べておりますが、今回の改革の狙いは   二つございます。一つは、地域での総合的なサービスを確保するための地域福祉の   確立。もう1点は、個人の尊厳を重視し、自立を支援するという新しい理念にふさ   わしい社会福祉の制度を構築することにあります。    まず社会福祉事業については、社会福祉の増進に重要な意味をもつ事業を引き   続き社会福祉事業として位置づける必要があります。措置にかかわる事業について   は、利用形態が変わってもその重要性に変わりはありませんし、また、無料低額事   業についても、今日なお社会福祉事業とすべき重要性があります。    一方、状況の変化に対応し、権利擁護のための相談・援助事業や、障害者の情報   伝達を支援する事業などを社会福祉事業として追加することなどが必要になってい   ます。また、社会福祉事業の規模要件の見直しや多様なサービスを確保するため、   経営主体の範囲に関する規制のあり方を見直すことも必要です。    次に、社会福祉法人については、多様な主体の参入が進む中においても、サー   ビスの提供において引き続き中心的な役割を果たしていく必要があります。   一方、社会福祉法人に対する規制及び助成については、他の事業主体との適切な競   争が行われる条件に配慮したものとする必要があります。社会福祉法人の経営を活   性化するため、厳格な会計区分の撤廃、経営責任の確立、経営規模の拡大などの取   り組みが必要です。    次に、サービスの利用者システムについては、サービス利用者の権利を明確に   し、個人の尊厳を重視した構造とするため、今後は個人がサービスを選択し、契約   により利用する制度を基本とする必要があります。その場合の費用については、当   然、公的な助成を行うことが前提となります。    また、契約制度への移行と併せて、利用者の権利擁護の仕組みが必要となりま   す。このため、成年後見制度の導入とともに、社会福祉分野においても権利擁護の   ための制度が必要です。   施設整備については、サービスの対価として得られる収入を借入金の償還に充て   ることができる仕組みが必要となります。また、供給体制の計画的な整備の推進、   施設の複合化、公有地や学校施設の積極的活用、公費補助制度の見直しなどが必要   となります。    以上が、社会福祉事業の推進に関する内容です。    次に、質と効率性の確保についてご説明申しあげます。    まず、サービスの質については、専門職の役割などを明確にするとともに、ケア   マネジメントのような手法の福祉全般での確立、サービスの内容にかかわる基準の   設定、第三者評価、情報開示、利用者や施設職員などの意見を反映する仕組み、苦   情処理体制の整備などを通じて向上をはかる必要があります。また、質の確保を前   提として、効率性の向上をはかるための方策も必要となります。   人材の養成・確保については、社会福祉施設等職員にふさわしい給与体系の導   入、専門職についての養成、教育課程の見直し、卒後教育の充実などをはかる必要   があります。    最後に、地域福祉の確立についてご説明いたします。    まず、地域福祉計画を策定し、それぞれの地域で総合的なサービスを受けられる   体制を整備する必要があります。    次に福祉事務所については、地域の実情に応じ、専門機関としての機能が十分に   発揮できるような体制が必要です。    社会福祉主事については、社会福祉の基礎的な資格として有効に機能しておりま   すが、いわゆる三科目主事については見直しが必要です。    さらに市区町村社会福祉協議会については、地域福祉のための活動を行う公益的   な組織として位置づける必要があります。このため、住民、ボランティアのネット   ワークづくり、日常的な生活援助の事業のほか、権利擁護や苦情処理などの役割が   期待されます。    次に、民生委員・児童委員については、住民の安心した暮らしを支えるものとし   て位置づけるとともに、適任者の任命や研修の充実、児童委員としての機能の強化   などを行う必要があります。    次に、共同募金については、配分方法などについて見直しが必要となっていま   す。以上が、この中間まとめの概要でございます。以下、全文を事務局で朗読して   いただければと存じます。 事務局 (中間まとめの全文を朗読) 委員長 ありがとうございました。ただ今、中間とりまとめにつきまして、分科会長代   理並びに事務局からご報告を頂戴いたしました。特に分科会長代理からは大変行き   届いたご報告がございましたが、委員長として見習わなければいかんと反省してお   ります。    中間まとめに続きまして、国民各層で幅広く議論が行われることを期待する次第   でございます。また、関係者の意見も踏まえながら、社会福祉構造改革分科会にお   きまして、今後さらに検討を進めて深めてまいりたいと存ずる次第でございます。   その間、必要に応じまして、この総会にも内容をご報告したいと考えております。 この中間とりまとめにつきまして、何がご発言、ご意見、ご質問等がございました ら、よろしくお願いいたします。 委 員 先ほどのご説明の中で、中間まとめの1ページの冒頭にございます現地視察は横   須賀を中心にして実施されたということでございましたが、ちなみに、どこか施設   視察はございましたでしょうか。    あるいは、これと関連いたしまして、社会福祉の基礎構造に関連する地域格差と   申しますか、そういった議論がとりまとめの段階で何か行われたということであれ   ば、その要点等をご紹介いただければと思います。 社会福祉構造分科会長代理 まず、地域格差の問題に関しては、地域分権あるいはこれ   からの介護保険の問題等に関連しまして、いろいろとご意見がございました。    しかし、中間まとめの段階ではここに表現をした程度のことでございまして、   今後の論議にそれは期待されるということかと思います。    現地視察に関しては、4カ所視察をいたしました。第1は、横須賀市の福祉行政   の実態。第2は、ボランティアセンターを含めまして社会福祉協議会の   活動の内容。第3に、学校の空き教室を転用した老人のデイサービスの事業。   これは、視察をされました委員の方がたが非常に注目をされたようでござい   ました。4番目が、私が働いております横須賀キリスト教社会館の各種の   デイサービス等でございます。保育を含めまして。    実はもう一つ、予定にございませんでしたが、たまたま近くに民間の産業がして   いらっしゃる保育施設がごさいまして、これも視察の皆さんがそこに行って見学を   しました。これは視察でございますので、直接それが論議に生かされたわけではあ   りませんが、議論を進めるうえでは非常に参考になったと考えております。 委 員 18ページにある民生委員・児童委員のことなのですが、もちろん全体としては   結構なのでございますが、ほかの委員につきましてもいろいろ検討が行われている   のですが、任用年齢の見直しとかといったことも、全体の高齢化を受けて行うよう   なことがあったほうがよろしいのではないかと思います。    具体的に申しますと、実はことしの2月に、私は地区の方から、ぜひとも交代し  てほしい委員がいるので、民生委員になってくれないかという依頼を受けました。   その条件としては、フルタイム勤務者はいけない。しかし、私は事実上、半分くら   いは空いております。それから、地区の打ち合わせ会の金曜の午後に別の仕事があ   ってはいけないということで、それはないのだということでした。    私は、こちらの委員会の生活保護部会の委員になっている者でございますが、そ   ういう者が民生委員になるのはかえっていいことではないかと思いましたから、内   心、引き受けたほうがいいと思っていたわけでございます。    ところが、最後に、それでは履歴書を出してくれという段階になりまして、任命   のときに、ことしの11月だそうですが、65歳を超える年だからだめであるというこ   とになりまして、そのまま話は消えたわけでございます。    それで全体のメンバーを見直してみますと、私の地区では実に9割までが女性ば   かりでございます。一つは、そういうことで男性がなりにくいのではないかという   気がしたわけであります。お仕事が終わった男性でこういうことを張り切ってやり   たいという方の参加しにくいものにしているのではないかという気がしたわけでご   ざいます。   70歳以上にしろというのはまだ早いかもしれませんが、68歳ぐらいまで延ばして   もいいのではないだろうかという気がしたものですから、そういう検討も一言入れ   ていただきたかった、そういうことでございます。 委員長 ありがとうございました。私も68歳でございます。ご意見として伺っておけば   よろしいですね。事務局のほうで何か言うことはありますか。 事務局 せっかくのご意見でございますので。ことしは一斉改選の年でございまして、   地方のほうで定数などもわりと今までよりも自由に決めていただくことになってご   ざいます。委員のご意見がございましたように、民生委員の方がたに地域でご活動   いただくために若返りというのをずっと指導してまいりましたが、今のご意見も含   めてテイクノートさせていただきたいと思います。 委 員 大変な労作を拝見させていただきまして、感銘しているわけでございますが、 なにぶんにもこのような構造改革を実現するためには、その前提として、わが国の   福祉風土の醸成ということが非常に重要になってくると思います。その場合には、   福祉マインドとか連帯意識の啓発とともに、順社会的行動といいますか、欧米でよ   くプロ・ソーシャル・ビヘービアという言葉が使われますが、実際にアクティビ   ティを起こしていく、そういう面まで深みのある福祉教育、これが非常に重要な意   味をもってくる。    特に宗教教育のようなバックグラウンドがないわけでありますから、これが福祉   教育に持つ役割が今後ますます重要性を帯びていくのではないか。これは、子ども   時代から高齢者に至る生涯にわたる教育として展開すべきものであるし、またそれ   は学校、地域、職域と、それぞれの場において展開されていく必要がある。    特に今、キレる中学生などが問題になっていますが、青年期などにはこれは非常   に有効に働いているわけでありますが、福祉教育実践校等ではそのような事例をた   くさんもっているわけでございます。いうなれば、体験型の福祉教育をそれらの関   係行政機関・施設と連携しながらどうシステム化していくか、あるいは強力に進め   るかというところを、厚生省がリーダーシップをとっていく必要があるのではない   か。福祉教育と福祉文化、あるいは福祉風土の醸成とのかかわりのところを、もう   少し深みをもたせたらいかがかな、というのが第1点でございます。    第2点は地域福祉計画のところでございます。エンゼルプランのときも私は感じ   たのですが、計画をする都道府県あるいは市町村にかなり対応力に格差があるわけ   です。今度、これにケアマネジメント等も入りまして、市町村は大変煩瑣であり、   対応力を失いつつあるところもあるのではないかと思います。その点も、市町村格   差の穴埋めをどうするかということ。    もう一つは、かつてアメリカでやりましたヒューマンサービスのようなレベルま   で考える。たとえば、子どもは子ども、お年寄りはお年寄り、障害者は障害者とい   う対象者ごとのサービスとともに、トータルとしてその家族のもっているニーズに   総合的に対応するような、いうなればそれらをサブシステムとしてもつという、教   育とか医療も視座におきながら、統合化して家族の必要とするニーズに対応するよ   うなサービスのシステムをつくりあげていくことも、この際、考えていく必要があ   るのではないかと思うのです。    私は、たとえば養護児童の問題などにかかわっていますと、家族解体に至る前段   階の危機状態にあるときに、ケースワーカー等が早期に介入してトリートメントし   ていくことによって、問題を軽減する効果が非常に高いわけです。しかしながら、   その問題が夜間とか日曜日などに発生する。そういうことになりますと、24時間稼   動するホットラインみいたいなものがどうしても必要になってくるわけです。    その場合には、公共団体だけのサービスではカバーしきれない、あるいは社会福   祉法人のサービスだけでもどうにもならない。いわゆる公権介入等によるメリット   等も生かした公民ミックスのサービスシステム、こういうものもこれからは考えて   いく必要があるのでばていかということを痛感しているわけです。    最後に、このように福祉文化とか経営感覚が福祉に要求されるようになります   と、福祉系の大学のカリキュラムが今のようなことでいいのだろうか。福祉系の大   学が、社会福祉士とか精神保健福祉士の養成だけを目指す定番とするカリキュラム   が非常に多くなってきた。もっとアメリカでいうようなメジャー制を導入して、   たとえば福祉経営とか福祉文化とか、あるいは国際福祉、教育福祉というメジャー   を導入するようなカリキュラムに改編して、専門性にもっと深みをもたせるような   福祉専門職を養成していただくことが重要になってくるのではないか。    この点は文部省と非常に関係があると思うのですが、大学設置基準の改正によっ   てこれは非常にやりやすくなっておりますので、その辺も検討をすべき課題ではな   いか。    ちょっとズレたところもありましたが、以上でございます。 委員長 ありがとうございました。福祉文化、福祉経営について大変大事なご意見をい ただきました。 委 員 全体として大変よくできていると思います。特に多様な主体の参加とか、措置   から契約へといったことは、私もかなり前から話をしていますので、大変納得でき   るし、そういった形で推進していけたらと思います。    いくつか、質問なり意見なりを申しあげます。    多様な主体の参加という点に関連して、従来、社会福祉事業法というのは、基本  的に社会福祉事業は社会福祉法人がやる、あるいは公的公共団体がやる、そういう   考えだったと思うのですが、それはかつては主として施設が中心だったということ   になるのでしょうが、そういう考えと多様な主体参加というのをどのように整合性   をとっていくのか。    特に最近では、介護の分野ですと有料老人ホーム、介護専用型、あるいはベービ   ーホテル、それと社会福祉事業法との考え方をどのように調整していくのかなとい   うこと。多様な主体が入ってくる場合に、従来の公共団体あるいは社会福祉法人が   やっていたことと、イコールフッティングをどうはかるかという問題がある。これ  は、いくつか条件整備ということで書いてあるのですが、3ページの 3の「多様な   主体の参入促進」というところで、特に従来、シルバーサービスが伸びなかったの   は、公共的なサービスについては補助する、シルバーサービスについては補助しな   い。最近では、地方公共団体からの委託というのもあるのですが、そういうことで   イコールフッティングがないというところで問題があったので、ただ多様な主体の   参加というだけではなくて、イコールフッティングを確保するということ。   これは、あとで社会福祉協議会とかそういうところで若干出ていますが、原則とし   てはそういうことが必要ではないか。    それとの関係で、社会福祉事業の範囲は若干変わるということは提言されている   のですが、基本的にはあまり変わらない。原則として従来の範囲ということです   が、すぐに変えろというわけではないものの、これから、ほんとうにそういうこと   でいいのかどうか。一つは、介護というのが、介護保険ができることによって従来   の社会福祉事業の範囲の中に置いておいていいのか。それこそ多様な主体が入って   くるので、そういうものと社会福祉事業の範囲は、介護保険ができることによって   どう変わってくのかという問題。    もう一つは保育の分野です。保育というのは、戦後においては、貧しくて両親が   働くきいった場合に、子どもの健全育成を保育所ではかる、そういう趣旨だったと   思うのですが、保育所の役割も変わってきて、両親が働くための施設というふう   に、健全育成よりも労働政策みたいな形になってきているので、福祉事業という範   囲の中におさめていいのかどうか。もう少し社会福祉事業の範囲から一般化してい   く形で考える必要はないのかどうか。そういった点を一つ。 もう一つは措置に関してです。この報告が、措置から契約ということで、それは 私も10年以上前から主張しているので、大変結構なのですが、ただ、ここに書いて ある措置というのは行政処分というとらえ方、それはそれで一つの考え方ですが、 措置というのは基本的には公的責任です。サービスの提供も費用負担も公的責任で やります。要するに、地方公共団体は保育に欠ける人を保育しなければならない、 あるいは介護しなければならない、要するに公的責任の意味があるのです。 公的責任にはいくつかの考え方があって、サービスの提供、費用負担、サービス の質の確保、そういった面があるのですが、措置的というのは、サービスの提供も 費用負担も公的責任ですよ、といっている。ところが、サービスの提供について   は、多様な主体の参入ということだけではなくなって、むしろ社会福祉法人を含む   民間主体、民間主導で、公務員サービスというのはできるだけ縮小していって、   そうした方向に進んでいく。 サービス提供にもいろいろあって、相談とか指導とかそういったものは別とし   て、施設サービスであるとか在宅サービスとか、そういったものはむしろ民間主体   というところまで踏み込んでいくべきではないか。 あと、費用負担とかサービスの質の確保については、公的責任は残る、あるいは 残すべきだ。それはこの報告でも残っています。費用負担については、4 ページの 原則で「公平かつ公正な負担」と書いてあるのですが、これは当然のことで、具体 的に何をいっているのかよくわからないという面もあるのですが、だれが負担し、 利用者と政府とがどうやって分担をするのかとか、あとのほうでは公費助成という のは出ているのですが、原則の中でそういうことがうたえないのかという問題があ るのではないかということです。 サービスの質の確保ですが、これも十分いろいろ載っているのですが、社会福祉 法人ではない民間、特に営利企業が入ってくる場合には、質の確保は非常に重要に なると思うのです。 3ページの原則の 4では、政府による規制を強化するのではなくて、市場原理を 活用することによってサービスの質の向上をはかる、これは結構なことだと思うの ですが、ただ、営利企業が入ってくる場合には、安かろう悪かろうということにな ることもありますので、むしろ経済的規制は撤廃するのだけれど社会的規制は強化 する、そういう面もあるし、民間サービスについても最低基準みたいなことも必要 ではないか。従来は、公的なサービスについては最低基準というかそういうものを つくっているのですが、民間については必ずしもその点は規制がない。介護保険の 場合に、民間サービスでやっても介護保険の提供事業者についてはそれがかかって くるわけですが、それ以外については必ずしもかかってこない。  そういう面で、サービスの質の確保に関する規制についてどう考えていくのか、 そこら辺も必要ではないかと感じます。  もう一つ、最後に権利擁護のところですが、財産管理という面だけでなく、虐待 の問題、児童虐待あるいは高齢者の虐待という問題があまり出ていないのです。そ のことも当然念頭に置いてあると思うのですが、児童については、児童相談所がそ ういった場合の適切な措置をとる枠組みがあるのですが、老人についてはないので す。児童については親権者とかそういうのがあって、親権を剥奪するとか、あるい は施設に両親の同意がなくても入れる、そういう面もあるのですが、高齢者につい ては、家族による虐待にどう対応するかというと、必ずしも現在の社会福祉法関係 にはないので、そこも権利擁護との関係でシステムをつくる必要があるのではない かと思います。 委員長 ありがとうございました。大事なご意見でございます。 委 員 大変な労作に、まず敬意を表したいと思います。    私は、これから契約を中心に据えていくということは、社会福祉事業の近代化に  とって大変重要でありますし、優れた手法だと思います。また、財源論にいたしま   しても、保険の仕事ということは理解ができるわけでございますが、ただ、契約だ   けでいっていいのかなという部分がある。それは、低所得階層対策の問題です。こ   このところをきちっとやりませんと、福祉サービスの分野の中での選択ではなく   て、病院とかあるいは生活保護の、これからできる介護扶助の単給に誘導する、   そんなことになりかねない。そこのところはきちっと押さえる必要があるという気   がします。    もう一つ、圏域論をもう少しやっていいのではないかという気がいたします。そ   れは、従来、ご承知の通り、福祉地区という制度で、そこの中で完結的にものごと   をやっていこう、そういう地区を想定していた。この中では、できるだけ自分たち   の身近な地域できめの細かい対策を講じていこうということは結構なのですが、た   とえば1000人未満の村のような場合で、人材の確保からいろいろな総合的なサービ   スができないということがありますから、昔の郡のような、生活圏域を同一にする   ような地域、それは場合によっては、これからは保健も医療も福祉も考えたところ   の圏域を設定して、従来の市は福祉事務所は必ず設置するということではなくて、   その圏域の中に市も町村も含めた福祉事務所を設置をする、そこで総合的な専門的   な対策を講じていく、そういうことがあっていいのではないかということが一つ。    もう一つは、経営というところがあります。7ページでございますか、現行の措   置制度のもとで行われる本部会計や施設会計との厳格な区分を廃して、会計間の資   金移動を考えたい、会計制度についてもいろいろ工夫が必要、とありますが、介護   保険による事業というのは、おそらく診療報酬と同じような考え方になるのではな   いかと思います。そうなりますと、この中では、ひょっとすると措置の執行を依然   として念頭においた考え方で整理されているのではないかという気がいたしまして   全然変わってくるのではないかという感じがいたします。    それから、先ほどお話がございましたように、介護保険ができたときに、老人福   祉の主体がそちらに移ることになると、新しい老人福祉の位置づけが変わって   くる。その点をどう考えていくのかを詰めておく必要があるのではないか。この   ように思います。 事務局 委員からのご質問に関連しまして、中間まとめの内容について、若干、事務局   で補足説明をさせていただきたいと思います。   1点目が多様な主体の参入促進ということでございます。たしかに3ページで、 1から7までの基本的な方向がまとめられておりまして、その中に多様な主体の参 入促進という方向性が打ち出されておりますが、この1から7はまさにこの改革全 体を通じての基本的な方向で、いずれの部分につきましても考え方をまとめている ことが中心になっております。したがいまして、具体的な方策、たとえば多様な主 体の参入を促進するための具体的な方策ということになりますと、IIIの「改革の 具体的内容」のほうでそれぞれの部分で触れられる構成になっていると理解してお ります。   たとえばイコールフッティングの関係で申しますと、6ページのいちばん下の〇 で「社会福祉法人に対する規制及び助成のあり方について」と始まっておりますパ ラグラフで「他の事業主体との適切な競争が行われる条件の整備に配慮する」とい う形で触れられておるところでございます。  また、多様な主体の参入促進ということに関連をしますと、5ページにも下から 二つ目の〇で事業主体に関する規制の問題が触れられております。事業主体に関す る規制のあり方についても、多様なサービスの提供を確保するために見直す必要が あるという形で具体的な方策が示されていると私どもは理解しているところでござ います。   2点目が、介護保険事業と社会福祉事業との関係でございます。これは、この中 間まとめで申しますと5ページ、「措置に係る事業については利用形態の変更をも って」この「利用形態の変更」と申しますのは、後ほど出てまいります契約を基本 とする制度への移行ということでございますが、そのように変わっても社会福祉事 業として位置づけていくという考え方でございますので、介護保険法についてはも う既に成立をしておりますが、この考え方からいえば、介護保険によって措置から 契約に変わります特別養護老人ホームについても、引き続き社会福祉事業として位 置づけていくという考え方になるのだろうと理解しております。  措置制度と公的な責任との関係でございますが、この中間まとめでは、国及び地 方公共団体の責務については、3ページのいちばん上の〇で「このような理念に基 づく社会福祉を実現するためには、国及び地方公共団体には社会福祉を増進する責 務があることを前提としつつ」と書いております。社会福祉を増進する責務が、こ れは憲法上も、あるいは各法においても規定されている場合がございますが、そう いう責務があるのだということを前提に構築をされているわけでございます。  具体的なそういう責務の果たし方でございますが、まさに先生からもお話がござ いましたように、費用負担であるとか基準の設定であるとか、いろいろなやり方が あうかと思いますが、サービスの提供そのものについては多様な主体の参入を促進 するということでありますので、これについては必ずしも国や地方公共団体が直接 サービスを提供するという方向を考えているわけではなくて、もっとより多様な主 体がサービスの直接的な提供にあたるということを前提にしたものだと理解できる と思います。  一方、費用負担や質の確保のための基準の策定や施設整備については、引き続き 国、地方公共団体が直接的な関与をしていくという方向が、このとりまとめ全体を 整理をしてみると、読み取れると思います。   質の確保についてでありますが、これも、先ほどご発言がございましたように、 競争を促進するなど、市場原理の活用ということを打ち出しておりますが、併せま して従事者の質の向上とかサービスの情報公開、あるいは基準の問題についても触 れているところでございます。特に基準については、11ページになりますが、従来 の外形的な基準に代わって内容に関する基準をつくるとか、あるいはそれを客観的 に評価するための第三者評価機関をつくるというようなことが打ち出されていると ころでございます。 権利擁護に関連をいたしまして、虐待の問題についてのご発言がございました。 権利擁護につきましては、9ページの(4)に出てまいりますが、こちらは、成年 後見制度のように本人の判断能力が低下している人についてのサポートのシステム について触れているところでございます。  ご指摘のありました権利擁護といいますか、あるいは施設内でのいろいろな問題 につきましては、むしろ12ページの二つ目の〇で「利用者や施設職員などの意見を 反映する仕組みを設けるとともに、第三者機関においてそれを改善につなげるため の対応を行う必要がある」とございますが、このパラグラフでそういうことが想定 されているところでございます。  以上、補足説明をさせていただきました。 委員長 ありがとうございました。今の事務局の説明はそれなりにわかりますが、   ただ、委員の質問は、われわれはひやりとするところがあったのです。上から下へ   の恩恵的なサービスが元の福祉なので、それを横の関係に変えたときに、社会福祉   とはいったいなんなのかという基本的な問題を実はここに含んでおります。ですか   ら、あまり突き詰められると困ってしまうという面が多少ある。    今は経過的ところで、措置制度それ自体がこれからどうなるかということがあり   まして、今の委員のお話は、戦後の社会福祉に対する現段階における批判の意味も   含んでいて、だからこの中間とりまとめも、これが決して決定的なものではないと   いうことをたぶん示すのではないかと思います。 委員長 ほかにいかがでございましょうか。よろしければ次に進みたいと思います。こ れは中間とりまとめでございますので、またぜひご意見等を積極的にお申し出いた だければ幸いでございます。    次に、生協のあり方検討会についてでございます。社会・援護局に検討会が設置   されて、6月15日に報告がまとまったとのことでございますので、これについて、   ご参考までに説明をお願いいたします。 事務局 では、ご説明いたします。 生協のあり方の検討会の検討の趣旨でございますが、生協は、供給事業に始まり まして、共済事業や医療、住宅など、広範にわたる事業を展開してきております。 その規模も、延べの組合員数で約4500万人、供給事業高約3兆円、共済事業の契約 高で約900兆円ということで、国民生活に着実に定着してきているわけでござい   ます。 近年では、特に少子・高齢社会への進展等を背景といたしまして、介護等の福祉需 要が増大、多様化してきており、生協としてもこうした社会的要請への対応が求め られております。  もう一方で、ご承知のように経済の停滞、規制緩和等に伴います流通市場や金融 市場等の競争の激化、あるいは組合員の参加意識の希薄化など、生協を取り巻く環 境が大きく変化する中で、生協の経営というものが大きなもう一つの問題になって きております。 こういった中で、生協に対する期待が高まる一方で種々の問題を抱えるというこ とで、改めて原点に立ち返って生協の意義をみつめ直し、その役割と今後の生協運 営の基本方向について検討を行っていただきました。 資料は二つ、資料の2と1)と2)で本文と要旨を掲げてございますが、本文の   16ページに委員の名簿を提出ささていただいておりますが、大阪学院大学の野尻教   授を座長といたしまして、本年の1月から計7回にわたって検討いただきました。   そのポイントにつきましてごく簡単に、資料21)でご説明させていただきます。 全体は、生協の現状と生協を取り巻く環境の変化、生協の意義と役割、生協運営 の基本方向という形になっております。現状と環境の変化につきましては、先ほど ごく大まかにお話しをさせていただきましたので、要旨のほうの「生協の意義と役 割」以下につきましてご説明させていただきます。  生協の意義と役割につきましては、生活の安定と生活文化の向上をはかるため   に、組合員の相互扶助の精神に基づいて協同して事業を行う非営利の組織である。   今日の社会は、自助、公序の充実に加え、相互扶助、共助の仕組みがますます重要   になっているわけでございますが、生協はそういった自発的な共助の仕組みそのも   のであるとして意義を定義づけられております。  そのうえで、今後の役割といたしまして、一つには、安心や安全の追求というこ とで、生産者や流通業者の拮抗力としての理念に掲げておりました安価・安全・環 境への配慮はもちろん、常に将来を見据えて消費者の要望を先取りするとともに、 民間市場では提供されていない財・サービスに対しての積極的な事業展開に取り組 む必要がある。高齢者の需要の多様化によりまして、公的年金や介護保険を補完す る給付など、各種生活保障への需要も高まっているということが、第1に指摘され ております。  第2としまして、環境問題への取り組みが今後一層重要であるということです。  3番目といたしまして、暮らしの助け合いなどの福祉活動、共同購入方式などの 地域に根ざした活動は、地域のコミュニティ形成に大きな役割を果たしており、こ れらを一層促進して生協活動に対する地域住民の信頼をより確かなものとしていく ことが重要である、と延べられております。  特に4番目といたしまして、介護サービスの供給体制の充実が焦眉の急であり、 介護保険法の成立の際の衆参両院の付帯決議、あるいは先ほどの中央社会福祉審議 会のご審議でも方向づけられておりますが、介護サービスに対する多種多様な供給 主体の参入が求められており、その一つとして、生協にも大きな期待が寄せられて いるわけでございます。  介護保険法等の施行等をにらみつつ、社会的要請の強い介護サービスについては 生協も積極的に役割を果たしていっていただきたいということで、実は生協法で   は、基本的に生協は組合員のために事業を行うという原則があり、原則として員外   利用は禁止されておりますが、こういった社会的な要請の高い事業に関しては、員   外利用を外す正当な理由があるものとして位置づけていくべきで、そういった適切   な措置を講じていくべきであるということが、今回の報告で出されております。  今後の生協運営の基本方向につきましては、第1に、組合員の切実な要望、ニー ズに合致した事業を行うこと、第2には、組合員の意思が反映される民主的な運営 が行われること、第3に、厳正な経営責任体制のもとで健全な経営が行われるべき であること、という方向が打ち出されております。それに基づきまして、以下、今 後の方向が打ち出されておりまして、3ページ以下、特に経営・財務体質の強化、 それから 4でございますが、そういった財務体制の強化をはかると同時に、生協運 営の健全化のために理事や理事会の責任と構成の明確化など、適切な責任体制の確 保をはかるための措置を講ずべきである、といったことが、この報告の主な内容に なっております。  以上、簡単でございますが、説明させていただきました。 委員長 ありがとうございました。ただ今の説明につきまして、何かご質問、ご意見等 がございましたらお願いいたします。 委 員 今度、介護サービス等人材利用へも広げようということになりますと、情報の 開示、この辺は地域への情報の開示というのは非常に重要になってくると   思います。  これはそういう意味が含まれておるわけですか。 事務局 資料の本文11ページにございますが、そういった地域全体の情報の開示が必要 でございまして、組合員だけでなく、組合員以外の方がたへの地域への情報の開示 も必要だというご指摘をいただいております。 委 員 大変興味深く生協のあり方のまとめを読ませていただきました。大変ご苦労さ れたことと思います。ほんのひと言ですが、感想を申しあげたいのです。   この委員会の委員の名簿を拝見いたしまして、女性が、存じあげない方が多いも   のですから、名簿の最初のお二人はひょっとして女性なのかなとは存じますが、そ   うなのかどうか。私は生協総研で、暮らしの助け合い活動が全国的に展開されてき   ている状況を調査しようということになりましたときに、調査にかかわったりした   経験から感じていたことで申しあげますと、生協は担い手は、圧倒的に女性のかな   りボランタリーなエネルギーに支えられているわけです。   店舗もそうですが、特に暮らしの助け合い活動はそうですし、なによりも運営面   でも非常勤理事の非常に高い比率が女性です。そして、常勤のアンペイドではなく   てペイドのほうの役職者が男性であるという、非常に特殊にジェンダー問題をはら   んだ組織だという感じが(笑い)、私にはいたしました。これはこれで、歴史的な   経過の中では、そういう中での女性の働き方が一定程度、認知されてきたとは思う   のですが、かなりくるところまできているという印象をもっております。   特に女性の中には、こういう働き方でどこまでもいくのか、特に暮らしの助け合   い活動のような中で、ワーカーズコレクティブをつくっていきたいとかいろいろな   動きがある中では、私は生協においてはジェンダー問題を中心に据えたような今後   の議論を積極的に位置づけていく必要があるのではないかと感じているのです。   生協のこういう主要なメンバーの方がたにお聞きすると、やはり難しいので、な   かなか正面に据えにくいところがあるかと思うのですが、今後、また次の機会にこ   ういう議論をなさるときには、ぜひ半分ぐらいは女性の委員を加えられて次のステ   ップに進めていきたいと。感想ですが。 事務局 先生ご指摘の通り、上お二人の方は女性の委員でございます。 委員長 委員並びに生協の組織それ自体に問題がある、そういうことですね。 委 員 問題があるというのはちょっと語弊があります。 事務局 そういうことも含めまして、経営体制の透明性を高めるとか、あるいは員外監 事ですとか員外理事の登用ですとか、そういったこともはかっていく必要があると いうこともご指摘をいただいているわけでございます。 委員長 では、次に進ませていただきます。続きまして、社会福祉士国家試験の実務経 験に係る指定施設の追加が行われたようでございますので、これについて説明をお 願いします。 事務局 資料3 1)に基づきまして、簡単にご説明をいたします。   社会福祉士の国家試験につきましては、資料の2ページにございますような仕組 みになっております。すなわち社会福祉士資格を取得するためには、その前段とし て社会福祉士の国家試験に合格することが条件になっております。この国家試験を 受験するための資格は、こちらの1号から11号までに決まっておりますようにいく つかのルートがございます。 これをみますと、たとえば左端にございます福祉系大学の場合ですと、大学4年 間で指定の科目を履修したことによって、直接、社会福祉士の国家試験が受験でき ることになっておりますが、福祉系の短大、3年の場合は、指定施設での実務1年 が必要になっておりますし、短大2年の場合には実務が2年必要となっており   ます。こうした受験資格として認められる実務経験に係る指定施設の範囲を、   今回、拡大したという内容でございます。   1ページに戻っていただきたいと思います。この追加の背景としまして、   1の(1) にございますように、昨年の11月、12月に精神保健福祉士法案の国会審   議がございましたが、この際の付帯決議におきまして、社会福祉士の受験資格を   得るための実務経験施設に医療施設を追加することについて検討する、という内容   のものがついております。また、昨年12月に出されました規制緩和小委員会の報告   書におきましても、同様の指摘があるところでございます。 このような状況を踏まえまして、今回、社会福祉士の受験資格を得るための実務 経験に係る指定施設といたしまして、従来は、いちばん下の(参考) にございます ような社会福祉施設が指定をされておりましたが、それに医療施設等を追加をした ということでございます。 その具体的な内容は、次にございますように、医療施設等といたしまして、老人 保健施設、病院及び診療所を追加をしてござます。また、医療施設以外のもので、 これは児童福祉法の改正に関連するものでございますが、従来の社会福祉施設の範 囲内ということで、新たに児童家庭支援センター等の指定を行っているところでご ざいます。 これらの指定につきましては、省令の一部改正を行い、6月12日に公布をいたし ました。 以上でございます。 委員長 ありがとうございました。ただ今の説明につきまして何かございましたら、ご 発言をお願いいたします。よろしゅうございますか。   では、最後の議題に移りたいと存じます。平成10年度補正予算について説明をお   願いいたします。 事務局 では、最後のご説明になりますが、資料の4、平成10年度補正予算の主要事項   というのがございます。新聞等でごらんになっていらっしゃる委員の方がたも多い   と思われますが、厚生省の10年度補正予算の合計額は、5753億となっております。   その中で社会局関係のところだけをごらんいただきたいと思います。項目の下に下   線が書かれているものでございます。 第1番目に、高齢化社会に対する介護基盤の整備促進といたしまして、そこに新 ゴールドプランの施設整備の前倒しというのがございます。介護保険制度が12年度 に施行されるのにスムーズな実施を目指しまして、11年度の事業の一部を前倒しで 実施するというもので、特養の2800人分など、内訳につきましては参考資料の1に ございます。 2番目、少子化対策及び障害者対策というところをごらんいただきますと、まず 子育て支援基金、障害者スポーツ支援基金の設置というのがございます。社会福祉 ・医療事業団に長寿社会福祉基金という既存の基金がございますが、これに上乗せ する形で新たにこの二つの基金が設置されたものでございます。  内訳は、子育てのほうが 900億、障害者のほうが 300億ということで、子育て基 金のほうは、この基金をもってたとえば青少年の非行防止の対策などを行う、ある いは障害者スポーツ支援基金のほうは障害者スポーツの育成などを行う、というこ とで設置されたものでございます。 その下をごらんいただきますと、子育て支援の充実強化というのがございます。 これは、今年度10年度から、乳児保育はどの保育所でも行う一般化されたところで ございますが、まだ受け入れていないところに沐浴の設備などをするための予算が 計上されたもので、 170億円でございます。 その下、緊急保育対策等5ヵ年事業及び障害者プランの施設整備の前倒し、先ほ どの新ゴールドプランと同様に、この二つにプランにつきましても11年度の事業の 一部を早期に整備するために80億円を計上したもので、内訳は参考の2にございま す。   2ページ、6番目に臨時福祉特別給付金というのがございます。これは1529億と いう大きなお金でございますが、8年度に消費税が3%から5%になる、   あるいは、これはつい最近でございますが、9年度の特別所得税減税の一環といた   しまして、それぞれ補正予算で同じように組んだことがございます低所得者のため   の給付金でございます。これは3種類ございまして、老齢福祉年金などの受給者の   臨時福祉給付金と、それから寝たきり老人のための臨時介護給付金、そして65歳以   上の低所得の方がたのための臨時特別給付金の3種類になってございます。 今までと同じように、今申しあげた給付金の順番で、それぞれ1万円、3万円、 1万円ということで、これが景気対策にもなると考えられているものでござい   ます。  以上でございます。 委員長 ありがとうございました。ただ今の説明につきまして、何かご質問等がござい   ましたら、お願いします。    よろしいようでございましたら、そろそろ時間でございますので、本日の審議は   これまでとさせていただきます。大変大事なご意見を頂戴しまして、ありがとうご   ざいました。    次回以降の総会の日程につきましては、改めて別途事務局からご案内させていた   だきたいと存じております。    本日の議事録につきましては、事務局から各委員に確認したうえで公表の扱いと   させていただきたいと思いますが、よろしゅうございましょうか。               (「異議なし」の声あり )   ありがとうございます。では、そのようにさせていただきます。   最後に、事務局から何かございますか。 事務局 本日は、ご多忙のところをご出席をいただきまして、大変ありがとうございま した。                                     −了−   照会先   厚生省社会・援護局企画課   電話 3591-9867