第3回 生協のあり方検討会議事要旨
1 日時及び場所
(1)平成10年3月20日(金) 14:00〜16:00
(2)共用第二十三会議室(別館8F)
2 出席委員
阿南、京極、小疇、高山、野尻、藤岡、前川、吉野の各委員
3 議題
(1)報告事項
- (1) 流通業界(小売業)の現状
(2) 生協における購買事業の現状と課題
(2)自由討議
4 審議過程の概要
(1)事務局による前回(平成10年2月27日)の検討会の議事要旨(案)について了承
(2)高山委員から流通業界(小売業)の現状について、藤岡委員から生協における購買事業の現状と課題について説明
流通業界(小売業)の現状について及び生協における購買事業の現状と課題について委員から出された主な意見は次のとおり。
- ・ 生協の購買事業が業績不振に陥っていることについては、「生協らしさ」というものが失われて消費者の支持を得られないのか、それとも、経営マネジメントに問題があるのか明らかにする必要がある。
- ・ 購買生協が経営不振に陥っている原因としては、経営力という基礎的な体力の問題と、生協としての顔がシャープでない、つまり「生協らしさ」が見えないという問題の両方を抱えている。特に前者については、店舗事業においては後発であるため、非常に初歩的な失敗もやっているし、職員の訓練、教育も不十分で技術力が劣っているという面がある。
- ・ 現在の生協の経営問題が出てきたのも、非常に厳しい価格競争が起きたからである。そういう意味で「生協らしさ」を打ち出すためには「コスト」がかかる。そのコストをどうやって賄っていくかという考え方をしないといけない。逆に言うとコストダウンを精一杯図ることによって生みだした利益を、生協らしい商品の開発なりサービスなりその他の事業に充てていくという考え方をしないと生協というのは成り立たなくなるのではないかと思う。
- ・ まず最初に収益力のある体質にしていかなければならないということを、もっときちんと厳しく打ち出す必要がある。
- ・ 「安全、安心」に表されるような生協の独自性がマクロでみると極端に落ちている一方で、「民主化」の要請に伴う意思決定の遅さが生協の競争力を著しく低下させている。
- ・ 生協の行動力を非常にスピィーディーにやる内部の運営方式に改めるとともに外部の公的な拘束要因を可能な限り取り除いて、民間と競合しうる基本的な条件を構築した上で生協らしい事業展開をしていく必要がある。
- ・ 安全とか健康とか環境とかについては、他にもっと進んだスーパーが出てきており、現在では必ずしも本当の意味での生協の特質にならなくなってきている。内向きの、外を見ないで課題を認識しないという体質を改める必要があるのではないか。
- ・ 生協にとって民間が太刀打ちできないことが一つあるが、それは組合員の生協に対するロイヤリティーである。これが非常に高いが、実は生協の経営に対する甘えとなっている面がある。
- ・ 安全、安心が生協の専有物でなくなった現在、新しい価値を見い出していく必要性がある。「コープこうべ」が組合員参加のマーチャンタイジングを行っているのがそのいい例である。
- ・ ものすごい大競争の時代に、生協が店舗事業で民間企業と伍していくためには、コスト削減とりわけ高い人件費率を下げていく必要がある。
- ・ 現在は単なる価格競争だけではなく品質競争も起きているので、生協の特徴が段々薄れてきており、事業主体としての生協のあり方を根本的に考えてみる必要がある。
- ・ 民主的に意思決定を行うと時間がかかるというのは、民主的に行うシステムが十分整備されていないということと経営陣の能力がないからではないか。
- ・ 生協には生協法上の員外利用の禁止や事業区域の限定というように閉ざされた世界を持っているというイメージがあり、それが事業に影響している。また、そうした閉ざされた状況の中で、勝手な経営陣が出てきてしまうことに問題があるのではないか。
- ・ 生協の役割はもともと、消費者が弱く市民として未成熟という前提の下でそれを成熟化し個人を尊重しようということにあったが、現在では自立した市民が集まって共同事業をやるんだという仕組みに変えていかなければいけないのではないか。
- ・ 一般企業で業績が悪化した場合、社長は株主の利益を損なったとしてクビになる。生協の場合は、どのような場合にどのような手続きでクビになるかが不明確であり、その点を明確にすることが極めて重要なポイントである。
- ・ ある生協では、経営陣の示した店舗の出店計画に対して、組合員が総代会で中止をさせたということもある。また、最近業績の悪いある生協では、組合員出身の理事が理事長に迫り専務理事を更迭したという例もある。経営陣が誤った方向に進んだ場合のチェックされる仕組みは、本来的に生協では機能していると思う。
- ・ 生協の意思決定が遅いのは、民主性のためではなく常勤執行部の能力の問題ではないか。今の生協の問題は、本当のプロの経営執行部がなかなか育ちにくいことにあるのではないか。
- ・ 経営陣の最低限の責任、権限が明確になる仕組みが法的に保証されていないと、50年前の生協法の仕組みだけでは経営不振ということで経営陣をクビにするということも難しいのではないか。
- ・ 生協の運営に当たっては、社会的運動と事業経営の両方が出来ないといけない。事業としてきちんと出来ない生協、執行部は、市場の中で消費者から見放されてしまうのではないか。
- ・ 今日では、元来生協の持っている自己防衛や小売業者等への対抗力の対象が昔の貧しさそのものだけではなく、高齢化問題だとか環境問題だとかへ広がって来ているのではないか。
5 配付資料
(1) 流通業界(小売業)の現状
(2) 生協における購買事業の現状と課題
問い合わせ先 厚生省社会・援護局地域福祉課
担 当 金子、櫻井(内線2854)
電 話 03−3503−1711(代 表)
03−3591−9862(夜間直通)