97/11/26 中央社会福祉審議会 第67回総会議事録 第67回 中央社会福祉審議会総会 議事録 1 日時及び場所 平成9年11月26日(水) 10:00〜11:00     厚生省特別第1会議室 2 出席委員   阿部、有馬、石井、金瀬、木村、京極、庄司、津山、乳井、橋本、堀 正木、三浦、光田、山崎(美)、湯沢の各委員 欠席委員   天野、江草、川勝、袖井、田畑、富永、山崎(泰)の各委員 3 議事 (1)社会福祉の基礎構造の在り方について (2)人材確保専門分科会からの報告について (3)その他 委員長  定刻でございますので、ただ今から「第67回中央社会福祉審議会総会」を開催いたし ます。委員の皆様方、大変お忙しいところご参集いただきましてまことにありがとうご ざいます。  最初に本日の出席状況について、事務局から説明をお願いいたします。 事務局 本日は天野委員、江草委員、川勝委員、袖井委員、田畑委員、富永委員、山崎泰彦委 員の7名の委員が所用のためご欠席との連絡を頂いておりますが、それぞれ委任状を頂 いており、定足数は満たされています。 委員長 ありがとうございました。  まず審議に入る前に、前回の総会以降、委員及び事務局の異動がありましたので紹介 をさせていただきます。委員につきましては、田畑委員が酒井委員の後任として、また 乳井委員が馬場委員の後任として新たに就任されておられます。  厚生省関係の人事異動につきまして事務局からご紹介をお願いいたします。 事務局  (厚生省関係者の紹介) 委員長  社会・援護局長からご挨拶をお願いします。 社会・援護局長 本日はお忙しいところ、ご出席いただきましてありがとうございます  昨今の新聞を読みますと、日本の政治、経済、社会が、基盤から大変革を遂げつつあ るという感を非常に強く持っています。特に55年体制の崩壊というようなことが言われ ますが、先輩から「55年体制よりもっと古いものがある、それは51年体制である」と言 われたことを覚えております。51年体制というのは、社会福祉の体制でして、1951年に 現在の社会福祉事業法が作られ、それが今日まで存続しているということをよく聞かさ れたものです。  現在の社会福祉の状況を見ますと、昭和20年代とは状況が一変して、福祉の普遍化と いうような状況も見られます。また福祉に対する需要は非常に高度化し多様化している ことは、誰もが否定できないところだろうと思います。このような状況とさらに高齢化 少子化現象という状況も出てきています。厚生省では、最近の児童福祉法の改正、また 現在国会で審議中の高齢者介護保険制度という制度の創設も進められています。また、 私どもにとって大変反省しなければいけないことですが、昨年のちょうど今頃の時期に 社会福祉事業をめぐる不祥事というものも生じています。  このような状況を見ますと、私どもとしては、社会福祉の基盤の制度疲労などから、 その抜本的な見直しが必要ではないかという認識を強く持っています。我が国以外の先 進諸国を見ましても、やはりここ50年間に相当大胆な制度改革を行ってきております。 これに対して我が国の社会福祉制度の改革はやや遅れをとっているのではないかという 認識を強く持つわけです。  このようなところから、何らかの対応が必要ではないかという認識いたしまして、社 会福祉事業等の在り方に関する検討会を8月の下旬に設置して、学識経験者から意見を 伺うなど勉強を重ねてきました。この検討会からは、昨日、今後検討すべき主要な論点 を示して頂きました。私としては、これを踏まえ、更に検討を深め、社会福祉事業法の 抜本改正をはじめ、制度改正を行う必要があると考えています。そしてこれに関連する 法案は、できれば平成11年の通常国会に提出したいと考えております。そのためには中 央社会福祉審議会から専門的な見地に立った意見をいただくことが適当ではないかと思 っていたところ、このたび木村委員長から総会を開催されるとのお話をお伺いし、大変 感謝している次第です。このような状況をご賢察いただきまして、よろしくお願いいた します。 委員長  ありがとうございました。ただ今局長のお話にありましたように、時代の大きな転換 に、社会福祉の制度が追いついていないのではないか、まさにそのような全世界的な変 わり目に来ているのではないかと思います。  特に社会福祉とは何なのか、それ以前にまず「幸せ」とは何なのだろうかという物差 しが大きく変わろうとしているところではないかと思います。ぜひ皆さま方のご意見を 賜ればと思っているところです。  これから議事を進めますが、昨日提出されました社会福祉事業等の在り方に関する検 討会の主要な論点につきまして、事務局から説明をお願いします。 事務局  (「社会福祉の基礎構造改革について(主要な論点)」について説明) 委員長  ありがとうございました。  社会福祉の概念から検討し直す必要がある、今まで上から下への社会福祉であったも のを、江戸時代の言葉で言えば「相対」の関係で、平等の関係で行っていく、その中身 もこれから全面的に見直す必要があるという大変に広範かつ根本に関わるご報告でした 確かにそういう必要が今あることはもう歴然としています。そこで、この審議会におい て、社会福祉の根本的な在り方について専門的な分科会を設けて議論していただいては どうかと存じます。そのような社会福祉事業の在り方に関する調査、審議を行う専門分 科会として、「社会福祉構造改革分科会」というものを新たに設けて、まずそこで議論 していただき、その結果、この総会でも議論していただくとそのようにさせていただい てはいかがかと存じます。  なお、分科会の検討につきましては、資料、議事の様子につきまして委員の皆様方に 逐次情報提供を行いたいと存じております。この分科会の委員は、審議会令により私が 指名することになっておりますので委員、臨時委員の間から幅広く人選していきたいと 存じます。  大まかな検討スケジュールといたしましては、6月をメドに中間報告をまとめたいと 考えております。今の提案につきまして、また今までのご説明も含めまして何かご質問 ご意見等ありましたらお願いします。 委 員  ぜひ分科会でも議論してほしいと思うことがあります。平成2年の福祉関係8法の改 正においては、「社会福祉事業」と「その他の社会福祉を目的とする事業」という形で 整理しました。それとの関係で、今般の構造改革は、全体に及ぶというふうに理解して いますが、社会福祉事業の概念を広げていくという方向でいくのか、それとも社会福祉 事業とその他を総括的に考えた福祉サービスという方向でいくのか、といったことが1 つの論点になるのではないかと思います。従来どちらかといいますと社会福祉事業とい うのは社会事業の延長線で捉えていたわけでありますので、それに付け足して平成2年 の改革があった。しかしこれからはもうちょっと広げていくという趣旨だと思いますが そのへんの整理を分かりやすくやっていただきたいと思います。 委員長  ありがとうございました。先ほども申しましたように、「幸せ」の物差しが変わりつ つあるのではないかと思いますので、根本から考え直していただくことにしたいと思い ます。 委 員  分科会を設けて検討するという提案は結構だと思います。内容につきましては、いろ いろな重要な問題が指摘されておりますが、ここの論点に限られるものではないだろう と思っています。つまりこれ以外にかなり重要な論点があるだろうと思っています。ま た、取扱い方の問題ですが、社会福祉事業法は当然全面改正されることになると思いま すが、この社会福祉事業法につきましては、この審議会だけではなく、中央児童福祉審 議会あるいは身体障害者福祉審議会に関わることが非常に多くあります。平成2年の8 法改正の時には、合同企画分科会というのを設け、福祉関係の三審議会の間における意 見を調整をしてきたという経緯があります。  今回の議論はそれよりもっと大きな論議になりますので、その他の審議会との意見調 整を十分してもらうことが大変重要ではないかと思います。合同企画分科会を持つかど うかは、また事務局でご検討いただきたいと思いますが、少なくとも中央社会福祉審議 会での論議をやる場合には、そのところを十分配慮していただきたい。特に私は身体障 害者福祉審議会のほうにも属していますので、その立場からもぜひご検討いただきたい と思います。  それからもう一つ、私は生活保護専門分科会の分科会長という役を仰せつかっている 立場から申し上げなければならないと思うことがあります。51年の社会福祉事業法、そ の一つの前提になっておりますのは、福祉3法、なかんずく50年に改正された現行生活 保護法です。それを一応前提にした上で、この社会福祉事業法が作られてきた経緯があ りました。つまり、社会福祉事業法の内容的な議論をやっていきますと生活保護との関 わり合いが大変大きいわけです。そうしますと、この議論だけでは済まなくて、生活保 護制度の在り方自身も大変重要な議論になってくるだろうと思います。  ただ、ここで直ちに取り上げるということについては、時期的に適当かどうかという 点でやや躊躇せざるを得ません。慎重に取り上げなければならない問題だと思います。  しかし社会福祉事業法の内容を検討するとすれば、その問題は避けて通ることはでき ないと思っています。そういう意味では、できますれば分科会における議論と同時に、 生活保護との係わり方の問題については特段に留意をしていただくことが必要ではない かと思います。ぜひご検討いただければと思います。なお、内容的な問題はいろいろご ざいますけれども、これは後ほど議論させていただきます。 委員長  ありがとうございました。日本だけでなく全世界がかつてとは違う新しい物差しを模 索しているところだと思います。この大きな潮流の中で、これまで決められてきたこと をもう一度含みながら考え直すと、今委員もおっしゃられたように、そのためのさまざ まな調整が必ず必要になってくると思います。 事務局  今の委員のご質問は2点ありましたが、第1点目の他の審議会との関係ですが、もち ろん委員がおっしゃられたように児童・老人・障害と関係していますので、インフォー マルな意見交換会も含めて、各審議会には適宜ご報告をしながら進めていきたいと思っ ています。もちろん法案要綱という段階では、それぞれ関連する審議会での審議が必要 であろうと思っています。  それから2点目の生活保護との関係でざいますが、今日ご覧いただきました論点整理 の中でも、生活保護については検討が必要であるという指摘がされておりまして、この 審議会でも木村委員長とご相談の上、視野に入れつつ検討を進めたいと思っているとこ ろです。 委員長  ありがとうございました。基本的には社会福祉構造改革分科会を設けさせていただく ということについて、ご異論はないようですがよろしいでしょうか。    (異議なしの声) 委員長  ありがとうございました。それではただ今のご意見を十二分に踏まえ、進めていきた いと思います。  続きまして人材確保専門分科会からの、これまでの審議状況についての報告に移りた いと存じます。事務局から説明をお願いいたします。 事務局  「人材確保専門分科会の審議状況について」について、分科会長のほうからご報告を される予定でしたが、分科会長所用のため本日ご欠席でございます。事務局のほうに分 科会長からメモを頂戴しておりますので、分科会長がご用意されたものを事務局で代読 いたします。 (以下 分科会長メモを代読)  「当分科会では、これまで人材確保対策について今後の社会福祉のあるべき姿を見据 えた幅広い観点から審議を重ねてまいりました。このたび中央社会福祉審議会におきま して、社会福祉の基礎構造についての検討が開始されることになりましたが、これから の社会福祉の在り方を考えるとき、福祉サービスを担う人材の養成・確保は最も重要な 課題の一つとしてあげられるものと考えております。そこでこの場をお借りしまして、 当分科会の審議状況についてご報告させていただきたいと存じます。  福祉分野における人材の養成・確保につきましては、平成5年に策定された「福祉人 材確保指針」に基づき、総合的な対策が実施されております。その後、新ゴールドプラ ンなどの3プランの策定、また最近では介護保険制度の導入に向けた動きもあり、さら に多数の人材需要が予想されるところであります。指針策定の際には平成12年に必要な 福祉従事者は111万人程度と見込まれましたが、このような状況を考慮すれば、平成12年 には129万人程度、さらに平成22年においては195万人程度が必要になると見込まれます そこで本分科会では、これらを養成・確保するための方策について検討を進めておりま す。  まず就業の促進については、各都道府県に設置した「福祉人材センター」を中心に、 福祉分野への就労希望者に対する就業援助、経営者に対する人材確保相談、啓発、広報 などが行われておりますが、同センターについてはさらに利用者の要望や地域の実情に きめ細かく対応した事業運営が望まれるところです。次に処遇の充実については、給与 勤務時間、福利厚生面での改善を図り、福祉関係の職場をより魅力あるものとすること が重要です。今後は、福祉専門職の専門性に応じた処遇の確立などを行い、人材の定着 化などを図って行く必要があります。  さらに養成力の強化については、保健・医療・福祉の連携等の需要に対応した、質の 高い専門職確保の養成に応えていく必要があります。最後に資質の向上のためには、福 祉サービスに従事するものの量的確保と合わせ専門的知識・技術と豊かな人間性を備え た資質の高い福祉人材の養成が必要です。そこで従事者の職能、職階、経験に応じた継 続性を持った研修が受けられるよう、研修の体系化を図る必要があります。具体的な検 討事項につきましては、別紙をご参照ください。簡単ではございますが、以上を持ちま して人材確保専門分科会からの審議状況についての報告とさせていただきます。  平成9年11月26日、人材確保専門分科会会長江草安彦」 以上です。 委員長  ありがとうございました。ただ今の報告につきましても今後検討の参考にさせていた だきたいと思っております。  本日の議題は以上でございますが、これ以外に何か特段ご発言がございましたらお願 いいたします。よろしいですか。では本日の議事はこれまでといたします。なお、お手 元に前回と前々回の議事録が配布されております。事前に事務局からお送りしていると 思いますが、修正がなければこれで公表するということにいたします。  次回以降の総会の日程については、今後別途御案内いたします。    どうもありがとうございました。                    問い合わせ先   厚生省社会・援護局 企画課   担当 古都(内2813)、藤本(内2815)   電話 代表03−3503−1711