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96/11/22 第14回中央児童福祉審議会基本問題部会

平成8年11月22日
  厚生省児童家庭局


◯部会長 大変お忙しいところをお集まりいただきましてありがとうございました。ただいまから「基本問題部会」を開会いたしたいと思います。
 それでは早速でございますが、議事に入らせていただきたいと思います。前回は要保護児童施策と母子家庭施策について専門調査会の報告を基に御審議いただいたところでありますが、今回は前回の議論を踏まえまして、当部会の報告案を用意いたしておりますの、これを基に審議をお願いしたいと思います。それぞれの報告の案について事務局から御説明をいただきます。
◯事務局 それでは御説明させていただきます。
 本日お手元に2つの報告案をお配りしてございます。この報告案につきましては、第1回〜第3回まで行われました子育ての社会的支援に関する基本問題部会での御議論及び前回の御議論、専門調査会の報告書に基づいて行われましたが、これらを踏まえて、調査会の報告書に修正を加える形で基本問題部会報告案ということで事務局において作成させていただいたものでございます。
 それでは、修正点を中心に御説明させていただきます。まず「少子社会にふさわしい児童自立支援システムについて」という報告案でございます。
 前文につきましては、ここにおきまして児童を取り巻く状況が大きく変化していること。これに伴って児童の問題が特定の児童や家庭の問題ではなくなって、また、その対応も多様化、複雑化していること。そして基本理念として一人一人の児童の自立、成長を社会で支援していくという自立支援の考え方について、全体のペーパーの要旨を端的に記述させていただきました。
 続きまして、「1.児童をめぐる現状と今後の支援のあり方について」は、前回の報告では、「1.要保護児童の対象範囲と支援の目標」となっておりましたのを、まず児童をめぐる状況の変化についてきちんと書くべきであるという御指摘がございましたので、児童をめぐる状況の変化について「1.子どもの最善の利益の尊重」、「2.少子化がもたらす児童の成長への影響」、「3.家庭や地域の子育て機能の低下」といった状況の変化について、専門調査会の報告書の文章を基に順番を整理させていただきました。
 最初に「1.子どもの最善の利益の尊重」と持ってまいりましたが、これにつきましては、児童の権利という理念をまず最初に持ってくるべきであるという御指摘がございましたので、このようにさせていただきました。
 その次の「(2) 問題の多様化・複雑化」でございますが、こういった児童をめぐる状況の変化の中で、児童の問題が特定の児童や家庭の問題ではなくなっていること、児童の問題が多様化、複雑化していることについて前回御議論いただきました文章をそのまま生かしております。
 また、このように支援対象が普遍化していることという認識に対して、「要保護児童」、あるいは「要保護ニーズ」といった用語が不適切であるという御指摘が前回多数ございましたので、今回報告案全体を通じてこの「要保護」という用語を見直しいたしまして、「社会的支援を必要とする児童」、「児童をめぐる問題」あるいは単に「問題」といった用語に修正して、「要保護」という用語については使っておりません。
 続きまして、同じ節の中で前回御指摘がございました総合的、あるいは制度横断的な論点について書かせていただいております。
 「・特に、虐待、不登校、いじめ、性非行などの問題が深刻化してきており、新しい視点からの対応の必要性が増大している。中でも、現行の児童福祉法の下で適切な対応が十分図られていないと指摘されている虐待などの問題については、法制度及び運用のあり方を含め総合的な検討を進めていくことが必要である。」
 「・問題の多様化・複雑化の背景として、商業主義的な性風俗の蔓延など児童を取り巻く社会環境が悪化していることもその原因の一つとして指摘されており、地域社会においてこうした環境の改善に向けて不断の努力を行っていくことが必要である。」
 以上で1.につきましては、このように論理の流れがより鮮明になるように、基本的に前回御議論いただきました専門調査会の報告書の文章を分かりやすく並べ替えることで整理させていただいております。
 「2.施設のあり方について」以降につきましては、修辞上の整理を行っておりますが、基本的に前回御議論いただきました報告をそのまま生かさせていただいております。
 構成について1点変更がございます。「2.施設のあり方について」につきましては、「(1) 施設入所の実態」、「(2) 今後の方向」と2つ分かれておりますが、これは前回は「問題の多様化・複雑化への対応」という形で1つの中に整理されておりましたが、これは2つにこのように分けて整理いたしてございます。内容については変更がございません。
 1点、「(2) 今後の方向」の中では、第1ティレの第1文の中で、「その役割や対象児童の範囲、名称などについて見直しを行うとともに」というふうにございます。前回は「対象児童の範囲や役割などを見直す」となっておりましたものに「名称など」という文言を追加しております。
 第3ティレ中「非行児童とその他の児童を一緒に処遇することがいずれの児童の自立にも」となっておりましたのを、表現がきつ過ぎるという御指摘をいただきましたのを踏まえまして、「対象児童の範囲を拡大することが」と修文させていただいております。その他は内容的な変更点はございません。
 以降につきましては、表題などについて多少整理してございますが、内容は前回御議論いただいたものと同じでございます。
 最後まで進んでいただきまして、一番末尾に1文加えさせていただきました。児童福祉施設の最低基準についてでございます。読み上げさせていただきます。
 「当部会では、児童自立支援システムについて児童福祉法の改正を必要とする基本問題について検討を行ってきたが、児童福祉施設最低基準についても制度の見直しと並行して検討を行うことが必要である。」
 こちらの報告書につきまして、修正点は以上でございますが、専門調査会で御議論いただいておりました点で、改めて引続き基本問題部会でも御審議いただければとされておりました点が2点ございますので、これを御説明させていただきます。
 第1点は、2の「(2) 今後の方向」という節の中の一番最初のポツでございます。中ほどから始まる文章で「この場合、児童にとって最善の処遇を提供できる施設が適切に選択され得るような方法をあわせて検討すべきである。」という文章でございます。
 施設の在り方の「今後の方向」というところにこの文が入っておりますが、この文章につきましては、専門調査会におきましても、例えば児童の意見表明権を保障して、適切に選択され得るようにすべきだというような形で具体的に書くべきであるという御指摘もございましたが、児童にとって最善の処遇を提供出来る施設が選ばれるという理念を実現するための方法としては、更に多様な方法がある訳でございまして、児童の意見表明権を保障する、あるいは施設の情報を提供する、または児童相談所が第三者機関の協力を得ながら適切に処遇を図るといったことから、あるいはもっと進んで、措置制度を見直して、利用制度のような様相を一部導入していくというような方法まで多様にございますので、この文章につきましては、主語を含めて多少あいまいにして更に御議論をちょうだい出来ればということで、このような文章にさせていただいております。
 2点目でございますが、「4.児童相談所の活性化について」という中の「(1) バック・アップ機能の創設」の節の中の一番最後のポツでございます。(2) のすぐ上の段落でございますが、「バック・アップ機能の創設」の最後のティレにつきましては、第三者機関の設置形態について両論併記になっている箇所がございます。
 以上2点、基本問題部会で引続き御議論いただければということで、専門調査会で整理させていただいた点について御説明させていただきました。以上が「少子社会にふさわしい児童自立支援システムについて」の御説明でございます。
 続きまして、もう一つの報告案「母子家庭の実態と施策の方向について」について御説明申し上げます。
 まず前文につきましては、このようにさせていただいております。読み上げさせていただきます。
 「昭和36年当時の母子家庭の約8割は死別母子家庭であったのが、平成5年には約7割が生別母子家庭であるなど、母子家庭となった要因や態様は大きく変化している。
 当部会では、こうした変化がみられる中で、今後の母子家庭施策をどのように進めるかということについて検討を重ねてきたが、この度、これまでの検討の結果をとりまとめたので、以下のとおり報告する。」
 次に「1.母子家庭の現状と今後の施策の方向について」でございます。これは前回御議論いただきました報告書の「母子家庭の現状について」という一番最初の節と、2番目の「母子家庭に対する社会的支援について」の冒頭の内容をそのまま生かしたものでございます。
 この中で「(1) 母子家庭の現状について」につきましては、前回の御議論を踏まえて、数字の羅列が多少過ぎたところを簡素化させていただいております。その他内容について特段の変更点はございません。
 「(2) 母子家庭に対する社会的支援について」につきましても内容的な変更点はございません。 1の「(3) 母子家庭施策と一般施策等との関係について」というところでございますが、前回母子家庭施策と一般施策との関係、あるいは母子家庭施策と父子家庭施策との関係につきまして御議論がございましたので、これを踏まえてという節を新たに加えさせていただきました。読み上げさせていただきます。
 「(3) 母子家庭施策と一般施策等との関係について
 ・母子家庭の態様やニーズが多様化しているとともに、一般の家庭においても共働き家庭が増加するなどの変化がみられる中で、母子家庭施策を一般施策とは別個のものとして捉えるのではなく、むしろニーズの内容に着目しどのような社会的支援が必要かという視点から捉え、施策の総合化や普遍化を進めていく必要がある。例えば、延長保育や乳児保育等の保育サービスや放課後児童対策は、母子家庭に限らず共働き家庭においても共通するニーズである。また、各種の相談事業についても、その対象を母子家庭に限定するのではなく、できる限り子どもや家庭に関する地域の相談支援体制の中に位置づけることにより、施策の総合性・一貫性を確保するとともに幅広い施策の展開が図られるようにすべきである。
 ・また、父子家庭については、労働市場におけるハンディキャップや収入状況は母子家庭の場合とは異なっており、両者を全く同一に捉えることは適当ではない。しかし、子育てと就労の両立支援や各種相談等のニーズについては母子家庭のニーズと重なり合っており、こうした施策の分野では母子家庭と父子家庭を区別することなく取り扱うことが適当である。」
 以上でございます。
 次に「2.社会的支援のための施策について」でございます。ここの中については内容的には大きな変更点はございません。修辞上の修文をしてございます。
 「3.児童扶養手当制度について」でございます。ここにつきましても内容的な変更点はございませんが、1点前回では冒頭に60年の児童扶養手当法の改正が説明されておりましたが、ここの内容につきまして御質問がございましたので、60年改正の背景につきまして、一文冒頭で加えさせていただいております。
 「・児童扶養手当は、母子家庭の生活の安定と自立促進に寄与し、もって児童の福祉の増進を図ることを目的として支給されているが、もとより、児童扶養手当の支給は、離婚した夫の子に対する養育義務を免責するものではない。」という文章でございます。その他につきましては、内容的な変更はございません。
 以上、2つの報告案について、前回御議論いただきました2つの専門調査会の報告書からの加筆修正箇所について御説明を申し上げました。
 以上でございます。
◯部会長 ありがとうございました。それではただいまの御説明を受けて、最初の方の「少子社会にふさわしい児童自立支援システムについて」の方から御意見をいただきたいと思います。全体を通じてどこからでも結構でございますから、御意見をちょうだい出来ればありがたい。
◯A委員 2の「(2) 今後の方向」のところでございますけれども、「その役割や対象児童の範囲、名称などについて見直しを行う」というところで、私は虚弱児施設について発言させていただきたいのです。
 前回、虚弱児というのは今は使われていない語であるし、差別用語かなと思って発言しようと思ったのですけれども、私には余り虚弱児ということの知識がなかったものですから、それを少し調べてまいりました。虚弱児というのは、一般に弱い子と言われるような概念が虚弱児ということでございまして、40〜50年前は虚弱児と申しますと、主に結核だったそうでございます。風邪を引きやすいとか、熱を出しやすいとか、太らないとか、疲れやすいとか、顔色が悪いとか、そういう子どもを虚弱児として、その中に大体結核の子どもが20%ぐらいいたというようなことでございます。
 現在社会が移り変わりまして、医学が進歩しまして、虚弱児というのがほとんど使われなくなった。私も医学界の中でも目にしなくなったし、耳にもしなくなった。いろいろ古いものや何かを調べましたらそういうことで、現在弱い子といいますと、アレルギーで、例えばアトピーがひどい子とか、喘息がひどい子とか、いわゆる転地療養を必要とするというようなことで、そういう重症な喘息とか、湿疹とか、じん麻疹などが1つ。
 あとは不登校を含めてでございますけれども、心身症と言われるようなものとか、自律神経失調症。朝なかなか起きられないとか、そういうようなお子さんがいわゆる弱い子、それが虚弱児と言うのではないかなというふうに思われる訳です。ここにもありますように名称についても見直しを行って、今、私が申し上げましたものは、勿論社会環境とか、いわゆる公害問題というものもかかわってまいりますけれども、親の養育態度がも今の虚弱児に関しては絶対に見逃せないし、重要でございますので、虚弱児という言葉を使うことがいいのかどうかというのを是非見直していただきたいと思います。
 虚弱児施設というのは70%ぐらい今、入っているのだそうでございまして、どういう子どもが入っているのか分かりませんけれども、要保護児童の施設に教護院以外はいろいろかかわったことがございますけれども、虚弱児施設というのは何十年前かに1件かかわったことがございます。それはもう重症の喘息発作で転地療養を必要とするというところでございまして、最近はほとんどかかわったことがございません。ですから、施設の中の見直しも必要ではないかと思うのですけれども、もっとほかの目的活用出来るような、例えば、障害児施設が今、非常に要求されておりますのが、そういうところにでも活用していただけないかなと思います。是非見直しと役割と対象児童の範囲などというのを検討していただきたいと思います。
◯部会長 ありがとうございました。
◯B委員 私も大体同意見なのですけれども、単に今の施設を前提にして対象範囲を変えるとか、名称を変えるということではなしに、役割という言葉が出ていますけれども、機能全体を、機能の分け方を見直すというか考え直すと、再編成するという視点をもう少し強く出すだけではなしに、そういうふうに施策を持っていっていただきたいのです。その中で今おっしゃったように、虚弱児というのは昔の概念と全然違いますから、単に名称だけを直すというのではなしに、目的というか機能を考え直すと。ほかの施設との関係を再編成するとか、そういうことをもう少し強く出していった方がいいのではないかということ。
 それから後の問題ですけれども、母子寮というのも母子寮という名前がいいかどうか、その辺も含めて問題意識を持たれたらどうかというふうに思います。
◯部会長 ありがとうございました。
◯C委員 1点目は今、話題になっております虚弱児施設の問題なのですけれども、現在、アトピー性の問題とか、あるいはやや小児成人病的な子どもたちとか、喘息の子どもたちとか、かつて結核にかかった子どもたちとはかなり様変わりしてきて、そのほかに不登校の子どもがいたり、あるいは虐待されている子どもが入ったりということで、養護施設にも全く同じような子どもたちが入っているというところでは、だんだんそのグレーゾーンに位置する子どもたちが養護施設を中心に虚弱児施設にも入り込んできているというふうなことなので、ここら辺はどういうふうに役割の下に体系化していくかというのは大きな課題だろうなというふうに思っております。
 1点お伺いしたいのですけれども、例えば、文部省で非常によく似た施設として健康学園というのが小学校の子どもたちを中心として、今、言ったような喘息とか、成人病的な子どもたちを環境のいい、23区ですと比較的多いのは房総地域にそういう学校と寮を併設したところを持っていまして、かつて養護施設に入所していた子どもの中で、そういうものを利用した方がいいというような学校医の方の勧告があったのですけれども、その場合に、養護施設で措置の入所のままそういうものを利用出来るのか出来ないのかというのが、たしか出来ないというふうな、一旦籍を切ってというふうな話も出ているので、そこら辺のことをお伺いしたいなということが1つ。
 もう一つは、2の「(2) 今後の方向」について」の、「児童にとって最善の処遇を提供できる施設が適切に選択され得るような方法をあわせて検討すべきである」というような文言なのですけれども、これは専門調査会の中では、説明がございましたように、子どもの最善の意見表明権で、親の同意だけではなくて、子どもたちの、特に小学校高学年以上になれば意見を聞くというふうな、それでよくインフォームド・コンセントではないですけれども、こういう施設にというふうなことで事前に話をして、聞いて、あるいは実際見させてというような、そういうところで論議がされていたと思うのです。 若干さっきの説明にあったように、措置と利用の問題というのが併せて若干論議があったのかなと思っていますけれども、そこら辺は保育の中でもさんざん論議をされてきまして、選択出来るようなサービス提供にシフトしていくべきだというふうなことについては、要保護児童という言葉がいろいろと前回問題になりましたけれども、要保護児童の家庭の問題が普遍化して一般家庭まで拡大していくという中で、措置というところの限界性というのはあるなというふうに確かに感じている訳でして、措置制度の中で提供するサービスが、要保護児童の関係の施設においても限定されたサービスしか提供出来ないというところで、現在起こっているさまざまな、いわゆる児童のいじめ、不登校といった問題のニーズに対して、きちっとマッチしたようなサービスが提供出来ないというような問題が片一方であって、今回ニーズとサービスのミスマッチを直したいというような思いもあって私自身も参加している訳でして、そういう意味では、要保護児童の問題でも利用というものが増えてこないと、相変わらずミスマッチが続いていくだろうというふうな考え方を持っています。
 ただし、いわゆる親の同意が得られなくて、親権が不適切に行使されている中で、子どもの最善の利益が失われるというケースも虐待問題を中心にいろいろと表れてきている訳でして、それに対して、現在は措置という公権力による行政処分という形で親権に対抗していくというようなことで子どもの生存を守るというような、そういう機能も果たしている訳です。 今回要保護児童の問題、専門調査会でも、あるいは保育の問題でもいろいろと地域の中にサービスのネットワークをつくって、問題発見から対応まで迅速に図っていくというような、そういう意味合いでは、そういう施策が講じられて拡大していけば、そういう埋もれたようなニーズが発掘されていくだろうというふうに思っていますけれども、親権の不適切な行為によって子どもの方が最善の利益が守れないというような仕組み、そういうふうな形になったときに、措置に代わっての新たな子どもの生存を守るというような仕組みを、これは仕組みか政策でやっていくかという問題にもなると思うのですけれども、そういうことが片一方で必要なのだろうというふうに思っていまして、ある面では選択は賛成で、ある面ではもう少しそこら辺を慎重に考えていかないと、子どもの最善の利益が図れないのではないかというようなことで心配しております。
◯企画課長 今の前半のご質問についてお答えしたいと思います。健康学園の件でございますけれども、C委員がお話になったのは養護施設の例でございますが、非常に一般的に申しますと、養護施設というのは一般の家庭の養育機能は全部対応出来るということになっていますが、裏を返せば一般の家庭で供与出来ないようなサービスと申しますか、健康学園に入るとか、あるいは幼稚園に入るとか、そういうものは外のサービスを利用しなければいけないものだと思うのです。それは一般の家庭も養護施設も同じだと思います。したがって養護施設の子どもたちは幼稚園にも行ける訳でございますので、健康学園に考え方としては行けると思います。
 ただ、健康学園は文部省の方の施設で、私どもの措置施設ではございませんけれども、いずれ税金でやっているものであれば、お金の調整みたいなものは必要であろうと思います。考え方はそれを拒否するものではないと思います。
 そして、今ごらんいただいている2の(2) に、施設の利用形態の弾力化というのがあるのですけれども、そこのところは1つの施設に入ったらすべてのサービスが供与するというのではなく、通所という形態もあり、ショートステイという形態もあり、そういう形で弾力的に運用していきましょうということが書かれております。
 以上でございます。
◯部会長 ありがとうございました。
◯D委員 施設が相互乗り入れのような実態になっているということについて、特に虚弱児施設などの実態は今、C委員から発言があったとおりだと思います。確かに児童相談所で措置をするときに虚弱かどうかという判断については、A委員もいろいろ心配なさったように、この辺については余り厳密にやれていないという現実がありまして、むしろ地域性を考えるとか、あるいは養護施設の中の1つの種類として考えて、ほかの施設の空具合といいますか、そういった施設全体の状況を総合的に判断した中で具体的には処遇しているのが実態ではないか思われます。
 それから要保護児童の入所に関する選択の問題ですが、選択をする親が子どもの最善の利益を考えることが出来るかどうかといったときに、それが十分考えることが出来ない人たちが選択するというところの難しさがあり、そこでどういうふうにそれを考えていくかということになります。
 それとまたもう一つは、その子にとって客観的に見たらこちらの方の施設がいいだろうというような場合があったとき、その優先順位等をどういうふうに考えていくか等々考えますと、選択という方向はいいにしても、保育所等の場合に考えられた選択とは少しニュアンスが違った選択を考えないといけないのではないかなと。具体的にどうするのかということになると少し難しいのですが、後に出てきますように、相談所が第三者の支援を得ながらその辺を選んでいくといいますか、考えていくというようなところに落ち着くのは妥当ではないかと私は思います。
◯部会長 ありがとうございました。今のお話の中で少し整理させていただきますと、A委員からお話があり、B委員から追加してお話があった件については、「今後の方向」の役割や対象児童、名称などについての見直し云々の中で、一例として虚弱児のお話があったという訳でありますが、ここはただいまの御趣旨を体して文章に多少工夫をするということで御了承いただけますでしょうか。
 特に文章ではなくて再編成というようなお話もあった訳でありますが、これは大変大きな問題だと思うのですが、基本的にはこの報告書がすべてではない訳で、これは基本的な考え方ですから、何という名前に変えるとか、そんなことではないということで御了解いただければありがたいと思うのです。
 それからC委員とD委員がお話しなさいました点について、第三者機関的なものをどういう形でか設けて、より子どもたちの権利が守られるような、あるいは子どもたちの期待、希望が叶えられるような形。当然そこでは本人の意見も聞かなければいけないでしょうし、これはもう当たり前のことだということで、仕組みとしては第三者機関的なものということでいかがでしょうか。
◯C委員 私の方はそういうところで期待しておりまして、親権問題についてはここのところでやっていただく以外に少し難しいなというふうな、そういうことで子どもの最善の利益が保障されるということ。
 もう一つは、「3.地域社会における支援体制の強化」というところでそういうサービスのネットワークをつくっていくという、そういう施策が拡大されていく中で埋没しているニーズが発掘出来るかというふうな期待を持っていまして、そういう意味では、必ずしも措置ということでなくてもいいとは思いますけれども、まだ保育に比べて実態としては養護施設等は選択などというふうな考え方は少数派でして、そういう意味では混乱を起こすというふうなこともあるかなと思いますけれども、ただ概して措置制度だけではだめで、措置制度と利用制度を併用していこうという動きは確かにございますので、だんだんそういう方向にいくのではないかと思います。
◯部会長 ありがとうございました。ほかに御発言ございませんでしょうか。
◯E委員 方向がだんだん決まってきたと思うので、総合的にこういう調整をしていくことは別に異論ないし、そういう形でマクロな観点からの体制を整備していくということが必要だということは言うまでもないのですけれども、それが具体的に現状のいろいろな諸問題にどういうふうに機能していくかということの検討。
 例えば、保育所の問題をずっとやってきて、ここで保育という言葉が消えた訳ですよね。私が読んでですね。そのことは施設とかいろいろな機能、社会的な相談機能の中にかなり包括されて整理されてくるということもあるだろうと思うのですけれども、具体的には、現在問題の発想として、子育て支援というようなものが当然どこかで触れてこなければならないのだろうと思うのです。これが1つ。
 それから、先ほど来虚弱児施設の話も出ていますけれども、実際に虚弱児施設は身体的な虚弱児という発想からつくられた訳でしょうけれども、非常に精神の問題といいますか、心理的な諸問題に対応していることをやむなくやっているのだと思うのですが、そういうものをどう考えるかということになってくると、結局現在相談所が担っているいろいろな責務というのがあって、それをどういうふうにバックアップしていくかということになることだと、こう書いてある訳です。
 私が非常に心配するのは、いろいろな問題というのは実際に行わなければならない責務はうまく行えないという状況が発生してきているのだというふうに思うので、それをどういうふうに改善していくことが出来るかということを考えたときに、現在自立支援の概念というものはだれも異論はないのですが、中身をどういうふうにつくっていくのかということになって、そこのところがどうも読めない感じがする訳です。実質的な効果が出てくるための方策をこれから更にもっと検討していくというなら勿論これでいいのですけれども、少しそこら辺の論議に参加していなかったので、そういうことを少し心配している訳です。
 具体的に言いますと、ずっと発言してきたのは、いわゆる公的な組織の枠の中で今まで考えられてきた仕事というものは、どうしてもそういう組織の持っているいろいろな条件によって機能しにくいというところが問題だった訳です。
 ですから、そこは相談所にかなりな期待を寄せられることは当然ですけれども、例えば新たにつくられるこども家庭支援センターなるものが、かつての福祉事務所の家庭児童相談室のような形で消極化してしまうということも恐れますので、何かそこで実質的に、本当に自立支援になるような仕組みになっていくのだという説得力のある内容を深めていくことが必要ではないか。とりとめないのですが、そこのところは大きく感じた訳でございます。
◯児童家庭局長 今、E委員のお話はごもっともだと思うのです。今回基本問題部会でお願いした趣旨に結局立ち戻るのですけれども、やはり保育なり、あるいは要保護児童、こういった子どもなり家庭を取り巻く対策というものについて、どういうふうに進めていくかというのは、大きな方向として基本問題部会で御議論をいただいておる訳でありますけれども、私はまずそういった中で、審議会だけで議論していてもなかなか進まない、こう言って少し誤解を招いたら申し訳ないのですが、進まない訳でありまして、やはり国会の場なり、国民的な議論というものをしていただく必要が常にある訳であります。そういった中で少子社会ということが言われておる訳でありますが、もっとこの問題について大いに議論する必要がある。
 そういった意味では、例えば高齢対策についてはかなり高齢対策のおみこしは立派になりつつありますが、その担ぎ手がいないのではどうにもならない訳でありまして、その担ぎ手をどう立派に、自立した社会人として生きていけるようにしていくべきなのか。行政としてそれをどう支援していくべきなのか。この議論をもっともっとやる必要があるだろう。
 当然のことながら、こういった福祉の関係というのはそれぞれ第一線でやっていらっしゃる方々の頭の切替えといいますか、関係者の方々がそういった思いで努力しなければよくならない訳でありまして、そういった意味では、制度が変わってもそこのところは変わらない限りは絶対によくならないというふうに私は思っております。しかしまず大きく制度について御議論いただいていくということによって世論を喚起するといいますか、御支援をいただくといいますか、そんな気持ちであります。
 ですから今後、審議会の場でお願いしていくことになる問題もあるでしょうし、あるいは行政として検討していかなければならない問題が非常に多いと思いますが、それをずっとやっていく。こういうのはそれぞれの時代を見定めながら、時代の風を感じながらやっていかなければいけない訳でありますから、委員の方々から貴重な御意見をいただけたことはその第一歩であると考えております。
◯部会長 ありがとうございました。
◯F委員 全体にかかわることといいますか、少し基本的なことで質問みたいなことをさせていただきたいなと思っております。
 行政システムについての問題提起といいますか、質問をするのも僭越かとは思うのでございますけれども、先ほどC委員の方からの御発言に企画課長がお答えになっておられた問題に関しまして少し感じたことは、児童の健全育成みたいな問題になりますと、言うなればどうも厚生省と文部省のジョイント・エフォートみたいなことが当然必要な訳です。その辺どんなふうにやっておられるのかなということを伺いたいということが1つでございます。
 私どもですと、勿論一応組織はございますが、それは行政組織と比べたらちっぽけなものでございますけれども、しかし1つの組織では完全に処理し切れない問題というのはたくさんある訳でございます。そういうときにはいろいろな組織、例えば研究部門とか、製造部門とか、営業部門とか、そういう部門から人を出してプロジェクトチームをつくるとか、どこかが主務部門になってその問題に取り組むというようなことをやっておるのでございますけれども、介護とか保育の問題については恐らく専ら厚生省がほとんど完全に多分独自に担当されてしかるべきだと思うのですが、児童の支援ということになりますと、相当両省にまたがることがあろうかと思いますので、その辺の取り組み方についてどんなふうにおやりになっているかということを伺いたい。
 それからもう一つは、今回のレポートを読ませていただきまして、前回の議論を踏まえて大分はるかによくまとめていただいたようにも思うのですが、ただ1つ私少し感じましたのは、修文に意を用いる余り、それからまた、差別用語的な表現とか、そういうことをなるべく避けようという配慮があるのは大いに結構なのでございますけれども、少し無難になり過ぎているところも、きれいごとになり過ぎているところも多少あるのではないかなという気がしたのです。
 それは例えばどこかといいますと、教護院のところです。確かに前回の表現は随分きついところがあるなと私も受けとめたのですが、例えば、非行児童とその他の児童を一緒に処遇することが非常にマイナスの効果を出すおそれがあるというような表現が前回ございましたね。今回はその辺がかなりやわらかくなっておる訳です。決して反対をしている訳ではないのでございますけれども、むしろこういう審議会のレポートなり、答申なりというものが、ある程度赤裸々に、より具体的にプロボガティブに書かれて、焦点がはっきりして、そしてそれが実行にきちんと結びついていくと。レポート自体が非常に円満な表現でまとめられているだけでは必ずしもいけないのではないかなという気が少ししたものですから、大変僭越でございますが、問題提起させていただきました。
◯部会長 ありがとうございました。前の方のお答えを先にいただきましょう。
◯企画課長 F委員の御質問、文部省と厚生省と仲よくやっているかという御質問であろうかと思いますけれども、1つの成果は、委員御承知でいらっしゃるかと思いますけれども、エンゼルプランというのを7年度初年度に始めてございますが、これは四省庁合意でこのプランを考えられたものでございます。まさに文部省、厚生省、建設省、労働省というところでやっていますので、これは1つは仲のいいという証拠でございます。
 個別にも委員幾つか御指摘なさいましたけれども、例えば幼稚園と保育所の問題というのは個別にも私ども両省庁で議論させていただいていますし、最近ではお互い弾力化してやっていこうというようなこと、例えば幼稚園は午後保育というのも始めておりますし、私どもの保育所も、この御議論にも出ましたけれども、一時保育というのは専業主婦のお母さん方のお子さんを預かって差し上げたりということで、いろいろな議論、仲よく進んでいるつもりでございます。外から見てどの辺まで進んでいるかという問題はある訳でございます。
 そのほかにも教護院の学校教育の導入の問題とか、あるいはいじめの問題とか、事あるたびに中に入る例えば総務庁のような組織もございますけれども、やらせていただいているというところでございます。
◯F委員 この部分につきましても、子どもの最善の利益ということが冒頭から盛り込まれて、これは大変よいことだと思うのですけれども、実際に先ほどこれからの課題として提起があったように、子どもにとって本当に最善の処遇が出来る施設が適切に選べるかという点について、先ほどC委員もおっしゃいましたように、特に小学校の高学年ぐらいの子どもは子ども自身の意見を尊重するというのはとても大事なことだと思うのですが、実際に子どもが意見を言うときに、子どもにきちんと情報が提供されていないと判断が出来ない訳ですよね。
 特に社会的支援が必要な子どもというのは、どちらかというといろいろな意味で弱い立場にある子どもですから、これまで全体に児童福祉の体系が子どもを保護の対象として見ていたところを、少しでも権利の主体として見たいというのが今度の話の流れだと思うので、それにのっとって本当に判断が出来る年齢になった子どもがきちんと選べるような情報の提供と、それをきちんとバックアップする体制というのがないと、文言だけあってもなかなか実態が進まないと。その辺がもう少し踏み込めないのかなという気持ちがするのです。今おっしゃったように第一歩であるから、これから先の一石投ずるという意味では非常に大きいと思います。
 そこをバックアップする意味では、後ろのバックアップ施設のもう一つの問題点とおっしゃいました、児童相談所の中に置くか外に置くか、その第三者機関の在り方というのが非常に大きな役割を持つと思うので、多少その辺のイメージが分かる書き方がもう少し出来ると、これを受け取った人が、私もこういうことには素人ですから、児童相談所の中にあることと外にあることとのメリット、デメリットのあたりがよく分からないので、差し障りもあるかもしれませんけれども、ある程度議論のたたき台という意味では、中に置いた場合にはこういういいことがあるけれども、子どもの権利を尊重する上でこの辺がという少しふわっとした形ででもいいですから、何かもう少し分かる要素がある方が、私はここはかなりポイントだと思いますので、もう少し書けるといいのかなという希望がございます。
 それともう一つ、言葉の点なのですけれども、前書きのところで「大宗は」という言葉が出てまいりますね。それから母子家庭支援のところも後ろの方に「大宗を占めている」と言うのですが、これは今、一般的に使う言葉でしょうか。少し古い言葉ではないかと思うので、これはもう少し一般的に使う言葉にした方が。このあたりから私は引っ掛かってしまう。また役所の文書が出たのかなという感じがしますので、言葉遣いでございますが、以上です。
◯部会長 ありがとうございました。その大宗という言葉についてはまた検討させていただきます。
 そして第三者機関の問題について、例えば、F委員どこにどういう言葉を入れたら一番いいと思われますか。中か外かというところで。
◯F委員 中か外か私はその実態が分かりませんので、その辺が中に置いた場合のデメリットは難しいかもしれませんが、例えば中に置いた場合、外に置いた場合のメリットを、ここにも書いてはあるのですけれども、知らない人が見ると少し分かりにくい。もう少し分かりやすい言い方が出来ないかなと。
 もう一つ具体的にという点からいきますと、先ほど地域のネットワークという話もありましたが、今、虐待の子どもに対しては地域でいろいろな専門家がいろいろな形でかかわり合う、まず発見するところと対応するところとモデルケースで出来ていますよね。ああいったような感じの、モデルケースでもこんなことが考えられるというようなことがもう少しあってもいいのかなという気がいたしましたので。
◯D委員 今の第三者機関を児童相談所の側で使うというか、活用しようとしたときの立場から申しますと、結局児童相談所はそういったケースがあったときに相談を受け付けて調査をします。そして、どういう状況でそういう事態が起こっているかという社会診断をし、それから心理学的な面からその子どもについての診断をして、さらに医学的な面から見ていく。場合によっては一時保護して、行動観察というような形でその子どもを観察し、そうしたものを総合的に判断して処遇を決めている訳ですが、いろいろな診断をしていく段階でそういった第三者機関を使うことがあるでしょうし、さらにそういったことを総合して相談所としてのある程度の方向性を出したところで、第三者機関の方々に相談する。このような形で使うのだろうと思います。
 一番大事なのは、生きている子どもについての処遇ですから、緊急を要するといいますか、そう時間を置いてゆっくり考えていただくという訳にいかない。すぐに使いたいときに使えるような第三者機関でないと意味をなさないのではないか。偉い先生を集めるのに1か月も前から予約をして、それで来てもらって援助していただくというのでは子どもの方はどうにかなってしまうというようなこともあるので、そういう意味では即使える、使いやすい位置にいていただくことの方がメリットが多いのではないかと思います。
◯部会長 ありがとうございました。
◯G委員 今日も何人かの委員から発言がありますように、最初のステップだからということで明確に方向性を出しておられない部分がありますが、せっかく久しぶりでこういう形で外へアピールされるときに、もう少し踏み込んで具体的におっしゃった方がいいのではないかというところが幾つかありますので、少し言わせていただきたいと思います。
 「少子社会にふさわしい児童自立支援システムについて」の3の、例えば、チャイルド・アビュースの虐待の発見のところですけれども、「積極的な活用を図るべきである」、まさしくそのとおりなのですけれども、例えばまだこういう関係者の認識が乏しいのではないか。まだ母性神話など信じている人がたくさんおりますので、そういったような方たちに現実に関する情報を提供する、あるいは認識を深めるというような具体的な話をもう少し書き込んでいただいた方がよろしいのではないか。
 あるいは(4) の里親制度。これも議論があったのかもしれませんけれども、これは私の個人的な感想なのですが、今後の高齢化社会において、公的年金をもらいながら里親になって子育てをするというようなものが一番高齢化社会を支える上でいいと思うのですが、今の里親制度というのは非常に年齢制限は厳しいですし、両親がそろっていなければいけないとか、子どもの最善の環境ということを強調する余り、多くの善意を持っている人が参加出来ないような形になっていますので、そういったようなことについての例えばというような形で書き込んでいただけると、大変説得力があるのではないかなという感じがいたします。
 また、母子寮の件につきまして、「母子家庭の実態と施策の方向について」2の(4) ですが、女性の問題ではよくシェルター、一時的に避難をするという緊急避難の機能を持った場が必要であるといわれます。その次には中期的に緊急避難から次の自立に向けて滞在するような、そこで準備してもう一度再スタートするためのバックアップを受ける場が必要です。
その後長期的にそれなりに安定した生活が出来るような形で、暴力を受けたり、緊急な助けを必要としている人たちが自立していくというステップが必要な訳ですが、恐らく今の母子寮は中期と長期的な安定の部分についての仕分けが明確ではないのではないか。
 私自身はもう少し個人的な緊急避難、婦人相談所の一時保護所との有機的連携というふうに書いてありますけれども、このシェルターの機能を明確に母子寮の中に位置づけるべきだと思います。子どもを持っていらっしゃる女性は母子寮に一時的に避難するという形が一番スムーズなのではないかなという感じがします。
 そしてそこで、ここにも書いてありますけれども、いろいろなバックアップ機能を受けて、あとは公営住宅を世話するとか、もう少し持続、自立出来る形で送り出すという、中間施設なのだというふうな位置づけがされてはどうなのかなと思います。機能強化と同時に、機能の明確化ということを言っていただければいいのではないかなという感じがいたします。
 それから、児童扶養手当制度についてですが、これは本当にいろいろな不合理があって、特に問題は、離婚のときに養育費の取り決めが十分行われていない。取り決めてもそれを十分履行しない人を強制的に執行する手立てがないということが大きな課題になっている訳です。どうしようもないのかなという気がしますが、この文章の中で言えば、1つは、まず夫、夫と書かれておりますが、母子家庭という中だからしようがないのかもしれませんけれども、「配偶者」あるいは「もう一方の親」という表現の方がより好ましいのではないか。という感じがいたします。
 以上、切れ切れですけれども、せっかくこれだけ出されるときに、積極的に活用とか、根本的な検討が必要であるとかいう抽象的表現だけではなしに、もう少し具体例を出していただければ説得力があるのではないかと思います。
◯H委員 最初の方の文章ですけれども、これは私も自信がないので意見を言いにくいのですが、前回の議論で1のところにいろいろ問題状況を整理して書かれたというのは結構なのですけれども、これを読んでいて、「2.施設のあり方について」ということになると、前回の文章の方がある意味では分かりやすい。これは短くしてしまったものですから、要点のところだけになってしまっているという感じもするのです。
 そして、非常に素直な意見として、こういう児童のいろいろな施設があるのですけれども、こういうものを利用する子どもではなくてある意味で言えば親ですよね。そういう親たちは、例えばこの児童相談所だとか、教護院だとか、虚弱児施設だとか、情緒障害施設だとか、そういうものの使い勝手について、ここではもう少し自由度を入れていきなさいという方向を書いていますけれども、そういうものに対する認識だとか、使い勝手というのは一体どういうふうにとらえられたのかなと。例えばこちらで言いますと、児童相談所は全国で175 か所ということで、児童相談所の前に一番最初に行くのはどこなのでしょうか。今ごろこんなことを言っているのは変かもしれませんけれども、大体こういう相談があるのは、一番最初にはどこなのでしょう。いきなり児童相談所に行くのでしょうか、それとも福祉事務所に行くのでしょうか。それで児童相談所に回されるのでしょうか。
 あらゆる種類の家庭がいろいろな問題を抱えていますと言っていますけれども、問題を抱えている家庭が子どもの問題を相談する場合に、今の相談体制は相談しやすいような、いわゆる一般の親たちに、あそこに行けばいいんだというようなことがすぐ分かるような形とつながっているのでしょうか。そういうところに行ったときの受ける心理的影響というのは一体どうなのでしょうかと。そこら辺のところには問題はないのでしょうか。それはとりあえず施設の方からやっていこうという話なのか、そこら辺がひとつよく分からないなという気がします。そこら辺は議論されましたら教えていただきたい。
 次に、こども家庭支援センターというのが仮称になっていますね。これは養護施設のことを言うのですか。どこがやるということなのでしょうか。「基幹的な民間施設を中心として」というのは何のことを指しているのかよく分かりませんので、教えてほしい。
 それから、本来はこういう種類のもの、あらゆる場合そうですけれども、こういうふうな措置をするということもありますし、いろいろなことがありますが、行政がすることと、行政がしたことについて意見を言うところというのは別のところでなければならないというのが原則だと思うのです。行政の人が措置したことが適切なのかどうなのかというのを見るのは別の角度の人が見ないと、所長さんが相談をすれば、どうしても1つの傾向が出てくるということですけれども、そういうことをするためには予算と人が必要になってくるという面で、とりあえずはこういう児童相談所長の相談機能を強化という形でやるということであればこれは分かるのですけれども、処遇決定の客観性や児童の権利擁護の確保ということをもし中心にやっていこうと、将来的にはそれが重要なことなのだというふうに考えるとすれば、これは外側につくらないと機能は果たせないし、多分何年か先の将来方向からいったら、必ずこちらの方向になっていくというふうに思います。
◯企画課長 今の御意見で幾つかお答えしておきたいと思います。
 1つは、施設の問題について具体的に書かれていますけれども、もう少し以前の問題があるのではないかという御指摘があったと思います。相談については福祉事務所に行ったらいいのか、児童相談所に行ったらいいのかという表現でおっしゃった訳で、まさにそのとおりでございまして、例えば保育所なら福祉事務所に行きますけれども、要保護問題だったら児童相談所と一般の方々は分からない訳でございます。まさにその辺を考えて、このペーパーではたまたま施設と児童相談所の在り方が別々に書かれているのでございますが、ペーパー全部で考えていただきますと、両方問題だというふうに私ども認識している訳でございます。したがって相談部門については、175 の児童相談所にそのブランチ的なものとしてこども家庭支援センターというものを付けて、身近なところに御相談に行けるというものをつくりたいと思っている訳でございます。
 このこども家庭支援センターそのものについて御質問がございましたが、これは養護施設そのものなのかという御質問でございますが、これは児童福祉施設に付けたいというふうに考えております。考えておりますというか、これは審議会の御意見でございますので、審議会がそうお考えになっていると理解しております。
 基幹の施設というふうに書かれておる訳でございますが、保育所以外の児童福祉施設というのは数が1,050ございます。その 1,050一遍にこども家庭支援センターの機能を付けるということは難しゅうございますから、そういう意味で基幹のということを付けさせていただいている訳でございます。
 もう一つ補足させていただきたいのでございますが、G委員の御意見の中に里親についての御発言がございましたが、里親については特に年齢がこうでなければならないとか、夫婦そろっていなければならないとか、専業主婦でなければならないということは現時点で実はございません。長年そういう形でやってまいりましたが、昭和60年ごろ方針転換をいたしまして、里親というものの位置づけはボランティアであるという位置づけで行われています。ただ実際に県で措置をする場合には優先順位というのがあって、御夫婦そろっているとか、ある程度中産階級の上であるとか、余りお年寄りでない方がよろしいとか、それは実際に措置するときは出てくると思いますけれども、考え方としてはボランティアということでやらせていただいております。
 以上です。
◯部会長 時間がかなりたっておりますので、今日出来れば2つの報告について皆さんの御意見をいただきたいと思っております。
◯C委員 H委員とF委員の方からいろいろと御質問があって、そういった中身については専門調査会の中で論議されていまして、例えば、施設を選択するということについて子どもたちにどういうふうに具体的にしていくのかというようなこれからの問題もありますけれども、実態的には、例えば私どもの施設では中学生、高校生が入所してくるときには、必ず本人を連れてきて、見させていろいろの仕組み等を説明させて、それで納得の上で入所するというようなことをやっているところが大分最近増えてきていると。
 それと同時に、これは東京だけではないのですけれども、子ども向けの施設のパンフレットを今つくっている最中でして、親とか関係者にということではなくて、子ども向けのというふうなこととか、あるいは大阪府では、施設に入所したときに、子ども自身が困ったときに施設の職員たちがそれに応えてくれないときには、こういうところに連絡をしなさいという入所に際してのいろいろなオリエンテーション的なものもしておりまして、そういった情報提供をもっともっときめ細かくやっていかなければいけないのだろうというふうに1つ思っています。
 もう一つは、子育てネットワークの問題でして、実際に今、児相が本当に地域の身近な相談機関になっているかというと、百七十何か所ではなっていない訳でして、多くは問題があったときには福祉事務所なり、あるいは民生児童委員なりを利用していただければいいかなと思っているのですけれども、なかなか利用出来ない人たちもある訳で、そういう意味で、今私どもの地域も、保健婦とか、児童福祉司とか、主任児童委員とか、民生児童委員とか、児童福祉施設が中心になってネットワークをつくってモデル的に始めていて、結構それから発掘されるというものが多くなってきて、それを拡大していくということなのかなというふうに思っています。
◯L委員 児童相談所から教護院という、非行の子どもたち、これは大人でもたくさん悪いことをするのは刑務所にいっぱい入る訳ですから、子どもだってそういうのがおるのは当たり前のことでありまして、ただ、大人と子どもと見ていますと、これは子どもの方が立ち直りが早い。ある時期にスパッとよくなりますよね。大人はなかなかよくなりません。若いのはまだ比較的よくなりますけれども、年いくほどに幾らやってもよくならない。大体そういう傾向が顕著だろうと思います。
 ですから、視点の問題ですけれども、特にそういった子どもについて考えるときにも、その子どもを保護するとか、その子どもをよくするとか、それも大事なのだけれども、本当は親なり周辺の大人の方をきちんと処置すると。こちらの方が子どもをよくするためによほど手っ取り早いということが多い訳でありまして、一生懸命子どもをやくざにするために育てておるのもおりますし、ですからそういうのをきちんと処遇するためには、この第三者機関にかかわってきますけれども、子どもの権利保護だけではなくて、子どもの権利を侵害している大人をきちんと処置すると。刑務所に送り込むなら送り込むとか、そういう処置をするシステムとして活用していかないと、何か大人の悪いのを子どもにおっかぶせて一生懸命子どもを何とかしようというのは、それこそかわいそうな態度だなと。全体にそういう感じが見えるので、その点を申し上げました。だからそういう意味で、第三者機関も大いに活用してほしいと思います。
◯部会長 ありがとうございました。
◯B委員 今までの厚生省のお答えなどを聞いて少し感じたのですけれども、こども支援センターというのは、要するに児童相談所の系統につくりたいというお話かと思ったのですがそれもいいのですけれども、子どもについて今、問題が起きたときにどこへまず相談に行くかというと、一般の人はまず病院に行く人が多いのです。とにかく小児科に行ってみようかとか、あるいは診療内科に行ってみようとか、そういう人が多いのです。まず相談所というのはよほどの場合でないとなかなか行きにくいのです。
 ですから、この支援センターをつくられる構想というのはいいのですけれども、必ずしも福祉の系統の施設とか、相談所の系統だけでなしに、医療機関も含めた総合的な相談受入れ体制が出来るような、小児科の先生が2人いらっしゃいますけれども、まず子どものことで問題があったら、お医者さんにまず相談に行きたいなという人が一般的ではないかと思うものですから、余り児童の福祉の系列だけでそういったものを考えないようにしていただきたいというふうに思います。これは希望です。
◯部会長 ありがとうございました。それでは、ただいままでに御議論いただきました点は整理いたしまして、後ほど取り扱いについて御相談させていただきます。
 続きまして、「母子家庭の実態と施策の方向について」というペーパーが出来ておりますので、これについての御意見をちょうだいしたいと思います。
◯B委員 この母子家庭の問題も、せっかく基本的に施策の在り方を見直すということであれば、こういうふうにすぐ母子家庭の原因がどうなのだとか、収入がどうだとかという現状から入るのではなしに、50年間のうちに随分世帯構造が変わっていっているのです。核家族が増えているとか、あるいは親子3代の世帯が減っているとか、その中で老人世帯が増えているとか、母子家庭が増えているいう全体の世帯構造の変化というものをある程度、しかもそれがどういうふうになるのだという見通しの上で母子家庭というものを位置づけると言うと少しあれですけれども。
 母子家庭、離婚が増えていくいうことはこれからの傾向として、いい悪いは別にしてある程度予測せざるを得ない。その中でそれに対する施策をどうするのだというようなことをもう少し前に書いていただかないと、いきなり母子家庭の原因は死別ではなしに生別が多くなって、収入が貧しい人が多いのですよというようなことではなしに、子どもをめぐる背景が、社会がこういうふうに変わってきたということを前提にしてこれからの施策の在り方を考える訳ですから、大きな世帯構造の変化の中で母子家庭というものをきちんとこういうふうに我々は見ているのだと。
 これから増加ということは予測せざるを得ない訳ですから、その中で余り特殊な世帯形態として見ない。子どもについて要保護というのを特殊な子どもとして見ないのと同じように、母子家庭というものを余り特殊な世帯として見ない。むしろ普通の世帯の在り方の1つなのだと。この辺はいろいろ議論があるところかもしれませんが、そういう視点というものをもしはっきり書けるなら書いた上で、こういう施策が必要だというふうに整理していただきたいというのが希望です。
◯部会長 今お話がありましたことを少し違う角度から1の「(2) 母子家庭施策と一般施策との関係について」というところで、お考えをまとめていただいた部分としては述べてはある訳ですけれども、順序として前にあった方がいいではないかという御意見だろうと思います。特殊な扱いをするのではないのだということで、一般施策の中で処理すべきものが随分あるではないかと。しかし母子家庭のみについて言うなればということで、施策は述べてあるのですが、初めのところはもう少しあった方がいいではないかということだと思いますが、いかがでしょうか。
◯F委員 この中で児童扶養手当制度について、ここのところは1つポイントなのだろうと思うのです。確かにこにありますように、養育費の支払いが行われないまま全額公費で負担するのは社会的公正の観点から適当でないと。これは1つのポイントだと思うのですが、これが母子家庭の現状、今かなり平均世帯よりも実質的には半分ぐらいしか所得がないと、経済的に困っている家庭が多い訳です。その家庭にとってみると、こういう社会的正義のために自分たちが非常に困る状態に置かれるのではないかというのが、今、関係する人たちは非常に心配しているところなので、社会的正義の方向と実際にその母子家庭の人たちの身になってやることとのバランスをもう少し考えていただけるといいのかなと。 これだと社会的正義の方が通りそうな感じで、勿論確かにそれは通らなければいけないのですけれども、ここにありますように、実際に費用の全部または一部を夫から徴収できる仕組みの導入と。その理論面のみならず実務面と、ここが難しいから問題なのであって、ここがもう少し積極的に、それが出来るかどうかはともかく夫のお給料から天引きするとか、スウェーデンなどで離婚した場合にやっているケースとか幾つかございますよね。そういうようなことももう少し挙げるとかね。
 夫から取るのが私も常識的、社会的正義から言えばそうだと思うのですが、特にいろいろなケースで離婚した場合、夫と交渉すら本人たちは出来ないとか、あるいは夫から身を隠していないと危険があるというようなケースが実際は多い訳ですから、そこをきちんと取り立てる仕組みという方をもう少し前面に出してやらないと、母子家庭の人たちは今、非常に不安に思っている人が多いので、そういう方向でやってはいけないのではないかという気がするのです。
 確かに本来払うべき夫がいるのに、ここにかなり多額のお金が使われていることは児童福祉全体からいきますと公平なことではないから何とかしなければと私も思います。ただ。そこにはもう少しその辺の具体的な取る手立てを明示しておいて、こういうような方法で是非やると。それが出来たらこちらをやめるというような順序でないと、母子家庭の人たちはこれに対して今、不安感を持っているという声をかなり聞いていますので、その辺への配慮を是非お願いしたいと思います。
 文面から読むと、社会的正義の方が勝つのではないかという不安を実際に母子家庭の関係者は現在持っているという声をかなり聞いていますので、その辺の配慮と順序立てというのか、そういう方たちにもきちんと理解を得られるような形で問題を提起していただいた方がいいのではないかという意味で、すぐに廃止すると言っているということではないのですが、これを読みますと、大体それは社会的正義には当たらないので、なるべく改善する方向でということを言っておられるので、その辺の順序立てを念のためにお願いしたということです。
◯企画課長 大変ありがとうございます。専門調査会の御意見でも、母子家庭はいじめるべきではないと。
◯部会長 ありがとうございました。
◯G委員 何もそう書いていないにもかかわらず、この文章を読むと母子家庭に対する支給が制限されるのではないかというふうに受け取るということは、今の現状の制度がやはり離婚した男性に対して余りにもおおらかといいますか、寛容といいますか、社会正義の基準に照らしてみて適当ではないというコンセンサスがあるということだと思うのです。 例えばアメリカなどですと、離婚した場合も父親は当然別れて住む子どもたちに仕送りしなければならないからとても貧乏になって大変だという話がよくあるのに比較して、アメリカで出来てなぜ日本で出来ないのだろうか。スウェーデンで出来てなぜ日本で出来ないのだろうかというようなところをもう少し聞かせていただければありがたいと思います。
◯児童手当管理室長 ご指摘の件は非常に難しい問題を含んでいます。まず、例えばスウェーデンを例にとりますと、日本で言う児童扶養手当相当の手当の支給については、養育費の履行がされていないときには、手当を先に払って、その分を後で取り立てるというような制度が現実に出来ております。それから他の欧米諸国でも出来つつあるというのが実態としてございます。
 ただ基本的に大きな違いがありますのは、欧米諸国におきましては裁判離婚といのが原則になっている訳でございます。日本の場合には協議離婚が原則であり前提が違っております。言わば離婚するときに子に対する養育費の支払い義務が確定しており、専門用語で言えば、言わば債務名義としてはっきりしているわけです。前提が基本的に違っております。したがって実務面の問題も非常に大きな問題なのですが、その前提としての理論的な問題もなおあるということであります。
 ただし、にもかかわらず、ここでかなり強調して書いておりますのは、多額の公費を児童扶養手当のために使っている一方で、養育義務があたかも免責されているかのごとく様相を呈しているというのは、社会的公正の観点から見ていかがなものかと意見が強く出されましたので、このような形でまとめさせていただいたつもりでございます。
◯F委員 「導入することも考えられる」というふうな、ちょっと及び腰的な表現だからG委員やF委員からいろいろな御意見が出るのだろうと思うのです。是非そういう制度にしたいというふうにお書きくださればそれでよろしいのではないのですか。言うなれば、国が立替払いをして、国が債権者になって、取り立てるという制度を導入すべきだというふうにはっきり書けばそれでいいのではないですか。余り議論してもしようがない問題だというふうに思います。
◯部会長 このペーパー自身は審議会のペーパーですから、我々がそういうふうな意見だということになればよろしいですが、それで皆さん御異議ございませんでしたらそういうふうに。
◯F委員 社会的公正を貫徹するためにはそうすることが一番いいだろうと。私はさっき申し上げたように、あいまいな表現ではなくて主張ははっきりした方がいいと思います。
◯J委員 私も男の人から取り立てるということをきちんと書いた方がいいというのを言おうと思ったこと。
 それからこれは労働省とのネットワークの中で決められていくことだというふうに思うのですけれども、母親の仕事の場をもっときちんと確保するような施策。例えば、法定雇用率のようなものを決めてしまうとか、もっと労働省との関係の中で新しく、働きがいのある職場をきちんと提供していくということを考える必要があるなというふうに思います。
 それからうちの子どもで母子寮のお友達がたくさんいるのですけれども、もう中学、高校ぐらいからアルバイトを始めて、相当ぜいたくな、カラオケで遊ぶというような暮らしをし始める子もいるのです。母子寮というのは夕飯の心配がないですし、シェルターというより、ずっといるような形で住み込んでしまうと、アルバイトして、お母さん夜10時まで帰ってこないし、自分たちの稼いだお金で遊ぶみたいな、母子寮の実態というのが幅広くなってきている面があります。機能の見直しみたいなものをしていかないと、緊急避難的に行きたい人たちが行けないで困るという数が今後増えていくのではないかなという気がいたします。
 そのお子さんたちいろいろな悩があって、うちの子どもと一緒に児童相談所などに相談に行こうといって、中学1年のときだったのですけれども、電話を掛けて予約を取って行こうとしたのです。予約がすごく先の話になり、悩んだ挙げ句に結局行かないで終わったということがあるのですが、彼女たちはとても偉いなというふうに思ったのです。つまり相談を受けるのは自分たちの権利であるということを、きちんとはだれも教えていなかったのに彼女たちなりに相談して考えた。前のペーパーの方にもかかわるのですけれども、まず、それぞれのいろいろな施設がある、それぞれのいろいろな機能があるということを情報として子どもにも与える。それからそれを権利として、必要なものを自分たちで使いなさいと教える。そして大人は使い勝手をよくしていく。これは母子寮だけではなくて一般の子どもたちに関しても言えることだと思うのです。
 例えば、文部省と話して、学校の玄関口に「困ったことがあったらここに電話」みたいな紙を貼る、あんたたちの権利よ、相談出来るのだと教える。それからもっと自由にいろいろなことをやっていいのだから、死ぬほど困って行くのではなくて、もっと軽い問題から相談に行きなさいというような雰囲気づくりみたいなものを学校の中からやっていく必要があるかなという気がいたします。
◯部会長 ありがとうございました。ほかにございませんでしょうか。
◯C委員 伺いたいのですけれども、今まではどちらかという離別の母子の話で、そもそも未婚の母の問題、母子の問題で、特に乳児院とか養護施設に多いのは、10代の未婚の母の問題をどうしていくかということ。
 これは追跡調査をやっていった訳ではないので、あるいはどれぐらいの10代の未婚の母がそういう福祉施設の方に子どもが入っているのかというのもきちっと調べた訳ではないのですけれども、かなり量的には多くなってきていまして、大体高校生ぐらいのときに妊娠してしまって生まれてしまうと。意図的に産んでいくというのではなくて、そういうケースで、ほとんどが子どもが乳児院なりあるいは養護施設にということで、それで分離されたまま終わってしまうというようなことが多い訳でして、そこら辺の未婚の10代の母子の問題が、例えばアメリカなどに行くと特別にそういう母子ホームみたいなものがあるのですけれども、そういったことが話題になったのか話題にならなかったのかお伺いしたいのです。
◯家庭福祉課長 先ほどJ委員から母子寮の方がアルバイトをしてというお話がありましたが、夕飯とか生活は母子寮でしているというお話がありましたけれども、母子寮は基本的には、生活はそこの入所者の母子がやっているということであります。
◯J委員 寮の中でお友達同士で、グループで料理をつくり合ってはやるらしいのですけれども。だから制度的にはそうなのでしょうけれども、実生活はいろいろなことをやっていらっしゃるのかなと。
◯部会長 食事を母子寮が提供している訳ではないということですね。
◯家庭福祉課長 そういうことです。
◯部会長 自分たちでやるのだと。それを今、J委員おっしゃるように、それはそのとおりなのだけれども、友達同士がみんなでつくって、だれかがつくったのを食べると。だから自分一人一人でやっておる訳ではないと。ですから、それにお金があるのだから、どうしても相当歩き楽しむ機会が増えたのではないかというようなことだろうと思います。
 それから今のお話で、母子寮を利用なさる期間というのは平均したらどのぐらいあるか分かりますでしょうか。大ざっぱで結構でございますが。
◯事務局 2年程度です。
◯児童手当管理室長 いわゆる未婚の母の問題につきましては、専門調査会の方でも若干議論は行われております。まず母子寮との関係でございますけれども、母子寮につきましては基本的には母子家庭を対象とするものですが、なのですけれども、これに準ずる事情のある場合については対象にすることは出来るという規定になっておりまして、未婚の母と子につきましても、そうした事情があれば入っていらっしゃるのが実態でがございます。
 入所期間でございますが、これは全体を平均いたしますと2年ないし3年程度でございます。ただ、約半分近くが1年程度で退所している。一方で、片や長期にわたって入っていらっしゃる方もおられるというのが現状でございます。
 それはどういうことかといいますと、先ほどシェルター機能というふうな言葉がございましたけれども、緊急避難的に入り、その後の生活の住み家を探していくという方もいらっしゃる。また、さまざまな自立支援をすることによって一般の方々と同じような生活を営めるという方もたくさんいらっしゃる。ただその一方で、今回の報告案の中にも書いてございますけれども、約3割の方が生活保護を受けていらっしゃるという実態や長期間にわたりケースワークを必要とする方が入所しておられるのも事実であります。したがって母子寮については、かなり多様な利用の形態のされ方があるというのが実状だろうというふうに思います。
◯B委員 ちょっとお伺いしたいのですけれども、児童扶養手当で別れた夫から養育費を徴収すると言うとあれですけれども、送ってもらうというのは当然だと思うのですが、アメリカなどでは、離婚しても離婚した父親と子どもが時々会うのが普通なのだと。普通かどうかよく分からないのですけれども、扶養義務というのは何もお金を送るという経済的な問題だけではなしに、実際に子どもと会うということまで。そうは言っても会うぐらいなら初めから別れないよというのが日本的なあれかもしれませんが、その辺は一体どう考えたらいいのか。私もよく分からないのであれですけれども、どなたか御存じの方があったら教えてください。
◯F委員 前回のときにも少し申し上げましたけれども、今、民法の結婚と離婚の法律の見直しの中で棚ざらしになって国会へ上程さえされなかったあの法律の中で離婚の見直しのことがあって、その中で子どもへの面接交渉権の問題なども今度の改正案の中には多少入っています。ですから、そういうことが民法の上でも今、検討がされています。
 それとこれもこの間申し上げましたが、今、一方が親権を持つことになっていますので、親権を両方が持てば権利もある訳ですから、別れるのは親の勝手と言ってはあれですが、親の生き方の問題で、子どもにとっては生涯両方親な訳ですから、そこのところを子どもの立場で守るような方向に、民法の中も今この改正案が通ればなる方向にはなりつつあると。だからあるべき姿としてはやはり両方が親権を持ち、両方が面接する、親も子もお互いにきちんと会う権利があるという形にしていくことがこの支払い義務ということにも密接に関係すると私も思います。
◯B委員 ただ私は、何も法律に書かないと会えないというのも変な話だなという気がしますけれども。
◯F委員 だから法律に書かないと会えないというのはあれですよね、お互いに話し合いで、裁判を通さないでやるケースが98%今あるので、そうなりますと、その中できちんとそういう取り決めを当事者同士がするというのが難しいということなのだと思うのです。
◯B委員 難しい。しかし逆に言うと、裁判離婚でないから出来そうな気もしますけれども。
◯K委員 自立支援システムについてこども家庭支援センターというものを医療機関の系列でも考えるべきだとおっしゃったのですが、私も同じように考えています。これはイメージとしては、恐らく在宅支援センターの子ども版かなというふうに考えております。私自身はですね。そのように説明するのが分かりやすいのではないかなというふうに思います。
 それから、児童扶養手当なのですが、もう少し誤解のないように表現を改めるか、あるいはきちっと外向けに説明していただきたいと思います。要するに、条件を満たした母子にはみんな児童扶養手当が支給される。しかし支払い能力に応じて夫からは負担をしていただきますということだと思うのです。
 念のため申し上げたいのですが、「離婚した夫が一定以上の所得を有しており」とありますが、この文章を世間はどのように解釈するでしょうか。というのは、私は常識的には負担能力に応じてということだと思いますから、例えば、非課税世帯のような場合にはこれは無理だと。しかしそれ以上の場合には負担能力に応じて全部または一部の費用負担をするというのが常識的な理解ではないかなと思いますが、しかし前段で、前回昭和60年の改正の際に、高額所得者である場合には児童扶養手当を支給しないこととした訳でありまして、これに見合う一定以上の所得を考えるのかどうかということでございます。もっとも私のような提案ですと非常に行政コストが掛かるというようなこともあろうかと思いますが、常識的には負担能力に応じてということだと思います。
◯F委員 確かにB委員がおっしゃったように、非常に離婚後も円満に暮らしている人が、特にアメリカ人などには多うございます。日本もだんだんそういう雰囲気にあるいはなってくるのかもしれませんが、ただ、そういうふうにうまくいっている場合は何もそう心配する必要はない訳です。F委員やG委員がおっしゃったように、例を挙げられたような、非常に悲惨なケース、そういうところだけ強制力をきちっと行使出来るようにしておけばよろしいのではないのでしょうか。
◯L委員 今、J委員がおっしゃいましたことで、母子家庭の場合にはやはり就労による自立ということが保障される、どこで就労するかということによって保障されるということが非常に重要な生活の自立への基盤になる。このことがいろいろな意味で生活の基本になるだろうということはだれもが認めるところだと思うのです。
 そういう意味では、技能習得とか、職場の確保ということを書いていただいた訳ですけれども、前回出していただきました資料にもそうですが、常用で雇われる割合が減少傾向にどんどんいって、不安定就労になっていく傾向が非常に顕著になっています。残業が出来ない、でもやらないとというような側面があったりいたしますし、中年女性で専業主婦が働く場がない、資格がないということで仕事がないということに結果的にはなっているために、土日も仕事とか、あるいは長時間就労の傾向が私たちの調査でも非常にはっきりしてきている訳ですけれども、そうしたことはこの間のデータにも反映されていたと思うのです。
 そういう意味でJ委員が先ほどおっしゃったような、雇用の就労の割合の中に、法定雇用率という言葉でおっしゃったと思いますが、母子家庭のお母さんたちは一馬力で頑張っていらっしゃる訳ですけれども、安定した就労が得にくいためにそこが大きな壁になっています。ですからそこが前進出来るようなことはもう一つ書き込んでもいいのかなという意味では、J委員の御意見に私も賛成したいなというふうに思います。
 これは出来れば労働省の方に、今1年たって一定の補助があるのですが、その補助が切れてしまうと解雇されてしまうという状況の中に立たされて、この制度が必ずしもうまく活用されないで、雇用者側に一定の母子世帯が雇用されることは、そこまでは出来るのですけれども、その費用が終わってしまうと就労出来なくなってしまうということを、当事者の母子寡婦福祉団体の会合などに行くとよくそういう話を伺います。ですから、ここがもし法定雇用率のような形で位置づけられれば方法はもっと違う形になる可能性はあるかなということで、J委員の御意見には私もそうだなというふうに思います。
 2点目は、母子寮のお話を承りましたが、母子寮は全体の母子世帯の中で入所されている方は1%もありません。0.5 %を少し切り始めている状態で、しかも収入は通常の母子世帯よりも更に低いところに設計費の全体があります。そういう意味では確かに中学生から働いて少しお金のある子ももしかしたら中にあるかもしれませんが、ただ、通常は中学では働いてはいけないことになっておりますし、そういう意味では、そんなことがもし1人2人はあるかもしれませんが、全体的に見ますと、生計費は通常の世帯よりも低いところに推移しているところがほとんど変化がありません。
 母子寮にもし行ってごらんになる方があればお分かりいただけると思いますが、今4畳半一間という母子寮もたくさんあります。それからトイレが共用とか、赤ちゃんがいるのにお風呂がない。お勝手も共用とか、そういう劣悪な条件の中で母子寮がある事実もあります。
 そういう意味では、母子家庭のお母さんたちが何か豊かに母子寮でという印象では、全体の統計から見ると、先ほど厚生省の方でもおっしゃってくださいましたようにそうではないように私は思っておりますので、母子寮の機能がむしろこういう母子家庭のお母さんたちにもっと活用しやすいといいますか、活用出来る、通常の条件に推移していく方法がもっと考えられてよいという点では、この母子寮のありようについてここにお書きくださいました母子寮の機能の強化の問題で、やはり入り口の問題に大きな問題があって、福祉事務所の中で母子寮が当該の福祉事務所の中にあればいいのですが、そうでない場合予算が切られてしまっていたり、予算が使われないような仕組みになっていて、母子寮に入りにくいという問題もございます。そういう意味では、広域措置の方法をとっていただくということは、母子寮にとっても、利用者にとっても利用しやすい状況をつくりますので、是非広域措置の問題は入れていただきたい。
 もう一点は、今、母子寮に入っておられる方はいろいろな障害を抱えておられる方もありますし、もう一方ではここに書かれておりますように、夫の暴力等からの逃避、逃亡で母子寮を利用されておられる方があります。このため入所決定を広域的に行うことが出来る仕組みということと、婦人相談所の一時保護所との有機的な連携というこの入り口は非常に重要な意味を持って、政策的には有効な方法だと思うのです。
 もう一つもし付け加えるとすると、やはり緊急一時保護という制度が、つまりシェルター的な機能ですね。緊急一時保護の枠をきちんと位置づけるという方法も1つあるだろうという意味では、「このために緊急一時保護等の入所決定を広域的に行うことが出来る仕組みや」というふうに1行入れていただくという方法もあるのかなというふうに思いました。「このために緊急一時保護の制度や入所決定を広域的に行うことが出来る仕組みや、婦人相談所の一時保護所等の」というふうになると、緊急一時保護をやっている自治体が都内では2か所あるのですけれども、このことがもう少し広がりを持って利用出来る、つまりシェルター的な機能がもう少し広がる基盤がつくれるのではないかなという点が1つございました。
 それから先ほどの面接交渉権のお話ですが、この問題はアメリカの、あるいは西欧の諸国の母子家庭の場合には、夫とドロドロの状態ではなくても別れたり再婚したりということがもう少し普遍化されているといいますか、もっと社会的に受け入れられやすい基盤があるのですが、日本の場合には非常に、私も随分長いことファミリー・カウンセリングや家族支援のそういう相談を何十年かやっていますが、憎しみが基盤になって、もうドロドロになってというところがあるので、この面接交渉権の問題はもろ刃の剣になってしまう可能性があって、逆に子どもの権利を侵してしまうこともあるので、このことについてはむしろそうしたときに法的な活用が出来るということをしたらどうかということで、「相談体制の整備にあたっては、リーガルサービスを適切に提供できるようにすべきである」ということを皆さんが委員会で提案したのです。
 ただこの表現はやや抽象的で、ではどういうふうにすればこのリーガルサービスが受けられるのという問題が残っているので、「提供出来るようにする仕組みをつくるべきである」とか、「出来るような検討をすべきである」というふうにもう一行入れてもその問題がもう少し前進するかなとは思いましたが、このリーガルサービスを身近で受けられるシステム、そして権利を御自分たちが主張出来る枠組みをつくらないと日本ではなかなか。この中で家庭裁判所を利用した方々の養育費の取り分が非常に上がっているというデータが出ていると思うのですが、そういう意味では、そういう自分たちの権利を守ることの主体であるという認識をもう少し前へ出せるシステムが必要だというふうに私たちは考えました。そこがうまくいかないと、なかなかその仕組みがつくれないという問題があるのではないか。
 先ほどB委員がおっしゃった、一般家庭と同じようにというふうに、多様な家族形態がこれから出てくることを予測するということは前回からずっと続いて言われている意見で、1人親家庭のお母さんたちの調査をいたしますと、いろいろな差別体験を受けたことがあるという人が何回かの私の調査でも40%近く出てきて、日本の社会ではまだそういうつらさを体験しながら生きておられる御家庭が多いことも確かに事実だと思います。
◯部会長 ありがとうございました。
◯I委員 こども家庭支援センター、これはなかなかいいアイデアで、カウンセラーが必要だと思うのですけれども、子どもの立場から母子家庭を見ていますと、生別と死別では全然違うので、死別した母子家庭の子どもというのはしっかりしたいい子に大体育つのです。ほとんど非行などないのですね。ですから、子どもをいい子に育てたければ死別と言いたくなるほどにしっかりした子に育っている。
 生別した子は、母親がしっかりと自立しておりますと勿論非行の方にこないのですけれども、母親がいつまでも恨み持ったり、ドロドロしたものを抱えておりますと、子どもが自分は不当に不利益被っているというので非行の方にいきやすい。
 だから子どもの立場から見て大事なのは、母親の自立だと思うのです。生別の場合には経済的な差別がありますから、これはないようにきちんと母親の自立を援助するという理念が必要だし、生別の場合の自立していない母親の場合はなかなか難しいのですけれども、ここでこども家庭支援センター、経済的な相談だけでなしに、精神的な面での母親の自立に向かうように、そういう援助をしながら一方でリーガルサービスを提供して自立を促す。それが子どものために大事なことになるのではないかと思います。
◯部会長 ありがとうございました。
◯児童手当管理室長 先ほどL委員の方からいわゆる法定雇用率のようなものをつくったらどうかというような趣旨の御発言があった訳でございます。たしか専門調査会におきましてもこうした議論もあったように記憶しておりますけれども、ただその際に、いわゆる法定雇用率といったように、ある1つのグループを対象として特定化し、それに対して一般とは異なる仕組みを設けていくことが、今後採るべき大きな方向として適切なのかどうなのかという議論も一方ではあったというふうに記憶しております。
 先ほどの労働省の方の施策として、職場適用訓練手当等の制度のご指摘がありましたが、これが必ずしも十分周知されていない。したがって、先ほどおっしゃったような実態があるのも一部聞いておりますけれども、関係機関なり団体なりがこうした制度があるということ自体を必ずしも十分認識していないといったことがまず問題であり、制度を十分活用するのが先決であるというふうに思っております。
 それからもう一つは、こうした母子家庭の母親等を雇用する助成制度でありますとか、各種の技能習得制度につきましても、これは母子家庭専用では必ずしもありませんで、いわゆる広い意味での社会的弱者というふうに観念されている人たちを一般的には対象にした訳でありまして、要すれば、母子家庭だけの法定雇用率等々をつくっていくことは、各省との折衝の難しさ云々かんぬんということ以前に、物事の考え方の方向としてどうかなという議論があったわけでございます。
◯部会長 ありがとうございました。E委員からどうぞ。
◯E委員 先ほどのいわゆる「少子社会にふさわしい児童自立支援システムについて」の論議を終えたというところでやはり引っ掛かっているものがあったということで、これは意見でございますから簡単に述べさせていただきますけれども、先ほどの企画課長の御説明ですと、現在の児童福祉施設を一応念頭に置いてこども家庭支援センターの構想を立てられた訳ですけれども、それはそれで大変1つの大きな意味があると思うのです。
 この委員会に課せられた課題としては、冒頭に問題意識を、子どもが今置かれている状況がかなり子どもの発達を阻害している状況、しかもそれは大人のいろいろな問題があるのだということの指摘があって、それに対する解決策の1つとして1つの解決の施策が提案されたというふうに受けとめられるということは少し狭過ぎるので、それに対しては、本来的にこういうことが望ましいというようなことがいろいろ書かれてくる訳だと思うのです。それもかなり触れていると思うのですけれども、ただそれを現在の制度に引きつけていろいろやらざるを得ないのですけれども、専ら現在の制度下におけるいろいろな施設等の問題というものがなおざりにされていないかということがある訳です。
 これはいろいろ出てくるのですけれども、例えば、老人の方で地域の介護センターというのがあるのです。それから障害の方でいわゆる障害者の地域療育センターのようなものを考えられる。それから保育で子育て支援センターがあって、また新しくこのセンターがある。こういう形になってくると、それらの有機的関連というものを当然考えなければならない。1つは家族支援ということでかなり共通項が立てられるのではないかというふうに思います。
 それとワーカーの、そこで働く人たちの専門性の問題ということになってきたときにいろいろな意見が出て、例えば施設で働いている職員、あるいは施設長等の現業経験を非常に重要視するとか、そういうことも出てくるのですけれども、これからの問題として共通認識を持ってほしいことは、これは最初にも申し上げたのですが、具体的に現場にかかわっている人たちがどういうような困難な事例に対処して、それを改善し得たかという、そうしたことをもっと明確に基盤に置いた主張をなさるべきだというふうに思うのです。
 ですからそこのところがどうも弱いので、繰り返し申し上げているのは、例えば子どもを理解し、援助する場合にしても、今の家庭の中で子どもがどういうふうに阻害されてきているかということについてのきちんとした見解を保育所なり、養護施設なりの方でもっと発言していくことが必要だということを考えております。
 そこのところで、当然家族援助の場合の関係性の修復にかかわる専門的な見解というようなものがもう少し出されていいのではないか。そうした上でこういう政策のこういうものを立てると。それがないと、いつも中身を見ていると適切な支援を行うという「適切な」という言葉で網羅していますけれども、中身というものはよく見えない訳で、どうすることが適切なのか。適切な人材を選ぶとか、適切な支援を行うということが中身を示唆するようなことがもう少し共通見解として出されたらいいのではないかなと思っております。
 以上です。
◯部会長 ありがとうございました。
◯H委員 今の御発言に関連して、厚生省のいろいろな施策を見ていていつも思うのですが、どんな場合も、職員の適切な能力だとか専門性はますます重要になってきている。しかし実際にこういうことをなさる地方自治体が、それでは児童館の所長さんに、あるいは職員に、どういうふうに人事配置をしているかというと定期異動で、全然関係のない分野の人が回っている。そういう人たちが本当に専門性を持てるのかと、研修すれば持てるのか。それからいろいろな資格制度をつくればつくるほど、今度はほかに異動が出来なくなってしまうという人事と行政の関連をどう考えるのかを検討する必要がある。
 具体的には地方自治体の考えることなのかもしれませんけれども、しかし厚生省はここにはこういう人が必要でしょうと、補助金をつけている訳ですが、実際の配置のあり方は地方自治体に任されている訳です。しかし、補助金のつけ方は、毎年新しい人を雇う単価になっている。人が入れば毎年賃金が上がっていくのに、ずっと定年までそこにいるのかという話になってきます。そういう人的配置の問題について、やはり厚生行政全体の中でそれぞれの目的を持っている機能、役割が有効に果たされる人的機能というのはどういうことなのか検討すべきだと思う。
 もう一つ福祉の分野については、是非8時間労働の人だけではなくて、4時間労働だとか、6時間労働だとか、短時間福祉公務職員制度を是非考えていただきたい。そうすることが、いろいろなところでもっとうまくやっていかれるような基本になるのではないかと思います。
◯部会長 ありがとうございました。それでは「少子社会にふさわしい自立支援システムについて」、「母子家庭の実態と施策の方向について」という2つの報告については、報告書の作成に入りたいと思います。その際に、本日の御議論を十分に踏まえて、なおまた委員の皆様の御意見をお伺いを個々にいたしまして作成することにいたしますが、報告の取りまとめを私に御一任いただけますでしょうか。ありがとうございました。
 なお、保育施策部門については最終的に各委員にお目通しをいただいたものを中間報告ということで、併せて取り扱いをお任せいただけますでしょうか。ありがとうございました。
 なお、これで終わらせていただきますが、H委員からおっしゃったことで、施設長だけではないのですけれども、すべての職員についてでございますが、実は中央社会福祉審議会の施設人材部会というところで、例が悪いのですけれども、例えば、土木部にいらっしゃった方が園長さんになって来られるとか、農林部にいらっしゃった方が園長さんになって来られるというのはいささかおかしいのではないかと。ではどういうふうな人を園長として選ぶべきなのかということについて、施設長の資格のところを見ますと、児童福祉法にもそうなのでありますけれども、関心を持っているふさわしい人というふうな言葉になっておるのです。これはいかぬではないかという議論が今、沸騰しておりまして、そこではしきりに議論しております。
 ただ、その指導員さんに至るまで余り細かくは言えないのですが、しかし指導員の方は各法律に、児童福祉法にも書いてありますが、園長よりもっと明確にしてあるのです。ですからとりあえずは園長の方をはっきりした方がいいではないかというふうな考え方で今、進めておりますことを申し添えておきたいと思います。
 では、ただいま申し上げましたようなことでございますので、これで閉会させていただきたいと思います。長い間ありがとうございました。


 問い合わせ先 厚生省児童家庭局企画課
 担 当 福田(内3113)
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    (直)03-3595-2491


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