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96/11/14 第13回中央児童福祉審議会基本問題部会


平成8年11月14日

厚生省児童家庭局



○部会長 御多用のところをお集まりいただきましてありがとうございます。ただいまから基本問題部会を開会させていただきたいと思います。             
 それでは早速でございますが、議事に入りたいと思います。第4回の当部会におきまして、要保護児童施策及び母子家庭施策につきましては、事柄の専門性に応じまして、それぞれ専門調査会(児童自立支援専門調査会及び母子家庭自立支援専門調査会)をつくりまして、そちらで検討していただくことになりました。            
 本日は、これまで両専門調査会で検討いただきました結果を御報告申し上げまして、皆様から御審議をちょうだいいたしたいと思っております。では、事務局からそれぞれの専門調査会の報告をお読み上げいただきたいと思います。よろしくお願いします。 
○事務局 それでは、両専門調査会からの報告を読み上げさせていただきます。
 まず、児童自立支援専門調査会の報告を読み上げさせていただきます。
「児童自立支援専門調査会は、基本問題部会から、要保護児童施策体系のあり方について専門的立場からの議論の整理の依頼を受け、本年6月以来検討を重ねてきたが、この度、これまでの検討の結果をとりまとめたので、以下のとおり報告する。

1 要保護児童の対象範囲と支援の目標について
 (1)要保護児童の対象範囲について
 (1) 児童をめぐる環境の変化
・ 少子化傾向の中で、親から過度な干渉を受け児童の自立性が損なわれたり、児童自身が兄弟姉妹や近隣の仲間の子どもたちの中で切磋琢磨する機会や我慢すること等を学ぶ機会が減少し、社会性が育ちにくくなるなど、児童自身の健やかな成長にとって問題が多くなっている。
・ 学歴偏重の風潮が児童の社会性を育む上で悪影響を及ぼしているといった指摘や、高学歴化が進む中で児童が社会的に自立する年齢が上がってきているといった指摘がある。
・ 子どもの数が少なくなっていることや、地域社会における近隣とのつながりが希薄化していることから、地域社会の子育て機能が低下している。また、商業主義的な性風俗の蔓延など、児童を取り巻く環境が悪化しており、児童の健全な成長に好ましくない影響を及ぼしている。
・ 核家族化の進行の結果、世代間で子育てのノウハウの伝承を行うことが難しくなっているなど、家庭の子育て機能の低下がみられる。また、育児情報の氾濫や学歴偏重の風潮の中で子育てに対する親の不安が増大したり、子育てを母親がひとりで抱えることで孤立化するといった問題が生じており、家庭全体への支援を必要とする要保護児童が多くなってきている。
 (2) 要保護ニーズの多様化・複雑化
・ 児童福祉法が昭和22年に制定された直接の契機が戦災浮浪児の保護救済であったように、戦後間もない時代の要保護児童の中心は貧困あるいは親の死亡のため監護を受けることのできない児童であった。
・ 児童をめぐる環境が変化する中、今日では、親があり、家庭の経済状況は必ずしも貧困ではないが、児童の健全な成長のために何らかの社会的支援を必要とする要保護児童の割合が増加している。また、要保護児童の発生原因やその態様についても、家庭、学校、地域社会等における複数の要因が絡み合った結果生じることが多くなっており、要保護ニーズが多様化・複雑化している。こうした中、特に、今日では、虐待、不登校、いじめ、性非行などの問題が深刻化しており、新しい視点からの対応の必要性が増大している。
・ このため、要保護児童の対象範囲については、児童の健全な発達・成長を保障するにあたってどのような社会的支援を必要としているかという視点から把握するとともに、要保護児童の早期発見、早期対応から施設処遇後のアフターケア等までを含めた一連の過程を対象として、要保護児童施策を構築していくことが必要である。

 (2)要保護児童を対象とする支援の目標
 (1) 支援の基本理念
・ 要保護児童に対する支援にあたっては、児童を保護し養育するだけでなく、一人ひとりの児童が個性豊かでたくまくしく、思いやりのある人間として成長し、自立した者として社会生活を営むことができるようにすることを基本理念とすべきである。
・ 児童自立支援施策の構築や実施にあたっては、平成6年5月に批准された「児童の権利に関する条約」の趣旨等も十分に考慮し、児童の最善の利益が尊重されるようにすべきである。
 (2) 自立支援の基本的あり方
・ 要保護ニーズの多様化・複雑化に対応し、児童の自立を支援するにあたっては一人ひとりの要保護児童の発生原因及びその態様、児童の性格、能力、適性に応じた支援を行うべきである。
・ また、児童に対象を限定して支援を行うだけでなく、その背後にある家庭の問題をも視野に置き、幅広く家庭全体への支援を強化すべきである。
・ 施設のあり方については、要保護ニーズの多様化・複雑化を踏まえ、一人ひとりの児童の態様に応じた適切な処遇を提供できるよう、また、地域を視野に入れたサービスの提供ができるよう、新しい時代に合った施設機能の見直しを図るべきである。
・ 要保護児童の早期発見から施設退所後のアフターケアを含めた総合的かつ一貫した支援を行うため、個々の施設や機関の連携を強化するとともに、地域における教育関係、司法・警察関係、保健医療関係、労働関係等の公的機関・団体や民間ボランティア活動との連携の強化を図り、地域社会における支援体制を強化していくことが必要である。


2 施設のあり方について
 (1)要保護ニーズの多様化・複雑化への対応
・ 現行の児童福祉法では要保護児童に対応するための施設として教護院、養護施設、虚弱児施設、情緒障害児短期治療施設、乳児院の5種類の施設が規定されている。各施設の目的・機能は要保護児童の類型や年齢に応じて規定されており、要保護児童をその類型に応じていずれかの施設に入所させ、処遇することを基本としている。
・ 今日、要保護ニーズが多様化・複雑化する中で、現行の施設体系の類型では対応できないケースが増えてきており、児童福祉法が規定する各施設の機能と現実に入所している児童の要保護ニーズのギャップが生じている。
・ また、現行の施設体系は基本的に入所形態を前提としているため、相談や通所利用等、在宅ニーズに対応してサービスを供給する体制が十分でない。
・ このため、要保護ニーズの多様化・複雑化に応じて現行の各施設の対象児童の範囲や役割などを見直すとともに、施設の創意工夫によるサービス提供や先駆的な取組みを行いやすいようにしていくことが必要である。この場合、児童にとって最善の処遇を提供できる施設が適切に選択され得るような方法をあわせて検討すべきである。また、単に入所児童に対する処遇を行うだけでなく、施設の有する機能を活用して、各種相談、通所利用やショートステイの実施などを含め施設の利用形態の弾力化を図り、地域の在宅ニーズに対応したサービスを積極的に提供できるようにすべきである。
・ 特に教護院については、(入所児童数/定員数)の全国平均値が4割程度と著しく低い状況にある。その原因としては、教護院がスティグマ施設化していることや教護院の処遇内容が時代のニーズに必ずしも対応していないために、児童相談所が教護院への入所措置を躊躇したり、児童の入所について親の同意を得にくいことなどが指摘されている。このため、教護院については、名称の見直し、運営形態の弾力化、学校教育の導入をはじめとする学習指導体制の充実、専門的な機能の強化、より科学的な処遇内容の改善等を含め、その役割やあり方全般にわたって全面的な見直しを行い、幅広く児童の態様に応じた生活指導と学習指導を提供していく新しい施設として再生していくことが必要である。なお、この場合非行児童とその他の児童を一緒に処遇することがいずれの児童の自立にも悪影響を及ぼさないよう処遇の仕方を工夫する必要がある。


 (2)児童の自立までの一貫した支援
 (1) 施設の有機的な連携の強化
・ 要保護児童の態様は固定的でなく、年齢や適切な自立支援を行うことによって変化するものである。
・ このため、各施設がそれぞれ連携しながら、個々の児童の態様や発達段階に応じて最も適当な施設において処遇していくことが重要である。その際、乳幼児の場合などについては、生活環境の変化が児童の精神的安定に及ぼす影響などに十分配慮することが必要である。
 (2) 施設退所後の児童に対するアフターケアの強化
・ 現行の施設体系では要保護児童を入所させて処遇することを基本としており、施設退所後の児童に対するアフターケアが十分図られていない。
・ 児童の自立支援のためには、施設退所後に備えた生活訓練を施設において行うとともに、施設退所後も、児童が社会的に自立するまでの間、施設が適切なアフターケアを行うことが重要である。
・ 児童の自立支援という観点からは、一定の年齢に達したことや就職したという理由で一律に支援の対象外とすることは適当でない。例えば、家庭の代替的役割を担う養護施設の場合、児童が社会的に自立するまでの間、必要な支援を行うことは施設の利用形態や機能の一つとして認められるべきである。


 (3)施設におけるサービスの質の向上
・ 施設におけるサービス水準については、要保護ニーズの多様化・複雑化や国民の生活水準の向上を踏まえ、適切な質の確保が図られなければならない。
・ このため、施設機能の見直しと並行して、施設の設備・構造、職員配置、職員の資格等について、その基準の見直しや弾力化を含め、検討を行っていくことが必要である。

3 地域社会における支援体制の強化
 (1)要保護児童の早期発見と早期対応
 ・ 児童を取り巻く環境の変化を踏まえ、児童が保護を要する状態に陥るのを未然に防ぐ観点から、地域社会においてこうした環境の改善努力を行うことが必要である。
・ また、家庭に潜行しがちな虐待などが深刻化していることを踏まえ、要保護ニーズが深刻化、複雑化する前に、地域の中でこれを早期に発見し、迅速に対応することがますます重要になってきている。
・ このため、児童委員(主任児童委員)など地域の児童福祉関係者の活用を図るとともに、教育関係(学校、教育委員会)、司法・警察関係(弁護士、家庭裁判所、保護司、人権擁護委員、警察)、保健医療関係(保健所、保健婦、病院、医師)等の公的機関・団体の活用を図るべきである。また、虐待防止センター等の民間ボランティア活動を含めた地域の連携体制が強化される必要がある。


 (2)地域における相談体制の充実
 ・ 育児不安を抱える親のもとにある児童やいじめの問題を抱える児童などに関しその要保護ニーズが深刻化する前に対応し、的確な相談・指導を行うことは児童相談所の本来機能の一つである。しかしながら、全国175ケ所の児童相談所では地域ネットワークの裾野を拡げることには限界があり、その機能を十分に発揮することができない。より地域に密着した迅速かつきめ細かな相談を行っていくため児童相談所を中心に地域に拡がりをもった有機的な相談体制の整備を図ることが必要である。
・ このため、基幹的な民間施設等を中心として地域の施設、機関等を効率的に活用し、これに適切な人材を配置することにより総合的・専門的な相談・指導を行うセンター(「こども家庭支援センター(仮称)」)を整備し、関係行政機関・団体や民間ボランティア活動等と連携を図りながら、地域に根差した身近で機能的な相談・指導を行う基盤を充実していくべきである。この場合、児童や家庭にとって利用しやすい相談体制となるよう、こども家庭支援センターの適正な配置を図るとともに、現在多岐にわたっている相談機関や相談事業の必要な見直しを図り、地域における相談の専門性と総合性ができる限り集約化されるようにすべきである。


 (3)地域におけるアフターケアの充実
 ・ 施設退所後の児童の自立を支援するため、退所後も自立までの必要な間、施設が適切なアフターケアを行うことを基本としつつ、特に自立が困難な児童に対しては、児童委員(主任児童委員)によるマンツーマンの支援を図ることを検討すべきである。
・ また、施設と在宅の中間的な形態として、地域の中で児童の生活訓練を支援する自立援助ホームのような事業を制度的に位置付けていくことを検討すべきである。

 (4)里親制度について
・ 里親制度は、要保護児童を家庭的環境の中で養育を行う制度であり、要保護児童に対する社会的支援の選択肢の一つであるが、里親委託児童数は漸減傾向にある。
・里親制度については、要保護児童の年齢や家庭環境などその態様を踏まえ、その児童にとって最善の処遇を確保するという観点に立って、現行制度の適切な運用の見直しを図るとともに、運用の実態等を十分踏まえたうえで、里親制度のあり方について今後検討を行うことが必要である。

 4 児童相談所が果たすべき役割とその活性化について
 (1)児童相談所の指導力の強化                      
・ 児童相談所は、要保護児童及びその家庭の個々の問題に対応して最善の処遇・支援を図るために極めて重要な役割を担っている。このため、施設、こども家庭支援センター、児童委員(主任児童委員)等との連携を図り、これらを指導する役割を積極的に果たすべきである。また、児童相談所は、施設入所等を決定したも児童が自立するまで最善の処遇が確保されるよう、処遇計画を随時見直すこととなどを含め、その児童のフォローアップに努める必要がある。
・ 児童相談所における職務の継続性・専門性を高めるため、人事や研修のあり方などについて、更に検討が必要である。
・ また、児童相談所の相談・指導業務については、高度な専門性を要するケースや児童の権利侵害性の著しいケースの対応などに重点を置くこととし、より地域に密着した相談・支援についてはこども家庭支援センター等を積極的に活用するようにすべきである。

 (2)児童の権利擁護
・ 児童相談所および施設等の児童福祉関係者は、その業務の遂行にあたり、常に児童の最善の利益の尊重とその権利擁護を踏まえた対応を行っていくべきである。
・ 児童相談所は、要保護児童の処遇にあたって、児童の権利が尊重されるよう、児童の年齢等も考慮しつつ意見を表明する権利を適切に保障するとともに、施設等に対する指導を適切に行っていくべきである。
・ 虐待など児童の権利侵害性の著しいケースについては、児童相談所は、一時保護の活用を図るとともに家庭裁判所等との連携を強化し、迅速かつ的確に児童の保護を図るべきである。
・ また、現行の児童福祉法体系では適切な対応が困難であると指摘されている虐待などの問題に関し、より有効な対応が行えるよう、体系的な法整備の検討を進めていくことが必要である。 

 (3)児童相談所のバック・アップ機能
・ 児童相談所の所長及び職員について所要の資格規定が設けられているように、要保護児童の処遇の決定については高度の専門性が必要とれさる。また、要保護ニーズが多様化・複雑化している中で、医師や弁護士等、幅広い分野における外部の専門家の助言が必要なケースも増えてきている。
・ このため、児童相談所長が処遇を決定するに際しては、施設等と緊密な連携を図るとともに、処遇の決定の専門性と客観性を担保するため、医師、弁護士、施設関係者等からなる機関を置き、そのバック・アップ機能を活用していくことが望ましい。
・ このバック・アップ機能については、児童相談所の機能を十分発揮させるための補完的仕組みとして、簡素な行政組織で所要の効果を期するといった観点等も考慮し、処遇決定の客観性や児童の権利擁護の確保を図るため児童相談所の組織とは一定の独立性を保った第三者機関として、これを児童相談所の内部に置くことが機能的であるという考え方と、児童相談所をバック・アップするのみならず権利侵害の著しいケースについて自らが相談、調整、指導等を行い得る第三者機関として児童相談所とは切り離した形で設置することが適当であるとの考え方がある。」
 次に、母子家庭自立支援専門調査会の報告を読み上げさせていただきます。
 「母子家庭自立支援専門調査会は、基本問題部会から、母子家庭施策のあり方について、専門的立場からの議論の整理の依頼を受け、本年6月以来検討を重ねてきたが、この度、これまでの検討の結果をとりまとめたので、以下のとおり報告する。
 1.母子家庭の現状について「全国母子世帯等調査」等に基づき母子家庭の現状をみると次のとおりとなっている。

 (母子家庭となった要因)
・ 母子家庭数は昭和36年が99万世帯、平成5年は79万世帯と推定される。生別・死別の構成割合は生別家庭が昭和36年には22.9%であったのが、平成5年には73.2%と生別母子家庭が大宗を占めており、母子家庭となった要因は大きく変化している。

 (収入状況)
・ 平成4年の母子家庭の年間収入額は、「全国母子世帯等調査」によれば215万円となっている。なお、「国民生活基礎調査」によれば平成6年の母子家庭の年間収入額は269 万円となっている。
・ 収入階級別の分布を見ると、最頻値は平均収入を下回る収入100万円から150 万円未満の階層に属しており(20.1%)、これを超えるとなだらかなカーブを描くなど、収入分布は相当拡散している。また、母子家庭の12%を占める三世代世帯(母親がその親と同居しているケースが大半と考えられる)では、年間平均収入は289 万円であり、収入階級別分布もなだらかなカーブを描かず、最頻値は収入100 万円から1 50万円未満(14.0%)であるが、450万円から500 万円未満の階層も8.7 %あり、800 万円以上の階層も4.1 %ある。これは、実家からの実質的な支援の有無により母子家庭の生計や就労状態等が相当異なることをうかがわせる。                        
・ 母子家庭の生活保護率は6.7 %(平成5年)であり、全世帯の生活保護率1.4 %に比べ約5倍となっているが、昭和63年の母子家庭の生活保護率10.3%に比べ減少している。なお、この間、母子寮入所者の生活保護率は、ほぼ約3割(昭和63年32.8%、平成6年30.2%)とほぼ同じ割合となっている。

 (就労状況)
・ 母子家庭の就労率は、昭和63年は86.8%、平成5年は87.0%と、ほぼ同率となっている。その就労形態をみると、臨時・パート労働の割合が19.4%から31.3%と高くなっている。
・ 母子家庭の87.0%が就業しているが、就業者のうち71.7%は「現在の仕事を続けたい」と回答している一方、25.7%は「仕事を変えたい」と考えており、そのうちの49.5%がその理由として「収入がよくない」ことを挙げている。また、常用雇用されている者であっても、その事業所の規模(従業員数)は概して小さい。現在のわが国の労働市場の下では、一般的に言って、女性、特にそれまで就業しておらず、しかも年少の子どもを抱える中年層の女性が就業しようとする場合雇用条件の良い職場は限られているのが現状である。母子家庭の就業者の約4分の1が「仕事を変えたい」と回答している背景としては、このような労働市場の状況が影響を与えていると考えられる。

 (住宅状況)
・ 平成5年の母子家庭の持ち家率は34.0%、民間借家集合住宅の割合は23.3%となっている。死別母子家庭の場合の持ち家率は68.0%に対し、生別母子家庭の持ち家率は22.6%と差異がみられる。

 (養育費の状況)
・ 平成5年に離婚世帯で養育費を現在受けている世帯は14.9%、過去に受けたことがある世帯は16.4%となっている。この数値は前回、前々回調査に比べ若干高くなっている(昭和58年ではそれそれぞれ11.3%、10.1%)ものの、著しい変化は生じていない。なお、「司法統計」によれば、離婚の調停若しくは協議離婚届出をする旨の調停又は当事者を離婚させる旨の審判により終局した事件であって母を監護者と定めたもののうち、当該調停又は審判において養育費支払いの取決めがされた割合は、昭和60年が71.2%、平成7年が80.6%となっている。
2.母子家庭に対する社会的支援について
 (1)母子家庭のニーズに対応した社会的支援
 ・ 母子家庭の実態は一様とは言えない。たとえば、継続的に手厚い社会的支援を必要とする層、適切な社会的支援を講ずることにより自立可能な層、実家の支援等があり経済的に困窮していない層など、幾つかの層に分かれていると考えられる。
 ・ また、社会的支援を必要とする母子家庭の態様やニーズも多様である。たとえば、適切な就業の場がない母子家庭の場合、その態様に応じた就職の斡旋や技能修得の援助等の就労支援が優先されるし、児童扶養手当や母子福祉貸付金等の経済的支援等も有効である。また、保育施策やホームヘルプサービス等の充実は子育てと就労の両立を支援する上で必要とされる。さらに、精神的支援をも含めた継続的なケースワークが必要な母子家庭もあれば、親権や養育費の取決めなどの法律問題を抱えリーガルサービス(法律相談)の提供を必要とするケースもある。また、夫の暴力や虐待から逃避するケースでは緊急一時保護(いわゆるシェルター機能)の対応が要請される。
 ・ 母子家庭に対する社会的支援を行うにあたっては、個々の母子家庭の態様やニーズに応じたきめ細かな施策を適切に講じ、それぞれの母子家庭が自立した生活を営めるように支援していくことが必要である。
 ・ 社会的支援を必要とする母子家庭に関する調査は、プライバシー等の問題があり難しい面がある。しかし、母子家庭の態様やニーズに合った有効な母子家庭施策を講ずるためには、母子家庭の実態の把握が必要不可欠である。このため、母子家庭のプライバシーの侵害に当たらないような配慮や工夫を講じつつ、その実態のより詳細な把握を行う必要がある。

 (2)社会的支援のための施策について
  (1)技能習得や職場の確保
 ・ 母子家庭が経済的に自立した生活を営めるよう、技能研修や職場訓練等の充実を図り、より条件の良い就業に結びつくような支援が必要であるとともに、母親の能力・適性等に見合った就業の場の確保に努める必要がある。
 ・ 母子寡婦福祉団体が現在実施しているホームヘルパー養成研修等が実際の雇用に結びつくように、研修内容の見直しやホームヘルパーを実際に採用する市町村との関係を強化することが必要である。また、公共職業安定所の中にはレディス・ハローワーク(女性専用公共職業安定所)や福祉重点公共職業安定所など女性雇用や福祉的雇用に力を入れているものがあり、母子家庭の相談援助に携わる諸機関は、こうした公共職業安定所等との密接な連携や福祉に理解のある職場の開拓などを積極的に行う必要がある。
 ・ 労働省の施策として、母子家庭の母親等を雇用する事業主に対する助成制度(特定求職者雇用開発助成金制度など)や各種技能習得制度(職場適応訓練手当など)が設けられているが、母子家庭がこうした制度を十分活用し適切な就労確保につながるよう、制度の周知を図るとともに、その内容の改善・充実を図ることが望まれる。
 ・ なお、現行の母子福祉貸付金の大半は児童の修学資金であり、母子福祉貸付金が母子家庭の技能習得などのニーズに必ずしも適合していない、貸付手続が煩瑣であるといった指摘がある。このため、技能習得資金等の貸付限度額の引き上げや貸付手続の簡素化等を図る必要がある。

  (2)子育てと就労の両立支援
 ・ 母子家庭の自立促進や児童の健全育成を図る上で、子育てと就労の両立を可能とするよう支援していくことが重要である。
 ・ このため、保育サービス(延長保育や乳児保育等)やトワイライトステイなど、子育てと就労の両立支援施策の普及・充実を図るべきである。また、傷病の場合等に限定されている母子家庭等介護人派遣事業の利用要件の緩和を検討すべきである。

  (3)相談体制の整備
 ・ 平成5年の「全国母子世帯等調査」によれば、相談相手がいない者は約3割にのぼり、そのうち7割以上の母子家庭が相談相手を必要としている。また、母子家庭の相談内容は、子どもの養育・教育問題や生活・就労・精神面など多岐にわたっている。また、離婚母子家庭の場合、離婚の直前・直後は、母子ともに精神的に不安定な状態に置かれるとともに、養育費の取決め、住居の確保、子どもの保育や教育の確保など短期間に決定すべきことも少なくない。
 このため、できるだけ身近な相談機関で総合的かつ専門的な相談支援を適時・適切に行うことができる体制を整備することが重要である。
 ・ 母子相談員は、母子家庭の一般的な相談に加えケースワークを必要とする母子家庭の自立支援に大きな役割を果たすことが期待されており、その有効な活用を図ることが必要である。なお、婦人相談員も夫の暴力・虐待に関する相談のウエイトが高まっているなど、母子相談員の業務と事実上重なり合う部分も少なくないことから、母子相談員と婦人相談員の一体的な活用を図ることが検討されるべきである。
 ・ 母子家庭の相談内容の中には、不当解雇、離婚した夫からの干渉、サラ金業者からの不当取立など様々な法律問題が絡むことが少なくない。特に離婚の前後に際しては、親権の設定、養育費の取決め、財産分与や慰謝料の取決め、面接交渉権の設定など数多くの法律上の取決めを行う必要が生ずる。また、こうした取決めを安易に行うことは後々のトラブルにも繋がりかねない。このため、相談体制の整備にあたっては、リーガルサービスを適切に提供できるようにすべきである。

  (4)母子寮の機能強化
 ・ 母子寮は、住居の提供に加え、母子家庭の自立に向けたケースワークや児童の健全育成を図る上で重要な役割を担っている。しかし、現行の母子寮の中には後者の役割を十分に果たしていない施設も少なくない。このため、母子家庭に対するケースワークや寮内保育等を積極的に行うインセンティブを与えること等により、母子寮がその本来的機能を発揮することができるようにしていくことが必要である。
 ・ 母子寮の入所決定は福祉事務所単位に行われているため、生活保護のケースワークとの一体性が確保できるというメリットがある反面、暴力逃避ケースのような場合に必要となる広域的措置が迅速・的確に行い難いというデメリットも指摘されている。このため、入所決定を広域的に行うことができる仕組みや婦人相談所の一時保護所との有機的連携等について検討する必要がある。」
3.児童扶養手当制度について
 ・ 昭和60年の児童扶養手当法の改正により、離婚した夫が高額所得者である場合には児童扶養手当を支給しない旨の規定が設けられたが、夫に養育費支払能力があることと現実にそれが履行されていることとは別であるという議論が国会でなされ、この規定は未施行となっている。
 ・ その後の離婚件数の増加傾向の中で、養育費の取決めやその履行状況は必ずしも大幅に改善されたとは言いがたい状況となっている。
 ・ しかし、養育費の支払が適正に行なわれることは、その子どもにとって極めて重要なことであり、離婚の際適切な養育費の取決めを行うとともにその履行が適正に行われなければならない。特に、今後とも離婚が増加する傾向が指摘されており、早急に対応策を講ずることが必要である。
 ・ なお、離婚した夫が一定以上の所得を有しており養育費支払能力がある場合には、社会的公正の観点から、支給した児童扶養手当の費用の全部又は一部を夫から徴収できるとする仕組みを導入することも考えられるので、その可否などについて、理論面のみならず実務面における対応を含め検討すべきである。
 ・ 現行制度の下で訴訟等により問題が提起されている事項、たとえば、児童扶養手当との併給が禁止されている公的年金の額が児童扶養手当の支給額を下回る場合の取扱い、未婚の母の子が父親から認知された場合の児童扶養手当の支給の是非などについても併せて検討することが必要である。」

    以上でございます。
○部会長 ありがとうございました。それでは、まず2つの報告の中で、児童自立支援専門調査会の報告について御審議をいただきたいと思います。まず報告書の内容について御質問があれば承りたいと思いますが、いかがでしょうか。
○A委員 要保護ニーズの多様化が複雑化しているというようなことで、私も本当にそういうふうに思いますので、現在の社会の悩ましい状況をきちんと指摘していただいて大変な前進だというふうに思うのです。
 今、中学生の子ども2人育てておりますと、商業主義的性風俗の広がりというのが本当に懸念される訳で、我が家にも、「使った下着があったら高く買うよ」なんていう電話が掛かってきたり、中学校の名簿が出回るらしいのです。男の子のところにはアダルトビデオの注文書が名指しで送られてきたりとか、業者がそういうものを手に入れるらしいのです。
 テレクラ、ツーショットダイヤルをしたことがあるという中高生が25%、実際に売春にまで至るケースが4%というようなことで、例えば児童福祉法の34条の中に児童に対する禁止行為として、性的に搾取する行為、売春とかポルノの使用などですね、そういうことまで含めた法的改正も検討されたのか。それから、アダルトビデオの貸出しとか、そういったポルノ雑誌の売り方について社会的規制というか、何かそういう条件整備などをしていく必要があるというふうなお話も出たのか、そこら辺をお聞きしたいというふうに思います。
○企画課長 ただいまの御質問でございますけれども、専門調査会の中で御意見は確かに出てございます。ただ、この問題は厚生省だけではなくて法務省とか警察とか、多岐にわたる問題で長期的な検討が必要であるという御意見が多うございました。
○部会長 よろしいでしょうか。
○B委員 字句のことなのですけれども、ほかにいい言い方がないのかもしれませんが、要保護児童だとか要保護ニーズという言葉がやたらに出過ぎている。文章だけのことかもしれません。ほかの委員の先生方どう思われるか知りませんが、もう少しいい言い方はないものかという感じが私はするのです。
 例えば、要保護児童と言わなくても読めるところがたくさんあるのです。1の(1)の(1)の一番最後に「子育てを母親がひとりで抱えることで孤立化するといった問題が生じており、家庭全体への支援を必要とする要保護児童」とありますが、ここはただ「必要とする児童が多くなってきている」と言えばいいことです。
 1の(1)の(2)にしましても、「児童の健全な成長のために何らかの社会的支援を必要とする要保護児童」とありますが、ここも「社会的支援を必要とする児童の割合が増加している」と言えばいいので、何かやたらに要保護児童だとか要保護ニーズだとか、少し使い過ぎている。
 私は要保護児童という言葉がちょっと気にはなっているのですけれども、具体的に言うと何らかのハンディを持って、社会的な支援、あるいは保護を必要とする児童ということでしょうが、一々そう長く言うのもあるいは煩わしいのかもしれませんが、少し言葉の使い方が多過ぎる。整理されたらいかがかと思います。感想です。
○部会長 ありがとうございました。
○C委員 少しく基本的な問題が1つと、具体的な問題を1つ伺わせていただきたいと思うのですが、先ほどA委員の方からポルノの問題とか、いろいろな問題についての御質問に対して、課長から長期的な問題、あるいは他省庁に係る問題だということで意見は出たけれどもというお答えがあったのですが、確かにそういう基本的な広範な問題について解決策をきちんと提示することは実際問題として難しいとは思うのです。ただ、私はこのレポートを両方読ませていただいて感じますのは、確かに当面の問題について随分突っ込んだ御議論がなされておりまして、大変具体的ないろいろな施策が提案されておって結構だと思うのですが、しかし少なくとも長期的な問題とか、他省庁にかかわるような問題について、どこかできちんと問題提起をしておいていただく必要がありはしないかと思うのです。
 と申しますのは、決してこのレポートを批判する意味ではないのですけれども、私の受けた印象としては、大変失礼な言い方かもしれませんが、やや対症療法的ではないかなという感じがするのです。当面の目の前にある問題については確かにきちんとした対応策が書かれておられると思いますけれども、やはりもっと基本的なところに触れませんと、本当の問題の解決にならぬのではないかと思うのです。
 例えば、パチンコ屋で夢中になっておって、子どもをほうり出している親がいて、それでその子どもがまともに育つはずがないと思うのです。
 そうしますとその基本は、そういう親がいることが非常に問題なのであって、そういう親のところで問題になった子どもたちに対する対症療法的な施策だけをやっておっても長期的には解決しないような気がするのです。
 ですから、要はそういった基本的な教育の問題とか、社会的な価値観だとか風潮の問題だとか、そういう基本的なところをどこかでだれかが取り組まないことには、問題というのは一挙に解決しないのではないかなというふうに思うのです。
 それからもう一つ具体的なことで伺いたいなと思いますのは、全国で児童相談所が175 か所と非常に少ない訳ですね。それで少ない児童相談所のバックアップ機能として最後の方で、そういうバックアップ機能を持ったものを設けるべきだという御提案なのですけれども、少ない児童相談所をもっと増やすことが先なのか、それとも少ない児童相談所をそのままにしておいて、それのバックアップ機能を設けることが重要なのか、その辺のところについて理解出来ないものですから伺いたいと思った訳でございます。
○企画課長 専門調査会の御意見として御紹介申し上げますと、このバックアップ機能というのはいろいろな意味がある訳でございますけれども、児童相談所の専門性を1つは確保するために、いつも児童相談所の所長さんから弁護士さんとか、精神科医とか、そういう方々を身の周りに欲しいなという意見がございましたので、そういう意味で、形は委員会になるか、どういう形になるか分かりませんけれども、常にそういう方の御意見を聞くアドバイザリー・グループみたいなものがあったらいいという御意見の中で出てきたものでございます。先ほど申し上げましたように、児童相談所そのものを増やすというのはこのご時世から難しいという御意見が圧倒的でございました。
〇A委員 B委員のご意見と同じような印象を私もちょっと受けまして、今や要保護というのが割と普通のノーマルな状況、異常なアブノーマルなとんでもないことではなくて、どこの家でも、どんな親でも、どんな子どもでもそういうようなグレーゾーンの中でいじめと同じような形で家の中での虐待とか、いろいろなことが起きてしまう中で、要保護と言うといかにもアブノーマル、向こう岸の世界というようなイメージを私もちょっと受けたのです。
 こども家庭支援センター(仮称)というふうになっていますけれども、英語でやるのがいいとは全然思わないのですが、レディス・ハローワークが一応名前的に成功して、建物とか、インテリアの在り方とか、スタッフの対応の仕方とか、すごくイメージを変えたと思うのです。ですから、フレンド・パークとか、ビッグ・ファミリーとか、英語がいいとは全然思わないのですけれども、家庭支援センターと言うとすごく敷居が高いような、自分は本当にダメ親で、ダメ子どもを持ってしまって、もうどうしょうというところに支援センターに行きなさいとか言われると、ますます落ち込むような、心が閉じてしまうような気分になるのではないかなというような気が少しいたしました。
 要保護児童の早期発見、アフターケア、支援のために地域における教育関係、司法・警察関係、保健医療関係、労働関係等の公的機関、あるいは民間ボランティアなどとの連携を図るということがありまして、これは大変必要で、それぞれ個々が地域に開こうという努力をしているのですけれども、もっと時代認識を共有化していくための研修とか、啓蒙とか、キーマンの交流の場とか、そういうものをつくっていかないと時代とずれていくような気がするのです。
 私、乳幼児を育てているときに、保健婦さんが我が家に回ってきてくれたのですけれども、「ちょっとおっぱい出にくいんですよね」と言っただけで、保健婦さんがだめな母親みたいな言い方をするんですよね。保健婦さん自身は全然そう思っていらっしゃらないのだと思うのですけれども、とにかく上から見下すような、人を裁くような言い方でやっていく。保健医療関係者とか、警察・司法・教育関係者というのは、往々にして自分たちがそうしていることを気がつかないでそうしてしまっているというようなことがありますので、研修、啓蒙というのは大事だというふうに思います。
○部会長 ありがとうございました。それでは、御質問というより御議論になろうかと思いますので、勿論縦横にお話は入れ違って結構なのでございますけれども、せっかくおつくりいただいた報告でございますので、順を追って御議論をしていただけたらば時間的にもうまくいくのではないかというふうに思います。
 さてそういうことで、まず私も「要保護児童の対象範囲について」というところを読んだときに、B委員のおっしゃったことも思いましたし、それから要保護児童というのは一体何だろうかなと。そうすると後になってきますと、幾つかの児童福祉施設でお世話になるような子どものことらしいということが分かってきた訳であります。本人が問題ではなくて、本人はむしろ被害者であるということではないかというふうに受け取った訳ですが、この要保護児童の対象範囲についてまずは皆様から御意見をいただいて、こう改めたらどうかというふうなところでお言葉をいただければありがたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○D委員 1の(1)(1)に書いてあることで、「切磋琢磨する機会や我慢すること等を学ぶ機会が減少し、社会性が育ちにくくなる」という表現になっているのですけれども、今の大人も子どもも同じなのですけれども、ひととの人間関係のつくり方が下手になってきていると思うのです。子どもと子ども、親子との間、よその人との間で「社会性が育ちにくい」と言っても意味が全然分かりにくいので、もっと具体的に書いた方が分かりやすいのではないかと思いましたけれども。
○部会長 ただいまのD委員の御意見にいかがでしょうか。まずは恐らく皆さんそうだとお思いになると思うのです。ほかに、「要保護児童の対象範囲について」というところでほかに御意見ございませんでしょうか。
○B委員 私もC委員がおっしゃった印象と同じような印象を受けているのです。これは要保護児童の問題ではなしに、基本部会の一番根本の大きなテーマでもあるような気がして、この要保護児童の調査会だけの問題ではないのかもしれませんが、なぜ今、要保護児童というのが昭和20年代、30年代と違って、新しい、しかも難しいような形で出てきているかということを共通の認識としてこれから持つ必要があるのではないかと思うのです。 それに若干関係のあるようなことが、よく読むと一番最初に書いてあるのです。1の(1)「(2)児童をめぐる環境の変化」と書いてあるので、これもいきなり対象範囲についてというところから始めるのではなしに、対象範囲の前に、児童をめぐる環境の変化がこうなってきている、これをどう考えるかということ、いい悪いと言ってもあるいはしようがないのかもしれませんが、そういうことをみんなで考えようというところから出発しないと、いきなり対象範囲と言うとどうかなという感じがする。これは問題の整理の仕方、あるいは認識の仕方の違いから出てくることかもしれませんが、そんな感じを受けています。
○E委員 今の御意見と同じような観点かもしれないのですけれども、これを報告するときにどういう形態で出すかにもよると思うのです。
 例えばこの中でも、子どもの権利条約のことが出ていまして、子どもの最善の利益ということが何回も出てまいりますが、このことについても全体のトーンとして保育のところでも出てくるし、いろいろなところで子どもにとって最善の利益でなければいけないということが出てくるので、そういうことを全体の頭にもしまとめて出すのでしたら全体の思想と、先ほどC委員もおっしゃいましたような、ここでは具体的に触れていないけれども、こういうことが課題であるというようなことを最初か最後に付けるとか。
 そうしますと、ここの中が対象範囲から入ってもすっきりするのかもしれないのですが、全部別立てになっていて、みんな子どもをめぐる環境の問題が出てきて、その中でこういう観点でやらなければいけないということが中に複雑に入り込んできてしまっているので、考え方自体としてはいいと思うのですけれども、整理の仕方を考えるということである程度そこは解決がつく問題なのかなというふうに思います。
 確かに、児童福祉法の改正というと、割と当面の問題でやらないといろいろな省庁間のことなどで難しいとは思うのですが、先ほどC委員もおっしゃったように、議論したことはどこかの場所で、長期的にはこういうことが課題であるということを列挙しておかないと、当面の対症療法だけまたやったのかという話になりかねないなと思うこと。
 もう一点は、先ほどから出ている要保護児童ということ。これは別に法律に決まっているからこういう言い方をしなければいけないということがあるのでしょうか。もしなければ、あれば最小限にとどめて、あとは児童だけにするとか、変えてもいいなら「保護が必要な子ども」とか、児童とか、いろいろ言い方があるのではないかと思います。
 それと対象の範囲から外れるかもしれませんけれども、2の(1) の最後のところに「非行児童」という言い方がやはり出てくるのです。これも「非行児童」とくくってしまうと何かその子はとても悪い子であって、それと普通の子が一緒になったときに悪影響を与えないようになどと言われると、またこれも言い方が少しきつ過ぎるなと。その辺の言い回しはもう少し工夫したらいいのではないかなというふうに思います。
○部会長 ありがとうございました。それではF委員どうぞ。
○F委員 B委員の御発言とやや関係があるのですが、「要保護児童の対象範囲について」というところからこの書き方が始まっているのですが、次に「要保護児童を対象とする支援の目標」というふうになって、この中身が今、C委員なりA委員なりがおっしゃったことに近いことが書いてあって、全体の印象からすると、1の「(2)要保護児童
を対象とする支援の目標」というところ、目標を先に示して、それから対象に入っていくという方が、全体から受ける印象は、つまり今度子育て支援センターのこととか、対象の拡大の問題とか幾つか出てくる、考え方の中身はむしろここに書いてあるのですね。
 そうすると、全体から受ける印象は随分違うのではないかなと思って、あら、そのことが書いてなくていきなり対象範囲から入るけれども、読んでみるとここに出てくるというような印象があるのですが、通常は目標から対象へ向かっていく論理なのに、こういうふうにした理由というのが多分おありなのでしょうけれども、そこがちょっと読み取れませんので、そこをお教えいただければいいなと思ったのです。これを読むと若干対症療法的な印象がやはり残ってしまうのは、そういう組み立て方に1つあるのかなというふうにも思いました。
 その中で、今度の児童福祉法改正をねらった今回のねらいというのは、やはり児童福祉が子育て支援を含めた対象の普遍化が一方で行われている。これはA委員やC委員がおっしゃられたことだと思うのですが、対象の普遍化の中で、その方向をねらいながら、しかしここではこの問題をというふうになっていくと論理性も非常に合ってきますし、分かりやすい。特に児童の権利に関する条約や、この中にオンブズマンのことなども出てきますと、その哲学がもう少しはっきりしてくるのかなというふうに、読んだ印象で申し訳ないのですが、何かこういう論理を組み立てる理由があったのかなというふうにも思ったのです。
 今度前進させたいのは、やはり21世紀の子どものことを考えながら、その普遍化の中でここを位置づけるのだということを、きちっと印象づけた方が分かりやすいのではないかなというふうにも思ったのですが。
○G委員 今、幾つかの問題点が指摘されて、確かに今いろいろと御指摘があったことについては、そういうふうな感じ方をお持ちになるというのも分からなくはないなというふうに思っています。
 ただし、例えば、この中に若干出てくるのですけれども、監護とか、保護とか、養護という言葉は、どちらかというと子どもの権利という視点から見ればやや消極的なことなので、そういう意味で、子どもの最善の利益のためにということで、これは1つの大きな収穫だったなと思っているのは、児童の自立支援という概念を導入したということでして、それは今までの監護とか、保護とか、養護という言葉から見ますとかなり前進しているというふうな評価をしております。
 また、今、御指摘あったように、いわゆる要保護児童の問題を取り上げるときにも、子どもの最善の利益のためにというところをまず中心に据えて考えていこうというふうなことで、そういう意味では、順序がもしかすると、これを最初に持ってきたのがよかったのかなというふうに思っています。
 対症療法的だというふうなことについては、現場サイドから言うとそれほど具体的な問題がここに触れていないな、やや抽象的な面が多いなというふうに思っている訳です。
 ただ、これはC委員からの指摘があったのですけれども、要保護児童の問題については、今まではどちらかというと問題が発生して起こってから対応するという仕組みでずっとやってきた訳でして、そこのところを問題の発生以前に予防的な形で対応していこうというのが、この要保護児童の問題の1つの新しい対応の仕方だというふうに思っています。
 確かに今までは危機的な状況にある場合でもなかなか手が出せないとか、破綻して初めて対応するというようなことが多かった訳でして、そうではなくて、もっと以前に親の問題も含めていろいろと支援をしていこうというふうなことで、そういう意味では、要保護児童という言葉自体が問題になってくるのですけれども、今、実際に入所してくる子どもたちのケースを見ていても、あるいはいろいろな電話相談、地域から両親のいる子どもの問題の相談も非常によく似ていて、それだけ普遍化しているというふうに言われる訳でして、そういう意味では、ごく普通の、行政の用語では健全育成の分野に位置する子どもともそう違わないというふうにも思っていますので、そういうことで、あまり要保護と一般の児童とは変わらなくなったというふうな、あるいは背景もそう変わらなくなってきているなという思いは持っている訳です。
 ただ、この言葉自体は多分行政用語として、例えば健全育成の分野とか、要保護児童の分野とか、あるいは母子福祉の分野とかという形で、行政的な施策の中ではそういう使われ方をしているなというふうに思っているのですけれども、それでは要保護児童という問題をこの際取っ払おうかというふうなことについては、子どもの問題については、要保護児童の問題の対応がかなり保育の問題に比較しておくれているというふうな見方をしていますので、この問題をクローズアップさせたいというふうなこともあって、要保護児童という用語そのものを取り外すということについてはやや問題があるかなと。ただ、文章の中で要保護児童問題というのをそういうふうに言われてみると、どんどん出てきているので、そこら辺は省略した方がいいというふうにも思っています。
 そんなことで、要保護児童の問題で言えば、問題が起こってから対応するのではなくて、そういった中で地域福祉の時代というふうに言われているように、在宅福祉のサービスも提供していこうとか、あるいは要保護児童の状況を解消するということだけではなくて、自立支援までもきちっと、社会に自立した社会人として送り出すというところまで責任を持とうというような意味合いでは、かなり今回の専門調査会の議論では今までと違ったところで議論が出来て、あるいは提起がなされたのではないかというふうな、全部十分ではないですけれども、そこら辺の在宅福祉とか、児童の自立支援のサービスの体系化とか、それをめぐっていろいろな仕組みをつくってきたということについては、今までにないようなそういう論議がなされたのかというふうに思っています。
またどうぞ継続して御議論いただきたいというふうに思います。
○H委員 委員の方からたくさん意見が出ましたけれども、私も感想なのですけれども、要保護児童ということに、言葉に関してすごくこだわるというか、これでいいのかなという思いがあるのです。
 昔は貧困とか、親の死亡のために子どもを保護しなければいけない。これはもう物理的なことで子どもの責任はない訳ですけれども、だんだん社会環境も変化してきまして、報告書にもありますように、虐待、不登校、いじめ、性非行、あと家庭内暴力などということもございますけれども、こういうことが出てきまして、いわゆる子どもを保護しなければいけないということになる訳ですけれども、虐待などと言いましても、これも子どもに全く責任がない親の問題。それから不登校も、子どもにちょっとしたきっかけがあって、それを親と教師がどんどん不登校の方に持っていってしまうということもございますし、いじめも周囲の環境の問題もございます。性非行も家庭の問題などで、家庭内暴力などというのも親がつくるというようなこともございます。
 前にも申し上げたと思いますけれども、本当に無力感を感じるような、子どもの問題ではなくて、結局家庭だけではなくて社会環境といいますか、もう解決のしようがないというような無力感に襲われることもあるぐらいで、先ほど部会長も言われましたように、子どもは被害者であって、どういうふうに保護するかということより、結局子どもよりも周りを変えないと絶対だめだというようなことがほとんどな訳です。
 ですから、要保護児童と言いますと、いかにも特別保護を要する児童と言って、何か特別な児童のように思われて、その子に対してどうするかというようなことなのですけれども、現実は子どもよりも周りをどうにかしなければいけないということで、決して特別な子どもではない訳です。報告書自体はよくまとめてあると思いますけれども、ただ、私の感想として、要保護児童というのがいかにも特殊な児童がいて、そのために何か手をかして保護してあげなければいけない、いろいろな支援をしなければいけないというふうに、それは一面ではそうなのですけれども、大きな子どもを取り巻く環境をもっと大きく変化させていけないものかなというような、これはあくまでも感想になってしまいますけれども、そんなことを感じました。
○部会長 ありがとうございました。今、お話を承っておりますと、保護を必要とするお子さんが実態としてはあると。呼び名としてはとても受け取りにくい印象があるというようなお話があったと思うのでございますが、用語の問題はまた改めて考えるとして、そのお子さんへの支援の理念をまず明確にすることによって、子どもの問題が普遍化していくのではないだろうかという御意見であったと思います。
 それから、そういうお話を聞いておりますと、おのずと支援対象が見えてくるようなことであります。勿論言ってしまえば被害者である。であるからして被害を与えたことに問題を絞ればいいではないかという考え方もありますが、それはそれとして、一方現実に目の前に被害を受けておる子どもがいると。そのお子さんへどういう援助があるのかということが、専門家の皆さんの御意見を取りまとめられた背景にあるだろうと思うのです。
 そうしますと、当然「2施設のあり方について」というところでございましょうか、何も施設だけでこんなことをやる訳ではありませんが、従来ですと施設を直接利用される方についてのみサービスをしていた訳ですが、そうではなくて、治療的、予防的と言いましょうか、そういうことを考えると、家庭で過ごしている、地域で生活していらっしゃる方へも何らかの形で積極的に取り組む必要があるのではなかろうかというようなことではなかったかと思うのですが、お話を次の「施設のあり方について」に少し比重を移していただいて、また必要であればもとへ返っていただくということでお話をさせていただければと思いますが、いかがでしょうか。
○I委員 また戻るかもしれませんが、今日的なテーマをもう少し盛り込んだ方がいいのではないかと思います。例えば虐待などについて、3の(1) で「虐待の深刻化」というような表現になっておりまして、そこからこども家庭支援センターへつなげています。その中間に、現代の虐待は従来のような酒乱のお父さんが子どもをぶん殴るというような虐待ではなくて、最近は育児ノイローゼのような母親が、子どもをどう扱っていいか分からなくて暴行してしまうというようなケースが非常に増えています。
 実父と実母の虐待者の比率がありますが、本人からの通告を見ますと、実父55件に対して実母が408 件。主たる虐待者は実父が881 件に対して実母1,689件というような数字になっております。一般の方は案外御承知ないようなことが1行入っていると、分かりやすいと思うのです。虐待なども変わってきているので、特に育児不安を抱える親の下にある児童に対する対策が必要だというようなことを入れた方がいいと思うのです。
 それからもう一つ今日的な問題ということでは、この間オウム事件のときに、児童相談所が警察に頼んで、何とかサティアンというところに入っている子どもさんを救出しました。テレビなどで一部、親子を引き離すことに対して同情的なキャスターがいました。いかにも引き離すのがかわいそうだというようなことを言うので、私はそうではない、あれは子どもが爆発物のそばにいるのはきわめて危険だと、子どもの権利ということを考えないとだめだと言ったけれども、そういう印象を受けた方も随分いると思うのです。そこで、親権ということについて今の児童福祉法でいいのかどうかというようなこともちょっと触れられたらと思ったのです。
○部会長 ありがとうございました。
○J委員 ただ、今、I委員から話が出ましたように、実際に現場では親権者と、具体的に子どもの権利を図るという観点からぶつかってしまうという場面はございます。そういったことから、最後の方にそれを支援するための専門的な機関のようなものを設けていただいて、児童相談所を支援していただくということが盛られていまして、多分今、言った親権者との対立場面をいかに上手に回避しながら、児童の福祉を図るかというようなことがそこで出来るのかなというふうには思っています。
 ただ、先ほどから話題になったように、将来的な課題として出していただくのであれば、そういった場面の親権の制限なり何なりに関することの検討を盛り込んでいただければいいと考えました。
○G委員 先ほど禁止行為のことも触れられたのですけれども、そこら辺と同じように児童虐待についてはかなり論議されまして、親権条項についてもかなり突っ込んだ論議をしてきたことは事実でして、そういう意味では、今、I委員が指摘なさったような、非虐待児の問題についての対応が1つの大きな目玉にはなっていた訳です。ただ、これもまた法務省、司法との関連があってそう簡単に厚生省だけで手をつけられない問題もあるということで、それはまたこれからの検討課題というふうなことになっています。
 今、J委員が指摘なさったように、やはり厚生省で出来る範囲のこととしては、今の児童相談所の中では虐待問題、特に親権にかかわる問題については適切に対応が出来ないとか、あるいはやれたとしてもなかなか時間が掛かるといった問題があるので、どういう形で設置するかはともかくとして、法律家、あるいは医師なり、学識経験者も含めた形でのそういう第三者機関が都道府県の中で持たれるような、そういうことで今回収めようというふうなことで虐待の問題についてはかなり論議されたなと思っているのですけれども、文章を読んで足らなかったら、文章的にもう少し工夫した方がいいなというふうに思いました。
○部会長 ありがとうございました。今、私お話を伺っていて思った訳ですが、この報告書を多くの人が読むときに、なるほどと分かってくれるような表現をした方がいいのではないかと。問題の核心を突く言葉が1行入ることによって変わるのではないかといような意味では修文といいましょうか、微調整と申しましょうか、そうしたことが必要なのではないかというような御意見がかなりあったと思うのです。それから順序を変えた方がもっといいのではないかと。1の(1) と(2) でございますね。
 そういう中で、最近横断的、総合的な対応を必要とするという言葉をよく聞くのです。横断的な、総合的な対策がこの場合、社会的な問題から発生した被害者の問題でありますから当然出てくるのだろうと思うのです。
 ですから、それはそれとしてどこかに明記しておいて、私どもとしては直接これだけのことはすぐにでもやりたいというふうな感じになるように、並べ方を変えるなり、数行加えてみるなりするというようなことで、専門調査会でのご議論と大きく違うことはないのではないかと思います。表現の仕方を少し工夫することです。
○J委員 今、言ったように、大きな課題として、そこのことは何とか残すことによって、これを見て、後の方々がまた次に進む1つの段階にというか、ステップになるのではないかなと思いました。
○部会長 G委員どうでしょうか。
○G委員 先ほど評価出来るところは述べさせていただいたのですけれども、ただ基本的に、施設体系の再編を思い切ってやりたいというふうに思った訳でして、私自身の個人的な考え方では、あまり施設を類型化するのはやめて総合的な施設を地域の中につくって、それをフォローするような専門施設をつくるといった、思い切った施設の再編が出来なかったのかな、あるいはそれは今後の課題として引き継いでいかなければいけない部分なのかなというふうに思っています。
○部会長 分かりました。今おっしゃったことは2の「(1) 要保護ニーズの多様化・複雑化への対応」というところでしょうか。「要保護ニーズが多様化・複雑化する中で、現行の施設体系の類型では対応できないケースが増えており、児童福祉法が規定する各施設の機能と現実に入所している児童の要保護ニーズのギャップが生じている。」、「また、現行の施設体系は基本的に入所形態を前提としているため、相談や通所利用等、在宅ニーズに対応してサービスを供給する体制が十分でない。」ここらあたりが今のお話と関係あるところだと思うのでありますが、状況が違う訳ですね。
 その1つの例としてのように受け取れる訳ですが、「特に教護院については」ということで、4割程度の利用率であるということがありましたり、名称の見直し、運営形態の弾力化、学校教育の導入等々ということが挙げてある訳ですが、現行の児童福祉法では要保護児童に対応するための施設としてと言って5種類の施設がありますが、これはすべてそういうことでございましょうか。
○G委員 あるところまで考えたのですけれども。これからやろうとしている先ほどの在宅福祉サービスとか、児童の自立支援のための体系化といった中で、実際にそういった施策の中で変わってこざるを得ないような状況が生まれてくるというふうに見えたのですが、これはきっと将来的な再編につながっていくというふうな思いで見ています。
○部会長 分かりました。ここにある材料を中心に理解しがたい部分があれば御質問なり御意見なりちょうだい出来ればありがたいと思いますが、いかがでしょうか。
 教護院については、名称の変更などについて何か具体的な話があったのですか。
○G委員 名称変更については、特に教護院自身からというふうなことではないのですが、一応の仮称として考えました。養護施設の方も今の養護施設という名称をやめようというふうなことは以前から養護施設側からは言われていることなので、そこら辺は変えたいなというふうに思っています。
 ちょっと委員の方々にお伺いしたいのですけれども、4の「(3) 児童相談所のバック・アップ機能」というところの一番最後の方で、これはある意味では第三者機関をどこに置くかという問題で、1つは、児童相談所の内部に置くという問題と、あるいは外部に置いた方がいいのではないかというような、そういう両論併記的な形で出されているなというふうに思っていまして、これはまた現行法の問題とか、財源問題とかいろいろ絡む問題なのですけれども、ここら辺はどういうふうにお感じになられますか。第三者機関、つまりもう少し具体的に言うと、子どもの権利擁護センター的な、そういうニュアンスの機関をどこに置くかという問題だと思うのですけれども。
○部会長 先ほどF委員から多少関係のある御発言がありましたね。何かお考えありましたらどうぞ。
○F委員 話が飛んでそちらへ動きましたけれども、児童相談所をどこに位置づけるかということが1つあると思うのです。子ども家庭支援センターが、これは仮称でファミリーセンターにするとか、子ども家庭センターにするとか、いろいろこれから名称はあると思うのですけれども、これがどういう権限と機能を持つのかということと非常に大きなかかわりがあると思うのです。
 そうすると児童相談所をセカンダリーな、ある意味では指導、治療とか、あるいは専門的な機能を持って、お医者さんで言えばプライマリーケアをこども家庭支援センターに位置づけるとか、この関係性をどうするのかということもある。そうするとその先に、例えばここに児童虐待防止センターのような、民間のボランティア活動を含めた地域の連携体制の強化が必要であるということになりますと、各区にこの子育て支援センターを置き、更にその周辺に、そしてさまざまな、いわゆるデイサービスセンターのような、ほかの国で言えばチャイルドケアセンターのようなものを位置づけて、そことの連携でやっていくということになると、もしこういう位置づけになったとすると、法体系も若干違ってくるのかなと思いながら聞かせていただいたのです。
 東京都は児童福祉審議会で、児童相談所の機能の、ある意味ではプライマリーケアをもっと強めるということから、これを23区27市14町村にすべて配置するということを決定しているのです。それを社会福祉法人等多様なところにそれが落とし込めるような仕組みにしていて、面を広げていく。そしていろいろな子どもさんの発見や気づきが出来やすい方向を目指そうということを私たちはずっと考えてきたのですけれども、またそのための全国研修などもさせていただいてきたのです。 そうすると、プライバシーと孤立の問題に対して子どもさん自身が駆け込めたり、子どもさん自身が自分の権利侵害を訴えたり出来るような場所と、施設の機能を監視すると言うのも変ですけれども、オンブズマン的な機能を持ったり、子どもの持っている権利の主体としての、児童の権利に関する条約で言えば参加権のようなものも一方では出てまいります。そういうところをどこに持ち込めばいいのかという問題だと思うのです。
 そのあたりは、今度もしこれが実現されるとすれば、児童福祉は大きく前進する兆しを見せてくることになりますし、児相の機能も変わってきますので、そういうややオンブズマン的な機能をどこに置くのかというのが、ここで児童相談所の中に置いて独立するというふうに書かれているのですが、東京近郊のある県で出来た最近の出来事がございますね。これは児童相談所と養護施設の間の問題も1つ出てきたと思うのです。
 そういう前例などもありますので、この位置づけはかなり慎重に、よく考えた上でしていかないといけないなというふうに思っていますので、第三者機関のような、両者と距離を置ける場所に、しかし両者のことがよく分かっている、そういう機関を設置することによって、児童の権利を守るということが可能になる道を探れるのではないかなというふうに思いましたので。これが両論併記になっておりますね。どちらにしようかと多分今、迷っていらっしゃるのかなと思いましたけれども、そこだけは是非キープしていただければありがたいというふうに思います。
○部会長 それでは、かなり時間もたちましたので、方向はほぼ、反対の意見というより少し考え方を整理した方がいいのではないかというような御意見ではなかったかと思いますので、大変恐縮ですが、次に母子家庭施策のあり方についてのレポートが出ております。論の進め方が前のものとはかなり違いまして、数字がたくさん出ておりまして、具体的な御意見が多いようでございますが、何かこの辺について御意見ございませんでしょうか。
○K委員 なかなかきちんと書き込まれたレポートと思って拝見しましたが、少し気になるところがございます。母子家庭イメージというのでしょうか、全体に非常に哀れですよね。教育がなくて、技能を身に付けさせる以外にはない。収入が低い。高収入の母子家庭は実家の援助を受けているから高収入なのだと、それが2か所も出てきますね。
 確かに今、共働きの時代ですから親が1人になると収入は半減している訳だし、子育ても家事も1人しかいない訳ですから、いろいろな意味で社会的な支援が必要だとは思うのですが、今の母子家庭の中には、誇りを持って、かなり高度の教育を受けて専門性を身に付けて、支援は必要だけれども精神的な自立性が高い母子家庭が増えてきています。これが読まれると、恐らく世間では母子家庭と言うと「お気の毒ね」という言葉が出てきますが、このイメージの部分で私は非常に影響力があると思うので、全体にこういうことを書き込んでいただくのは結構なのですが、余計な文言を付け加えることによって、例えばさっきの実家の支援があるからとにかく高収入だなんてそういう余計なものは削っていっていただく。
 それから出来たら一番最初のあたりに、これは母子家庭だけではなくて父子家庭 だって同じな訳です。これは一人親家庭という意味なのでしょうが、そう書けないとしたら、一人親家庭または父子家庭の場合にも全く当てはまることなのだみたいな書き方をどこかに入れていただく。
 それから、例えば技能付与のあたりなども、例えば、アメリカのコミュニティーカレッジというのは一人親であろうと、一度休職した女性や男性であろうと、社会復帰していくためにいろいろな教育をそこで受けて、ブラッシュアップして、より高度の専門的な職業に就くように支援していくのがいわゆるコミュニティーカレッジなのです。
 ですから、技能の付与のあたりもそういうふうにもっと前向きな書き方をしていただけると、世間に与える母子家庭お気の毒ねというようなイメージが大分なくなってくる。一人親家庭というのはこれから積極的にとらえなければいけない時代になってきていると思うので、このレポートの書き方というのはそういう意味で非常に大事ではないかと思います。よろしくお願いいたします。
○B委員 私も今のお話に半分賛成で、半分それでいいのかなという感じを持つのですけれども、要するに片親家庭というものをこの審議会、あるいはこの部会としてどう思うかというのは大変議論が分かれるところで、もし意思統一、合意が出来れば、そういう考え方はこれから増えていくことは間違いないので、アメリカでも増えていますし、日本でもこれから母子家庭とか父子家庭とかいう片親家庭が増えていくと思うのですが、それを子どもの立場から、あるいは社会全体の立場からどう考えたらいいのかという視点がもし出せれば私出した方がいいと思うのです。
 いきなりこのレポートを読みますと、また、先ほどの流儀で言うと、お気の毒な要保護家庭なのですね。そういうとらえ方でとらえて、何か社会的な支援が必要だ、必要だと、貧しいのだというような感じなのですけれども、これはしかも死別ではなしに生別ですから、自ら夫婦の間で選んでそういう道をとられた方なので、その辺は社会的な支援と言っても、一体通常の場合の支援ということでいいのかどうかというのは実は大変難しい問題なのです。
 ですから、このレポートを見ますと、今、おっしゃったようなことは私も同感な点があるのですが、要するに母子家庭お気の毒で何かしてあげなければいけないということが前面に出過ぎて、その前に一体母子家庭とか、離婚とか、片親家庭というものをどう考えるのかということについて御議論があったのかないのか。非常に難しい問題ですから、あるいは人によって人生観とか価値観の問題がありますからまとまらないかもしれませんが、もうちょっとその辺の思想を、子どもの立場から見てどうなのだというのは出せれば出した方がいいのではないかという気がいたします。
 それから細かいことですけれども、ここにも少し書いてありますけれども、離婚する前のいろいろな家庭の悩み、その相談の場所として母子相談員とか、婦人相談員ということが書いてありますけれども、離婚する前にそういう名前の相談員のところへ、果たして母子相談員ということで行くだろうかという感じがするのです。あるいは婦人相談員のところへ行くだろうか。
 そういうところでも相談をやったらどうだというようなことが書いてありますけれども、もしそういうことをやってもらうとするなら、母子相談員とか婦人相談員ではなしに、先ほどの子どもの問題も含めて、家庭内のいろいろな登校拒否の問題だとか、暴力の問題もある訳ですから、そういう全般の問題の相談が受けられるような仕組みというものを考える必要があるのではないかなという気がいたします。
○F委員 1つは、一人親家庭のことを実はさんざん議論いたしまして、私の言葉で言えば一人親家庭福祉思想とでも言ったらいいでしょうか。父子家庭、母子家庭の両方のことを視野に入れましたが、今回は母子の問題に絞るということで結果的にそこに入っております。
 ただ、父子家庭の場合は育児の支援は非常に重要でございますね。特にお父さんが家事と子育てをする訳ですから、もし加えるとすれば、保育とか養育、健全育成などの問題を含めて、母子家庭のことだけを書いておりますので、そこに父子家庭はなかんずくそうした支援が必要だというようなことは言えるかもしれません。 それから、今、片親家庭とおっしゃったのですが、片親というよりも一人親というふうに言っておりますのは、ちょっと失礼な申し上げようなのですが、片方しかなくなってしまったとか、欠損してしまったとかというふうに考えませんで、親が一人だという家庭を今、一人親というふうに言っておりますので、一人親家庭という言葉を今、私たちは出来るだけ使うようにしておりますが、この中では多分議論があると思われて、一人親という用語がこの中には多く出てこないということはあるかもしれません。
 しかし、今おっしゃっていただきましたような両方のことを念頭に置いて議論をいたしましたので、そうした父子家庭に対しても同じようにそうした一馬力で家庭を経営しておられる訳ですら、その支援が必要だという、特に養育支援、家事支援の必要性はあるかもしれません。
 離婚あるいは母子家庭に対する福祉の思想は、委員の中で、例えば私などはそういう考え方をいたしますけれども、多様な御意見がおありになるということを承知しております。
○児童家庭局長 先ほどちょっと出ましたように、もともと母子家庭対策というのが戦後といいますか、児童家庭福祉法体系の中でずっと発展してきて、母子寡婦福祉法のような格好まで現にある訳であります。そういった中で、歴史的なそういうものがあります。母子家庭というものは非常に大変なのだ。だから社会的にももっともっと支援してほしいというような運動なりがある訳であります。
 もう一方、こういった一人親というのもそうなのでありますが、あるいは母子家庭、父子家庭というのもそうなのでありますが、そういった家庭の形態で何か問題があるようなとらまえ方というのはいかがなものだろうかという考え方があります。要するに、母子家庭対策とか父子家庭対策、あるいは一人親対策と言ったときに、やはりそこに何か欠損があるから、いわゆる夫婦、要するに両親がいる家庭というのが正常であって、一人親家庭というのは何か欠損があるといった考え方が底流にあるのではないかとも考えられます。だから昔からよく言われてきたことでありますけれども、いわゆる母子家庭、あるいは父子家庭の子どもに対する偏見といったものが、逆にそういった中から出てきているのではないかというご意見もあります。
 ただ、実際に行政を進める上においてはある程度対象をくくらないといけない部分もあるものですから、ある程度そういった格好でくくるのですが、これからもずっとそういうようなくくり方で行政を進めていくのは本当にいいのだろうかという問いかけがあるわけです。
 例えば、一人親家庭だろうが、二人親家庭だろうが、例えば育児なら育児について困対る、こういう局面で困っておるところがあるということであれば、それに対する対応支援をすればいいのであって、一人親だから特別な対策をしなければいけない、そういう発想そのもの自体が本当にいいのかということをむしろ議論していただきたい、またそういう時期になりつつあるのではないかというふうに思っておるのです。
 お二人そろっていたってうまくいかない家庭もいっぱいありますし、一人親だって非常にうまくいっている家庭もある訳でありますし、それからまさに先ほど出ましたように、離婚の問題等々が今後とも増えていく。そのことがいいとか悪いとかという時代ではない訳でありまして、そういうことを考えますとなおさらのこと、そういうふうなとらえ方を学問的にもやっていくというのは本当にいいのだろうかという考え方があり、個人的には耳を傾けるべき点もある考え方ではないかと思っているわけです。
○K委員 家族の問題というのは、どういう家族が典型的な、理想的なものなのかということは、私たちは育った過程の中で体の中にすり込まれておりますので、研究者であっても、やはり伝梼vM&ネ家族に何となくレファレンスしている自分に気づくことがあります。そういう意味で言えば、局長さんが今おっしゃった一人親家庭であろうと、二人親家庭であろうと、区別をして対応を考えていくのはおかしいのではないかという考え方というのは非常にモダンなお考えで、私大変敬服いたしました。
 ただ、1人、2人というのはかなり大事だと思っているのです。というのは、これからの家庭というのは必ずというかほとんど共働きになりますね。2人が収入をもたらします。それから家庭も、男女共同で参加して育児や子育てに当たりますね。そうすると、完全に収入を持ってくるのは半分だし、家庭の中のいろいろな家事、育児も1人しかいない訳ですから半分になる訳です。
 ですから差別的に扱う訳ではなくて、人数的に言って、やはり1人の家庭というのは大きな社会的な支援が必要ではないかと思うのです。何もそれは欠損家庭というのではなくて、2人親がスタンダードで欠損というよりは、そういうふうに人数的に言っていろいろな機能を欠いている。欠陥ではなくて、とりあえず機能を欠いている部分に関しては社会的な支援をしていくのが当然だし、そういう家庭の未来像みたいなものを考えると、やはり母子、父子という言葉を出来るだけ使わないで、最初の部分にとにかくこれからの新しい家庭像を少し書き込んでいただいて、今おっしゃったように、とりあえず今回は母子家庭という名前で母子家庭支援をしていくけれども、以下、父子家庭でも、一人親家庭でも同じである部分があるみたいなことを上手に書いていただくと今のお気持ちも通じるのではないかと思うのです。
○E委員 今、大体K委員がおっしゃったことも、局長がお話下さった考え方も私は両方とも賛成でして、やはりこれ全体のトーンを見ますと、そういう新しい家庭の像に対する考え方というのは、これは現実的にどうやるかという意味が先に立ったのかもしれませんけれども、ほとんど見えていないのです。 ですから突っ込むのはいろいろな考え方があるにしても、国際家族年のとき、あれも日本も経験している訳ですし、国際的に言っても多様な家族をいかに社会的に支援するかというのが国際的な取り組みになっている訳ですから、そういう発想もきちんと考えているのですよと。ただ、今おっしゃったように、一人親家庭というのは、やはり一層2人いるよりも機能的に支援を必要としているのだという位置づけをした上で、その辺の位置づけは簡単にでもいいですから触れておいた方が、どういう思想で今回取り上げたとかというのは是非必要だと思います。
 ここで特に取り上げられている母子家庭については、いろいろなデータにもあるように、経済的な困難というのが非常に強い訳ですから、それについてはかなりふわっとした書き方がしてあるのですけれども、やはり小さい子がいて、それまで特に仕事をしていなかった母親にとっては、今の新卒の女性でも雇用機会を得るのが困難なような状態の中で雇用の場の確保と、それから男女の賃金格差とか、今の労働条件の中で具体的にどういう支援をすれば、雇用の面で経済的な困難から何とかやっていけるようになるかという部分をもう少し具体的に強調していただきたい。
 もう一点、最後の児童扶養手当のところですが、こういう規定が未施行となっているというところから、ニュアンスとしては施行した方がいいというニュアンスなのかなとは思うのですけれども、ここも何かふわっとした書き方で、余り突っ込むとまた問題があるのかもしれませんけれども、考え方としては出来ればこういうふうにあった方がいいのだと。
 そこで私は、やはり扶養出来る父親がいるなら当然扶養すべきだと。これは理論的にも、実務面でもとありますが、理論面ではみんなそう思うと思うのですけれども、実際上別れたりするときにその辺の取り決めがきちんと出来るのか。した上でそれをきちんと父親の側が履行するのかというあたりの実際面が非常に問題なので、その辺をどういうふうにするのか。
 例えば、スウェーデンのように離婚した場合夫の給料から天引きするとか、民法の結婚と離婚の法律の見直しのときにも、具体的にいろいろな話が法務省の方ともあった訳ですが、実際にいろいろな金銭トラブルがある中で、別れた夫にだけそういうことをやるのは無理だというのが法務省の見解だったりいろいろなことがあるので、その辺も出来れば、収入のある夫がどうやって費用負担をするかという、こんな考え方もあるのではないかというような具体像もほの見えていると、これがきちんと父親が養える場合はやるべきだという考え方の後押しになるのかなと。その辺が当面の話という感じでふわっと書かれているので、ぱっと見過ごしてしまうと、それで何なのという話になりかねないのかなと。もう少し書き方、出し方を具体的に工夫して、見る人が見れば分かるようにした方がいいのではないかという感じがいたしました。
○C委員 少しく断片的にいろいろなことを申し上げることをお許しいただきたいと思うのです。
 まず今、E委員がおっしゃった点に関してなのですけれども、夫が養育費支払い能力があって、それを払わないときに、児童扶養手当法で児童扶養手当を仕方がないから支給するというのはむしろ社会的に公正を欠くなという感じがするのです。それは児童扶養手当を支給しないだけでとどまるからまずいのであって、むしろ法的に夫に支払わせるようにすべきだと。支払い能力があって支払わないでいたら、みんなの税金からそれを補てんするなどというのはおかしな話なのでして、ここが本当の意味での社会的公平といいますか、社会的正義といいますか、何が正義かというのは人によっていろいろかもしれませんが、むしろそうしていただくべきだなということを今のお話を伺ってて感じました。
 それから少しく全般的な問題で、離婚の態様が変わっていることとか、いろいろなトレンドは十分理解した上ででありますけれども、どういう家庭が望ましいかというお話が出ましたね。私は決して偏見や差別を持つ意味では絶対にありませんが、しかし何が望ましいかといったら、やはり父親という名の男性と、母親という名の女性がいた方が望ましいに決まっていると思うのです。世の中そういう人が増えてきて、差別するのがいけないからといって、何が望ましいかというところまでえらく気を使い過ぎた議論をするのはむしろマイナスではないかなという感じがします。
 そもそもそういう男性と女性がいなければ子どもは生まれない訳ですし、子どもを産んだら少々のことは我慢して、大体結婚というのは我慢だという話をよく聞いて、私などは毎日そうだなと思って、女房も思っていると思うのですけれども。世の中のトレンドに余りにも合わせ過ぎてしまって、もっと基本的なところが欠けているような感じがしてならないのです。大変申し訳ないのですけれども。そろっていた方がいいに決まっていると私は思うのです。ただ、そろっていないからいけないとか、偏見をするとか、差別をするというのはとんでもないことでありますけれども、そこはごっちゃにしないでいただくべきではないのかなというふうに感じました。
 それからK委員のお話は確かにごもっともで、ある日離婚したら職がなくて困っているとか、就職先を慌てて探すとかいう人よりも、むしろかなり教育程度も高くで、バリバリ働いているという人が増えてきたということは、確かにそのとおりだと思うのです。ただ、このレポートを読んだ限りでは、むしろそういう人よりも、本当に困ってしまっている人たちに焦点を当てて全般的にお書きになっているなという感じを受けておるのです。
 考えてみますと、いろいろなタイプの一人親家庭が増えてきてはいるとは言っても、その家庭によってニーズの深刻さには相当違いがあるのでしょうね。K委員がおっしゃったような新しいタイプの父子家庭、母子家庭の場合には、それは確かに困りはしますけれども、ある程度の収入があると、多分その収入の中で何とかやれるというケースが、いわゆる昔からのステレオタイプ的な母子家庭と比べればあるのではないのかな。だから支援しなくていいということを申し上げるつもりではないのですけれども、何らかの形の支援が必要だろうと思いますが、しかし本当に深刻な低所得、極端な場合には所得の道が全くないような場合と比べますと、同じようには扱えないのではないかなという感じがしますね。
 それから最後に、これはちょっと物議を醸す発言かもしれませんけれどもお許しをいただきたいのですが、いわゆる一人親家庭対策を前向きに進めるべきだろうとは思いますけれども、余りそれが進みますと、ますます我慢がなくなるのかなという感じも持たないではありません。だからといって後ろ向きな、何でもかんでも我慢しているべきだということを言うつもりはないのですけれども、この問題はなかなか難しいところがございます。
○D委員 2の(2) の(2)の働く場の話なのですけれども、出来るだけいい賃金で働く場をどうして確保出来るかが重要だと思います。ここに、労働省のことを書いてありますが、厚生省が管轄権を持っている職場にもっと働けるような工夫が出来ないのでしょうか。厚生省はいろいろな施設があります。そういうところに母子家庭の人たちがもっとどんどん就職できるような、そのために必要な研修などをを行うとか、特に宿泊施設のところがあれば母子寮の代わりにもなるのではないかと思うし、もっとそういう工夫があっていいのではないでしょうか。
 最後に児童扶養手当の別れた夫の話ですけれども、取り立てる制度をつくるというのには賛成です。もう一つ、離婚した夫がまじめに前の家族に対してお金を払っていても、それは税制上の扶養控除を受けられません。自分の実子だったら扶養控除受けられますけれども、税制上の控除についてはある一定の額きちっと払っている人たちはその分同じ子どもとして扱っていいのではないかという気がするのです。それは二重控除ということになるのでしょうか。そういう点を検討してもらいたいと思います。
○部会長 ありがとうございました。今日の御意見を盛り込みまして、また、改めて次回にお話を聞かせていただくということにさせていただければと思います。それでは今日はこれで閉会させていただきます。

  問い合わせ先 厚生省児童家庭局企画課      担 当 福田(内3113)      電 話 (代)[現在ご利用いただけません]          (直)03-3595-2491



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