00/09/20 第1回介護教員養成講習会に関する検討会議事録      第1回 介護教員養成講習会に関する検討会 議事録  日 時  平成12年9月20日(水) 10:30〜11:57  場 所  中央合同庁舎5号館低層棟3階 共用第20会議室  出席者  井原委員、江草委員、岡本委員、岡部委員、坪倉委員、藤岡委員 ○坂本室長  本日はご多用のところ介護教員養成講習会に関する検討会発足に当たり、ご参集いた だきまして誠にありがとうございます。  只今から第1回介護教員養成講習会に関する検討会を開催いたします。  はじめに委員の皆様のご紹介を事務局からさせていただきます。失礼でございます が、アイウエオ順にさせていただきます。  龍谷大学短期大学部教授の井原委員。中央社会福祉審議会人材確保専門分科会会長・ 江草委員。神奈川県衛生部参事岡部委員。社団法人日本介護福祉士養成施設協会副会 長・岡本委員。看護研修研究センター主任教官・坪倉委員。京都大学教授・藤岡委員。  続きまして、事務方ですが、炭谷社会・援護局長。森山施設人材課長。金子介護技術 専門官。私は福祉人材確保対策室の坂本でございます。どうぞよろしくお願いいたしま す。 それでは、会議に先立ちまして、まず炭谷社会・援護局長からご挨拶申し上げま す。 ○炭谷局長  厚生省の社会・援護局長の炭谷でございます。この度は介護教員養成講習会に関する 検討会を設置いたしましたところ、委員の先生方におかれましては、ご多忙にもかかわ らず委員を快くお引き受けいただきまして、厚く御礼申し上げます。  改めて言うまでもございませんが、本年4月から介護保険制度がスタートし、また6 月からは私どもの局が担当いたしました社会福祉基礎構造改革を推進するための社会福 祉法が施行されているところでございます。福祉も新しい時代に入ったなと思っている わけでございますが、その中で特に社会福祉基礎構造改革の国会議論でも、これからは 社会福祉サービスの質というものが強く問われるということで、また国民の間でも福祉 サービスの質を求めるという方向になってきたのではないかと思います。なかでも、質 という場合、大変難しいわけですが、その中核をなすのは、専門職、専門性をもった職 員をいかに確保、養成していくかということだろうと思っております。  そこで、今回先生方にお願いしましたのは、介護福祉士の養成の関係でございます。 介護福祉士の養成については、その需要若しくは希望者が多いために毎年たくさん学校 が出てくるわけでございます。それとともに、私の口から言うのもなんですが、そこで 教えていらっしゃる先生方、大丈夫かなという思いも正直なところあるわけです。私自 身よく知っている人が、来年から養成施設の先生になるという話を知人から聞きまし て、こんな人が先生、と思う場合は少なくないわけでございます。ただ、その先生にし てもこれからよく勉強して教育に熱意をもって取り組んでいただければ、また立派な介 護教育をやっていただけるのではないかと思っておりますが、そうは言っても、一定の 質の確保は必要ではないかと常々思っておりまして、今回お願いいたしましたのは、こ れから介護教員になろうとされる方々に対する事前講習会が必要かどうかという点が一 つでございます。また、必要であるとされた場合にそのあり方について、どのようにす るのかということについて検討していただくということで、この検討会を設置、開催さ せていただいたところでございます。  この点については早急な結論が求められておりまして、今後の予定としましては時間 が短いわけでございますが、年度内に結論を出していただければ大変有難いというふう に考えております。委員の先生方大変ご多忙のところ、こういう短い期間での精力的な 検討をお願いするのは心苦しいわけでございますが、何分よろしく実りあるご結論をい ただくようよろしくお願いいたします。 ○坂本室長  誠に申し訳ございませんが、局長は所用によりまして、ここで退席させていただきま す。 ○炭谷局長  どうぞよろしくお願いいたします。 ○坂本室長  それでは、続きまして、本検討会の議事進行をお願いいたしたく、座長の選出をお願 いいたします。委員の皆様方のご了解が得られれば、事務局から指名させていただきた いと存じますが、いかがでございましょうか。         (異議なしの声) ○坂本室長  それでは、中央社会福祉審議会人材確保専門分科会の会長でいらっしゃいます江草委 員にお願いしたいと思いますが、いかがでございましょうか。         (異議なしの声) ○坂本室長  それでは以後の議事進行につきましては、江草委員にお願いいたします。 ○江草座長  それでは皆さんのご支援をいただきまして、議事が円滑に進みますようご協力方よろ しくお願いいたします。  それでは、議事に入ります前に、事務局から本検討会の公開の問題についてご説明を いただき、皆さんのご意見を頂戴したいと思います。 ○坂本室長  本検討会につきましては、国家試験とか、そういったような関係でもございませんの で、いわゆる秘密保持を厳にしなければならないという性質のものではございませんの で、委員の氏名及び職業、開催日、あるいは、会議資料、議事録といったものは、原則 として公開という扱いにさせていただければと思います。ただ、資料によりましては非 公開がよろしいもの、あるいは委員の皆様からこの点については非公開にしてほしいと いったご要望があった点については別途個別に非公開とさせていただきたいと思います が、いかがでございましょうか。 ○江草座長  特別ご意見ございませんようでしたら、そのようにさせていただきたいと思います。 ありがとうございました。  それでは議事に入らせていただきます。  まず始めに、事務局から本検討会を設置した背景及び今後の検討事項についてご説明 いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 ○坂本室長  それでは私からご説明させていただきます。お手元に、資料1から8までの8種類の 資料、参考資料として「介護福祉士養成施設教員に関する報告書の再分析」というもの を用意させていただいております。原則、資料の1〜8によってご説明させていただき ます。  資料1は「介護福祉士の概要について」です。既に皆様方大変お詳しいところです が、介護福祉士の資格取得方法には2つの方法がございます。(1)厚生大臣が指定した 養成施設を卒業する方法と、(2)3年以上の実績を積んだ上で国家試験に合格する方法 です。本検討会では(1)について重点的にご審議いただきたいと思っております。  その養成施設の現状はまた後でご説明いたしますが、現在339校、390課程を持ってお りまして、1学年定員が今年の4月現在で22,886人という状況になっています。また、 現在の介護福祉士の登録状況は、約21万人、内訳は養成施設卒業者が9万人、国家試験 合格者が12万人ということで、やや国家試験のほうが多いという傾向です。 2枚目 は、資格取得方法の図解です。ご参考いただければと思います。介護福祉士養成施設は 左の3つの関係です。2年課程、それから一定の在学等を経たことによって1年課程と いった3種類のルートがあります。右側が国家試験の関係です。  3ページは、登録者数の推移です。国家試験、養成施設、双方ともに非常な勢いで伸 びているという状況がご覧いただけると思います。  資料2は「介護福祉士養成施設の概要について」です。2にありますように、養成施 設の種類は現在3種類ございます。一般的なものは、入学対象者として高等学校卒業者 の場合は修業年限2年以上、時間数にして1,650時間のカリキュラムを経ていくもので す。それ以外に、社会福祉系の大学卒業者、あるいは保育士の養成施設卒業者について は、各々1年以上ということで、時間数は900時間と短縮されたカリキュラムでよしと しています。現在、一番上の高等学校卒業者の2年以上のものが340課程、定員にしま すと、21,171人。2番目の大学卒業者等が対象のものは3課程で150人。そして、保育 士関係が47課程、1,565人という定員となっています。  カリキュラムについては3にありますように、一般的なものが1,650時間ですが、福祉 系大学、保育士養成施設の卒業者については、基礎分野、社会福祉については既に履修 されているため、割愛可能ということでカリキュラムに入れておりません。それ以外の 部分について、介護技術(演習)を追加して900時間、930時間というカリキュラムとな っています。  実態として、2年課程の養成校は、1,650時間より多めの1,800時間程度の授業をやっ ているというような状況です。  2枚目は、これまでの養成施設の開設の動向です。平成11年度までに総計で390課 程、1学年定員が22,886名まで来ています。創設当初に比べて、課程数は15倍ですし、 1学年定員も18倍ということで、ある意味で驚異的な伸びを示しております。  また、近年の動向といたしまして、下のグラフでおわかりいただけるかと思います が、専門学校が若干減って参りまして、短大あるいは大学が、少子化の影響もございま すかと思いますが、積極的に乗り出してきているような状況が伺えるかと思います。  なお、養成施設を開設したいという動きは、まだ非常に多くございまして、ここに書 いてございませんが、平成13年には23課程、定員にして1,100名程度の新規の開設申請が 参っておりますし、平成14年の開設についても28課程ほどやりたいということで、現在 までのところご相談が参っているというような状況です。  また、内訳的にも、専門学校は来年若干増えるような感じですが、短大、大学が合わ せると半分を超えるというような状況で、引き続き、大学、短大側の養成施設への進出 の意欲は強いというような状況にございます。  資料3は、今年の4月に介護福祉士養成施設のカリキュラムの改正を行っておりま す。その概要についてご報告いたします。  これは、改正の経緯にありますように、平成10年9月から福祉専門職の質の向上を図 るために検討会を開催しまして、昨年3月に報告書がまとめられ、それを踏まえて、今 年度の入学生から新カリキュラムによる教育を実施しようというものです。  この報告書で、期待される介護福祉士像ということでいくつが挙げています。  感性豊かな人間性と幅広い教養を身につけ、信頼関係を築くことができること、であ りますとか、介護を計画的に実施し、その結果を評価できる、というような、計画から フォローアップまでできること。あるいは人権尊重の観点など、いくつかの項目を掲げ てカリキュラムの改正を行ったものです。  その結果として、時間数は150時間増の1,650時間に、教育内容の充実としては、2 ページ以降で若干ご説明いたしますが、介護保険制度ができたということで、介護保険 制度とそれに関係するケアマネジメントに関する内容の追加、保健・医療分野の専門職 との連携に必要な医学知識の強化を図るという観点からのカリキュラムの追加、人権尊 重、あるいはコミュニケーションに関する内容の強化、居宅介護実習の必修化。これま では施設実習は必修でしたが、居宅のほうは必修でありませんでしたが、これを必修化 する。それから、介護過程の展開方法の追加、ということで、一貫して介護ができるよ うにという観点から変更を加えております。  詳しい変更点は2枚目以降で、アンダーラインを引いていますが、例えば、社会福祉 概論、老人福祉論では、介護保険制度に関する内容を追加しております。  また、社会福祉援助技術の関係では、介護保険法の居宅介護支援、施設介護サービス 計画といったようなケアマネジメント的なところを追加しております。  3ページは、家政学概論、栄養・調理などを一本化して家政学概論としていますが、 その中にバリアフリーの関係を追加しています。  家政学実習では、老人・障害者に適した居宅改善の事例を追加しています。  精神衛生の関係では、名称を精神保健に変えていますが、精神保健福祉士の役割と介 護との連携を追加しています。  介護概論においては、介護過程の展開方法などの追加を行っております。  介護実習では、先ほどもご説明いたしましたように、居宅介護実習を必修化していま す。これは時間数は特に限定しておりません。  介護実習指導(演習)の時間数60時間から90時間に増やしております。  大雑把ですが、このような改正を行っております。  次に、資料4ですが、現在の介護福祉士養成施設における教員要件の一覧表です。  介護概論、介護実習、形態別介護技術、社会福祉概論、等々いくつかのジャンルに分 かれておりますが、特に今回お願いしたいと思っております介護関係のところの網掛け 部分でして、こちらの方で、介護概論等については、高等学校、旧制高等学校、旧制高 等女学校を卒業した者、またはこれと同等以上の学力があると認められる者で、かつ介 護福祉士、保健婦、保健士、助産婦、看護婦又は看護士として原則として5年以上実務 に従事した者、ということが要件でございまして、要件としてはこれだけです。なお、 文部省関係の大学等の認可を受ける場合には、これに若干上乗せして、大学院卒とかそ ういう条件が入ったりするような例があるように聞いてはおりますが、内規ということ で私ども詳しく存じているわけではないので、それをまとめているわけではございませ ん。その点については申し訳ないと思いますが、若干これに上乗せがあるようである、 ということです。  介護実習等については、(ア)の要件に加えて、いわゆる社会福祉援助技術、援助技 術演習を教授できる者という要件が加わっております。  あと、参考までに、2ページで、専任教員の数の計算方法、それから、専任教員につ いては、指導要領で今年から原則として1人は介護福祉士であること、というような指 導を行っているという実情を簡単にご紹介申し上げております。  教員の要件は資料4のとおりですが、資質の向上を図るための施策としては、資料5 が研修の現状です。これと、資料6の看護教員の研修内容との比較について、両方をご 覧いただいたほうがよろしいかと思いますが、まず、介護教員を対象とした研修は、現 在3種類あります。1つは、全国社会福祉協議会の中央福祉学院で行っているもの。そ れから、介養協(社団法人日本介護福祉士養成施設協会)で行っていただいているも の。社団法人日本介護福祉士会でやっていただいているもの、3種類のものがありま す。各々特徴がございますが、全社協の中央福祉学院(ロフォス)でやっているもの は、平成5年の開始ですが、年2回、4日間、カリキュラムとしては22時間という内容 で行っており、1回60名、年2回ですから120名の定員です。受講対象者は現任の介護 教員及び介護教員就任予定者ということで、新規の者だけではなくて、現に教員になっ ている者の研修を含めてやっております。内容については2枚目に書いてあります。あ るいは資料6をご覧いただければと思いますが、介護福祉士をめぐる動向と課題として 総論的な部分が1.5時間、授業案の作成(理論編)が11.5時間、授業案作成(実践編) が9時間ということで、計22時間。  それから、3番目の日本介護福祉士会のものも大体似たようなものですが、2ページ の参考2にありますように、教授法2時間、教育方法と教育評価3時間、討議法1.5時 間、教育原理2時間、介護過程1.5ということで、11時間、2日間という内容です。  他方、社団法人日本介護福祉士養成施設協会の行っている研修はブロックごとにやっ ており、行政説明とか基調講演とか、教授法そのものというより、一般的な資質の向上 を図るような内容のもので、これも2日間、10時間程度行っているということです。  資料6は、看護教員と比較したものです。看護教員の場合、資料7で詳しくご説明い たしますが、時間数にして900時間、分野的にも、基礎分野の看護教育の基盤から、教育 分野の教育の基盤、教育原理、教育方法、教育心理学、教育評価のいわゆる教授法、さ らに専門分野としての看護論、看護教育学等、多岐にわたっておりまして、900時間。研 修期間は8ヵ月以上となっていますが、実際には1年ぐらいやっている状況です。それ に対して、右側がロフォスのものですが、22時間、また分野的にもある意味で集中して いると申しますか、ある意味で抜けている部分も多々あるという状況です。  資料7は、看護教員養成講習会教育内容(参考例)、そして、3ページは看護研修研 究センターにおける状況の変遷をまとめたものです。  講習会の目的は、当然のことですが、看護教育の内容の充実向上で、講習会の実施に ついては、都道府県またはこれに準ずるものとして厚生省が認めるものが実施する、と いうことになっています。なお、県が実施する場合においては一部を委託することがで きるということです。期間は、原則として8ヵ月以上900時間。受講対象者は、5年以上 の実務経験を有する者。原則として1ヵ所45人以上。そして、教室等について一定の要 件があります。講習担当者、講師についても、各々要件があり、これらを満たしていれ ば、看護教員養成講習会として成り立つということです。  そのカリキュラムについては、資料6でご覧いただいたとおりですが、2ページに再 掲しております。  3ページは、看護研修研究センターにおける講習会の充実の経緯について簡単にまと めてございます。当初は1年ということではなくて、3カ月コースから始まっておりま して、座長にお聞きしましたところ、各県で各ブロック回り持ちでやっていたと伺って おりますが、41年に6ヵ月コースになり、50年に幹部看護教員養成講習会を設置し、53 年からは一般の看護教員も含めて1年コースになったということで、徐々に長くなって きています。また、中身についても徐々に強化されてきたという経緯があると伺ってお ります。 これについては、後で坪倉委員から補足いただければと思います。  これらの状況を踏まえまして、資料8で今後の検討課題についてご説明させていただ きます。  背景については、先程来ご説明してきたとおりですが、福祉サービス提供の質を向上 させるという観点から、介護福祉士の教育課程の改正を本年4月から実施したところ で、その中で特に専門分野で介護福祉士養成科目の中核となる介護概論、介護技術、形 態別介護技術を教授する教員の質の向上が当然ながら重要になってきたということで す。  その要件は先ほどご説明したとおりでございまして、教員としての必要な教育知識、 教育技術については個人により格差が大きいというのが現状でございます。  他方、昨年の指導要領の改正で、介護福祉士資格を有する教員の確保を義務づけたと ころですが、現状は、今日は詳しく説明いたしませんが、参考資料1に出て参ります が、2年ほど前の研究ですと、介護福祉士養成施設の教員の中に介護福祉士の占める割 合は2割以下、17〜18%ということですから、介護福祉士の資格を有する教員という観 点ではまだまだ確保できていない状況です。  また、現状では、先程ご説明いたしましたとおり、一定の研修等は行われております が、研修の機会、人員は非常に限られております。したがいまして、介護教員の自己研 鑽に依存する部分が非常に多いというのが実情でございまして、研修としては必ずしも 十分なものではない、といった状況でございます。  これらを含めて、介護教員になろうとする者に対する事前の講習会の必要性、あり方 等について是非ご検討いただきたいということでございます。  主な検討課題として事務局で考えましたのが、講習会の必要性、講習会受講対象者、 講習内容及び時間数、講習会の形態、実施主体といったところでございます。形態につ いては、実施主体とも絡みますが、中央でやるのか、あちこちで分散してやったほうが いいのか。また、適用その他ということで、例えば、看護等の十分な研修を受けてい て、必ずしもこちらの研修をすべて受ける必要はないのではないかというような、受講 を免除してもいいような方等もいらっしゃるかと思います。あるいは一部免除してもい い方、より詳しくこの点は強化してやるべき、というような様々な適用関係その他の事 例についても忌憚ないご意見を賜ればと思っております。以上です。 ○江草座長  ありがとうございました。只今のお話のように、この検討会を設置した背景について は、僅か10年の歴史しかない介護福祉士養成でございますから、大きな問題を抱えてい ることは言うまでもないわけであります。先程の社会・援護局長のご挨拶にございまし たように、また、只今の室長のご説明にもありましたように、教員要件というものがあ る程度茫漠とした部分があることもありまして、個人差が非常に大きいということで す。この個人差を縮めるということは、どういう形で行うかということでありますが、 教員の要件を狭くするということもあるかもわかりません。しかしながら、既に教員に なっている人もいるわけですので、その人達をどうするかという問題と、新たに教員に なろうとする人をどうするかという問題と、2つあろうかと思います。当面、介護教員 になろうとする者に対しての問題を中心にご議論をいただければいいのではないか。し かも、今日ははじめてですので、自由闊達に皆さんのご意見をお出しいただきまして、 その中で次回以降の討議の内容を次第に集約していきたいと思っております。  したがいまして、今日はまだ時間は十分ございますので、どのようなことからでも結 構でございます、忌憚ないご意見をお出しいただけたら有難いと思います。  坪倉委員さん、看護教員の問題で、先ほどの室長のお話にちょっと出たんですが、私 は30年余り看護学校をやっておりまして、あるいは看護短大、最近は看護大学をやって おりまして、教員の確保と教員の資質のバランスということについてある程度悩みまし た。しかし、それに対して、最初は3ヵ月講習、そして6ヵ月講習、今では1年。そし て、内容も始めはとにかく手をとって教え方を教えるというやり方だったのが、最近は そうではなくて、より高いレベルの看護教育というものもあり、また独自的な看護教 育、従来はいろんな教育の一部として看護を捉えていましたが、そうではなくて、看護 教育ということで専門性を発揮するような1年間の研修に変わってきた、ということ を、研修を受けて帰ってきたうちの先生から聞くわけです。なるほどやっておられるな あと。同時に、介護の仕事をやっておりますと、いつになったら我々も追いつくのだろ うか。しかし、自分で慰めるのは、100年の看護の歴史と、10年の介護の歴史ですから、 90年の差は1年や2年では追いつかないだろう。しかし、90年の差がついたままで行っ たのでは、この国の21世紀の社会保障の質は必ずしもよくならない。ならば、どうやっ てこれを縮めるかということを私など現場におる者が考えていたわけであります。  それを今回こういう形で取りあげていただいているわけですから、大変いいんです が、坪倉委員さん、今のお話を聞いていただきながら、いろいろ思われるところがあっ たと思いますが。 ○坪倉委員  若干つけ加えさせていただきますが、養成している数ですが、私がいま所属していま すのは、国で実施しています厚生省看護研修研究センターというところでやっておりま す。教員は100名で、幹部が30名前後、幹部というのは、教務主任になる人です。運営管 理ということで、学校の中で指導、中核的な役割で教育をしていただく人の教育をして いるわけですが、その他に、各都道府県でもやっています。これは都道府県の力量によ って3年に1回、あるいは毎年やっているところがありますが、そういうものを含めま すと、教員の輩出は、600〜800人ぐらい養成しているのではないか、正確な数はつかん でおりませんが、そういう状況です。  その人達がだんだんたまっていきますが、臨床の現場に帰って現場で教育をする人 と、それから、学校で教えるという人ですが、この学校についても、ご存じのように、 看護婦は、准看学校があります。看護婦には、准看から看護婦になる2年課程というの がありますし、高校からすぐ行く3年課程というのがあり、それらを全部カバーしてお りますので、年間600とか800といっても、学校への歩留まりは十分ではありませんの で、毎年どんどん回転させなければいけないという状況であります。  それから、介護福祉士もそうだと思いますが、看護の方は教える者がかなり専門性を 持たなければいけないということで、各科目の柱ごとに、看護学では基礎看護学、成人 看護学、老人看護学というふうに7領域に分けていますが、そのそれぞれに、教員が専 門性を持って、私はこれが専門だ、と言えるものをやっていこうというふうに変わって きていますので、そういう人達をカバーするために、昨今は人数を増やして養成しなけ ればいけない状況があります。  昔から、看護教員の養成は、小学校、中学校の教育を少しまねていたきらいがありま す。ですから、学級担任とか、小学校の先生は、国語も算数も理科も社会もなさるんで すが、看護教員もどちらかというと、そういう傾向にありましたが、ほとんどが高校を 卒業していますので、看護学校が高等教育であるという自覚の元で教育をすることが重 要です。 そういう意味での専門性と教える技術の両方を追究しているところです。  併せて、特色としては、教育実習に力を入れております。この教育実習はとても効果 がありまして、センターでは開設当初から教育実習を取り入れていたんですが、各都道 府県で行う看護教員養成講習には実習は入っていなかったんですね。しかし、実習を機 に教員の自覚がうんと高まるということで、各都道府県でやるものについても、現在で は時間数を増やし、かつ教育実習を入れております。これが私の専門だという分野を確 保していくというふうに変化しました。これが過去の経緯と現状です。 ○江草座長  ありがとうございました。大変参考になるお話でしたが、いかがでしょう。 ○藤岡委員  私は専門外なのに看護教員養成ということで23年ぐらいになるんですが、岡部先生の 看護教育大学校が出発で、それから厚生省とか日赤とか各県とかの教員養成の仕事にい ろいろかかわってきましたが、その中で今伺いながら、確かに看護の方は専門性がある んですね。介護の場合は中が分かれるということはあるんでしょうか。 ○岡本委員  自由に、とおっしゃっていただいているので勝手なことを申し上げますが、私どもの ところで、いわゆる介護分野の教員は、大体看護婦としてのキャリア、総婦長とかそう いう経験を経て、そして看護学校で教えたというような方が多いので、教授法等につい ては、看護婦のための教育はほんとにしっかり持ってらっしゃるんですが、それを持っ ていれば持っているほど、慣れない福祉の分野に対して、自分にはちょっとわからない 分野ということで、そういうことが出てくると、福祉分野の先生にお願いします、とい うような感じになるので、もう少し、これからは社会福祉援助技術的なものとか、概論 の中でも特に社会資源に関する理解といったものは、できれば教員になられる前に教授 法も含めての研修を受けられると、安心して自分の分野に取り組める。後々は積み重ね になっていくと思うんですが、最初のその辺のところについて講習を受けられたらいい なと思っています。 ○江草座長  今のお話ですと、坪倉委員は小学校教員のように一人でいろんな分野を教えるという 形だったけれども、次第に高等教育ということで専門の分野を教える。したがって教員 も専門分化の方向に進みつつあるというお話でした。また、岡本委員のお話では、介護 の方では、専門性は当然あるはずだけれども、専門性の前にゼネラルな、介護に関する 認識なり、あるいは介護の持っている意義、役割といったものについての認識が全教員 に必要なのではないか。つまり、小中学校の教員の長所もあろうし、短所もあろう。高 等教育にも長所も短所もあろうけれども、介護の教育ではまだ鮮やかに分かれていな い、というようなことではないかと思います。 ○岡本委員  介護福祉士の福祉というところは自分のレパートリーの中になかったという不安が少 しあるような気がするんですね、私どもの先生を見ていても。 ○江草座長  とりあえず、別々のものであったのが融合して、やがてより新しいものが創造されて いくという、そのプロセスが100年と10年かなあというふうに思うんですが、藤岡先生、 そんなことのようですが。 ○藤岡委員  ありがとうございます。そういう区別のないところで、人間の理解とか、どういうふ うに教えるか、教え方とかの一般的な教育をまず底上げするということでよろしいでし ょうか。 ○岡本委員  それと同時に、社会資源に対する理解とか、社会福祉援助技術といわれているもの。 ケアマネジメントは多分看護の分野でもケアプランというようなことはしてらっしゃる と思うんですけど。社会福祉援助技術で非常に重要に考えているような分野をある程度 踏まえていただいてはいるとしても、何となく、自分は今のフィールドとはちょっと違 うところという、どうです、井原先生、そんな感じはありませんか。 ○井原委員  私は、医療、看護には禁忌事項というものがあると思うんですね。だけど、生活の介 護というのは、禁忌はその人個人の個別性というか、自由ですね。そういうことでちょ っと難しいところがあります。専門性の中にもちろん学識とかそういうものが必要なん ですけど、人間としてどう人間を捉えるかという、言葉では表せないような深いものが ほしいわけです。私は施設に長く、25年弱おりましたが、教育の場に入ったときに、本 当にとまどいました。自分が何をどう教えていくか苦労して、もう5年目に入ります が、関連法規や教科書を参考としつつ、今に至っているわけです。  教員というのは、教授法とか教育原論というようなものを最初に学ばせていただいた 方がいいのではないかと、私の経験からは思っております。自分が20年以上行ってきた ことの中からの知識で授業計画を作成し、自分なりにいつも自分に問いかけながら、学 生とぶつかってきたというようなところがありますので、段階的にそれをしていただけ たらいいんじゃないかと思っております。 ○江草座長  看護とか介護とかいう問題も去ることながら、いまは「教育」が議論の中心にならな いといけないと思うんですね。介護のための教育ということでありますから、教育者と いうものの基本的な資質といいましょうか、あるいは教育を進めるために必要なゼネラ ルな精神性とか、目標とかの議論は当然なければならない。ところが、介護のほうでい くと、そうしたことを個人の資質の中に持っていらっしゃる方と、比較的それがない人 との間にバラつきということが起きることもあるんじゃないか。大学院を出たから持っ ている、そうでないから持っていない、というんじゃないわけですね。そういう問題が あるだろうと思います。内向きの方と外向きの方があるとするならば、外向きも内向き もなければ困るんですね、と私は思っているわけです。  始まる前に室長ともお話ししたんですが、私の方で医科大学で教えている先生はたく さんいても、教育原理とか教育学とかを学んだのはひとりもいない。ひとりも、といっ たら言い過ぎですけど、理学部出身の基礎医学を教えている先生の中には高等学校の免 許状を持った人もいないではないんですけど、ほとんどいない。そのため、分からせよ うという熱意が工夫になっている。で、私なんかもそうなんですけど、学生の反応を見 ながら、毎年毎年修正して教え方を変えていく。それから、フォーマルな集まりではな いけれども、仲間内で教え方を研究、検討し、知恵を出し合っている。さらにそれだけ ではだめだというので、医学教育学会というのがつくられて、もう30年少々経ちます が、教え方、そして入学試験のやり方も検討しているとか、いろいろとやっています。  そういうことですので、後ほどこうした講習会は必要かどうかということになってく ると、必要でないという人はいないと思いますが、どういう中身であったらいいのかと いう議論には、先ほどのお話なんかは全部入ると思うんですが、岡部委員、どうでしょ う。 ○岡部委員  私の県では平成15年4月から県立保健医療福祉系の大学をつくるということで今やっ ているところですが、その中で大学に付置する卒後機関を持とうということで、現在、 県立の看護教育大学校で看護の卒後教育、継続教育をやっておりますものも取り込んで やるということで、今度は介護の方にも広げましょう。そしてコメディカルの人にも広 げましょうということで、その一環で、県内にあります8校の介護福祉士養成施設の38 人の教員にアンケートに協力していただきました。それによりますと、確かに、福祉系 の職から教員になった方と、看護系から教員になった人では、ちょっと看護系の方が多 いというような感じでした。特に介護福祉士の資格を持っている人は約13%にとどまっ ておりましたが、そういう方達が今もう現職にあるわけですが、もしどういう研修が開 かれたら受けたいか、という設問で、複数回答としたところ、上位10項目を見ますと、 多い順で、教育方法、実習方法、学生指導、高齢者福祉関係、人権、コミュニケーショ ン技術、相談援助技術、ケアマネジメント、介護福祉士養成施設の教育内容、介護過程 の展開方法、が上位10決です。教員としての特別な訓練を受けずに、福祉系の教育の 場で教えるというようなことから、今言ったようなことが自分に足りないなと思ってい るのではないかなというふうに感じたわけです。5年以上の現場経験を、ということが 教育の要件にあるようですが、今後ともずうっと看護職でも介護教員の経験として有効 なのかということも変わってくると思うんですね。ですから、看護職であっても、福祉 現場で働いていた人と、そうでない人では大違いだと思うんですね。教員の中にも、普 通の学校の先生の経験のある人とか、いろんな人がいるんだなというのはわかりました が、教員になるための基礎的な背景をどういうところに押さえるかによって、どういう 教育を授けたらいいかということが自ずと出てくるのかなと思いますが、今申し上げた のは、どういう人がどう答えたのかわかりませんが、そういう形です。ですから、今度 のカリキュラムの改定で介護過程の展開も入りましたし、居宅介護も入りましたので、 そういうあたりをも含めたカリキュラムにならないといけないのかなと思いました。 ○江草座長  大変参考になるお話を聞かせていただきました。上位10決、なんとなくそう思ってい たことが数字になって表れたというような感じがしますし、これを受けて、皆さんどう ぞご意見を。 ○坪倉委員  岡部先生の話と関連するかもしれませんが、看護婦の教育は、現在のところ2,895時間 なんですが、将来、時代が変わったり、また看護の対象の多様性に応えるために2,895時 間の基礎教育で十分かといったら、難しい部分があります。そのためには、看護婦の能 力として、基本的で基礎的なものというのは何かということを常につかんだ上で、将来 性を見込んだ上での教育が必要です。介護福祉士の場合も1,650時間で将来までをカバー することはたぶん難しいと思うんですね。  看護婦の場合は、かつてはとにかく今やっている仕事を丸ごとトレーニングするとい うような傾向があり、ただただ実習場に出て、仕事をまねてトレーニングするというよ うな時代もあったわけですが、これだけ時代が変わり、人々の考え方がさまざまである ことに対応できるためには、基本となるものは何なのか、そのための内容をどうする か。藤岡先生のご専門だと思いますが、どういう内容を選ぶか。そして、それを教える 場合、どういう素材を使ったらうまくそれが伝わるか、その方法はいかに。そして、対 象である学生をどう見るか、といったことを常に考えなければいけないということを教 員が学べば、将来性を踏まえた教育ができるということで、たとえ短くても広い視野で 物事を考えることができる学生を育てる、教育はただただトレーニングではないという 考え方に変わっていくんじゃないかと思います。 ○江草座長  よろしければ、課長さん、室長さん、専門官にも話の中に入っていただいたほうがい いのかもしれませんね、どうぞ。 ○森山課長  今の岡部先生のご指摘、まとめてペーパーでいただけませんか。 ○岡部委員  はい。 ○坂本室長  いただいていますので、よろしければ、次回資料として提出させていただきます。 ○森山課長  今の坪倉委員、岡部委員からのご提案ですが、看護の教育と介護の教育をパラレルに 考えまして、看護の10年遅れで介護が、という感じかと思っておりまして、なんとか追 いつけ追い越せということでやっているんですが、全くパラレルに考えていいところな のかどうか。坪倉委員がおっしゃったように、教える本質のところが、10年遅れでパラ レルなのかどうか、そこのところが見極めがつきませんので、いいサゼッションをいた だければ。 ○江草座長  私も思うんです。ちょっとした動向を申しますと、看護教育は2,895時間で、介護は 1,650時間に今度変えたわけです。ところが、実態としては1,800時間ぐらいやっている ところが多いんですね。やっている先生達、介養協の関係者から見ると、これは2年で なくて3年にして2,800時間ぐらいにもっていかないと学ぶことがあまりにも多すぎ る、という考え方がひとつあるわけです。その次に、じゃあ増やせばいいかというと、 必ずしもそうでもない。むしろ精選すべきだということはいま坪倉委員のお話にあっ た。それを、我々としては、2年間1,650時間を破ることは難しいですね。仮に、3年 といってみたところで、教室を増やさなきゃいけない、先生も増やさなきゃいけない。 適当な先生がいるかというと一度にはなかなかいかない。そうすると、1,650時間の中 身を見直さなきゃいけないというのが今回のカリキュラムの見直しということになって いると思います。ご趣旨は全くそのとおりだと思うんです。多ければいいというもので もない。しかしながら、ある一定の量がなければ、どうにもならないということもある わけです。  そこで、効率的な、というより、成果の上がるような教育を進めるためにはどうした らいいかという中で、採用される前に教員としてある程度の資質を持っていることと、 それから、現に教員をやっている中で、さらに深めるために勉強するというのと、2段 階ないと困るんじゃないか。施設人材課の方で原案として持ってらっしゃるのは、つま り、採用されて教育を始める前の教育も、両方がないといけないというお考えだと思う んですが、そのへんよろしかったら。 ○森山課長  実は、去年、江草座長の中央社会福祉審議会から介護福祉士の教育をもっと充実し ろ、というご意見をいただいて、1,500時間を1,650時間にして、カリキュラムの改正も 行いました。介護福祉士については2つの道がありまして、1つは養成校を卒業する道 と、国家試験をパスする道ですが、国家試験を受験する方は、どちらかといいますと、 いま働いている方を介護福祉士にするという、ある意味で暫定的なものなのかもしれま せん。養成校を卒業するのが本筋なのかなあと思っています。これはますます重要にな っていくであろうと思います。そのときに、介護福祉士の歴史はまだ13年ですので、養 成校の中にも介護福祉士として教員でおられる方もまだ少ないし、介護自体も学問とし て発展途上にあると思っています。そういった中で、介護福祉士の養成校における教員 の方の資質、はっきり言いますと、歴史も浅く、看護は900時間やっているところ、介 護福祉士は最大でも22時間ですから、そこのところをなんとか埋めたいと思っていると ころですので、とりあえず、新設校からは手厚くやっていく。しかし、一方で既設校の 教員をやっている方についても手厚くやるということで、新設校のための検討会と、も う一つ、既設校の検討会の2つを動かそうということです。そういった一連の流れの中 で位置づけられている。  介護の学問自体のレベルアップについては、介養協とか、介護福祉士会とかに長寿社 会福祉基金をどんどん投入することによって、第一線の教育現場で活躍しておられる方 のいろんなノウハウを汲み上げて、それを学問レベルに高めて第一線の教育にのせると いう形でグルグルさせるというシステムを作ろう。そうすることによって介護の学問レ ベルの底上げをするということをやっていく。そういった大きな流れの中の一つとして の検討会という位置付けでございます。  看護が介護の先を行っておられますし、パラレルに考えていく意味もあると思います し、また、そうではなくて、介護独自のものもあるだろう。その2つを睨みながらやっ ているというところでございます。 ○岡本委員  今度から介護福祉士が教員の中に少しずつ増えていくと思うんですが、それは介護福 祉という一つの新しい分野が育っていくべきという見解で介護福祉士を入れるというこ とが出てきているのでしょうか。まだ歴史が浅いということもありますが、いま介護福 祉士は、果たして教員として教授ができるかどうかというと、資格をとってから7、8 年の人たちにはちょっと無理な気がするんですね。方向としては、看護だけでない、介 護福祉という分野がこれから育っていくべきだと思いますが、介護福祉士に教員として の道が徐々に開かれていくなら、教員になる前の講習をかなりしないと、どういうふう に教えていいのかという点が、自分が実際に介護することはできても、それを人に伝え ていく、学生にわかるように教えるというのはなかなか難しいなと思うんですね。  ですから、今回、こういう講習会が計画されているということは、どうしても必要な ことだと思います。 ○江草座長  ありがとうございました。次回以降の話を進めていくために、今後の検討課題、資料 8をご覧いただきまして、それによってお話を進めたいと思います。  これを見ますと、背景の3つ目の○で、平成11年11月から「介護福祉士資格を有する 教員の確保を義務づけている」となっていますが、その量的確保はなかなか容易ではな い。この容易ではないというのは、上の2つの○に当たる人が少ないということもある のだろうと思いますが、同時におのれをよく知っている人は、それだけに教えるという ことができるのだろうかという不安をもっている人が相当いるのではないかと思うんで す。あるいはまた、それほど思わないまでも、実際、教室に行って学生さんに会ってみ て初めて事の重大さを感じて精神的に参ってしまうという人もの中にはいると聞いてい ます。そういうことをできるだけ避けるためには、一定期間勉強することがあったなら ばいいのではないか。自己研鑽といいましても、自己研鑽の進め方を勉強していないと 効率的でないと私は思うんです。そういう意味で、介護教員になろうとする者に対する 事前の講習会の必要性、在り方等について検討する必要がある、ということに、今岡本 委員のお話でもなると思うんですが、この点については、皆さんよろしゅうございます でしょうか。 ○岡部委員  是非必要だと思います。 ○江草座長  そうですか、ありがとうございます。そうしますと、今後の検討課題の、講習会の必 要性というところはご賛成いただいたと。それから、講習会の受講対象者以下について は、只今までのお話の中に散見するわけですが、まとまったご意見はこの次以降という ことにさせていただくとしまして、特に私は講習内容と時間数、これは豊かであって長 いほうがいいというのは決まっているわけですが、なかなかそうもいかないだろうと思 うんですね。で、効率的な講習内容にしたらいいかというご意見はまた改めていただ く。私は先程来のお話にありまして、看護教育の流れは大変学ぶべきことではないだろ うか。そうしたものを参考にしつつ、今まで13年間の介護教育の流れを顧みながら、明 日の介護教育を考えるというふうに進める。そんな時間も初心者を迎えたときに必要な のではないか。あなた方は、新しい介護教育、新しい社会保障の宣教師である。あなた 方の後に続く人がいることをよく考えてくれ、というような心構えを持ってもらいたい と思っております。  それから、講習会の形態、実施主体などに行くわけですが、特に、最後の適用その他 のところで、これだけではないぞ、こんなことを話題にすべきだということがありまし たら、おっしゃっていただきたい。もちろん、今までの時間、講習会の形態、実施主体 も含めて結構でございます。何なりとおっしゃっていただくと有難い。次の柱立てをし ていただくために有効ではないかと思います。 ○岡部委員  現在、看護教員の場合は8か月以上となっていますが、ほとんど1年間ということに なり、1年間職場を離れて、継続してこの講習を受けることは、本人にとっても、それ から出す側にとっても大変な負担になっていくということは現実にあるわけですが、で も、看護の場合は歴史があるので、お互いに行ってらっしゃい、という感じでやってい る場合もあるわけです。ですけど、介護の場合の今までいろんな研修を見ますと、2日 間とか4日間とか、県社協なんかでやっている研修は短時間なんですね。ここで初めて 長期の研修が入ってくるのかなというふうに思うので、実際には出ていただかないと困 るわけでしょうから、出やすいような形態を是非考えていただきたいと思うんですね。 これは、看護の実習指導者講習会というのがあるんですが、これも240時間で、4ブロッ クまで分けていいといわれています。でも、4ブロックまで分けていいということは、 1年間の中で修めるようにという意味合いなのか、2年、3年にわたってもいいのかと いうところは自由に読み取れる向きもあるんですが、私としては、働きながら学ぶため には、効果を上げるのにある程度ブロックで学んだほうがいいものもありますので、2 年ぐらいにわたっても徐々に積み重ねて学ぶということができたらいいなと、看護のほ うも思っているんですね。ですので、こちらもそういうような形態をとっていく。た だ、あまり期間が開くと教育効果も上がりませんから、どれとどれは組み合わせて一気 いやるというような感じで、そういう形態に是非していただきたいと思っております。 ○江草座長  講習会の形態、やり方ですよね。ほかにどうでしょうか。 ○藤岡委員  坪倉委員がおられるような、中央研修センターのような頭になるものができるとずい ぶん進むんじゃないかと思いますが、なかなか難しいんだと思いますけど、そこである 程度モデルとか、カリキュラム案とかができて、それが地方でもできるようになればと てもいいなと思うんですが。 ○江草座長  そのとおりですね。私はちょうど11年前に介養協ができた頃に、その当時の課長さ ん、室長さんにその話をしたんですよ。だけど、当時もそうでしたし、いまもそうです けども、夢のような話だと言われたんですが、いや、夢でもやらないかんと。ところ が、政府の懐ろ具合がだんだん悪くなって、一層困難になってきたんですね。じゃあ、 建物はなくてもいいから、考え方だけでもそれに近づけようじゃないか、というような ことを私自身は思っておりまして、しぶとい人間ですから、少々のことではさがらない んですが、先生がおっしゃるとおりで、いずれ、そんな国になってもらわないと、建物 を作って人が配置されたらそれで済むというようなものではない。中身で勝負なんだと いうことですから、先生おっしゃるとおりだと思います。それをどこかで議論の中に入 れて、我々は意見を述べるわけですから、まとめて提出することにしたいと思います。  坪倉委員 内容に関してですが、看護の場合は、大学卒であるというような方も、な んとか教員になってほしいということで道を開いています。他の大学で、原理と方法と 学生の理解等の教育に関する系統的な学習をしている人については、教員になれるとい うふうにしています。今は学ぶ機会がたくさんあります。生涯教育の流れの中に放送大 学もあると思いますし、他の大学での履修もあると思いますので、そういう大きな流れ の中に位置付けることが大事ではないかと思います。それから、教育って褒めることが 良いそうだとか、何々をすることが良いそうだと、断片的に聞いたのでは、教育の実践 活動も断片的であります。じゃあ、褒めるということは、教育にとって科学的に根拠の あることなのか、誰でも褒めればいいのかという見極めができないと思いますので、あ る種、学生の理解と教育方法、褒めることも評価と連動しているんだとか、大きなカリ キュラムの中で褒めるということはどういう位置付けになるかといって、教育という系 統性の中に位置付けていくことが大事ではないかと思います。 ○岡部委員  国のナショナルセンターという形でできることも素晴らしいことだと思っております が、現実的に各県の中で、福祉現場で働いている人達でその1ヵ所のところに行けるの はほんのひと握りだけということになってしまうのかなと思います。中央にあることは それはそれで意義深いと思いますが、地方の各県においても、そういう教育機関をもっ ていたら、そういうところに委託をするという形とか、それから、今私どもの、先ほど お話しました卒後教育機関のところで、福祉分野の教員の資質の向上のために、という ことを副知事から言われておりまして、いろいろ考えていた矢先、こういう機運がこち らに起こったということで、とてもタイミングがいいと思ったのですが、そのとき考え ましたことは、福祉で働いていらっしゃる方は大勢いるんですが、現場でこの忙しいさ なか、何人来てくれるだろう、というのが不安材料だったんです。ですので、先程言い ましたような、教育に関する専門的なものについては、ある程度看護教員養成のところ と一緒に学んでいいんじゃないかなと思ったんですね。あるところから福祉の専門、介 護の専門に入っていけば、可能かなということを思ったことと、また、一気に1年とい うのは長いんじゃないかと思って、それを縮めて、3分の1か、そのぐらいの時間から スタートしたらいいのかなと思ったりもしたところです。  その辺も幸いこういう検討会ができて構築されていきましたら、是非是非それを15 年4月以降に神奈川県としては取り入れていきたいと思っていますが、来てくださる方 がどれくらいいるかが問題なんですね。 ○井原委員  私は逆に、介護福祉士が学校を卒業して現場に入ります。現場の事情というのがなか なか厳しいものがございますので、年数を長くしても、教員を目指す者に対して、各都 道府県に教員養成研修所というようなものを設置していただいて、そこに週1回行くと か、そういうことで考えていただけたらと思うんですね。教員になるために休んで半年 間ずうっと勉強するということは、雇用側にとっても難しい面がございますので、働き ながら現場も学びながら、教員になるために学ぶことができる教育機関にしていただけ たらいいんじゃないかなと思います。 ○江草座長  それはこれからの、講習内容、講習会の形態と関係が深いだろうと思います。病院と 福祉施設の違い、教員になろうとした人が福祉施設にいたとした場合ですが、病院と違 って規模が小さいですし。 ○井原委員  施設もそうですけど、訪問介護とか、そういうところもあります。 ○江草座長  もちろん。規模が小さいですからなかなか難しいと思います。私のところも福祉施設 ですが、福祉施設であると同時に社会福祉法人ですけど、病院も持っております。した がって、どうしても病院的発想になるんですね。例えば、100人の職員がいるとします と、仮に欠勤率を数字で出すとすれば1%ぐらいです。これは一般企業はものすごく敏 感なんですね、欠勤率を下げるということに。だから、健康になるというのは、本人の 幸せということもあるけれども、欠勤者が増えると生産性が下がるということで、欠勤 をできるだけ出さないようにする、というようなことを言うんです。そういうことを念 頭において、私が職員に言うのは、欠勤率は下がりますね。それは困るでしょう。しか し、風邪ひきが流行ったというときには、下げようも上げようもないんですよ。100人 職員がいれば2人や3人はインフルエンザで休んだりする。だから、今回、1年間看護 婦さんを講習に出す場合にも1人が長いこと風邪をひいたと思えばいいじゃないの、と 言うと、そうですね、と言って誰も反対しないんです。行った人は大変生き生きとして 帰ってくる。視野を広くして帰ってきた、いいな、と言うんですね。  私はついついそういう視点から考えると、一定の期間やった方がいいんじゃないかと 思うんですね。しかし、井原委員がおっしゃるように、訪問介護をやっている人は1年 もやったら、訪問介護ステーション、あるいは、ホームヘルパー達は仕事を辞めなきゃ いけなくなる。こんなことはできない。ということは、結局、形はあっても憧れて遠く から見ているだけということになりはしないか。だから、できる方法を考えろ、という ことだと思うんですね。  さまざまな条件がある中で講習会の形態を考えるということにいたしましょう。 ○岡本委員  どういう研修をしたらいいかということが決まってからの方がいいかもしれないんで すが、私どもの経験で、もう6年、研究コースというのを夜にしているんですね。これ は介護福祉士の資格を持っている人のためですけど。人数にしたらせいぜい20人ぐらい なんですけど、かなり遠いところからもきっちり勉強に来るんですね。ですから、こう いうふうな内容のものであれば、週に2回ぐらい夜に受ける。実習とか居宅介護である とか昼間でないと難しいものは昼間入れるとか、ちょっとフレキシブルな形にして、例 えばナショナルレベルの研修センターがあってもいいでしょうし、どんな形が可能なの か、きっとトライ&エラーでしょうね。 ○金子専門官  講習の内容とか時間数は現実的なものでなければいけないということで、先程課長か らも説明がありましたが、これが採用前の教員の質的向上という位置付けで、今、介養 協等で主体的におやりいただいている採用後の段階別の研修のための検討会は別途やっ ていただいていますので、そちらとの整合性ということもありますので、今調査項目を 検討中で、10月には調査を終了できるんじゃないかと思います。岡部先生のところでも 既に調査をおやりになっているんですが、全国レベルで見た場合にサンプル数を増やし て、上位10項目は何か、あるいは受講しやすいと思われる形態はどうか、夜間はどう か、週に2回とか、あるいはブロック単位で科目によっては長期にわたってやっていく とか、場合によっては実習を取り入れたり、スクーリングの形で集合学習をする、とい ったように様々な形態が調査によって出るかと思いますので、その辺も踏まえて今後具 体的な検討に入っていければ、と思っております。 ○江草座長  わかりました。こういうふうにとりまとめさせていただきましょう。  介護福祉士の教育についてさまざまなご意見を賜りました。最初に申し上げましたよ うに、あまり範囲を狭めないで、比較的その周辺も含めて闊達なご意見をとお願いした わけですが、まさしく闊達にご意見を頂戴しました。そして、同時に私は、その中で介 護教員になろうとする者、まだ介護教員になっていない者が、教員になる前に最低限勉 強しておきたいなあと思うことがあれば、それは何だろうかということを、あるいはま た逆に、どうしても介護教員になる前に求めたいものは何か、ということをこの際はっ きりして、それを有効に、理想的であるということにはならないかもしれないけれど も、現段階では誠に理想的だと思われる状況を探し出して、計画しようではないか、こ ういうことだと思うんですね。  そのためには、ナショナルセンターという形でやる、つまり、これは講習会の形態、 やり方ということになるわけですが、全国1ヵ所でやるのか、何ヵ所かに分かれるの か。それとも将来のことですが、岡部委員のところで平成15年にできるものにどうぞ神 奈川県だけでなく、近くの人は参加して結構ですよ、というようなことになるのか。 ○岡部委員  それはもうオープンです。 ○江草座長  また、既にやってらっしゃる岡本委員のところでお願いしていることを、委託という ことでいいのか。あるいは委託とかではなくて、読み替えというのがありますね。これ だけのことをやらなければいけない。この部分はこの町で受けました。この部分は岡部 先生のところで勉強しました、ということでもいいのか。というようなことはこれから の話ということで、とにかく介護教員になろうとする者についての事前の勉強会をどう するかということについて、絶対やるべきだというお考えはまとまったと。あと、これ から後は、どんな人を対象にするのか、どういう内容にするのか、どういう形でやるの か、誰がやるのか、というようなことなどを含めて、次の会からのお話にさせていただ きたいと思います。  そろそろ時間が参りましたので、今日のご議論はこの程度にいたしまして、次回の日 程について事務局からご連絡を頂戴したいと思います。 ○坂本室長  次回の日程につきましては、お手元の資料の中に日程調整表を配布させていただいて おります。そのご都合を調整させていただいた上で決定しまして、なるべく早めにご連 絡申し上げたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 ○江草座長  それではよろしいでしょうか。それでは日程調整をよろしくお願いいたします。で は、時間も参りましたので、今日はこれで終わりたいと思います。お忙しいところ大変 ありがとうございました。 ○森山課長  ありがとうございました。                                     (了) 連絡先 社会・援護局福祉基盤課 中村(内線2848)