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平成12年9月12日(火)
14:00〜16:00
厚生省別館特別第1会議室
(議事概要)
○ 事務局より本日配布の資料の確認、第2回の議事概要の取扱いについて説明。その後、委員報告として光田委員(代理:全国民生委員児童委員連合会事務局)に「民生委員・児童委員活動について」、山本委員に「済生会活動について」というテーマでご報告いただき、自由討議に移った。
(全民児連事務局の報告)
○ 民生委員・児童委員の男女比構成(平成11年3月末現在)は、男性47.0%、女性53.0%だが、女性の比率が年々上がっている。
○ 民生委員・児童委員の相談・指導件数について、問題別に見ると「地域福祉・在宅福祉」が最も多い。関係制度別に見ると「老人福祉」が最も多く、「生活保護」は年々減っている。
○ その他の活動件数を見ると、「友愛訪問・安否確認のための訪問」が最も多い。これは、民生委員・児童委員が住民との関わりの観点から活動を行っていることを示している。ここ数年は、具体的な活動も増えてきている。
○ 都市部では周囲の人々と関わりたくないといった関わりの希薄化や、民生委員がマンションに入れない、そもそもマンション自体が自治会に入っていないという事例が増えてきている。加えて行政も個人情報を教えてくれないため、住民と関わり合いながら問題を発見していくという、民生委員の活動が困難になってきている。
○ 福祉サービスを必要としている人に情報が届かない、また民生委員が届けられないということがある。地域において住民が孤立しないようにすることが一番の課題である。そのためにも、民生委員のPR活動を積極的に展開している。
○ 福祉サービスを拒否している人へのサービスの提供を、いかに進めていくかということも課題である。それに対しては、民生委員だけでなく、周辺に住む住民の協力を得ながら、「見守り」活動を展開するなどして、理解を得るようにしている。
○ サービスの利用申請をしても利用に結び付かない、すなわち制度からの漏れというケースもある。それに対応するためには、インフォーマルな組織を作って支援を行うとともに、フォーマルな組織との結びつきを強化することが大切。
○ 民生委員活動における問題点としては、担当する世帯が多いこと、地域が広いこと、日々の業務がますます拡大し大変になっている、等がある。その解決のためにも、これからは行政や関係団体との新しい関係作りが必要である。
○ 民生委員のなり手としては、無職の人が70%と高く、会社員は5.7%。男性は退職者、女性は主婦といったパターンになっており、有職者のなり手が少ない。多様な立場の人に活躍してもらえる仕組みが必要。一部には有職者の職場に、活動に関する協力依頼文を出して要請しているところもある。
○ 民生委員は専門教育を受けていないので、専門的アドバイスが必要。民生委員を支えるシステム作りが必要と考えている。
○ これからの民生委員像は、(1)住民の孤立化を防ぐ(2)制度の隙間を埋める(3)支援を必要としている人を最後まで地域で支える、等「福祉文化の土壌をつくるために地域を耕す」社会連帯を進める役割が期待されている。
(山本委員の報告)
○ 済生会は総合的に医療と福祉をドッキングして活動し、それを全国展開しているという特徴がある。医療については、県立病院的な役割を果たしている。
○ 薬物依存、摂食障害、いじめ、引きこもり、外傷性ストレス等の心理・情緒問題への対応として、カウンセリング・メンタルケア等を行っている。しかし、その専門家が少ないので、これからはそうした人材の育成やシステム作りが重要である。
○ 外国人診療については、
○ ホームレス問題については、(1)スペース的に特別な対応は困難(2)退院後の社会復帰が困難、等の問題点がある。
○ 孤立化した世帯等への対応としては、
○ 済生会は平成13年5月に創立90周年を迎えることもあり、現在、
(自由討議)
○ 民生・児童委員の方々はどういう意識で仕事をしているのか。岩手県での調査を見ると65歳以上の人が非常に多く、70%以上が無職。この方々の意識のいい面は、特別公務員というプライドを持って活動を行っているということである。しかし、民生・児童委員は町内会長などの活動を長期間した人などが多く、先日も35年、40年表彰というものがあったが、活動期間としては長すぎると思う。
○ 民生・児童委員の人数が少ないという現実があるが、もう少しボランティア意識というものを国民的な立場から盛り上げていかなければ、これからも増えないであろうと思う。
○ 高齢者が変わりゆく町の形に対応できていないのに、それに対するコンサルティングが十分機能しておらず、その受け皿になるところがない。
○ 外国人が病気になった場合、彼らは病気の相談だけではなく、病気になった理由や背景について相談したいと思っている。こうした事を医師や看護婦が受け止められるかということが大きな問題となっている。
○ 神戸の震災の例を見ても、コンサルティングに関してはすぐに心理学者や精神科医が登場する。彼らは一時的に起こった事象には対処できるが、起こる前にどうすればいいのか、起こった後にそこから立ち直るためにはどうしたらいいのかという問題には、必ずしも適していないと思う。
○ 民生・児童委員の集め方が下手だと思う。例えば、三井グループの定年退職者が東京都下には5、6万人おり、このうち60%にあたる人々がボランティアをしたいと思っているが、こうした人が民生・児童委員に入っていけない。民生・児童委員を集める責任部門は、こういう人々が需要としてあるということを、マーケティングを通じて認識する必要があるのではないか。
○ 済生会の90周年の中に、「メディカルボランティア」という、相談事業や患者へのアプローチといった取り組みを取り入れていきたい。
○ 病院において通訳をボランティアに頼るうえで、有償と無償の問題が出てくる。ボランティア論の中でも、有償か無償かというのは非常に大きな議論があるが、結論的には今は有償でもいいとなっている。ボランティアとしては、いわゆる実費の有償については、世界的な流れとして最近はいいということになっている。
○ 都会の中の孤立という問題に対しては、東京ガス、東京電力、水道、あるいは大家さんという関係の人に、大きな役割を担ってもらってもいいのではないか。こうした経済的な関係を利用すれば、利用料金を徴収する立場から、それとなく利用者の生活状況の把握ができるのではないかと思う。
○ あまり住民の生活の日常監視型になってはいけないという考え方がある一方、病気の背景であるとか、何かがある前の実態の把握、ニーズの把握を前広にすべきだという意見もある。その辺りの調整をどう考えるべきか。
○ シニア層でボランティアをしたいという人がいる一方で、民生委員のなり手が少ないという事実がある。その間のコーディネートはどうやっていけばよいのだろうか。例えば、今の民生委員はどういう風に選ばれているのだろうか。
○ 民生委員の場合は、市町村の議会の議員や民生委員、社会福祉事業の関係者、社会福祉関係団体の代表者、教育に関する者、行政機関職員など様々な人からなる「民生委員推薦会」が各市町村にあり、そこから都道府県知事に推薦され、厚生大臣から委嘱をされる。
○ 一般の人からすると、自分たちで民生委員を選んだという意識が薄く、今後一般の住民の意見をどう汲み取っていくかが大きな課題である。住民から選ばれたという関係を持つための工夫が必要である。
○ 民生委員と連携するインフォーマルな組織がこれから出来てくるので、そのメンバーの中から民生委員になってもらうとか、インフォーマルな組織をもっと厚く作っていくといったことも必要である。
○ 民生委員の選ばれ方はここ10年でかなり変わってきている。かつての地域型の村の長(おさ)のような選ばれ方はあまり出来なくなってきている。そのため、もう1つの選ばれ方として、先ほどの三井のボランティアの例のような、職域型の選ばれ方をどのように取り込んでいくのかということが切実な課題となっている。
○ 昔の民生委員の集まりと言えば平日の昼間だったが、今は都市部を中心に土曜日・日曜日が多くなっている。全国どこでも都市型の民生委員像に近づいてきているという中で、どういう風にして民生委員の数を確保していけばいいのか。
○ 現在「個人情報保護法」策定のための作業が政府部内で進められているが、福祉関係者の最大の悩みは、情報公開と個人情報保護を一緒にやれと言われても、具体的な場面ではほとんどがバッティングするということである。抽象論だけで議論され、明確なルールを作らなければ、福祉事業はほとんど出来なくなってしまうのではないかと思う。
○ 済生会の話を聞いて、病院というのは色々な問題をキャッチする場だと改めて感じた。
医師や看護婦が診療の途中で気付く患者の様々な問題については、守秘義務もあると思うが、それをMSWに伝えるための体制はどういう風になっているのか。
○ 以前は患者が直接MSWに相談に来るケースが多かったが、最近は患者の問題を受け止めた医師や看護婦が、具体的な内容を把握したうえでMSWに紹介して相談するというケースが増えており、平成11年のケースでは50%を超えている。
○ アメリカの陪審員制度などのケースでは、突然裁判所から選出の指示がくると、ほとんどノーと言えない状態で、断ることができない。しかし、全体の雰囲気として、みんなでこの町を守っていこう、陪審員に選ばれることは誇りだといった意識が強い。
これは非常に暴論ではあるが、ある程度国民に義務づける形で、企業に働く人間も含めてそういう制度を全国的に展開し、有無を言わせず参加させる。参加する人は誇りを持って、また会社も誇りを持って送り出すような意識作り、ムード作りによって広範囲に有能な人が出てくるのではないだろうか。
○ これまでそういう議論はしたことがないと思う。今回の民生委員法の改正で「名誉職」という言葉を「無給」に直したが、これまで「名誉職」というのは、給料を払わない無給だという要素と、社会的に光栄な仕事としてお願いするという2つの要素が含まれていたと思う。「名誉職」の言葉の意味として本人の名誉かどうかといった議論はせずに、むしろ「無給」ということに置き換えてきたのではないか。
○ 強制的にそういう制度を国あるいは市町村、自治体から選んでいく。あるいは、自治体ではなく、そういうNPOを作ってそこから町が選んでいくというシステムについては考えたことはあるのか。
○ 民生委員の選考会があると、当然のごとくその選考会に人が推薦されてくるというところから全部始まっているため、公募の仕方などについてはあまり考えたことがなかった。
○ 大正6年に岡山でできた済生顧問制度の時は、名誉職という位置づけが明確化されていて、そうそうたるメンバーが推薦により委員として地域で活動していたという経緯があるので、現在も推薦会という形で地域から選ばれるという方法が継承しているという話もある。
○ かつての方面委員制度ということであれば、その地域の強い代表者意識の中で、町での見識もあり、かつ使命感、ボランタリー精神に富んだ人が発掘されるという要素があった。
しかし、一方ではそれが地域の保守的な性格を助長し、それが足を引っ張るという要素も少なからずあったと考えられる。
○ 今日的な意味でのボランタリー精神に富んだ民生委員をどう発掘していくかという際には、地域における福祉文化の土壌作りという問題にも関連してくるのではないか。ただ、そういう人材をどれだけ地域の中でどう発掘し、育てているのか。そういう手法が必ずしもシステムとして出来ていないという印象を受けている。
○ 民生委員と、福祉や保健に携わる人との連合的な組織体があると思うが、そういうものが地域文化という観点からどこまで議論をし、どこまで地域の活性化に貢献しているのか。
○ 民生委員の選出される前の、経歴としてボランティア活動等の経験があるかどうか等の調査をしたことはあるのか。
○ 民生委員の職業構成については平成7年に調査を行ったが、経歴そのものについて調べたものはない。しかし、子育てに関わる活動やボランティア活動をしている人は民生委員になる機会が多く、民生委員をやりながら地域のボランティア活動をしているというケースもある。
○ 済生会というのは、日本で最大の社会福祉の民間団体だと思うし、MSWの活動についても日本で最高の人数を抱えている団体だと思う。これからの済生会はそういう原点にかえって、専門的な技能である医療というものを使いながら、現在ある様々な社会問題、分かりやすく言えば覚せい剤、ドメスティック・バイオレンス、児童虐待、閉じこもり、精神障害など、医療面に密接に関連するような社会問題についてより積極的に取り組むことが、済生会に課せられた使命ではないか。
○ 済生会は医療をベースにしているので、基本的には地域で事業が完結していくというなかで、独立採算性という経営の形をとってきた。そのため、全国的な組織の建前を持っていながら、現実は各病院長がオーナー的な意識を持っており、全体としての動きが弱かった。そうした中、ここ最近ようやく、我々は済生会というのれんを借りて活動しているという意識が広がってきた。90周年を迎える今日、そうした活動をどのように本部組織としての事業に乗せていこうかということが検討されている。
○ 民生委員の心配事相談の処理状況を見ると、すべての問題を一応きれいに解決しているように見える。しかし、個別的にはほとんどの問題は解決困難な事例で、そういう事例にどう対応しているのかが重要だと思う。こういうものについてはどういう取り組みを行っているのか。
○ 解決の中身については、非常に多岐に渡っている。決してすべての大きな課題を解決しているという事ではなく、相談したことによって安心を得、ある程度受け止めたうえで帰られるという意味での解決が多く、また、情報提供するなどよろず相談的なものが地域における民生委員の相談活動のベースになっている。
○ 制度に乗らないといった問題に対しては、民生委員協議会の任務の中に意見具申というものがあるので、地域の様々な課題について行政に意見を具申することによって、制度として持っていくということにも取り組んでいる。
○ 民生委員はずいぶん変わってきた。第1に以前はほとんどが男性で、地域の地主、家主といった人たちだったのが、今は大衆化・庶民化し、女性が非常に増えた。第2に以前の民生委員というのは行政の立場に立つというのが主だったが、今は住民の立場に立っている。第3は民生委員の数が戦後倍加しているということである。
中でも重要なのが、全国の市町村3,300に対して民生委員の協議会は1万あるということ、すなわち、地域福祉を進めるうえで最小の単位であるということであって、これを今後の地域福祉の推進には是非活用しなければならないと思う。
○ 民生委員にどういう人が選ばれるかというと、(1)地域を良く知っている人(2)地域で良く知られている人(3)時間のある人、等である。こういう条件の中から、企業OBボランティアは外れ、前回の話で在日外国人が入れない。さらに全日制の市民が主になり、定時制のパート市民(サラリーマン等)は民生委員活動が大変難しいといった課題がある。
○ かつてはボランティアといえば無償が主体だったが、それが段々と有償ボランティアという新しい言葉が出てきて、ボランティアの幅が非常に広がった。ボランティアの数も非常に増えており、社会福祉協議会が把握しているだけで全国に約700万人のボランティアがいる。
○ ボランティアをしている人は、これは自己満足ではないか、果たして社会の役に立っているのかという悩みを持っている。その理由としては、日本人は非常に定義が好きなので、ボランティアを概念規定しようとするが、今は非常にボランティアの範囲が流動的で、多様化しているということがある。そういう意味で今はボランティアの過渡期だと思うので、その活動を温かい長い目で見守り育てていかなければならないのではないか。
○ 済生会にしても、救世軍にしても、これまでは民間が大きな役割を果たしてきたと思う。
しかし、今一度考えないといけないのは、民間には民間の独自性があり、公には公の責任があるということで、それぞれの個性を十分にお互いに認め、尊重したうえでの協力というものが必要ではないか。今、NPOというものが非常に台頭し、それに対する社会支援策を充実させよとの運動がいささか先行しているという印象がある。やはり民間は民間としての主体性、哲学を持って活動していくということが求められているのではないか。
(照会先) 厚生省社会・援護局企画課 堀 03(3595)2612(直通)
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