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平成12年8月31日(木) 15:30〜17:30 厚生省共用第9会議室 |
(議事概要)
○ 事務局より本日配布の資料の確認、第1回の議事要旨の取扱いについて説明。その後、横浜市、大阪市の担当者に発表していただいた後、自由討議に移った。
(横浜市の発表)
○ 被保護世帯数では、寿地区の数が目立っている。被保護人員に関しては、単身高齢者が年々増えている。
○ 日雇いの仕事が激減している。その理由としては、(1)景気低迷のほか、(2)仕事の機械化(3)日雇い労働者の高齢化、等構造的な理由が考えられるので深刻である。
○ ホームレスに関しては、8割が移動型で、夕方になると市庁舎周辺で段ボールで寝ている。横浜市においては、公園での青テントが少ない。
○ ホームレス問題については、都道府県の方で財政負担を増やすとか、雇用促進施策を充実させるなど、都道府県がもっと役割を担うべき。
○ 横浜市は、人口規模で比べるとホームレスが少ない方である。その理由としては、(1) 生活保護制度の活用(2)相談事業の充実(3)夜間相談事業の展開(4)法外援護の実施、等が考えられる。
○ 今年のホームレスの状況は現在取りまとめ中であるが、昨年の794人から約600人へと減っている。理由としては、(1)仕事に就き始めている(2)一時宿泊所の収容力が100名ほど増えた(3)民間シェルターも出来てきている、等が挙げられる。
○ 横浜市では、隔週に1回夜間街頭相談を実施しており、"outreach"は重要と考えている。
○ 社会から孤立している人々の問題について、福祉事務所に生活保護制度の周知、要保護者の把握の徹底を要請している。また、水道局、東電、区役所の窓口連携を進めており、困った時の福祉事務所への相談を呼びかけるビラを置いてもらっている。
○ 平成8年には総務庁が生活保護に関する行政監察結果(勧告)を出しているが、これをきちんと実践すべき。また、ソーシャルワーカーの人材育成も大切。
○ 中高年失業の問題に関しては、今年度より、生活保護者の就労支援を開始。今後、職業安定所の活用を進めるなど、組織的に取り組むべき重要なテーマだと認識している。
○ 生活保護費の支払方法として郵便局を活用することはできないか。
○ 寿地区の簡易宿泊所密集地区は、昭和32年に職安が桜木町から移転してきた後に出来てきたもので、大阪のあいりん地域、東京の山谷地区と比べると歴史は浅い。
(大阪市の発表)
○ 保護率については昭和55年より上昇、昭和58年にピークを迎え、その後平成4年に底打ち、以後再び上昇に転じている。原因としては(1)バブル崩壊後の景気低迷(2)あいりん地域の高齢化、等が挙げられる。
○ 大阪市のホームレスは、主要駅と大きな公園の周辺に拡がっている。
○ あいりん地域の状況に関しては、日雇就労人員(1日単位で現金払いで雇われる人)でみて平成10年に最悪期を迎えるが、平成11年7月からは前年同月比プラスの状況となっている。民間マンション建設の促進、公共事業の展開が効いてきているものと期待している。平成11年9月には、あいりん地域の人々への援助を行うNPOが設立され、平成12年に600人規模の臨時宿泊所を設置し、NPOに運営委託している。
(自由討議)
○ 住居のない方の対策は、昔はあいりん地域に相談窓口を設けて集中的に対応してきたため、このような方の9割以上があいりん地域の中におられた。しかし、ここ数年でこのような方が急増し、公園や河川敷に青テントが急増している。
大阪のホームレスの人に、なぜ公園や河川敷にテントを張るのか理由を聞くと、「誰からも追い立てられないから」とのことであった。公共施設の管理の問題もあるが、これからはこうした事実上の対応だけでなく、それに対応するシステム作りも必要だと思う。
○ ホームレスについては、日常的な実態調査の結果、実状を正確に把握することが大切で、その上で初めて対策が立ってくるのではないか。問題が大きくなったので対応するという、対症療法の考え方ではだめだと思う。
○ ホームレスは分散化が進んでいるので、特定の地域の集中パトロールでの対応は無理。分散して対応していくことが必要。
○ 横須賀基督教社会館などが果たしてきた役割として、地域の中での様々な問題を受け止める受け皿機能がある。こうした機能を果たす総合的な相談センターが必要。
その場合、緊急的な一時保護機能が必要となってくるが、そこで住宅保障機能が必要となる。簡易宿泊所は風呂もなく、住宅とは言えない。それを住宅だとして、野放しにしていることが問題である。
○ 生活保護やホームレスは、いわば顕在化した福祉ニーズであるが、現代では大都
市を中心に福祉ニーズが潜在化しており、その把握が問題。こうした問題について、本検討会で十分議論してほしい。
把握の観点としては、
○ 地域にネットワークを作り、単身のお年寄りの状況を把握するという動きはある。
地域の中で信頼される人が、その地域の人々をサポートするような仕組みが必要ではないか。
○ 民生委員活動については、昔と違って、今は住宅の高層化やワンルームマンションなど住宅の単位が小さくなっており、そうした中に母子家庭、精神障害者などが孤立している。そのため、福祉ニーズの全体的な把握は困難になっている。
○ 生活保護サイドで見てみると孤独死が多く感じられるので、これを防止するために、民生委員、保健指導員等と連携して高齢者定期訪問事業を行っている。
○ ケアマネジャーの普及により、高齢者問題についてケースワーカーが前面に出なくなり、ケアマネジャー任せにするとの指摘がある。また、生活保護についても地域担当と呼べるケースワーカーがいなくなり、福祉事務所・ケースワーカーの申請主義・待ちの姿勢が目立っていると思う。
○ 地域ニーズの把握には民生委員が適していると思うが、関心が違う方に向いているのではないか。
○ 積極的な福祉ニーズの把握をすべきとの考え方もあろうが、困っている人は何らかのSOSのシグナルを出しているはず。日常監視型に転換して家の中を覗き込むような方法では良くない。
○ 福祉事務所でも相談事業を行っているが、相談のみを受けて、サービスの提供に至らない事例も多い。こうした相談結果をまとめて、なぜサービスが提供できないのかという分析を行っていないのではないか。
○ 生活福祉資金の制度は、使いようによってはちょっと見えない問題を探り出すときにいい制度だと思うが、現状は非常に使い勝手が悪い制度になっている。
○ 大阪市では、緊急の援護が必要な場合は民生委員が自らの判断で、即時に10万円まで貸し付けられることになっているが、ここ2年間で件数が急激に増え、資金が不足気味になっている。
○ 相談については、相談だけに終わり、給付の対象とはならなかった人の記録も、池袋の餓死事件をきっかけとして、管理職が目を通すことになっている。相談者からのSOSのシグナルを受け止められるかは福祉事務所・ケースワーカーの資質の問題であり、そのためにも社会福祉士などの人材育成と登用が重要。
○ ホームレスなどの福祉サービスについて、官が主体ではなく民が主体となった組織・活動があるのかどうか、あるとすればどういうような支援をしているのか。
○ あいりん地域ではそもそも、社会福祉法人の活動が福祉の先導をしており、行政だけの活動は考えられない。民間法人の活動を前例として、あいりん地域においてはNPOを代表とした民間との共同でいくつかの事業を行っている。
○ あいりん地域に年中無休の相談センターを作ろうと思っている。
○ 韓国のソーシャルワーカーから、
○ 私が聞いた福祉事務所では、外国人不法滞在で、女性で、かつ母子家庭という問題に苦心していた。その女性が暴力団と絡んでいる場合など、保護施設も利用できずたらい回しになっている。こうした問題に対応できていないのではないか。
○ 居住の件に関しては、もう少し敷居の低いサービスがあればよいと思う。低所得者向けのデイサービスで、さらに対象者に仕事を与えるサービス等があればよいのではないか。
○ ホームレス問題は、人格崩壊を起こさせないためにも、地べたに寝かせないというポリシーが大切。そのためには、福祉行政と道路・河川・公園を担当する建設行政とのタイアップが欠かせない。就労を含めた受入先の確保と公共施設の適正管理との両面から対策を講じるべき。
○ 80年の歴史を有する民生委員・児童委員の職務の重要性を実感している。
○ 民生委員は、行政に目を向けていてはだめで、地域住民の立場に立ってはじめて潜在的福祉ニーズの実態把握が可能になると思う。
○ 明治の岩倉視察団が63名の2年間の視察を行った結果、わが国は欧米に20年遅れていると実感して、富国強兵・殖産興業政策につながっていった。視察の中でロンドンのスラムの惨状を目にしているが、その時から、そして戦後の民主主義への転換があった後も克服できなかった点として、(1)人はひとりの人格であるということを見落としてきたこと、(2)最大多数の最大幸福という民主主義の哲学に目を向けて、マイノリティ(少数者)の存在を見失ったこと、ややもするとマイノリティの同化政策が中心となって、マイノリティをそのままの形で社会に受け入れていこうというソーシャル・インクルージョンの考え方が希薄であったこと、(3)見えない社会的ニーズに自発的に対応していこうとするボランタリズムが浸透しなかったこと、等がある。
○ 実態論として今の制度から漏れているものは何なのか。見えないニーズはどこにあるのか。そのために仕組みをどう変えることができるのか、あるいは変えることができないのか。できないとすれば、その支障になる困難はいったい何なのか。こういった点を明らかにしていくことが必要。
(照会先) 厚生省社会・援護局企画課 03(3595)2612(直通)
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