00/06/14 食品衛生調査会毒性・器具容器包装合同部会議事録 食品衛生調査会毒性・器具容器包装合同部会 議 事 録 厚生省生活衛生局食品化学課 食品衛生調査会毒性・器具容器包装合同部会 議事次第 日  時 : 平成12年6月14日  午後3:00〜5:00 場 所 : 中央合同庁舎第5号館本館26階 共用第9会議室 1. 開会 2. 配布資料の確認 3. 議題 (1) 食品用器具容器包装の衛生確保について (2) その他 〔出席委員〕 井 上 委 員 戸 部 委 員   中 澤 委 員  成 田 委 員 林 委 員  福 島 委 員  三 森 委 員 黒川 臨時委員  鈴木 臨時委員 〔事務局〕 内田食品化学課長、以下11名 〔オブザーバー〕 外海参考人、長谷川参考人 ***********連絡先*********** 厚生省 生活衛生局 食品化学課(額田) TEL 03−3503−1711(内線2487) ○食品化学課長  それでは定刻になりましたので,ただいまから食品衛生調査会毒性・器具容器包装合 同部会を開催いたします。  本日は先生方におかれましては,御多忙のところお集まりいただきましてまことにあ りがとうございます。また,平素から各専門分野におきまして食品衛生行政に御尽力い ただいておりまして,この場を借りて御礼を申し上げます。本日は毒性,器具容器包装 部会の委員のほかに,臨時委員の黒川先生及び鈴木先生に出席いただいております。  それからオブザーバーといたしまして,後で触れると思いますが,毒性評価にお加わ りいただきました長谷川先生と,実験を担当されておりました外海先生に御参加いただ いております。  毒性部会の委員8名中6名,器具容器包装部会の委員7名中5名の先生方に御出席をいた だいておりますので過半数に達しております。従いまして,本日の毒性・器具容器包装 合同部会が成立いたしておりますことを御報告申し上げます。  本日の議題は「食品用器具容器包装の衛生確保について」ということで,食材へのフ タル酸ジエチルヘキシルの移行につきまして,その移行量に関する調査結果及び,その 安全性評価などにつきまして御報告をさせていただきまして,その安全性について御議 論をいただきたいと考えております。  国民の健康の確保という,食品衛生行政の所期の目的を達成しますために,先生方の 忌憚のない御意見を賜りますようよろしくお願い申し上げます。  それでは,以下の進行につきまして,器具容器包装部会長であります井上先生にお願 いしたいと思います。よろしくお願いいたします。 ○座長(井上部会長)  皆様,本日はお忙しいところを,雨の中御参集いただきましてありがとうございまし た。  それでは,いま内田課長からお話がありましたように,フタル酸ジエチルヘキシルの 食材への移行に関する審議をお願いいたします。  まず最初に事務局から,配布資料の確認をお願いいたします。 ○池田補佐  それでは配布資料の確認をさせていただきます。  事前にお送りしております資料がほとんどでございますけれども,資料No.1〜6まで, それから,参考資料No.1〜10までございます。資料の一覧につきましては,資料No.2と いうところで一覧になってございます。 資料No.1は議事次第でございますが,本日,資料No.1と2とを差換えということで,お 手元にお配りさせていただいております。 その資料No.2を御覧いただきますと,資料No.1〜6まで,1が議事次第,それから委員の 名簿等でございます。資料No.2は,いまの資料一覧,資料No.3は,平成10年度の厚生科 学研究費補助金分担研究報告書の要旨でございます。資料No.4は平成11年度の厚生科学 研究費補助金分担研究報告書の概略というものでございます。資料No.5は「市販弁当い わゆるコンビニ弁当)におけるフタル酸ジエチルヘキシルの移行」ということでござい ます。 資料No.6が「フタル酸ジエチルヘキシル(DEHP)の安全性評価結果について」というこ とでございます。 あとは参考資料ということで,No.1が平成11年度の厚生科学研究分担研究の報告書の本 体でございます。参考資料No.2以下はIARCのモノグラフの概略,EU科学委員会の意見書 の概要,英国農水省の資料,デンマーク環境省の報告,米国NTP/NIEHS専門家会合のレポー ト。 参考資料No.7からは毒性試験等の原報でございまして,参考資料No.7はPoonの報告,参 考資料No.8はArcadiの報告,参考資料No.9はLambの報告,参考資料の10番はKurataの報 告でございます。 以上でございます。 それから本日お手元に,これは「環境ホルモン全国市民団体テーブル ダイオキシン・ ゼロ宣言NO!塩ビキャンペーン」というところからの,両部会長あての要望書というも のを配布したいという旨の申し出がございましたので,参考ということでお手元に配布 させていただいております。 資料に,もし不足等がございましたら,予備がございますので,お申しつけください。 以上です。 ○座長 どうもありがとうございました。いまもお話ありましたように,だいぶ資料が多うご ざいますので,また,データも多うございますので,よくお確かめいただいて,そろっ ているかどうか。もしない方おられましたら,おっしゃってください。事務局のほうで 配ります。よろしゅうございますか。 では,議事に入らせていただきます。 まず,本日の合同部会が開かれるに至った経緯,経過について事務局から御説明いた だきたいと思います。よろしくお願いします。 ○食品化学課長 それでは御説明をいたします。 昨年の暮れに,厚生科学研究をやっていただいている国立衛研の大阪支所のほうから, お弁当中にどうもフタル酸が非常に検出されるというような一報というか,非公式な連 絡がございました。 その時点で,どういう原因といいますか,どういうところからこれが入ってきたのか, その原因がわかりませんでしたので,原因究明の検討を,実際に実験をやっていただい た大阪支所の外海先生,それから,工場などの協力も仰がなければいけないということ で,大阪府と打ち合わせをいたしまして,原因究明のための調査を行いました。 その結果,どうも手袋らしいということがわかってまいりましたので,そのような段 階で業界,これは今年に入ってからですが,業界のほうに,実際,塩ビ製の手袋がどの くらい使われているかとか,可塑剤としてどういうものを入れているかとか,他にどん な製品があるかなど事情を聞きました。 結果としては,実際には輸入の手袋が大部分であるということがわかってきたんです が,一方で,非常に大量にフタル酸ジエチルヘキシルが出ているということなんですが, 実際それが安全かどうかということにつきましては,EUなどではTDI値を決めておりまし たが,それが妥当かどうかとか,あるいは日本でどう考えたらいいかということをまず 検討しなければいけないということで,それから分析のデータの確認,そういうことの ために専門の先生方に集まっていただきまして,各国の文献,要するに評価文献,それ から必要であれば原報などをお読みいただいて,特にDEHPについての毒性評価を検討す る会を3回ほど持ちました。 そうこうしているうちに,5月に,先の厚生科学研究の報告と,それから原因究明の報告 書が提出されてまいりましたので,先生方お忙しいところ,日程調整がちょっと大変だ ったのですけれども,急遽お集まりいただいたということで,私どもとしては,関係の 先生方の御協力を得ながら,問題の発見というところから最短の距離を走ってきたとい う感じでございます。 本日の御審議よろしくお願いいたします。 ○座長  どうもありがとうございました。ただいま内田課長から,合同部会の開催のいきさつ についてお話をいただいたわけですけれども,まず,このいきさつそのものについて御 質問等ございましたら,どうぞおっしゃってください。何でも忌憚のないところを御質 問等お受けいたしたいと思いますが。  よろしゅうございますか。かなり急ピッチでいろいろ,専門家の方々の中にはいろい ろお手伝いなさった方もおられると思うんですけれども,とにかく今日のところにたど り着いたというわけですね。 それでは一通りの経緯について御了解いただいたということで,次に進めさせていただ きます。 本日はそういうわけで,フタル酸ジエチルヘキシルの食材への移行ということの問題を 御審議いただくわけでございますけれども,この詳細な内容について,池田補佐のほう から御説明いただきたいと思います。 ○池田補佐  それでは,お手元の資料の概略につきまして順次御説明をしてまいります。 まず資料No.3を御覧いただきたいんですが,資料No.3は「平成10年度厚生科学研究費補 助金分担研究報告書要旨」ということで,「食品由来一日摂取量等に関する調査研究」 ということでございます。 これにつきましては,実は平成10年度に,内分泌かく乱化学物質の関係の研究というこ とでやった一環でございまして,ここの研究要旨にございますように,食品中のフタル酸 エステル類の,まず分析法を検討する。それから合わせまして,市販食品の汚染実態調 査を行うという目的で研究されたものでございます。分担研究者は国立医薬品食品衛生 研究所の豊田食品部長,外海先生等も研究協力者ということでやっていただいたもので ございます。  この研究自体は,昨年の8月2日,3日の内分泌かく乱化学物質の健康影響に関する検討 会ですでに公表し,検討会としての御議論等もいただいている研究成果でございます。  この中で,市販の食品につきましても分析等を行っておりまして,3ページの右下のと ころからですけれども,汚染実態調査というのがございます。こちらで研究に参加され た各機関におきまして,市販食品を購入して,汚染の実態調査を行ったということでご ざいます。  もう1ページめくっていただきましたところに結果のまとめがございますが,131の検 体についてデータが得られておりまして,その中で検出量が大きかったというのは,市販 のお弁当中のフタル酸ジエチルヘキシルということでございます。 この場合は,15検体から,54〜1,220ng/gの範囲で,平均で254ng/gが検出されたとい うことでございます。  これに対しまして,一般食堂では,6検体中4検体から,12〜27ng/gの範囲で検出され たという結果だったということでございます。これが平成10年度の研究成果でございま すが,このときは,検出量のレベルでいいますと,市販の弁当1食分を食べたとしても, このときは英国のTDIと比較しておりますけれども,せいぜい20%以下というような結果 だったというのが平成10年度の結果でございました。 次に資料No.4でございますけれども,こちらは,ただいまの平成10年度の厚生科学研究 を受けまして,さらに「フタル酸エステル類の食品汚染実態及び摂取量に関する調査研 究」ということで,平成11年度厚生科学研究ということで進められた研究でございます。 資料No.4はその概略でございまして,詳しい資料につきましては,参考資料1ということ でついてございますので,必要に応じてそちらを御覧いただければと思っております。 資料No.4につきましては,国立医薬品食品衛生研究所大阪支所の外海先生が分担研究者 として実施されております。 研究要旨のところを御覧いただきまして,今回は11種類のフタル酸エステル類及びアジ ピン酸ジエチルヘキシルの12種類の物質につきまして,実態調査といたしましては,市 販のお弁当,定食,それから病院給食を分析したということでございます。 いずれにおいてもフタル酸ジエチルヘキシルが最も検出量が多かったということでご ざいまして,具体的な内容といたしましては,研究目的は,下のほうにございますよう に,ポリ塩化ビニル製品の可塑剤として広く用いられておりますフタル酸エステル類に ついていろいろと指摘があるということで,食品中の含有量の実態調査,それから一日 摂取量の把握等を行うということでございます。 1枚めくっていただきましたところで,どういったフタル酸エステル類を分析対象とした かということがございます。 後ろの10ページに,その対象としたフタル酸エステル類等の化学名と略称等を書いてご ざいます。合計で12種類の化合物を対象にして分析をしたということでございます。 研究方法につきましては,また戻っていただきまして,2ページの下のほうでございま すが,実態調査用の対象といたしましては,市販のお弁当ということで,99年の8月から 9月にかけまして,関西地域の10のコンビニエンスストアチェーンの幕の内弁当10検体, こちらについて調査をしました。 定食につきましては,同じく99年の9月から11月にかけまして,関西地区のレストラン 10店舗で購入した定食10検体でございます。 それから病院給食につきましては,同じく99年の10月から12月にかけまして,協力が得 られました3病院で提供された給食,それぞれ1週間分で合計63検体ということでござい ます。それらの内訳は,テーブルの2から3,4というところについてございます。 結果でございますけれども,4ページでございます。 4ページの左側の真ん中へんのところに,弁当と定食の調査結果がございますが,まず弁 当及び定食ということで,分析結果といたしましては,やはりフタル酸ジエチルヘキシ ルが,ほかの化合物よりも濃度的に高く出たということでございまして,市販のお弁当 からは803〜8,930ng/g,平均では 4,420ng/gの検出があったということでございます。 これに対しまして,定食からは12〜304ng/g,平均で68ng/gであったということでござい ます。 従いまして,フタル酸ジエチルヘキシル以外のフタル酸エステル類とか,アジピン酸ジ エチルヘキシルにつきましても,市販弁当のほうがやや高かったという結果でございま す。 この弁当等を1食当たりで見ますと,フタル酸エステルをどのくらい取ることになるか という計算をしておりますが,フタル酸ジエチルヘキシルの場合でございますが,市販 の弁当の場合には322〜4,306μgになる。定食では6.9〜177.1μgに相当するという結 果でございました。 3番が病院給食の調査結果ということでございまして,こちらは4ページの右上のほう にかけてでございますけれども,3つの医療機関で分析いたしまして,63検体すべてから フタル酸ジエチルヘキシルが10〜4,400ng/gの検出があったということでございます。平 均値はそれぞれ3つの病院で多少差があるということでございます。  これにつきまして一日当たりの摂取量ということで計算をいたしますと,ある病院, V病院というところでは189〜1,432μgに相当,W病院と略していますが,27〜150μg, X病院では47〜2,549μgということで,病院によっても違いますし,日にちによっても ずいぶん差があるという結果だったと思います。これらにつきまして一日摂取量等の計 算をしております。 それから,各市販弁当とか病院給食等における混入原因等についても考察をいたして おりますけれども,結論といたしましては,7ページのところでございますけれども,中 間はちょっと省略をいたしますが,最後の結論のところで,市販弁当等を調査した結果 として,フタル酸ジエチルヘキシルの混入原因の1つがポリ塩化ビニル製の手袋である可 能性が示唆されたということでございます。  もう1つ,いま御紹介した以外に,7ページの左下のところにございますが,この調査 のクロスチェック用の資料ということで,レトルト食品につきましても調査しておりま すが,こちらでフタル酸ジエチルヘキシルが,平均値として5,991ng/gという検出がござ いました。 これについて製造業者に連絡をした結果,製造工程の中の,材料を輸送する段階での 塩ビ製の配管,その中を80℃程度で通過する油性の食品で移行するということがわかっ て,現在は業者は配管を交換しているということで,低くなっているという結果がござ いました。 以上このようなことでございましたが,この研究の段階では,塩ビ製の手袋である可能 性が示唆されたという段階にとどまっておりまして,したがいまして原因究明が必要で あろうということで,次の研究をお願いしたわけでございます。次の資料のNo.5でござ います。 資料No.5は,今の平成11年度の厚生科学研究を受けまして,原因究明のために実施した 試験でございます。 1枚めくっていただきまして1ページのところにございますが,ただいま御紹介したよ うに,11年度の厚生科学研究の結果から,市販のお弁当中のフタル酸ジエチルヘキシル について,弁当の製造工場の調査をいたしまして,試料等の分析をすることによって原 因究明を行ったということでございます。 実験方法のところで,何をやったかといいますと,1つは弁当の市販品を再度分析をして ございます。もう1つは,今の製造工場2カ所に参りまして,弁当及び食材を持ち帰りま して,それぞれの分析を行ったということでございます。 それ以外に,試料として米飯,コロッケ,切り干し大根の煮たものというようなものを, それぞれを模擬試験ということで,実験材料に使ってございます。 2ページの上のほうで,模擬実験の材料でございますが,手袋につきましては台湾製の塩 化ビニル樹脂製のものを使用したということ。消毒用アルコールは,ここに書いてある ようなもの等を使ってございます。手袋作業の模擬実験というようなものもやってござ います。 それから手袋の材質試験というのが2ページの一番下にございます。 これらをやりました結果は3ページから出ておりまして,まず最初が市販弁当における検 出量ということで,2月から今年の1月にかけまして店頭で買い求めたお弁当を試験した 結果ということで,こちらは表2という,後ろのほうの調査結果に出てございます。 その中で2社,G社とH社というのがございますが,G社のお弁当におきましては,これは幕 の内弁当試料1で6,970ng/g,それから試料5でも4,110ng/gという平均でございま す。それからH社のほうでは346ng/gと1,220ng/gという数字でございました。 次に工場の収去品からの検出ということでございますが,結果といたしましては,ま ずすべてのフタル酸エステル類の集計結果は11ページの表3にございます。これは上のほ うに,試料名を略してございますけれども,左からフタル酸ジエチルから始まりまして, 右から4つ目のところはフタル酸ジエチルヘキシルでございます。それぞれの完成品の主 食部,ごはんと,副食部の数字,全体の数字といたしましては11,800ng/gという数字で ございます。 その下は,完成品におきますコロッケからしょうゆまでの各食材ごとのデータでござ います。 食材によりましては,たとえばポテトサラダにつきまして303ng/gということで,この 中では低いというような数字のものもございます。 その下は詰める直前の数字等でございますが,フタル酸ジエチルヘキシルだけにまと めて書きました食材と,それから加工工程ごとにまとめた表が,次の12ページの表4でご ざいますので,こちらを御覧いただければもう少しわかるかと思います。 これは右側から順に食材が変わってまいりまして,右端が未調理の食材,次は調理直後, それから詰める直前,完成品が左ということで,製品が製造される段階では,右側から 左側にだんだん変わってくるといいますか,取り扱いされて完成品になるということで ございます。 一番上の主食部の米飯について見ていただきますと,調理直後では不検出ですが,詰め る直前になりますと 166ng/gであった。完成品になった段階では 8,990ng/gになってい た。 同じように,5つ目の焼きうどんなんかでも,詰める直前が 279ng/gでありましたのが, 完成品では14,300ng/gといったような数字だったということでございます。 それから,未調理の,すでに外部の工場等で調理済みの製品でも結構高い数字のもの があるということで,たとえば6番のカニカマロールにつきましては,未調理の段階でも すでに 6,200ng/gという数字,9番の切り干し大根の煮物でも 3,260ng/gというような数 字だったというようなことでございます。 いずれにしましても,詰める直前から,完成品にいったところでは大幅に上がってい るというところでございます。 ただし,11番のポテトサラダにつきましては,詰める直前でも78ng/gが,完成品では 303ng/gということで,ほかに比べますと低い数字だったということでございます。 これらについて,実際の工程ではどのように取り扱われていたのかというところが4 ページからでございますが,4ページで,工場内の作業の流れが載ってございます。  1つ目がG社という会社の工場でございまして,こちらでは,すでにかなり加工された 食材等が多くて,工場内で使われている加工というのは,ごはんを炊いたり,揚げ物の 原料をカットしたり,衣をつけたり,フライヤーを使って揚げたりといったような程度 の工程だったということでございます。  この中で容器に詰める作業のところでございますが,ベルトコンベアー上を容器が流 れていきながら,まず米飯をはかって詰める。その際には,作業者が手で持ち上げて箱 詰めをして形をならしたり,梅干しとかごま等をトッピングするということでございま す。その後,コンベアー上で順次,作業員の方が1人当たり2品程度の食材を手で詰めて いくということでございます。 ただし,ポテトサラダだけは半球上に整形して盛りつけるために,ステンレス性のディ ッシャーを用いて,フィルムカップに載せた後で箱詰めをしていたということでござい ます。 2ということで,この製造工程の中で塩化ビニル製品と触れるのか否か,あるいは消毒用 アルコールの使用はどうだったかというのが次でございますが,食品に接するような調 理機械とかコンテナ等では塩ビ製のものはなかったということでございます。弁当の外 装用のラップも非塩化ビニル製のものでございました。 なお,調理や箱詰めの作業員は全員,使い捨ての手袋をはめて食材に触れていたという ことでございまして,手袋は,この会社では基本的に2種類を使っていた。1つは塩化ビ ニル製と表示された薄手のものと,それから,商品名から見ると塩化ビニル製と推測さ れるやや厚手のものということでございます。細かい作業には前者を,力を要する作業 には後者を使っていたということでございます。 次に消毒用アルコールでございますが,これは霧吹きに入ったものが随所に置かれてい まして,作業者が随時,手袋に消毒用アルコールを噴霧して作業を行っていたというこ と。 それから,ポリバケツに消毒用アルコールが入れてありまして,食品の包装を切るはさ み等は,この中に一時保存しながら使用する。特に米飯を扱う作業については,随時こ の消毒用アルコールに,手袋をはめた両手を浸しながら作業をしていたということでご ざいます。 これに対しまして,もう1社のH社の関連会社というところでございますが,基本的に は作業の流れは,先のG社と同様でございますが,相違といたしましては,生鮮食品に近 いものが食材として多いということで,工場内での調理加工がやや比重が大きかったと いうことでございます。 G社と違いますのは,手袋が塩ビではなくて,ポリエチレン製の手袋2種類,それから「 ニトリルグローブ」と表示された手袋,ニトリルブタジエンゴム製と考えられる,この3 種類を使っていたということでございます。  また,消毒用アルコールは随所で噴霧していましたけれども,バケツでの使用はなか ったかわりに,ガーゼにしみ込ませた消毒用アルコールで調理台を拭き取る作業等をや っていたということでございます。  それから手袋の材質試験でございますが,これは表5にもありますが,塩ビ製の,G社 で使われていた手袋のうちの1種類について材質試験を行っておりまして,表5にありま すように,410mg/g,41.0パーセントというフタル酸ジエチルヘキシルが検出されてご ざいます。その他,アジピン酸ジエチルヘキシル及びフタル酸ジイソノニルが15.5と 1,261μg/g検出されたということでございます。 次に模擬試験ということで,手袋を処理した場合の前後でのフタル酸エステル類の検出 量を測ってございます。 14ページの表8を御覧いただければいいのですが,表8が,手袋を用いた模擬実験の結果で ございまして,上から,米飯の場合,コロッケの場合,切り干し大根煮の場合の3つの例 が載ってございます。 米飯の左側にAとなってございますのは,処理前の値3回の結果でございまして,この中 で,右から4つ目のDEHP,フタル酸ジエチルヘキシルを御覧いただきますと,処理前はND ということで,検出されない,不検出でございました。 それを手袋に触れまして模擬的に詰めた後でございますが,測定いたしますと,DEHPに つきましては42〜55ng/gということで,平均48ng/gといったような数字が検出されたと いうことでございます。 ところが,Cということで,手袋にアルコールを噴霧して詰めてみた場合には723〜2,830 ng/g,平均で2,030ng/gということで,手袋にアルコールを噴霧して使用すると移行量が 大きく上がったという結果でございます。 コロッケにつきましては,処理前でも平均で 218ng/gという数字ですが,手袋に触れま すと,これが362〜836ng/g,平均で554ng/gという数字に上がります。さらにアルコール を噴霧いたしますと,平均で2,670ng/gという数字に,これも大きく数字がふえるという 結果でございます。 ところが,3つ目の切り干し大根につきましては,処理前の数字は,フタル酸ジエチルヘ キシルで平均37ng/gと低いわけですけれども,単に手袋で処理をしただけでも平均11,100 ng/gということで,いままでの上の2例でいえば,アルコールを噴霧して,さらに手袋で 触れたような数字よりさらに上になっている。大きな数字になっているということでご ざいます。 当然,Cの,手袋+アルコール消毒では平均でも18,400ng/gということでございまして, 食材によりましては,油分等を含んでいる関係と思われますが,単に手袋を触れただけ でも,かなりたくさんの量のフタル酸ジエチルヘキシルが移行したことが確認できたと いう結果でございます。 結果の評価でございますが,この資料の6ページのところでございます。評価及び考察 という形でまとめていただいております。  今回の調査結果で,塩ビ製の手袋で箱詰め作業をしたお弁当からは,詰める直前の食 材を大きく上回る濃度でDEHPが検出されたということ。それから2番目は,塩ビ製の手袋 を使用していない工場の製品及び,手袋で直接触れずに器具を用いて詰められた食材, ポテトサラダは検出量が低かった。  先ほど,いまの点は御説明をし忘れましたが,表3のコンビニ弁当の収去品の調査結果 のところで,上のほうがG社の幕の内でございまして,一番下にH社の幕の内というのが ございまして,上のほうのG社のほうが,完成品の全体では,計算で出しておりますが, 11,800ng/gという結果でしたが,H社,こちらは塩化ビニル製の手袋は使用していないほ うでございますが,これでは全体でも 829ng/gという数字であったということで,比較 しますと,先ほども6ページの1の(2)のところにありましたように,塩化ビニル製の手袋 を使用していない工場の製品のほうが検出量が低かったということ。  それから,先ほども御紹介したポテトサラダにつきましては,手袋で触れていないと いうことで検出量が低かったということでございます。  次に(3)ということで,その工場で使用されていた塩化ビニル製の手袋については,重 量比で41パーセント相当のフタル酸ジエチルヘキシルが検出されたということ。 それから(4)番,手袋で食材に接触する模擬実験を行った結果,移行が確認されたとい うことで,その移行濃度は,消毒用のアルコールの併用によって上昇したという結果で ございます。  つまり,コンビニ弁当中のフタル酸ジエチルヘキシルのかなりの部分が塩ビ製の手袋 に由来すること。それから,塩化ビニル製の手袋によるフタル酸ジエチルヘキシルの移 行は,かなり短時間で高濃度で起こるということがわかったという結果でございます。  それから7ページの真ん中へんに,このフタル酸ジエチルヘキシル以外のフタル酸エス テルの移行についても考察してございますけれども,今回の量的には,フタル酸ジエチ ルヘキシルが特に高かったということでございまして,その他のフタル酸エステル類の 濃度等の間では明確な相関は見られなかったというようなことでございます。それを受 けまして結論が出てございます。  以上,この研究の概略でございます。  今までが市販弁当,それから病院給食等の汚染の実態調査でございますが,資料No.6 が,先に行いました,本日おいでいただいております黒川先生を座長として,国立医薬 品食品衛生研究所の毒性評価の先生方に3回ほど御議論いただきましておまとめいただ きました「フタル酸ジエチルヘキシルの安全性評価結果について」ということでござい まして,3ページ目以降に,それぞれの項目ごとに報告としてまとめていただいています が,最初の1,2ページに概要ということで簡単にまとめさせていただきました。  これは分量が少ないので読んでもいいかと思いますので,簡単に読み上げます。 (資料No.6の1,2ページ朗読)  下に参考として,諸外国におけます安全性評価結果を書いてございます。  まずEUにおける評価につきましては,TDIといたしまして37μg/kg/dayということで 評価は98年でございまして,NOAELといたしましては,先ほどのPoonらの結果の精巣毒性 で得られるNOAEL3.7mg/kg/dayを採用し,不確実係数は100ということでございます。  英国における評価は,TDIが50μg/kg/day,評価が96年でございますが,RIVMとい うところで実施しました試験の肝毒性を指標にしたNOAEL5mg/kg/dayをとりまして,不確 実係数 100ということでございます。 デンマークにおける評価は同じく96年なんですが,5μg/kg/dayということでございま す。 こちらは同じくRIVMのデータで,肝毒性によるNOAEL5mg/kg/dayをとっております が,不確実係数は少数例で短期のデータだということ及び,発がん性の結果がはっきり していないということで 1,000をとってございます。 これは評価の年がちょっと古いので,いまの発がん性の問題が片づいたということも あって,これはそのまま適用できないと思います。 米国における評価は,現在,TDIまでは至っていませんが,NOAELといたしましては約 10mg/kg/dayだろうということでございまして,評価は99年の段階ですが,精巣毒性は, 先ほどのPoonらの実験におけるNOAEL約4mg/kg/day,生殖毒性は,同じくLambらの 実験成績から,NOAELとしては14mg/kg/dayというものを採用してございます。  これらの結果につきまして,参考資料No.3〜6までに載ってございますので,詳しくは そちらを御覧いただければと思います。  3ページ以降は,それぞれの分野ごとに先生方におまとめいただいた結果でございます が,内容は省略させていただきます。  以上でございます。 ○座長 御説明ありがとうございました。厚生科学研究での研究経過で,フタル酸エステルはも とより,内分泌かく乱物質としての問題点とか,いろいろなことが以前からわかってお りますので,それに対応する調査研究が進められていたわけですが,その経過,その中 で,お弁当等に含まれている実態が明らかになって,急遽,移行の様子とか,それのデー タによる振れとか,そういったものとか整理されて,そしてまた,かつ,黒川委員会に よって毒性の評価が行われた。それが,いま御説明のあった資料No.6ですね。  資料No.6については簡潔によくおまとめいただいてあるわけですけれども,各委員の 先生方は,事前にお配りしてある中で御覧いただいたとおり,かなり一つ一つ大きな劇 的な展開をしていますので,たとえば種差などについてもげっ歯類とノンヒューマンプ ライメートとでのデータの大きな違いとか,ペルオキシゾームプロリフェレーターとし ての作用が,やはりヒトと動物で比較されている。  そうこうしている中で,IARCの結果が出てきたとか,目まぐるしく動いております。 また,繰り返しになりますが,内分泌かく乱性も疑われている物質として,ここではそ れをどう扱うべきかというようなことについても簡潔に触れられておりますので,御確 認いただきたいと思います。 そういうわけで,ここまでの全体的な事務局からの御説明に沿って,御質問とか忌憚な く,問題点を掘り下げていただいて御議論いただきたいというふうに考えますけれども, いかがでしょうか。 中澤委員はいろいろ食品中の化学物質の測定などをこれまでしてこられたというような こともございますので,指名するわけではないんですけれども,議論の突破口として発 言をお願いします。ものによってはデータが振れたり,殊に内分泌系の影響のところで, いま事務局の御説明にもありましたように,同じMCF-7を使って全く逆の結果が出たりと いうようなこともあるし,また,FDAのレポートなんかを見ますと,どのデータをどこま でとるかというのは非常に苦労して,著者に対して問い合わせをして,その返事を待っ て報告書をまとめたりとか,いろんなことをやっているんですね。今回も事務局では, そういう御努力をなさっているわけですが,そういったことと合わせて何かコメントが あったらいただきたいと思うんですけど,いかがですか。 ○中澤委員 私は分析のほうの立場でしか,このレポートを評価できないんですが,外海先生のとこ ろでフタル酸エステル類の分析をなさっていらっしゃいます。  フタル酸エステル類の分析というのは,分析するほうから見ますとややこしい化合物 でありまして,一番の理由は,先生の報告書の中にも記載されておりますが,測定環境 からの汚染があるということで,非常に微量の場合の測定が困難である化合物でありま す。  ただ,今回のここに記載されているオーダーというのは,フタル酸ジエチルヘキシル についてはかなり濃度の高いレベルであり,しかも,3つの試験研究機関でクロスチェッ クもなさっていらっしゃるということでございますので,ここに出ている数値というの はそれなりに値としては評価して,判断材料になる数値ではないかと思います。 ○座長 どうもありがとうございました。僕の進行の不手際で,まず,むしろ,この厚生科学の データを出された外海先生の御意見,つけ加えることとかそういったものがあったら伺 うべきだったかもしれません。  よろしかったら,どうぞ。 ○外海参考人 いま中澤先生がおっしゃったとおりでございまして,実験環境中にもあり,また,バッ クグラウンドが高いので非常に分析が困難であります。  それで,平成10年からやりまして,2年間かけまして,信頼できる分析法を開発して, それをもとに実態調査を行ったということで,我々も,この分析法の信頼性については ある 程度確信を持ってやっております。 ○座長 どうもありがとうございました。それでは福島先生,よろしく。 ○福島委員  ちょっと細かいことですが,平成10年度のDEHPの量が,市販弁当中では平均254ng/gと なっていますが。 ○座長 先生,資料ナンバーをおっしゃっていただけますか。 ○福島委員 資料No.3ですね。要するに第1回目ですね。高いということですが,その後になります とワンオーダーずつ上がっているような値を示しているんですが,このあたりは分析法 の問題というふうにとらえてよろしいんですか。そこらへんちょっと教えていただけま すか。 ○座長  その点いかがですか。 ○外海参考人  実は私ども,この点についていろいろ考えておりまして,そこで気がついたことは,平 成10年度の補正予算でやったということで,実験期間も短くて,非常にあわててつくっ たということもありまして,いまから考えますと,分析法が11年度よりも未熟であった というふうに考えております。 10年度と11年度では分析法が違っておりまして,10年度の結果を反省して,11年度に よりよいものをつくって,こちらのほうがより信頼性が高いというふうに考えておりま す。 それと10年度の結果なんですが,まとめるときに,回収率の低いものはサロゲートで 補正しているんですが,サロゲートの低いものについてはデータを切ってしまったんで す。それで,この報告書には出ていないんですけれども,実際には 6,000ng/gというよ うな測定値も実際には得られていたんですけれども,回収率が低いということで切りま したので,それが表に出てなかったものですから,結果的に 1,220ng/gが最高の値にな ってしまったといういきさつも実はございます。 ○座長 よろしゅうございますか。ほかに。 ○戸部部会長 資料No.5の分析値のところで2点ほどお伺いしたいんですが,まず表8の14ページです けれども,DEHP(フタル酸ジエチルヘキシル)について,米飯では手袋処理する前はND だった。しかし,手袋処理,さらに手袋にアルコールというようなことで値がどんどん 上がっていますので,手袋とアルコールが影響したということは歴然としているかと思 いますが,次のコロッケと切り干し大根のところでは,処理前から2けたあるいは3けたの DEHPが検出されている。 いま伺っているところによると,かなり困難な分析であって,環境中の全般的な汚染も 影響しているというお話がございましたけれども,この処理前の,コロッケと切り干し 大根のDEHPの量というのはほとんど無視できるのか,あるいは何らかの意味があるのか という点を1点お聞かせいただきたい。 それからもう1つ,コロッケについては,処理前からBBPが若干出ておりますけれども, きわめて微量ではありますけれども,処理前も,手袋処理後も,アルコール後も同じよ うに出ている。この理由は何だろうかと疑問を持ちました。もしおわかりでしたらお聞 かせをいただきたい。 それからもう1点ですが,13ページの表5の,PVC製の手袋の材質試験ですが,これがどう いう種類の手袋の試験をおやりになったのか。右のほうの,処理したときの手袋の一部 をおやりになっているのか,あるいは全く違うものについておやりになっているのか, それから,手袋の種類は1種類だけなのか,サンプル数は幾つかというようなことが,こ れではちょっと不明確でございますけれども,この値の信憑性みたいなものはどう考え たらよろしいでしょうか。 ○座長  全部で3点ですね。では,最初がDEHPの手袋アルコールの処理の,切り干し大根の,処 理前にも出ているでしたっけ。そうでしたね。 ○外海参考人  コロッケと切り干し大根では,処理前にも数値がある程度出ているという,その根拠で すね。 米飯の場合ですと,電気釜で炊飯するだけなんですけれども,コロッケと切り干し大 根につきましては,コンビニ弁当屋さんに入ってくる前にすでに加工工程がありますの で,その時点で,原因はわかりませんけれども,何らかの形でもうすでに汚染が起こっ ていて,それが仕入れされたというふうに考えておりますけれども。 ○座長  第1点はそういうことですね。2番目は。 ○池田補佐  いまの模擬実験に使いましたコロッケと切り干し大根は,いまの資料の前のほうに出 てくるんですが,コロッケにつきましては,大阪市内の惣菜店で購入したということで ございます。それから切り干し大根につきましては,やはり大阪市内の惣菜店で購入し たとなっておりますので,そういった工程がすでに根底にあった可能性はございます。 ○座長  表3にすでに,別の材料だけれどもデータが出ているというわけですね。 ○戸部部会長  そうすると,BBPの出どころも同じようなことですね。矛盾はないんですね。 ○池田補佐 はい。 ○戸部部会長 それから手袋のことについて。 ○外海参考人  表5のほうの手袋ですが,この手袋は,実際に立ち入りした工場から収去してきた手袋 について3検体やりまして,それの平均値です。  工場から収去してきた,薄手と厚手とありますけれども,薄手のほうの手袋を使って, この実験をやったものです。だから,この弁当に使われた手袋をやっております。 ○戸部部会長 市販の,使っている手袋の中には,もっと高濃度のフタル酸エステルを 含むものもあり得るでしょうか。 ○外海参考人  これは河村先生が発表とかやられておりますが,材質は,ここにもありますけれども, 38とか41とか,この程度が最高じゃないかというふうに聞いておりますけれども。 ○戸部部会長 ありがとうございました。 ○座長 事務局,補足ございますか。 ○池田補佐 いまの国立医薬品食品衛生研究所の河村先生が発表されているのがあります。 これを配らせていただきます。 (資料配付) こちらで手袋について分析をしておりますけれども,1cm2当たり2,340とか2,500μgと いう数字になっておりますので,重量との関係がはっきりわかりませんけど,1cm2当た りというのはどのぐらいですかね。 ○外海参考人  大体1gですから,/gと置きかえてもあまり差はないというふうに聞いたことはありま すけれども。 ○池田補佐  そうすると,1cm2で1gだとすると, 2.5mg/gということですか。この場合はそれほど 高くないですね。今のに比べると,パーセントでは。 ○外海参考人  これは溶出試験ですね。だから,材質のほうはもっと,41%とか38%とか,材質中に は非常に高い濃度でもともと入っているんですね。 ○座長 いまの御議論についてはよろしゅうございますか。非常に高い濃度でもともと入って いるものであるということは,皆さんある程度は御承知だったとは思いますけれども, 調理でたまたまこういうふうなことが起こる。その量に対する評価ということになろう かと思いますけれど。 さらに御質問,御議論ありましたら,よろしくお願いします。 ○三森委員 資料No.3の4ページ目に書いてございますが,第2パラグラフのところでは,TDIは英 国農水省のTDIを採用していますけれども,お弁当中に含まれている量から換算すると, TDIを50μg/kg/dayとした場合には,最も多い場合19.5%に相当すると書かれておりま す。 このもとになる値が,4ページ目の一番上から5行目に54〜1,220ng/gの範囲であった と記載されていますが,資料No.5の表8の切り干し大根のところは,DEHPの値が,処理 前から,手袋処理をしていくと15,000ng/gとなります。すなわち,平成10年度の研究の ときよりも1桁上がってきており,もうこの時点でTDIは超えていると考えてよろしいわ けですか。 ○池田補佐  先ほど説明するのを忘れてしまいましたが,ただいまの資料No.5の15ページのほうを 御覧いただきますと,表10というのがあるんですが,こちらの表9にあるような幕の内 弁当の市販品とか,それから収去した品についての分析をしたフタル酸エステル類の数 値を,弁当1食当たりで計算をしております。  DEHPについて見ていただきますと,1,829〜5,298μg/gとなっておりまして,それを, 下の表10でTDI比をとっております。  ただ,ここのところのTDI比は,DEHPはEUの値ということですので,先ほど御説明し た40よりは37になるんですかね,で計算しているということですが,DEHP比で98.9〜 286.4%ということで,この高い数字のものについては,TDIの一番下の数字40という数 字からするとすでに超えていると,計算上はなります。 ○座長 一部超えるところがあるということですね。ぎりぎりのところだということのようで す。 これと関連して,御意見,御質問等ございましたら。 ○鈴木委員 ちょっと関連はしていないかもしれないんですが,資料No.5の表8のところで,手袋 とアルコールを併用すると,さらにDEHPの移行量がふえるという点なんですが,これは どういう形が考えられるんですか。手袋からのもの,アルコールからのもの,それぞれ が足し合わされるということですか。 ○外海参考人  消毒用のアルコール中のDEHPもはかってみたんですけれども,それほど高くはありま せん。少しはありますけれども。 従いまして,アルコールプラス手袋で増えているのは,一応アルコールを使うことによ って,手袋からの溶出が促進されたというふうに解釈していますけれども。 ○座長  その点は御議論はないですね。よろしいですね。 ○戸部部会長  その分析とは関係ないんですが,食品加工中に,食品に直接消毒用アルコールが触れ るというような加工食品の取り扱いというか,加工食品じゃなくて生でもいいんですけ れども,そういう取り扱いというのが,厚生省としてはどういうふうにお考えになりま すか。 ○座長  O-157の問題もありますから,そのへんも合わせて御回答ください。 ○池田補佐  いまの消毒用アルコール自体は,手袋なんかの殺菌というか,そういう目的で使って いるということですけれども,結果的に,それをつけた形で食品に触れるということで 移行する可能性があるという御指摘だと思います。 エタノールにつきましては,食品添加物のほうでも使用が指定されておりまして,使用 できるということがございますので,それほど使いすぎなければ特段問題はないのかな と考えておりますが。 ○戸部部会長  使用基準がありますか。 ○池田補佐  ありません。 ○戸部部会長 そうすると無制限に使えるということですか。 ○池田補佐 使用基準は確かにないんでございますけれども,そもそも食品にエタノール含量が何 パーセントとなるようなほど使ってしまえば,製品が不良品と言っちゃいけませんが, ちゃんとした製品ができないんじゃないかと思いますので。 ○戸部部会長 乱暴な話ですけれども,子ども用のお菓子に,ブランデー入りのお菓子はあまり家庭 では食べさせないというようなことを言っていますね。普通,家庭では。 ブランデーと消毒用アルコール,ちょっと質が違いますけれども,おそらく食べ物に 残るというふうには思いませんけれども,そういう調理方法そのものが,ある意味で自 由だということについて,こういう問題が起きて,あわててそういう議論をするわけで すけれども,何らかの考え方を示されたほうがいいんじゃないかなというふうに実は思 うんです。 バケツというと嫌な思い出がありますので,バケツに,手袋をはめた手を入れながら 作業をするというようなのは,かなりアルコール移行量があるんじゃないかなというふ うにも思うんですけれども,そういう意味で,食品衛生法上で何か考えられることがあ れば,そういうことも一括して,この際,考えておかれたほうがいいんじゃないかと。 単にフタル酸エステル類の入った手袋だけの問題じゃないんじゃないかというふうに も,そのほかのものも,やっぱりアルコールが共存することによって,容器包装から溶 け出すものがかなりあると思うので,つけ加えさせていただきました。 ○食品化学課長 これは正直言って,後で先生方にお諮りしようかなと思っていたんですけど,いまの 議論は,むしろ私どもとしては,エタノールの処理前後で明確な差があれば,エタノー ルの使い方を減らせば,塩ビの手袋は従前どおり使ってもいいのかなという観点から, エタノールの処置を入れたんですね。 ただ,わかったことが,食材によっては,油っぽいものについては,エタノールの使 用に関係なくフタル酸が移行してしまうので,むしろ塩ビ手袋自身を問題にしなければ いけない。 とりあえず私どもはそう思っているわけです。 あと,エタノールの処理をどうするかという問題は,私ども食品化学課の立場からす れば,将来的には,たとえば手袋の規格みたいなものをつくるときに,現在として,た とえば油での抽出,溶出物試験というのはないものですから,そういうものを検討して いただくことも一案かなと思っています。 ○池田補佐 補足しますと,今のようなエタノールがかなりたくさん使われているという状況はさ っきもちょっと出たんですが,例のO-157問題等で,食品の製造過程の衛生管理というこ とで,どちらかというと,自主的,衛生的にやろうということで推奨されて広まってき たんじゃないかと推測されます。  従いまして,問題は食品の製造工程の衛生管理の問題にも絡んでまいりますので,私 どもとしては,うちの課だけで対応できる問題でもございませんので,食品衛生を担当 しております食品保健課等とも相談して,弁当,惣菜等の衛生管理なんかの中身にそう いった点を盛り込むべきかどうかとか,そういった点は別途検討させていただきたいと 思います。 ○座長  そうすると,エタノール問題は,食品衛生全体の面から検討する方向ですると。  では,話を戻して,このフタル酸エステル類の移行の問題については,今日のところ はDEHPに限定すべきかもしれませんけれども,これはアルコールの問題で,エタノール を使用しないということで防ぐことができないということで,この問題はこの問題とし て解決する必要があるだろうという考え方ですね。  じゃ,引き続き御議論をお願いいたします。  おそらく一般的にも注目されている状況だと思いますから,できるだけ掘り下げてい ただくことが大事だと思いますので,よろしくお願いします。 ○中澤委員  外海先生にもう1度確認させていただきたいんですけれども,資料5の13ページの,先 ほど御質問がありましたことの繰り返しになるかもしれませんけど,ここに出ているDEHP の濃度が41万μg/gということになりますと, 410mg/gということで,重量パーセント でいきますと,40%ぐらいが可塑剤というふうに理解してよろしゅうございますでしょ うか。 ○外海参考人 はい。表5ですね。 ○中澤委員  そうですね。このデータは,同じ会社の製品だと思うんですけれども,幾つかの手袋 を分析されたことはございますでしょうか。つまり製品のばらつきみたいなものは。 ○外海参考人  私どもは弁当工場から入手してきたものしかやっておりませんけれども,先程言いま したように,河村先生は容器包装の観点から,いろんな種類の手袋を実際に材質分析さ れております。  それによりますと,たしか5種類ぐらいやられていたんですが,いずれからも,38%と か40%とか,それぐらいの高い濃度が検出されております。 ○中澤委員 そうすると,材質試験からすると,大体オーダー的にはこのくらいだということです ね。 ○外海参考人 このぐらい入っているようです。 ○中澤委員 わかりました。 ○座長 どうもありがとうございました。ほかに御質問。 ○林委員 ただいまの中澤先生の御質問と同じなんですけれども,40%の可塑剤が含まれている ということは一般的に知られていることなのか,あるいは,このように多くの可塑剤が 含まれているということは公表されている事実なのかどうか教えて下さい。 ○座長  事務局,御質問の意味わかりますか。よろしいですか,いまの2点は。 ○林委員  たまたま今度実施された衛生研究所の試験でわかったのか,それとも,公表されてい る事実なのかを教えていただきたいという意味です。 ○池田補佐  どういった材質で,どういう製品にどのくらい入っているかという詳しいデータが公 表されているかどうかということまで私はちょっと承知しておりませんけれども,塩化 ビニル樹脂製材の可塑剤として入っているものの分量としては,おおむねオーダーとし ては10%とか20%,あるいはいまのような40%というようなものがあるということは, 業界等の話の中では聞いておりました。 ○林委員 5%とか10%位のオーダーと想像していましたので,40%という値を聞いて意外に思 い,質問した訳です。 ○外海参考人 物によると思うんですね。柔らかくしようとしたら,それだけたくさん可塑剤を入れ ないと,柔らかく,フィット性のいいものができないということじゃないでしょうか。 だから,硬い塩ビ製の手袋であれば,もう少し含量が低いんじゃないかと思いますけれ ども。 ○座長 例えば,実験での使い勝手は悪いけれども,いろいろな再現性とか何かに関わってく ることを嫌って,パリパリの手袋を使うということは,確かにラボでは日常的にはある んです。 だけど,そうすると使い勝手が悪くて試験管を落っことしたり,いろんなことが起こ るんですけどね。 さて,ほかにはいかがでしょう。 ○外海参考人  サンプルを持ってきておりますので,回覧させていただきます。 ○池田補佐 いまお手元に,塩ビの手袋と,ポリエチレン製の手袋2種類だったと思いますけど, 供覧させていただいています。                 (サンプル供覧) ○座長  今,供覧いたしておりますので,その間,御質問がありましたら,どうぞお続けいた だきたいと思います。よろしゅうございますか。  御質問がないので,僕のほうから問題提起をさせていただきますけれども,これはア ンチアンドロジェニックケミカル(抗男性ホルモン性化学物質)なんですよね。厳密に は。  問題は,用量が割合高いところでしかデータが出ていないというふうなことが,調べ てわかったということと,しかしながら,そういうものであるということは事実である ということの両面がある。  それで,この内分泌かく乱性の問題については,他の物質とともに全体の流れの中で いくことでやむを得ないだろうという判断でまとめてあるわけですけれども,そういっ たことなんかについても,もし御質問とか御意見なんかあったら伺いたいところなんで すね。それはよろしゅうございますか。 ○戸部部会長  安全性の点に入っておりますので,資料No.6の2ページ目でございますけれども,耐 容一日摂取量TDIの値をここで出されているわけですが,この値そのものということでは ありませんが,「とすることが適当とされている。」というふうに表現されているんで すが,これはどこが,適当というふうにされたのか。  私はどちらかといえば,この委員会で,適当だというふうにお決めになったのではな いかと思ったんですが,この文章ですと,どこかがそういうふうにしているので,それ を使ったというふうに理解せざるを得ないというふうに思いますが,どうでしょうか。 ○座長  これは事務局から。 ○食品化学課長  事務局から御説明します。実際に,1枚目,2枚目の著者は事務局で,先生方に,いま のようなことの概要を御説明するためにつくっております。  3ページ以降,DEHPの安全性評価結果のところは,「されている」でなくて,そうい うふうにしたという意味の表現になっております。  したがって,全体で,たとえばここで御議論をして,何らかの御結論をいただいたら こういう表現ぶりは正しくないと思いますので,訂正します。 ○座長  これはあくまでも参考ということですね。 ○戸部部会長  堂々と,適当だというふうに言い切っていいと思います。 ○黒川委員  私も参考の概要を拝見して,事務局がつくったというから,また1つフィルターがか かっちゃって妙な文章になっているので,戸部先生の御質問もうなづけるんですけれど も,TDIのことについては,10ページを御覧になると,「したがって,現時点では,DEHP の暫定」,暫定というのは,われわれの委員会でやったから暫定とつけたようなもので ありますけれども,「40〜140μg/kg/dayが適切であると考えられる」,一応これの報告 書的なものの結論で,それをまた引用したような文章ですから,ちょっとここがね。  われわれが書いたならば,「適切である。」と書いたはずなんですけれども。中身は 変わらないと思いますけれども。 ○戸部部会長  よくわかりました。ありがとうございました。 ○三森委員  資料6の2ページ目の耐容一日摂取量の「当面のTDIを」というところですが,40〜140 μg/kg/dayと記載されています。通常,TDIは一番感受性の高いパラメーターから評価さ れるものと考えていたんですが。  すなわち,生殖毒性よりも,精巣毒性の障害性のNOAELが 3.7ですので,こちらの値か ら不確実係数100を適用するのではないのかなと思ってきたんですが,幅を持たせた理由 はどういうことでしょうか。 ○外海参考人  そのへんは実際に調査をなさった長谷川先生に。 ○長谷川参考人 個人的な見解を含めて。  実際に,暫定を含めて,TDIという定義が,これはある程度しっかりした委員会で決め るべきものがTDIであって,一応集まって皆さん話し合いをして,こんなふうにしたらど うですかというのは,本来,TDIという言葉を使うのはあまり適切ではないということが 基本にあります。したがって,提案とはいっても,あくまでもプロポーザルであるとい うことであります。  たまたまここに40と 140μg/kg/dayというふうに出ておりますが,細かい数字を,本 来,TDIのときにはあまり決めるべきでないんじゃないかということがあって, 3.7mg/k g/dayを不確実係数100を適用して40μg/kg/dayにしたというのが1つあります。  個人的見解を申し上げますと, 3.7mg/kg/dayのほうにつきましては,これは精巣毒性 から来ておりますが,精巣毒性に関して,ラットとマウスのいろいろたくさんのデータ があります。  先程、一部出ておりましたように,日本での実験で,マーモセットで2,500mg/kg/day の13週間の投与で,全く精巣に影響が出ない。 それから,フェデラル・レジスターの中に,これは実は正確には確認できていないんで すが,14日から28日ですか,の投与で,これはマーモセットとカニクイザルで,精巣及 び肝臓に影響がないというようなことが出ております。 そういうこともありまして,個人的見解ですけれども,明らかに種差があるようである ということで,げっ歯類での精巣毒性の数字を,現時点では明確に使うのは避けたほう がいいんではないかというのが個人的見解です。 一方,14mg/kg/dayに不確実係数100を用いて導かれた 140μg/kg/dayという数字ですけ れども,これはいわゆるNTPのほうで行っております催奇形性ということをベースに して設定がされた値です。 これにつきましては実際に,催奇形性についても,あるいはメスに対する毒性について も,これは現時点で,霊長類というか,サルの実験もありません。 そういうことも踏まえますと,14mg/kg/dayという数字は動かせないということで,たま たま2つのエンドポイントでの数字として,ここに掲げてあるということで,TDIは本来 この会議で決めるべきものかなというふうに理解しております。 ○座長 今の御説明よろしゅうございますか。2つのエンドポイントのデータが出ていて,低 いほうのものが不確定性があって,だけども,無視することはできないだろう。それか ら一方,高いほうのものは,これは明らかにとるべきである。で,両方併記しておいた ほうがよろしいのではないか。こういう考え方ですね。で,TDIとして,ここで皆さんに 御議論いただいて決定するかということか思いますけれども,よろしくお願いします。 ○三森委員  40μg/kg/dayとした場合,精巣毒性については確かに,マーモセットとか霊長類では 精巣障害性は起こらないということは理解しておりますが,この精巣障害性に関しては 明らかにペルオキシゾームプロリファレーターとはメカニズムが違うわけです。 確かに種差があるということですが,現時点ではそのメカニズムがわからないわけで すので, 3.7mg/kg/dayでNOAELをとっているところはやはり崩すことはできないと思う んですが。   140μg/kg/dayはさらにその上ですから,安全性評価から見れば,40μg/kg/dayのと ころがTDIにならざるを得ないのかなと思うんですが。 ○長谷川参考人 個人的に答えるんですか。 ○三森委員 委員会でどのへんのところまで,そのへんのお話をされているのか。 ○長谷川参考人 それは,今お話に出ましたように,マーモセットの実験はクリアにパブリケーション されていますけれども,カニクイザルのほうの実験は,SOTでは発表はされているよ うなんですが,サマリーを読んだだけでもクリアにならない。  実際に学会の中身のことはちょっとわかりませんので,その後,たしかあれは1999年 の学会だと思いますが,そのパブリケーションがないということで,サルでの精巣に対 するエフェクトがないということを現時点で確定はできない。ただし,かなりその可能 性は高そうだと。 たとえばダイオキシンについては,アメリカでもサルを使ったりして,かなり前から 実験しておりますので,日本でこういう問題が起きたということも踏まえて,このへん は少しリサーチのほうもやっていったらどうかと。日本の全体のあれとして,かなり厳 しい値を設定すると動かせないとかいう現状もあるような気がします。 ただ,それとは別に,こういう化学物質にばく露されるというのは当然,いまわから ないことでも将来的にどういうAdverese Effectが出るかわかりませんので,それとは別 にできるだけ下げるという方向でいくことは当然望ましいことだと思っています。 ○座長 よろしいですか。それと,長谷川先生が何度か前置きしておられるように,これはあ くまでも,この委員会に対するたたき台としてのある程度の分析がないと,先生方も, 突然の議論では大変お困りだろうということがあってのことですので,もちろん長谷川 先生の個人的なお立場を含めた参考意見ということでお聞きいただけばいいと思うんで すけれど。 事務局,いまの議論についてはよろしゅうございますね。 ○池田補佐  はい。 ○福島委員 いまの議論に関連するんですが,長谷川先生と三森先生の議論の中で,今のTDIを40〜 140μg/kg/dayにというある程度の幅を持つと。それはそれで1つの見解だと思うんです が,そういう幅を持つということは,それぞれの立場が違うと,その数値をとるという ところにやはりいろんな意見が入ってくると思うんですね。  そういう意味で,僕の質問は,2ページの下のところの「米国における評価」という ところで,米国はNOAELを約10mg/kg/dayというふうにとって,その根拠として,精巣毒 性のNOAELと,生殖毒性のNOAELをとっているわけですね。それの結果から,約10mg/kg/ dayというような形で,1つの値を求めようとしております。  これも1つのやり方だなと思いますが,僕の質問はもう少し細かくなりますが,そう すると,4mg/kg/dayと14mg/kg/day,ここから,アメリカの場合,NOAELを約10mg/kg/day というふうにとった根拠というのを教えていただけるとありがたいんですが。 ○座長 これは非常に,その論文の内容たるやいわく言いがたいところがありますので。 ○池田補佐 正確にお伝えできるかわかりませんが,お配りした参考資料6の,これがフェデラ ル・レジスター(Federal Register)に載っております,アメリカの現在の評価の資料 になりますが,いまの御議論のところは,右下に黒いページを打っているページで18 ページのところになります。 18ページのところに,一番下に表になっておりますように,いま議論になっておりま すLambらのNOAELとか,PoonらのNOAEL,ラットとしてのNOAEL,ここでは約 4.0 mg/kg/ dayとなっております。そのあたりを踏まえると,現時点でのNOAELとしては10mg/kg/day あたりだろうということになっていまして,訳文は正確ではないんですけど,ここに対 応する訳文が後ろについていまして,44ページでございます。 44ページのところで,いまありますように,PoonとかLambらの調査におけるNOAEL4mg /kg/dayとか14mg/kg/dayを比較すると,これは大体同じようなものだということで,現 在のいろんなデータを見ていくと生殖性への影響についてのNOAELは約10mg/kg/dayであ るというように見える。これは訳は正確ではないものですから,英文のほうが正確です ので,そちらを御覧いただいたほうがいいと思いますけど,一応結論だけ申し上げると こうなっております。 ○座長  そういう御説明でよろしゅうございますか。なかなかフェデラル・レジスター (Federal Register)も苦労して書かれているんですね。 ○長谷川参考人  ちょっとつけ加えさせていただきますけれども,御存じのように,毒性試験は,設定 したドーズがそのまま数字になってしまいますけれども,Poonの実験が参考資料No.7で すので,参考資料No.7を開いていただきたいんですが,参考資料No.7の229ページに テーブル3というのがございまして,テーブル3の上半分がオスのデータですけれども, その中で,ここで基準にしているのが,精巣の右側にありますセルトリセルのvacuolati onのところを基準にして,これが50ppm をNOAELにしているというようなことだったと思 いますけれども,ここで,たとえばこれは広瀬先生の見解ですけれども,ここではセル トリセルのvacuolation がコントロールがゼロになっているんですね。これは本来,ゼ ロというのもどうかなとか,そのへんかなり悩ましいところをベースにしてとってきて いるという,いろいろなuncertainty のある中でのディスカッションの折衷案になった のではないかと予測いたします。 ○池田補佐  Poonの論文のところのNOAELの数字は,いまの表を受けまして,235ページの下のほう に,ただいま先生御説明のような御議論が載ってございまして,広瀬先生が御評価され ました結果は,先ほどの資料No.6の15ページのところに,資料No.6の15ページの上半分 が,Poonらの精巣所見への評価ということでございまして,例のセルトリ細胞の空胞化 についての御議論でございます。 結局,5ppm とか50ppm 群での空胞化の増加については,それらの発生頻度とかシビア リティスコアの増加に有意差がないものと判断して,NOAELは50(ppm)ということで評 価をされた。結論だけ申し上げるとそうなっているというようなことでございます。 ○座長  よろしゅうございますか。それでは次,林先生どうぞ。 ○林委員 現在入手できるデータから見ますと,やはりNOAELを4mg/kg/dayとか14mg/kg/dayとい うような値にするというのは,このデータに関する限りはやむを得ないと思うんですね。  ただ,ここで大事なことは,4mg/kg/dayあるいは14mg/kg/dayと,単一にするか幅を持 たせるかという細かいことは別として,そのくらいにするということの意味づけをはっ きりさせる必要があるということだと思います。というのは,ほかのデータを使えばも っと低い値になるという可能性もあるんですね。 そこで,このデータをずっと見てみますと,たくさんありますけれども,そのデータ を大きく3種類に分けられる。第1は,非常に信頼度が高い十分なデータがあるというこ とですね。それはやはり肝臓の腫瘍のデータと,精巣のデータだと思うんですね。  それについては,しかし,種差が非常に大きいからというような問題があるわけです ね。ですから,不確実係数を 100にするということもよろしいですし,わりあいに大胆 にNOAELを決めるということもできる。 もう1つのデータというのは,信頼度はある程度あるかもしれないけれども,その意味 づけが不明であるというデータだと思うんですね。それはMCF-7の細胞の増殖活性という 問題もありますし,16ページにありますアロマターゼの阻害というのもその1つだと思 うんですね。 これはもっと低い濃度で起こるけれども,その意味づけがちょっとわからない。リスク としての意味づけが。  第3のカテゴリーは,非常に低い濃度で起こっているらしいんだけれども,どうも信 頼度が十分でない。だから,どうしてもそれの確認が必要だと思うもの。 それのいい例が,15ページに書かれたArcadiの論文で,これは長谷川先生も十分コメン トなさっていますけれども。 そうしますと,いまの2のカテゴリー,3のカテゴリーについての十分な説明がキチッと ないと,これはやみくもに4mg/kg/day,14mg/kg/dayとしますとちょっと混乱が起こるん じゃないかと思いますので,4mg/kg/dayとか14mg/kg/dayにされるということは非常にい いんですけれども,先ほど言いましたように,2のカテゴリー,3のカテゴリーのデータ についての問題点をきれいに洗うということが必要なんじゃないかなということだと思 います。 ○座長  事務局からお答えいただきますが,いまの林先生の御指摘の第2点のほうはエンドク ラインディスラプター(内分泌かく乱物質)としての性格と用量との関係で,それは資 料にお示ししたような状態で,一般毒性のほうを優先にしてとりあえずは見ておくこと でやむを得ないし,適当であろうということですね。  3番目は,いま議論されたように,生殖毒性については,データの読み方にいろいろな uncertaintyが,殊にArcadiのデータに対して存在するということなわけですけれども, 事務局,何かつけ加えることありますか。よろしいですか。  それでは,ほかにございませんか。もしございませんようでしたら,事務局に現在の 認識をおまとめいただいた内容に沿って,諸先生方からは一通りの御納得をいただいた と考えて,今後の方向性について,事務局として,TDI問題も入るのかどうかわかりませ んけれども,お示しいただこうということです。よろしくお願いします。 ○食品化学課長  資料No.6の参考の2枚の取り扱いなんですけど,基本的にこれでよろしいと,Arcadi についてもコメントがここにございますので,いま林先生の質問も含めて盛り込まれて いると思うんですけれども,先ほど御質問がありました,事務局の責任でつくったこの ペーパーが,「されている」というのが,一番最後の耐容一日摂取量TDIだけじゃなくて もっと前のほうから「されている」がいっぱいあるんですね。  たとえば肝臓への影響のところで,IRCがこうやったというのは「されている」と いうことでいいんですが,その次の精巣毒性,生殖毒性のパラ1のところも「されてい る」となっていますが,これは「である」ということに直させていただきますし,その 次も「である」,その次もパラも「である」,その次も「である」とか,そういう形の 修文をした上で,この紙はこういうことでよろしゅうございますでしょうか。 ○座長  いまのような修文でよろしいかどうかについて。 ○三森委員  修文されるんでしたら,2ページ目の第1パラグラフの「その他の」のところですけれ ども,そこの3行目に「最小作用濃度(10μM)」と書いてあるんですけれども,この 値は,後ろの資料を見ますと 3.9mg/kgというふうに換算されていますので,これを 明記されたほうがいいと思いますが。  というのは,試験管内での試験成績では3.9mg/kgでも作用濃度である訳です。そ れを明確にされないと,後の文章に続いていかないんじゃないかと思います。 ○座長  じゃ,その点をよろしくお願いします。  ほかにはございませんか。 ○ 成田委員  1つだけ,外海先生にお聞きしたいんですけれども,資料No.5の14ページのところ, コロッケですと油なんか使うのに,アジピン酸ジエチルヘキシル(DEHA)はかなり少な いんですけれども,一番下の切り干し大根煮のところですと,DEHPはもちろん多いんで すけれども,DEHAのほうもかなり多くなっているんですけど,これはどういう理由と考 えられますでしょうか。 ○外海参考人  これは推測なんですけれども,切り干し大根というのは油揚とか,油っけのものが結 構入っているんですね。だから,そういうものによる溶出と,消毒用アルコールによる 溶出とが多少違うという可能性があるんじゃないかと思うんですね。コロッケと比べま して。  だから,ほかの種類のフタル酸エステル類も,切り干し大根の場合には出てきている んじゃないかなと。これは考察,推定で,はっきり証明をしているわけではないんです けれども。 ○成田委員  ここだけ急に多いものですから,どういう理由付けかなと思いまして。ありがとうご ざいました。 ○座長  どうも御質問ありがとうございました。 ○鈴木委員  大筋で,きょうの議論で僕もいいと思っているんですけれども,ちょっと確認させて いただきたいんですけれども,2つぐらいあるんだと思うんですが,先ほどのArcadiさ んの実験の件もあるんですけど,今後の実験で,生殖試験の成績がもう少し細かくやら れてきて,影響が,もしかすると齧歯種類の場合,低いところに出てくる可能性がある かもしれない。  その場合にどうするかというのと,それから,だいぶ仕事が進んでいまして,ペルオ キシゾームプロリファレータレセプターノックアウトマウスなんかで仕事をされている んですけれども,それで見ると,メカニズムが必ずしも,全体として見てもペルオキシ ゾームの増殖にはかかわらないのかもしれないというようなことができて,そうすると 種差の問題とかそういったようなところが絡んだ問題として,いままでのような議論の 中でTDIなんかを決めていく話というのがいいのかどうかというようなことをちょっと考 えているんですけど,いかがなものでしょう。 ○座長  事務局 いかがですか。  ペルオキシゾームプロリフェレーターの問題については,ノックアウトマウスなんか のリファランスをくったんですけど,いまのところデータが出てこないんですね。これ からそういう問題が出てくる可能性はあると思うんです。  それから,アンタイアンドロジェニックのデータが,これから詳細なデータが出てく るに従って下がってくる可能性,これはもちろんあると思います。エンドクライン全体 の見直しが進んでいますから,それを待つしかないんだろうというパーソナルな考え方 を持っていますけれど,事務局,補足ございませんか。 ○食品化学課長  そういうことでしたら,たとえばいまフタル酸ジエチルヘキシルだけやっていますけ ど,このTDIはとりあえず暫定とかいうようなことにしておいていただいて,僕らもいろ んな毒性のデータをウオッチングしていますので,何かありましたら,また御検討いた だくということでお願いしたいんですけれども。 ○座長  それでは,御質問がなければ,今後の扱いについてお願いいたします。 ○食品化学課長  まだ御議論いただかない部分がありまして,ほかの部分については,とりあえずDEHP だけ問題にすればいいというような感じでございますので,外海先生のデータを見ると 市販弁当で322〜4,306μgで,平均で1,768μg出ていて,先程のTDIを50倍いたしますと 2,000〜7,000μg/dayということになって,平均値の1,768に非常に近い値である。1食 分ですね。多いものはもっと多くなってしまうわけですね。 TDIの議論ですから,これが直ちに人の健康に何らかの影響があるとはたぶん言えないと 言っていいんだろうと思うんですけれども,こういう平均値レベルでも非常に近いとい うことでありますので,塩ビの手袋の使い方,食材については,直接触れるような使い 方は避けてもらおうというような行政通知を出すことでいかがかなと思うんですが,ど うでございましょうか。 ○座長  わかりました。TDI値との接近でありますから,それが即そのまま安全性にコンフリク トするわけではないけれども,かなり接近して,1食分で一致しているので,それなり の措置をとるべきかということを,委員の方々がどうお考えになるかというのが御質問 ですけれども,いかがでしょうか。 ○戸部部会長  平成10年の3月13日に,毒性と容器包装の合同部会を開いております。その議事録を いま手元に持っておりますけれども,このときは内分泌かく乱物質を主体とした議論を いただいて,殊に内分泌かく乱物質の専門家として,いま隣で座長をおやりになってい る井上先生とか,横浜の井口先生,3名の方に御議論いただいたんですが,そのときに も,このDEHPの議題が挙がっております。 しかし,このときには,いまのような問題は全く議論の中に出ておりません。というの は,DEHPについては,それほど際立った毒性がこれまで報告がないということもあって それから現実に,この環境中にどのくらい出てくるかということもはっきりしませんで したので触れていないわけです。 そういう意味で,わずか3年の間に,きょうのようなことが出てくるわけでして,これ はそういう調査をされたから出てくるわけですが,TDIも大切ですけれども,さっき林先 生がおっしゃったように,40%もこういうものが使われているのは,私も初めて知りま した。 そういう意味で,現実と,われわれがこういう会議で議論するのと少し乖離があると いうふうに思うんですね。 そういう意味で,先ほどアルコールのことにも触れたのは,その趣旨もあったんです けれども,ぜひ総合的に評価されたい。 私は,いま一番緊急の問題は,手袋の使用を,他のもっと溶出しない手袋に変えると か,あるいはほかの方法で,調理の衛生状態を保つということに早急に切りかえたほう がいいと思います。 ○座長 毒性部会長のいまのお話に。 ○食品化学課長 いまのお話,早急にということでございますので,地方公共団体と,いろいろなお弁 当をつくっている業界に,できればがんばって,今日中ぐらいにも指導の通知を出すと いうことで対応したいと思うんですが。 ○座長 よろしゅうございますか。 ○戸部部会長 お願いいたします。 ○座長 それではほかに,今の指導通知についての是非を含めてお考えをお願いいたしますが よろしゅうございますか。 じゃ,御承認いただいたものと考えて。 ○食品化学課長 どうもありがとうございました。 それから先程,40%のフタル酸云々という話が出ましたが,長期的には,いま問題と なりました塩ビの手袋について,食品衛生法上の容器包装の基準で一体どういうことが できるか,いろいろ現状も調べながら,何か規格をつくるということでも対応できない か検討してみたいと思いますが,いかがでございましょうか。 ○座長 その点についていかがでしょうか。 ○中澤委員 資料No.5の表8の模擬実験でございますが,このデータ,非常に私,関心を持って見 ているんですが,先ほど成田先生おっしゃったように,切り干し大根で,これはアジピ ン酸ジエチルヘキシルがかなり高い。  しかし,右側カラムを見ますと,フタル酸ジイソノニルだと思いますけど,これも高 いんですね。大体この3つが高い。  一番上のカラムの米飯を見ましても,大体この3つの化合物が高い。特に手袋,アル コールのところで高くなっております。ところが,コロッケのところで,アジピン酸ジ エチルヘキシルが低いのと,一番最後のほうはNDになっているんですね。  このあたりは,外海先生,何かお考えございますでしょうか。 ○外海参考人  特別なぜかということはよくわかりませんけれども。 ○中澤委員  同じ手袋でおやりになったわけですね。 ○外海参考人  そうです。米もコロッケも切り干し大根も全く同じ手袋を使ってやりましたけれど も。 ○中澤委員  なぜコロッケだけこういうふうに全然出てこないのかなというのは,さっき先生がお っしゃったように,脂溶性とか何かを考えますと,むしろコロッケのほうが高いんじゃ ないかというふうに考えると,これはちょっと合点のいかないような結果かなと思った んですが。 ○外海参考人  切り干し大根の高い理由といいますのは,途中の考察にも書いておりますけれども, 非常に汁けが多いということで,接触面積というか,それが非常に影響しているように 感じるんです。  ベチャッと全面的に手袋に接触しますし,コロッケですと表面はギザギザでありまし て,全面積が,つかみ方にもよると思いますけれども,接触しているわけではないんで すね。そのへんの手袋の溶出条件が,食材によってかなり違ってくるんじゃないかとい う感じは持っているんですけれども。 ○座長  議論はなさっていただいて結構なんですけれども,いろいろむずかしい問題もあろう かと思いますが,私どもで話し合ったときは,熱くて,コロッケのほうはわりあいさわ らないんじゃないかとかいろいろあったんですけれども,それはともかくとしまして, 今後ともいろいろ究明をしていただきたいと思います。 これで終了ということでよろしいんですか。 ○池田補佐  1点,先ほどのエタノールの関係で,アルコールの関係で,食品保健課から情報提供 がございまして,調理施設に対しまして現在,衛生指導をしているわけでございますけ れども,その中では,アルコールの使用については,調理台とか調理機械なんかを洗浄 殺菌するという場合に,70%のアルコールの噴霧とか,それらと同等の効果を有するよ うな方法で殺菌をしろという指導はしておりますけれども,いま問題になっていますよ うな手袋とか手とか,そういったものにアルコールを使うというようなことについては 指導は特にしていないということでございます。 ですから,指導にかかわらず,業者が自主的に,より衛生的にということで,このよ うなことをいまやっているのかなということでございます。 ○座長 むずかしいところなんですね。 それでは,これでもって,きょうの議題について一応御議論いただいたということに なろうかと思います。熱心な御討論どうもありがとうございました。事務局は御準備御 苦労さまでございました。 ほかに,最後に言っておきたいというような御意見がないようでしたら,事務局のほ うにお返しいたします。 ○食品化学課長 本日は緊急に先生方,無理な御予定をお願いしましてお集まりいただきまして,いろ いろ貴重な御意見ありがとうございました。 できるだけ速やかに,本件については措置をとれということで,そのようにできるだ け速やか,かつ適切な処理をとっていきたいと思います。 本日はどうもありがとうございました。                                     −了− ***********連絡先*********** 厚生省 生活衛生局 食品化学課(額田) TEL 03−3503−1711(内線2487)