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第10回福祉サービスの質に関する検討会(議事概要)

1 日 時 平成12年3月30日(木)10:00〜12:00
2 場 所 厚生省 別館7階 共用第11会議室
3 出席者 江草座長、石橋、柏女、北野、坂巻、清水、杉村、竹内、外山、中島、橋本の各委員
オブザーバー 全国社会福祉協議会 門廣企画部長、吉村
4 議事  
(1)試行実施の結果の報告について
(2)今年度のまとめの検討について

5 主な発言

(1)試行実施の結果の報告について

(発言1)

○ 第三者評価の場合、評価者個人の属性によって判断が違うので複数で行った方がよい。
○ 判断基準のマニュアルを作った方がいいのではないか。
○ 利用者評価と自己評価と食い違ってる項目が重要なので、自己評価だけでなく利用者評価もしてもらった方がよい。その際、いくつかのタイプの利用者の意見を集める必要がある。
○ 評価を受ける施設の方針として大切にしていることと、評価基準で良いとしていることが違う場合があるので、補足説明をしておく必要があるのではないか。といいこととよくないことが客観的に判断できないものもあるという意見がある。
○ なぜ評価されなければいけないのかという抵抗が強かったので、第三者評価に対するインセンティブをどのように働かせていくのかという点が問題である。
○ 領域ごとに施設の特性をチャート化した方がいのではないか。
(発言2)
○ 自己評価をして「やってる」というところに○がついていても、本当にやってるかどうかの確認は難しいであろう。
(発言3)
○ どういう取り組みをやっているかと具体的に聞かないと違いが出てこない。システムとしてやっているという証に具体的なマニュアルなり文書で出していただく。そういう具体的なものがないと検証不可能だし、そもそも検証以前に評価の対象にならないだろう。
(発言4)
○ 評価の位置づけについての認識が共通しているということが、その後の評価の流れに影響するのではないか。
○ 宮城県にグループホームの委員会での試行調査結果では、恒常的な取り組みを行っているところほど厳しい自己評価をしているので、そういったことも視野に入れて評価を行わないといけないのではないか。
(発言5)
○ 試行してみて、評価されることによって職員の意識が喚起されたということを言っていただいた。具体的には職員の間でマニュアルを作っていないととか、改めて自分たちの仕事を見直したというところが多かった。
○ 人事考課をやっていないという施設が何か所かあった。いいサービスを行っていてもマニュアルを整備していなかったり、評価基準で求めている行為を行っていないのでは、評価としては駄目ではないか。
○ 訪問調査は、時間的には1日でできると思う。時間が長くかかるところと早く終わるところは、基準で求めている資料が整備されてるかどうかである。事前にマニュアルなり資料の提出を要求して、それが提出されていれば、より早くできるだろう。
(発言6)
○ 在宅関係ではホームヘルプを調査し、ヒアリング等は同じ方式で行った。プライバシーの守り方、セキュリティの問題、サービス提供者間同士の相互の連携などについては書類上でも確認するとができなかった。基準にも入っていない部分なので、今後の課題となるであろう。
(発言7)
○ あるところはやっているからaだ、あるところはやっているが、文書化されてないからbだというブレが生じたのは、判断基準が要求する水準がはっきりしていないという問題点があったからであろう。
(発言8)
○ 評価のためのマニュアルや事例集など、これから経験を重ねていけば、評価も違ってくるであろう。

(2)今年度のまとめの検討について

 1)基準について

(発言9)

○ 利用者の自治会や利用者の委員会に関する事項は、「利用者の意見を聞くための取り組みを行っている」という項目の判断基準の中の「日常的に利用者と接する場面以外でも、提供するサービス全般に対する利用者からの意見を聞くことを目的とした場や機会を設けている」に含まれるということであるが、どの事項に含まれるかということだけでなく、利用者の委員会や利用者の自治会を施設が支援したり応援する気があるのかという問題もある。そういうシステムをどのように支援するかを施設側は考えているかということを含めて問題提起したつもりである。
○ 「意見に対する検討を行っている」という項目の判断基準に「出された意見については必ず検討が行われており、その対応等について実施、報告がなされている。」とあるが、これについては、実施が可能でないものもあるので、「実施されており、すぐには実施できない場合においても、その理由が説明されている」という答が望ましいのではないか。実際には全部実施されるはずはないので、実施されない場合にはどういう説明義務を果たしているか評価するべきではないか。「やっています」だけで評価してしまうのは危険なので、細かい解説書がいるのではないか。
(発言10)
○ 単に「利用者の意見を聞いています」だけではなくて、利用者から意見を書いたペーパーで出していただいた。施設によっては、利用者の自治会をつくり、文書でやりとりして、記録に残ってる。そういう取り組みは望ましい。ただし、それだけではなく、いろんな方法があるので先のような判断基準の表現になっている。
(発言11)
○ 判断基準に、「利用契約にあたり契約書が取り交わさされており、その内容も適切である」とあるが、何が適切か不明瞭ではないか。日本弁護士連合会のサービス契約のモデル案のような具体例がないと、契約書の中身が適切とはどういうことか分からないだろう。
○ 「利用者やその家族を尊重したサービス提供過程を確保している」とあるが、実施過程の前に、まずサービスを提供する計画を作成するにあたって本人及び代理人の意見や希望をどのように把握し、それを計画に反映させるかの評価があるべきではないか。そこを明確にしないと、利用者がどこまで意見を表明できるか、計画づくりに参画できるかが不明確になるのではないか。
○ 判断基準の中に、「利用者一人ひとりの問題領域」という表現があるが、介護者にとっては問題行動と思われるものでも、心ない言葉ゆえに本人が反抗している。おむつをされて外してしまうのは問題行動ではなく本人の当たり前の反応である。これは問題領域ではなく、支援する領域である。問題領域という表現は不適切ではないか。
(発言12)
○ 利用者などの意見に対する検討を行って実施するだけでなく、実施できない場合もその理由が説明されているかは判断基準になじむような部分であろう。
○ 自治会、委員会、あるいは家族会を設けるといった、いろいろな方法がある場合は、これらを総称した表現として、「場」という言葉を用いたのではないか。判断基準には、抽象的な表現が残らざるを得ないだろう。
○ 解説書や評価事例には、例えば、委員会を設けて、その委員会に対する費用の支援、機会の提供又は場の提供といった具体的な事例が蓄積されていく必要があるのではないか。このように判断基準に盛り込まなくてはいけない部分と事例集に載せる部分とに分れるのではないか。
○ 契約書についても、10を超えるモデル契約書があるので「モデル契約を参考にしているかどうか」という表現は判断基準に盛り込めるであろう。
○ 「サービス提供過程の確立」の項で、計画の策定過程なしに、いきなり実施過程というのは適切でないので検討が 必要であろう。
○ 「問題領域」というのは専門職側から見て改善が必要な領域という意味で、コミュニケーション、認知、排泄または食事についてこの表現を用いている。どんな表現がふさわしいかについては御意見をいただきたい。
(発言13)
○ サービス計画の目標については、本人のニーズ又は希望と乖離してしまうことがある。本人の希望が無視されてしまうのであれば、目標という概念はあまり信用できない。
(発言14)
○ 「利用者が有する課題を明らかにしている」という表現については、サービス提供計画では本人のできていないところばかりに着目するのではなく、利用者の望みや意向、意欲をサービス提供計画に反映しているという柱立てが必要ではないか。
○ 問題領域の「問題」というのは外したほうがいいのではないか。
(発言15)
○ 「問題領域」は「各領域」でいいのではないか。障害者に関して、自分で食事ができないと、それは問題領域なのかということになるので、中立的な用語にした方がいいのではないか。
(発言16)
○ 利用者の尊重の中で、「自由な生活」とあるが、どう解釈していいのか理解が難しい。
○ 「ヒヤリ・ハットメモ」の表現を分かり易くしたらどうか。
(発言17)
○ 評価していく上で頼りにしていくような手引を作って、運用の時に一緒に提供してほしい。
(発言18)
○ 手引は評価を続けていくうちに何度改訂してもいいので、初めからあったほうがいい。
○ こちらが質問して、ああ言えばこう言う、こう言えばああ言うということがないように、反応に対する評価をするための質問の手引きがいるのではないか。
○ お互いの人間関係ができるだけ影響しないような形の評価でないと客観性がないであろう。
(発言19)
○ 「サービスの提供」について、自立支援のための介護サービスの取り組みがなされているかという基準を入れる必要があるのではないか。
(発言20)
○ 「郵便や電話などの通信機会を確保し、プライバシーへの配慮がなされている。」とあるが、児童の施設の場合は、子どもの最善の利益にかなう場合は利用の制限をすることが当然あり得る。各施設の特性に配慮されてないものがあるので、配慮いただきたい。
(発言21)
○ 特別養護老人ホームと老人保健施設の評価基準を作った時は、自己決定と残存能力の活用と生活の継続性の3つの原理を打ち出した。この基準も、求めているものは何か、原理はどういうことかということを明示しておくことがいいのではないか。
(発言22)
○ 生活環境の評価の中で、「一人ひとりの利用者の状態に応じて、利用者の自立や自己決定を促進する観点に基づき」とあるが、これは大事な原理であり、初めに出てくるべき言葉ではないか。
(発言23)
○ 「利用者のメンタルヘルスに着目した支援」の判断基準に「サービス提供計画に基づき」とあるが、計画してやるものと、必要に応じて提供できる体制の両方とっておかなくてはいけないので、計画に盛り込むことのみを強調するべきではないのではないか。
○ 「精神的、心理的な支援」は同じことなので、どちらかでいいのではないか。
○ 「機能訓練が必要な利用者」については、「必要な」の判断が難しい。専門家が必要だと判断しても、障害者自身が希望しない方もいるので、「機能訓練を希望する利用者に対して」としてはどうか。
(発言24)
○ 基準が細かすぎるのではないか。少し絞ったほうが本当の評価になるのではないか。施設の福祉サービスをやる場合の基本的な原理原則を押さえておけばいいのではないか。
○ 細かくマニュアル化すると、そのマニュアルをチェックすればいいという感じになってしまうのではないか。
(発言25)
○ 代弁者、代理人、いわゆる「アドボケート」について触れられていない。例えば、「説明と同意を徹底している」という基準の中の、同意を求める相手にこのような代弁者を入れるべきではないか。
(発言26)
○ 評価基準の最初の部分に原理原則について分かりやすい言葉で触れておく必要があるのではないか。

 2)福祉サービスの第三者評価に関する中間まとめ(案)について

柏女委員

○ 第三者評価のモデル事業実施時に、施設の基本的考え方がこの評価基準に与える影響を捉えるため、施設の評価結果とあわせて、この施設は何を大切にしているのかを文章化して出していただくようにしていただきたい。
○ また、自己評価の他に利用者評価も行い、利用者評価と自己評価の食い違いを確認していただきたい。
(発言27)
○ インセンティブという表現が入っているが、一定以上の資質やレベルの評価機関については公費助成の仕組みが必要ではないか。
(発言28)
○ 第3者評価機関について、「国の認定基準を満たす限り、多数の機関を」とあるが、条件を満たす限り多様な機関が出てくることは望ましいが、必ずしも多数でなければいけないのか。
○ 最近福祉分野等において制度化されつつある他制度の例が挙げられているが、地方自治体における取り組みの例も入れてはどうか。
(発言29)
○ 第三者評価機関に関する苦情をどこかで受け付ける必要があるのではないか。
(発言30)
○ そこは民事の関係になる。第三者機関の評価がおかしいということなら、第三者機関と施設との関係として処理していただく。その時に、第三者評価の内容に関する苦情相談の窓口や委員会を持ってる第三者評価機関かどうかは、施設側が評価機関を選ぶときの判断基準として、あったほうがいいと思う。行政が異議申立ての解決を買って出るという話ではないと思う。
○ 評価が本当におかしければ裁判をすることになるのではないか。また、第三者機関の評価を別なところが独自にやることも考えられる。
(発言31)
○ 苦情解決制度について、国際的には「苦情対応」と訳すので、この用語でいいのか。
(発言32)
○ 苦情解決というのは、単に苦情に対応する、苦情を処理するだけではなく、それを解決して利用者のために質の向上に結びつけていきたいという思いがある。
(発言33)
○ 第三者評価機関については、法令に違反しない限りだれでも可能としている一方で、第三者評価の目的に合致した評価を行っている団体のみを国が認める評価機関として認定するとしている。そうすると国が認定した第三者評価機関と認定しない評価機関ができ、評価を受ける方は認定されないところなど問題にしないで、認定されたところにいく可能性が出てくる。規制緩和の時代に、国の御墨付きをもらうことにより、いい評価機関とだめな評価機関というランクづけができる可能性はないか。
(発言34)
○ 事業者にどの評価機関を選んだらいいのかという情報を提供しなくてはいけないだろう。国がいいと考えている第三者評価機関について示す必要があると思われる。認証に近い考え方であり、特権を付与するわけではなく、国が考えるものと合致していることを示す。それ以外の機関を排除するものではない。
(発言35)
○ ISOのように一定の評価基準があって、なおかつ違う評価スキームを作っても、それはそれで構わないということではないか。
(発言36)
○ 第三者評価を受けるとき、利用者の知らないうちに個人の資料が外に出てしまうことが本当にいいのかどうか。
○ 第三者評価機関が知った個人情報を本当に守ることを担保できるのかどうか。
(発言37)
○ 福祉サービスでも医療サービスでも専門職には法律上守秘義務規定があるので、評価機関の中にいる専門職の場合は規制があるだろう。それ以外は第三者評価機関の業務規定の中で担保していくことになる。
(発言38)
○ 地方分権の流れの中で、国が一括して全国レベルで第三者評価機関の認定を行っていくのか、県ごとにやるのかは大事なところであろう。
(発言39)
○ 今回の中間まとめは、国が認定するとしたらこういう考え方ということを言っているだけあり、都道府県が認定するものと調整はしない。
○ 一つに決めるということは、国による規制ではないかということがある。しかし第三者評価事業はこれから育てていかなくてはいけないという視点もあるので、規制ではなく複数つくるけど、どれが国の考えに沿ってるかというのは決めざるを得ないと思う。
(発言40)
○ 国が認定した機関に評価の申し込みが殺到して、民間の多種多様な機関は問題にしないということになれば有名無実になる。国の規制がどんどん強化されることにつながりかねない。
(発言41)
○ 国の認証を受けた機関が複数あれば、その中で競争してもらうということである。国の要求水準に合うところは全部手をあげていただいて問題ない。一定の基準を満たしていればいいとしたい。
(発言42)
○ 第三者評価機関の認定基準は最低限度のところになるのではないか。

6.今後の予定等

 事務局において、本日出た意見を踏まえ「中間まとめ」を修正することとし、最終的なとりまとめについては、座長に一任することを確認し、散会。


照会先
社会・援護局施設人材課
樫岡宗吉(内2862,直3595-2616)


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